ビジネス活用2026年10月更新

運送会社の配車・運行管理システムを作るには|配車ソフトで足りない部分・労働時間と点呼の記録・費用【2026年10月】

公開日: 2026/10/18
運送会社の配車・運行管理システムを作るには|配車ソフトで足りない部分・労働時間と点呼の記録・費用【2026年10月】

この記事のポイント

運送会社の配車システムは、まず既製の運送業向けクラウドで足りるかを確かめ、荷主ごとの運賃計算や配車時点の労働時間の確認、デジタコ・点呼記録との連携が残るときだけ開発を考えます。判断表と架空の判定例、費用の比べ方を解説します。

この記事は、配車をホワイトボードとExcelで組んでいて、ドライバーの労働時間・点呼・運賃請求の記録が別々になっている中小の運送会社の経営者・配車担当に向けて書いています。配車表・請求書・乗務記録をひとつにまとめたいだけなら、まず既製の運送業向けクラウドで足りるかを確かめてください。月額1万円台からの公開価格を出している製品もあります。

開発や連携を考えるのは、①荷主ごとの運賃や待機料の計算が製品の設定で表せない、②配車を組む時点で休息9時間・月284時間などの上限を確かめたい、③デジタコ・点呼機器・勤怠・会計の間で転記が残る、のどれかが既製サービスのデモで解決しなかったときです。費用は、既製サービスに連携や改修を足すなら100万円〜、新しい仕組みを実データの写しで試すPoCなら300万円〜が当社の公開価格です(いずれも税別。クラウド・外部サービスの利用料などの実費は別)。

この記事はシステム開発を請け負うAI革命株式会社(当社)が書いています。当社には、公開できる運送・物流業の開発実績はありません。この記事の表や構成例は、公式の法令・公開資料と、説明用に作った架空のデータで組み立てています。

この記事の方法が合う場合・合わない場合

今の状況

合う方法

先にやること

配車表・請求書・日報をExcelで別々に作っていて、荷主の運賃は距離制・時間制など一般的な形

既製の運送業向けクラウド

2〜3製品のデモで、自社の荷主3社分の運賃が設定できるか試す

ルート配送が中心で、毎日の配送先の順番を組む時間が長い

自動配車・ルート最適化の製品

配送先の件数と時間指定を用意して、製品の試用で組ませてみる

既製の配車ソフトを使っているが、デジタコや勤怠・会計への転記が残っている

既製サービスを残したまま連携・改修

各製品がCSVやAPIで何を出し入れできるかを提供元に確認する

荷主ごとに運賃表・付帯料金・請求書の様式が違い、製品の設定で表せない

請求計算の部分を作る、または既製サービスに足す

荷主別の運賃表と請求書の見本を揃える

配車を組む時点で、休息・拘束時間の上限に触れないかを確かめたい

確認の仕組みを足す(既製の機能で足りるかを先に確認)

後述の確認表で、どの判定が必要かを選ぶ

車両の位置を見たいだけ

動態管理・通信型デジタコのサービス

配車システムとは別に検討する

配車システムは、配車表から請求までを扱う「配車管理型」、配送ルートを組む「自動配車・ルート最適化型」、GPSやデジタコで車両を見る「動態管理型」の3つに分けて考えると整理しやすくなります。貸切・チャーターで荷主ごとに運賃が違う運送会社に関係が深いのは、主に配車管理型です。

配車・労働時間・点呼・請求の記録が別々だと何が困るか

トラック運転者の拘束時間・労働時間・休憩時間・休息期間の関係を示した厚生労働省の図

出典: 厚生労働省 自動車運転者の労働時間等の改善のためのポータルサイト

配車は「誰を、どの車で、何時から何時まで走らせるか」を決める作業です。その決定が、法令で残す記録と請求の元データの両方につながっています。

貨物自動車運送事業輸送安全規則(2026年4月1日施行の現行版)は、次のことを運送事業者に求めています。

条文

求めていること

配車データとの関係

第3条第4項

国土交通大臣の告示(改善基準告示)の基準に従って、運転者の勤務時間・乗務時間を定め、守らせる

配車(乗務割)を組む時点で基準に合っている必要がある

第7条

業務の前後の点呼(対面または国が定める方法)。点呼の記録を1年間保存

点呼の時刻・方法が、配車の始業・終業と合っているか

第8条

運転者ごとの業務の記録(開始・終了の地点と日時、休憩、荷主都合の待機、荷役作業など)を1年間保存

予定(配車)と実績(日報・デジタコ)の差を記録する

第9条

車両総重量7t以上または最大積載量4t以上の車両などは、運行記録計(デジタコ等)で記録し1年間保存

実際の運転時間・距離の元データ

出典: e-Gov法令検索 貨物自動車運送事業輸送安全規則(2026-10-19 確認)

国土交通省が2026年7月10日に公表した調査では、トラックの1運行あたりの平均拘束時間は10時間13分、そのうち荷待ち・荷役等が2時間2分でした(2025年4〜8月の代表的な1日が対象。国土交通省 報道発表、2026-10-19 確認)。荷待ちは配車の予定を崩す原因になるうえ、第8条で記録が必要な項目でもあります。

記録が別々だと、次のような作業が残ります。

  • 配車表を見ながら、日報・点呼簿・勤怠表に同じ運転者名と時刻を書き写す
  • 月末に、デジタコの実績と配車表を突き合わせて待機料や残業を拾い直す
  • 荷主ごとの運賃表を見ながら、配車1件ずつ請求金額を計算する
  • 休息や月の拘束時間が上限に近いかを、配車担当が頭の中や別のExcelで覚えておく

最後の項目は、配車担当が休むと誰も確かめられなくなる点が問題です。

既製の配車ソフトで足りる範囲と、作り込みが要る範囲

ノートパソコンで表計算ソフトの一覧表を入力している様子

運送業向けクラウドの公式ページを見ると、受注入力から配車表、請求書・支払明細、乗務記録までを一続きで扱う製品があります。まず次の表で、自社の困りごとがどちらの列に入るかを確かめてください。右の列に入るものも、製品によっては設定で対応できることがあります。「作り込みが要る」と決めつけず、デモで確かめる項目として使ってください。

確かめること

既製で足りやすい

作り込み・連携が要りやすい

運賃の計算

距離制・時間制・車建てなど、製品の運賃表(タリフ)の設定で表せる

荷主ごとに地区別・個建て・最低保証などが混ざる。待機料・積込料・取卸料・高速代・燃料サーチャージの付け方が荷主ごとに違う

請求書

製品の様式で荷主が受け取ってくれる

荷主指定の様式・締め日・明細の並びがある。荷主の受注データ(ファイル・EDI)と突き合わせる必要がある

配車のルール

車格・運転者を画面で選んで割り当てる

特定の運転者しか入れない荷主、免許・資格・車格の組み合わせ、帰り荷の組み方などを条件として確かめたい

労働時間

乗務記録・日報を後から集計できれば足りる

配車を組む時点で、休息・1日・1か月の上限に触れないかを警告したい

デジタコ・点呼

製品が対応する機種・形式でデータを取り込める

使っているデジタコや点呼機器のデータを、製品が受け取れない

勤怠・給与・会計

製品の会計ソフト向けの書き出しで足りる

勤怠・給与の計算に、配車と実績の両方を使っている

傭車(協力会社)

傭車先と支払額を記録できれば足りる

依頼・回答のやり取りや、実運送体制管理簿の作成まで同じデータで行いたい

拠点

1営業所

複数営業所・グループ会社で集計や車両の融通をする

改正貨物自動車運送事業法により、2025年4月1日から運送契約を結ぶときの書面の交付と、傭車を使う元請の会社による実運送体制管理簿の作成・保存が義務になり、2026年4月1日からは貨物利用運送事業者にも広がりました(国土交通省 改正貨物自動車運送事業法、2026-10-19 確認。対象になる運送の条件は同ページの資料で確認してください)。配車データには、誰が実際に運んだかの記録という役割も加わっています。

公開価格を出している製品の例

次の表は、公式ページに価格や機能の記載がある運送業向け製品を、提供会社の五十音順に並べたものです。おすすめの順番ではありません。

製品(提供会社)

公式ページで確認できた内容

公開価格

Comtruck System(アイソル)

配車表、請求書・支払明細、運行管理・乗務記録(乗務日報・点呼表などの管理)、会計ソフト向けの書き出し。プランによって登録件数や配送指示の機能が違う

月額11,000円・33,000円・52,800円の3プラン(税込)、初期費用0円。配車表取込オプション 50,000円〜(初回のみ、税区分の記載なし)

車楽クラウド(オーユーエス)

配車登録、運転日報、実運送管理、デジタコ連携(動態管理)。配車データからの請求・支払の管理や運賃計算の自動化は導入事例の記載

公式ページに記載なし

一番星 クラウド配車(システムギア)

乗務員基準・運行基準の配車画面、点呼・休憩の実施状況の表示。請求・給与などは同社の運送業システムと連携

月額12,000円から(税区分・初期費用は公式ページに記載なし)

配車管理システム(ロジスティードソリューションズ)

地図・チャートでの配車、配車結果を運賃計算システムに渡して請求・支払を計算

公式ページに記載なし

各社の情報は確認日(2026-10-19)時点の公式サイトの記載です。最新は各社にご確認ください。出典: アイソル/オーユーエス/システムギア/ロジスティードソリューションズ

デモでは、自社の荷主のうち運賃の計算がいちばん複雑な3社分を持ち込み、「この配車を入れたら請求額がいくらになるか」を画面で出してもらうと、足りるかどうかが早く分かります。

配車の時点で労働時間の上限を確かめる仕組み

改善基準告示の見直し前後の比較表。1年の拘束時間3,300時間、1か月284時間、休息期間は継続11時間を基本に9時間が下限

出典: 厚生労働省 自動車運転者の労働時間等の改善のためのポータルサイト

トラック運転者の労働時間の上限は、2024年4月1日から適用されている改善基準告示で決まっています。配車画面で確かめるなら、次のように置き換えられます。

基準(厚生労働省)

配車画面で出したい確認

必要なデータ

休息期間は継続11時間以上を基本とし、9時間を下回らない

前日の終業から、この配車の始業まで9時間あるか。11時間未満なら注意

前日の終業時刻(予定と実績)

1日の拘束は13時間以内が基本、延長しても15時間まで。14時間超は週2回までが目安

この配車の始業〜終業が15時間を超えないか。14時間超が今週何回目か

始業・終業の予定、今週の実績

1日は始業時刻から24時間で数える

翌日の始業が前日より早いと、重なった時間が前日の拘束に加わる

前日と当日の始業時刻

1か月の拘束は284時間以内(労使協定で年6か月まで310時間)

月末までの予定を足して、284時間・310時間をいつ超えそうか

当月の拘束の実績と、月末までの配車予定

連続運転は4時間以内。1回おおむね10分以上、合計30分以上の中断が必要

運転区間が4時間を超える前に、休憩の予定が入っているか

運行の区間ごとの予定時間、休憩地点

運転時間は2日平均で1日9時間、2週平均で1週44時間以内

前日・翌日と合わせた運転時間の見込み

運転時間の予定と実績

出典: 厚生労働省 トラック運転者の改善基準告示(2026-10-19 確認)。宿泊を伴う長距離運送、分割休息、2人乗務、フェリーなどの特例はここでは省いています。

架空の配車表で判定してみる(説明用・架空データ)

ある月の26日の配車を組んでいる場面を想定した、説明用の架空データです。実在の会社・運転者のものではありません。

運転者

前日の終業

この配車の予定

判定

理由

A

21:30

5:00〜16:00

不可

休息が7時間30分で、9時間を下回る

B

18:00

7:00〜20:00(13時間)

注意

25日までの拘束が268時間。この配車で281時間、月末2日を各11時間で入れると303時間になり284時間を超える。労使協定で310時間まで延ばしているか、年6か月・連続3か月の条件に収まるかを確認

C

17:00

6:00〜21:00(15時間)

注意

上限の15時間ちょうど。14時間超は今週3回目になり、週2回の目安を超える

D

19:00

8:00〜18:00、高速区間の運転が4時間40分続く予定

要修正

4時間を超える前に、合計30分以上の休憩地点を予定に入れる

E

18:00

7:00〜17:00

問題なし

休息13時間、拘束10時間

この判定に必要なのは、前日の終業の実績(デジタコや日報)、当月の拘束の累計、運行区間ごとの予定時間の3つです。ホワイトボードの配車ではこの3つが手元に揃わないので、判定は配車担当の記憶に頼ることになります。

ただし、システムが警告を出しても、基準を守る責任は事業者にあります(輸送安全規則 第3条第4項)。事故・災害などの「予期し得ない事象」の扱いや分割休息を使えるかといった解釈は、社会保険労務士・労働基準監督署・運輸支局に確認してください。当社が作る場合も、警告の条件は御社が確認した解釈に合わせて設定するもので、法令に合っていることを当社が保証するものではありません。

デジタコ・点呼記録・請求とのデータの受け渡し

営業所の構内に並んで停まっているトラック

連携や開発で最初に決めるのは、「それぞれのデータの原本をどこに置くか」と「どうつなぐか」です。つなぎ方は主に3つあります。

  • CSVなどのファイル: 製品から書き出したファイルを、別の製品に読み込ませる。書き出し・取り込みの機能がある製品同士なら使えるが、取り込みの手間や件数の上限が残ることがある
  • API: 製品同士がプログラムでデータをやり取りする。手作業は減るが、製品の組み合わせによって使えるかが決まる
  • 画面からの入力: 人が入力する。件数が少なく、例外の多いデータに向く

データ

今ありがちな場所(例)

原本にする候補

つなぐときに確かめること

受注

荷主からのFAX・メール・電話のメモ

配車システム

荷主からファイルで受け取れるか、項目は揃っているか

配車(予定)

ホワイトボード・Excel

配車システム

当日の差し替えを誰が、どこに入れるか

点呼

紙の点呼簿、IT点呼・自動点呼の機器のクラウド

点呼の機器、または点呼簿

機器から点呼記録を書き出せるか、項目(点呼者・方法・確認内容)が揃うか

運行の実績

デジタコの解析ソフト

デジタコ側

機種ごとに取り出せる項目と形式、取り出しの頻度

業務の記録(荷待ち・荷役)

運転日報

日報の仕組み、またはデジタコの記録

荷主の確認の有無まで残せるか

勤怠・給与

勤怠ソフト・Excel

勤怠ソフト

拘束時間・休息を配車画面に戻せるか

請求・支払(傭車)

販売管理・Excel

配車システム、または販売管理

荷主別の運賃表、付帯料金、締め日

会計

会計ソフト

会計ソフト

仕訳の形で書き出せるか

デジタコのデータは機種によって取り出せる項目と形式が違うため、最初に「自社のデジタコの機種名」と「解析ソフトから何を書き出せるか」を確かめます。業務前・業務後の自動点呼は、対面と同等の効果があるとして国が定めた方法で行うもので、国土交通省は自動点呼の機器を認定し、一覧を公開しています(国土交通省 運行管理高度化の取組、2026-10-19 確認)。点呼記録を配車と並べたいときは、使っている機器から記録を書き出せるかを提供元に聞いてください。

検収と例外の運用で決めておくこと

  • 予定と実績のどちらを基準にするか: 配車は予定、デジタコと日報は実績です。請求は実績で計算するのか、配車の予定で計算するのかを荷主ごとに決めます
  • 当日の差し替え: 運転者や車両を朝に入れ替えたとき、点呼・日報・請求の運転者名がどこで直るか
  • 長い荷待ち: 待機料を請求する荷主では、荷待ちの記録が請求の根拠になります。記録が抜けたときに、誰がどう補うか
  • 個人情報の見え方: 位置情報、アルコール検知の結果、体調の申告は、配車担当・運行管理者・経営者・傭車先で見える範囲を分けます
  • 検収の確かめ方: 過去1か月分の配車・実績の写し(個人名を伏せたもの)で、請求額と拘束時間の集計が今の手作業の結果と一致するかを比べます

説明用の構成例:既製の配車ソフトを残して、足りない部分だけ足す

判断のために作った説明用の構成例です。当社の運送・物流業の実績ではありません。

項目

内容(説明用)

想定する会社

車両20台、営業所1か所、荷主12社、傭車あり。配車はExcel、デジタコは1機種

残すもの

既製の配車ソフト(配車表・請求書・乗務記録)、デジタコの解析ソフト、会計ソフト

足すもの

①デジタコの実績を毎日取り込み、拘束・休息を運転者ごとに集計する ②配車ソフトの予定と①の実績から、翌日の配車に前述の警告を出す画面 ③荷主4社だけ、製品で表せない付帯料金を計算して請求に戻す

つなぎ方

配車ソフトとデジタコはファイルの書き出し・取り込み(APIがあればAPI)

会社側の担当

警告の条件(労使協定の有無・特例の扱い)を決める、荷主別の運賃表を渡す、検収で過去1か月分を突き合わせる

開発側の担当

データの受け渡し、集計と警告の画面、付帯料金の計算、テスト、使い方の説明

当社の価格表のどこに当たるか

既存システムの改修(100万円〜・税別・実費別)の範囲から検討。範囲が広がれば個別見積

この形なら、配車表・請求書を一から作り直す必要はありません。反対に、荷主の大半の運賃が製品で表せず、配車のルールも製品の画面と合わない場合は、配車の部分から作ることを考えます。

費用の目安

進め方

費用の目安

含むもの

含まないもの・別にかかるもの

既製の運送業向けクラウドだけ

例: 月額11,000〜52,800円(税込、Comtruck Systemの公開価格。プランで登録件数・機能が違う)。年額にすると132,000〜633,600円

製品の機能と提供元のサポート

製品にない計算・連携。製品によっては初期設定やデータ取込が別料金

既製サービスを残して連携・改修を足す

100万円〜(税別、当社の既存システムの改修の価格)

決めた範囲の連携・画面・計算の開発とテスト

既製サービスの月額、クラウドの利用料、デジタコ・点呼機器の費用

新しい仕組みを試すPoC

300万円〜(税別)

配車時点の警告や請求計算などを、データの写しで試して効果と課題を確かめる

本番で使うための仕上げ・データ移行・運用。PoCは本番システムの完成ではない

配車から請求まで新しく作る本開発

個別見積

要件の整理、設計、開発、テスト、データ移行

クラウド・外部サービスの利用料、ライセンスなどの実費

当社の価格はすべて税別で、クラウド・外部API・ライセンスなどの実費は別にかかります。既製サービスは毎月払い続ける費用、開発は最初にまとまってかかる費用で、性質が違います。開発の場合は、公開後の修正や機能追加を誰がどう引き受けるかも見積の段階で決めておきます。価格の前提と依頼の流れは、既存システムの改修・PoCの価格と進め方で確認できます。

転記の時間から考える試算(仮定に基づく試算)

次は仮定の数字による試算です。配車担当が月末の請求前に配車表と日報を突き合わせる作業に月12時間、日報から勤怠表への転記に月8時間、合わせて月20時間かけているとします。時給換算3,000円なら月6万円、年72万円です。

連携でこのうち15時間が減ると、年54万円分の時間になります。100万円の改修なら、時間の削減だけで元を取るのに約2年かかり、既製サービスの月額も別にかかります。時間だけで見ると、すぐに割に合う金額ではありません。

そのため、開発を決める理由を時間の削減だけにしないほうが、判断しやすくなります。「休息不足の配車を出さない」「待機料の請求漏れをなくす」「配車担当が休んでも回る」といった理由があるかどうかも合わせて考えてください。こうした理由が無く、転記だけが課題なら、既製サービスの書き出し機能やExcelの集計の自動化で足りることもあります(Excel集計の自動化で毎月の手作業をなくす方法)。

今の配車の流れと使っているツールを共有して、作る範囲を相談する

相談の前に揃えておくと早いもの

  • 今の配車表(Excelのファイル、またはホワイトボードの写真。運転者名・荷主名は伏せたもの)
  • 荷主別の運賃表と、付帯料金(待機料・積込料・取卸料・高速代・燃料サーチャージ)の付け方
  • 請求書の見本(荷主指定の様式があればその様式)
  • デジタコの機種名と解析ソフトの名前、点呼の方式(対面・IT点呼・自動点呼)と機器の名前
  • 使っている配車ソフト・販売管理・勤怠・給与・会計のソフト名
  • 労使協定で1か月の拘束を延ばしているかどうか
  • 傭車の割合と、傭車先とのやり取りの方法

実データ・個人情報・本番のログイン情報は送らないでください。ファイルの形や項目名が分かれば、相談には十分です。

当社は、Web・業務システムの新規開発や既存システムの改修、CSV・APIでの製品同士の連携、他社が作ったシステムの調査・引継ぎ、Excelからのデータ移行に対応できます。使っている製品の種類を理由にお断りすることはなく、ファイル・API・画面入力のどれでつなぐかを一緒に決めます。御社がAIを使って自社で進める部分と、当社に任せる部分の切り分けも相談の中で行います。

関連する記事として、Excelで回している業務をどこまでシステムにするかはExcel業務のシステム化の判断基準、製品同士をつなぐ依頼の決め方はAPI連携を外注する前に決めること、請求・売上の管理を作るか買うかは販売管理システムを作るか買うかで詳しく扱っています。物流全体でのAIの使われ方は運輸・物流のAI活用事例にまとめています。

よくある質問

Q. 配車をAIに自動で組ませることはできますか?

自動配車・ルート最適化の製品はすでにあり、配送先や時間指定の条件から配車案を作れます。うまく使えるかどうかは、自社の配車ルール(この荷主にはこの運転者、この車格など)を条件として書き出せるかで決まります。まずは配車担当の頭の中にあるルールを書き出し、製品の試用で配車案を作らせてみてください。作られた案は、最初のうちは配車担当が確かめてから確定させる運用が現実的です。

Q. 車両10台ほどの会社でも、開発する意味はありますか?

台数が少ないと、転記の時間だけで開発費を回収するのは難しくなります。10台規模なら、まず既製の運送業向けクラウドを試し、それでも残る問題(荷主1社の特殊な請求など)だけを見てください。開発を考えるのは、その残った問題で請求漏れや休息不足の配車が実際に起きているときです。

Q. 既製の配車ソフトを入れた後から、連携だけを頼めますか?

頼めます。製品にファイルの書き出し・取り込みやAPIがあれば、それを使って勤怠・会計・デジタコの解析ソフトとつなぎます。どちらも無い製品の場合は、画面の操作を自動にする方法を含めて検討します。契約前なら、デモの段階で「どのデータを、どの形式で出し入れできるか」を提供元に聞いておくと、後の連携が楽になります。

Q. 傭車先にも配車の画面を見てもらいたいのですが、できますか?

できます。その場合、傭車先には自社に依頼された運行だけが見え、他の傭車先や自社の運転者の情報は見えないように権限を分けます。この権限の設計と、実際に他社のデータが見えないことの試験は、開発の範囲に含めて考えます。

Q. 紙の点呼簿や日報の過去の記録も、システムに移す必要がありますか?

点呼記録・業務記録は1年間の保存が必要ですが、過去分を新しい仕組みに移すかどうかは、それとは別に決められます。移行の手間を考えると、紙の過去分は保存期間のあいだそのまま保管し、切り替え日から新しい仕組みで記録する方法もあります。監査や荷主への説明で過去分を検索する必要がある場合だけ、移す範囲を決めてください。

Q. 法改正で基準が変わったら、システムはどうなりますか?

既製サービスなら提供元が対応するかどうか、対応時期を確認します。自社向けに作った部分は、休息時間や月の上限などの数値を設定として変えられる作りにしておけば、改修の範囲が小さく済みます。開発を頼むときは、どの数値を設定で変えられるようにするかを要件に入れておいてください。

今の配車の流れと使っているツールから、作る範囲を決める

配車システムは、既製サービスで足りる部分を先に決めると、作る範囲が小さくなります。初回相談は無料・30分(オンライン)で、要件が決まっていなくても大丈夫です。今の配車の流れ、使っているソフト、困っている作業を伺い、既製サービスで足りる部分と、連携・開発が要る部分を一緒に切り分けます。相談後に、業務の棚卸し表・効果の見立て・簡易モックと、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモを無料でお送りします(簡易モックは画面のイメージで、動くシステムではありません)。

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