AIツール2026年10月更新

Claude Cyber Verification Program(CVP)とは|Opus 4.7セーフガード解除の申請ガイド

公開日: 2026/04/24
更新日: 2026/10/10
Claude Cyber Verification Program(CVP)とは|Opus 4.7セーフガード解除の申請ガイド

この記事のポイント

Claude Cyber Verification Program(CVP)は、Claudeのサイバーセーフガードによる誤ブロックを、審査を通ったセキュリティ専門家向けに減らすAnthropicの申請制プログラムです。2026年10月の3段階ティア化を反映し、対象モデル、Verification Portalでの申請手順、セキュリティ要件、対応プラットフォームを整理しました。

Cyber Verification Program(CVP)は、Claudeのリアルタイム・サイバーセーフガードが正当な防御業務まで止めてしまう問題に対し、審査を通ったセキュリティ専門家へブロックの少ない分類器を提供するAnthropicの申請制プログラムです。 2026年4月にClaude Opus 4.7と同時に始まり、2026年10月6日に「Defense/Red Team/Specialized」の3段階へ拡大しました。現在の対象モデルはClaude Opus 5.5・Sonnet 5.5・Mythos 5.1で、申請は旧フォームではなくVerification Portalで組織の管理者が行います。

この記事では次のことがわかります。

  • CVPの仕組みと、2026年4月の開始時から何が変わったか
  • 3つのアクセスティアの違いと、自社が当てはまるティアの目安
  • Verification Portalでの申請手順、本人確認、審査期間
  • Claude.ai・API・AWS・Google Cloud・Microsoft Foundry・Bedrockでの対応状況
  • 申請時に誓約するセキュリティ要件(2026年12月15日が期限の項目を含む)
  • 承認後もブロックされる典型的な原因と、CVPの申請をおすすめしない組織

対象読者は、セキュリティ研究者、ペネトレーションテスター、レッドチーム担当者、SOC・CSIRT担当者、情報システム部門の管理者です。業務でClaudeを使っていて、サイバー関連の作業がブロックされて困っている方を想定しています。

Claudeのサイバーセーフガードと検証プログラムを表すセキュリティコードの画面

Cyber Verification Program(CVP)の要点

現時点のCVPは「1組織が1回申請し、提出内容に応じて対応できる最上位のティアに振り分けられる」仕組みです。旧来の「フォームで約3分・2営業日で結果」という説明は、2026年10月6日の拡大で当てはまらなくなりました。

項目

内容(2026年10月時点)

提供元

Anthropic

目的

正当なデュアルユースの防御業務が、サイバーセーフガードの既定の状態でブロックされる問題への公式ルート

構造

Defense Access/Red Team Access/Specialized Access の3ティア

対象モデル

Claude Opus 5.5、Claude Sonnet 5.5、Claude Mythos 5.1、今後のモデル

申請先

Verification Portal(Anthropicアカウントでサインイン。権限のある管理者のみ申請画面が表示される)

必要なもの

組織・申請者の情報、セキュリティ業務の説明、希望ティアのセキュリティ管理策への誓約、本人確認

審査期間

公式ヘルプでは7営業日以内に結果か追加情報の依頼。公式発表ではDefenseは数日、Red Teamは数週間

個人の申請

Defense Accessのみ(有料プランの加入が条件)

料金

現行の公式ページに料金の記載なし(開始当初のヘルプでは無料と明記)。モデル利用料は通常どおり

データ保持

悪用監視のため原則必須。一部のZDR承認組織は例外あり

出典: Anthropic「Expanding the Cyber Verification Program」、Claudeヘルプ「サイバー検証プログラム」

2026年4月の開始時と現在の違い

「Opus 4.7 CVP」で検索して古い手順を見た方は、まず次の違いを確認してください。

項目

2026年4月〜9月(開始時)

2026年10月6日以降(現在)

構造

単一レベル

3ティア(Project Glasswingを統合)

対象モデル

Opus 4.7(とSonnet)

Opus 5.5/Sonnet 5.5/Mythos 5.1/今後のモデル

申請方法

Webフォーム(約3分)

Verification Portalで管理者が申請

必要情報

組織ID・業務内容・連絡先

組織・申請者・業務の情報、セキュリティ管理策の誓約、本人確認

審査期間

2営業日以内

7営業日以内が目安(Red Teamは数週間)

Bedrock/Vertex AI

対象外

Google Cloudは対応、BedrockはEFS対象顧客のみ

ZDR組織

対象外(営業に相談)

Fable 5.1/Mythos 5.1のZDR承認組織はZDRのまま利用可

個人

扱いが不明確

Defense Accessのみ申請可

以前の申請フォームは、現行の公式ヘルプと公式発表では案内されていません。新しく申請するならVerification Portalを使います。開始時の対象だったOpus 4.7は、APIでは現在も提供中(退役は2027年4月16日以降の予定)ですが、新しいCVPの対象モデル一覧には載っていません。新規申請でOpus 4.7にも緩和が及ぶかは、公式の記載からは確認できませんでした。

なぜCVPが必要になったのか|リアルタイム・サイバーセーフガード

Anthropic公式のCyber Verification Program発表ページのイメージ(鍵穴と手のイラスト)

出典: Anthropic 公式

ClaudeはOpus 4.7以降、リクエストをリアルタイムで分類し、サイバー攻撃につながるおそれのあるものを自動でブロックする仕組みを持っています。悪用を止めるための仕組みですが、マルウェア解析や脆弱性の検証のような防御業務も攻撃と見分けにくく、既定の状態では止まることがあります。

公式発表によると、一般提供モデル(Opus 5.5/Fable 5.1/Sonnet 5.5)は、CVPがなければ保守的なセーフガードでサイバー業務の大半をブロックします。ただし、次の作業はCVPなしでも使えます。

  • コードレビュー
  • 既知の問題に対するパッチ作成
  • 自社ソースコードの脆弱性発見
  • セキュリティアラートのトリアージ
  • 脅威モデリング

自社コードの点検やアラートの一次対応が目的なら、申請しなくても足りる場合があります。CVPが必要になるのは、インシデント調査、マルウェアのリバースエンジニアリング、脆弱性の再現・検証(exploit validation)、ペネトレーションテストのように、攻撃側の技術まで扱う業務です。Claudeの脆弱性スキャン機能だけを使いたい場合は、Claude Securityとはも参考になります。

Anthropicがサイバー能力の扱いに慎重な背景は、Anthropicサイバー評価事故の全容で整理しています。

Project GlasswingはCVPに統合された

2026年4月から、より強力なMythos系モデルを重要ソフトウェアの防御を担う組織に限って提供する「Project Glasswing」がCVPと並行して運用されていました。10月6日の拡大でGlasswingはCVPに統合され、参加組織は現行モデルについて再承認なしでSpecialized Accessへ移行しました。

Anthropicの発表では、Glasswingのパートナーは2026年4〜7月に検証済みの脆弱性を12万9,000件以上見つけています。ただしこれはAnthropic自身の発表で、第三者が検証した数字ではありません。Glasswingの経緯はAnthropic Project Glasswingとは、Mythosの性能や提供範囲はClaude Mythosの使い方・申請方法で解説しています。

Anthropic Cyber Missionとの関係

2026年10月8日、Anthropicは防御側を支援する取り組みとして「Anthropic Cyber Mission」を発表しました。重要インフラ防御プログラム(CIDP)やOSS Scannerと並び、CVPは「規模を問わずセキュリティチームが申請でき、重要インフラ事業者やOSSメンテナーも対象」と改めて案内されています。OSSメンテナーは、Claude for Open Sourceで無料のMaxプランも申請できます。全体像はAnthropic Cyber Missionの解説にまとめています。

CVPの3つのアクセスティアの違い

CVPのティアを解説するClaude公式ウェビナーページのClaudeロゴ

出典: Claude 公式

3つのティアの違いは、解除される業務の範囲と、申請できる主体です。個人はDefense Accessだけ、ペネトレーションテストにはRed Team Access以上、電力網や銀行間送金のような安全上重要なシステムのテストにはSpecialized Accessが必要です。

ティア

解除される主な業務

申請できる主体

審査の目安

Defense Access

SOC運用、インシデント対応、マルウェアのリバースエンジニアリング、脆弱性の分析・検証(自組織が所有・保守するシステムが前提)

企業・NPO・大学・政府機関のセキュリティチーム、規模を問わない重要インフラ事業者(地方病院、自治体の水道など)、小規模セキュリティ企業、OSSメンテナー、脆弱性の報告実績がある個人研究者

数日

Red Team Access

Defenseの範囲に加えて、認可済みのペネトレーションテストやレッドチーム演習(テスト権限のあるシステムのみ)

社内レッドチーム、政府のレッドチーム、セキュリティ企業・ペンテスト企業。個人は対象外

数週間(審査中はDefense Accessが先に付与される)

Specialized Access

ブロックが最も少ない。航空機の運航システム、電力網、通信網、銀行間送金基盤、政府の行政ネットワークなど安全上重要なシステムのテスト

認可を受けた限られた組織のみ。米国政府と協力して個別に詳しく審査

公表なし

自分でティアを選んで複数回申請する形ではありません。1組織1回の申請で、提出した情報をもとに対応できる最上位のティアに振り分けられます。

公式評価で見るティアごとの差

Anthropicは独自の評価「CyScenarioBench」で、Opus 5.5のブロック状況をティア別に公表しています(条件ごとに10課題を5回ずつ、計50試行)。

条件

結果

CVPなし

50試行すべてが最初のプロンプトでブロック

Defense Access

46試行が途中でブロック、成功は4件

Red Team Access

ブロックなし。50試行中34件を完了(セーフガードなしの場合と同等の成功率)

Defense Accessでは攻撃シナリオを最後まで通すことはほぼできず、攻撃演習まで行うならRed Team Accessが必要だと読み取れます。なお、IDCのアナリストはCSO Onlineの取材に対し、この評価はベンダー自身による試験で独立した検証ではないと指摘しています(CSO Online)。

自社が当てはまるティアの目安

申請者の立場

目安となるティア

注意点

個人のセキュリティ研究者・バグバウンティハンター

Defense Access

有料プラン必須、脆弱性報告の実績が求められる。本人以外は使えない

OSSメンテナー

Defense Access

Claude for Open Sourceの無料Maxも検討できる

事業会社のSOC・CSIRT

Defense Access

自組織のシステムが対象

病院・自治体・電力などの重要インフラ事業者

Defense Access(内容によってはSpecialized)

規模は問われない

社内レッドチームを持つ企業

Red Team Access

ユーザー数の上限、管理端末限定などの要件が増える

ペンテスト・脆弱性診断の専門企業

Red Team Access

顧客向けサービスに使うには別途「製品化」の申請が必要

顧客のシステムを監視するMSSP

現時点では確認が必要

製品化の申請はポータルで受付予定で、開始時期は未公表

医療機関の申請は、Healthcare IT Newsでも取り上げられています。

CVPで解除される機能と、引き続き禁止される用途

CVPに承認されても、すべての制限が外れるわけではありません。Anthropicの利用ポリシー(Usage Policy)は全ティアで適用され、防御上の価値がほとんどない用途はどの組織でも解除されません。

ノートパソコンと南京錠で表したセキュリティ制御のイメージ

承認後に使えるようになる業務

  • インシデント調査、SOC運用、検知ルールの作成
  • マルウェア検体の解析とリバースエンジニアリング
  • 脆弱性の分析と、再現・検証(exploit validation)
  • 認可されたペネトレーションテスト、レッドチーム演習(Red Team Access以上)
  • 安全上重要なシステムのテスト(Specialized Accessのみ)

承認後もブロックされる用途

  • ランサムウェアの開発や展開
  • 大規模なデータ流出
  • 物理的な被害や大規模な混乱につながる行為(物理システムの破壊、高リスクの安全システムへのペンテストなど)。Red Team Accessでもリアルタイムでブロックされる
  • 認可のない第三者システムへの攻撃
  • その他、Usage Policyで禁止されている用途

Specialized Accessも公式の表現は「ブロックが最も少ない」で、ゼロになるとは書かれていません。承認を受けたあとも、Anthropicは付与内容を見直したり、縮小・取り消ししたりできます。

CVPの申請方法・フロー

CVPの申請手順を案内するClaudeサポートセンターのロゴ

出典: Claude Support 公式

現在の申請はVerification Portalで、組織の管理者が行います。社員がそれぞれ申請する必要はなく、承認後に管理者が利用者やワークスペースに割り当てます。

申請手順

  1. Verification Portalにサインインする

    AnthropicアカウントでVerification Portalにサインインします。

  2. 申請画面を開く

    Programsから「Cyber Verification Program」を選び、「Apply」を押します。このボタンは申請権限のある管理者にだけ表示されます。

  3. 情報を入力する

    組織と申請者の詳細、Claudeで行うセキュリティ業務の説明を入力し、希望するティアのセキュリティ管理策に従うことを誓約します。

  4. 本人確認を受ける

    Anthropicは本人確認にPersonaを使っています。原本の政府発行の写真付き身分証が必要で、コピー、スクリーンショット、モバイルID、学生証は使えません(本人確認のヘルプ)。

  5. 審査結果を待つ

    7営業日以内に、結果か追加情報の依頼がメールで届きます。

  6. 承認後にアクセスを割り当てる

    管理者がOrganization、Consoleのワークスペース、Enterpriseのカスタムロールの設定で利用範囲を割り当てます(ワークスペースへの割り当て手順)。

個人の研究者、OSSメンテナー、バグバウンティハンターは個人として申請し、対象はDefense Accessのみです。

審査で見られるポイント

公式ヘルプは、審査の要素として法的・規制上の環境、技術が他の目的に転用されるリスク、第三者から強制的にアクセスされるリスクなどを挙げています。軍・情報機関・法執行機関を主な顧客とする組織は、より慎重に審査されます。

業務の説明は「何のシステムを、どんな権限で、どの目的で調べるのか」を具体的に書くと、審査側が判断しやすくなります。たとえば「自社が運用するWebサービスのインシデント対応と、検体のリバースエンジニアリング」のように、対象と目的をはっきりさせます。

審査期間の目安

公式ヘルプ(英語版・日本語版とも)の目安は7営業日以内です。公式発表ではDefense Accessは数日、Red Team Accessは数週間とされ、Red Teamの審査中は先にDefense Accessが付与されます。開始時に案内されていた「2営業日以内」は、現行の手順には当てはまりません。

既存のCVP会員とGlasswing参加組織

再申請は不要です。旧CVPの会員は、これまでのモデルの設定を保ったまま、Opus 5.5/Sonnet 5.5/Mythos 5.1について自動で審査されます。Glasswingの参加組織はSpecialized Accessへ移りました。どちらの場合も、管理者が新しいアクセスを特定のワークスペースへ割り当てる作業は必要です。

ティアの違いや移行については、Anthropicが2026年10月14日(米国太平洋時間9時)に公式ウェビナー「Inside the Cyber Verification Program」を予定しています。

対応プラットフォームと非対応プラットフォーム

10月の拡大で、Google Cloudでも使えるようになりました。Amazon Bedrockは、Enterprise Frontier Safeguards(EFS)の対象顧客に限られます。

経路

CVP

手順・条件

Anthropic直接(Claude.ai/Claude Code/Claude API)

対応

ポータルで申請し、Organization・ワークスペース・カスタムロールで割り当て

Claude Platform on AWS

対応

ポータルでAWSアカウントIDを紐付けて申請。承認は全ワークスペースに適用

Claude Platform on Google Cloud

対応

Google Cloudプロジェクトを紐付けて割り当て

Google Cloud Agent Platform(旧Vertex AI)

対応

プロジェクトの紐付けとデータ共有の有効化が必要(Google Cloud公式ドキュメント)

Microsoft Foundry

対応

Claudeモデルをデプロイし、Azureサブスクリプションを紐付けて申請

Amazon Bedrock

EFS対象顧客のみ

Bedrockが自動の安全フラグを人がレビューする仕組みに対応していないため

その他のサードパーティ基盤

一部

基盤側に登録リンクを依頼する(リンクは短時間で失効)。Defense/Red Teamのみ

Mythos 5.1は、サードパーティのクラウドで使えるようになるまで、承認から約5営業日かかります。Specialized Accessはサードパーティ基盤経由では使えません。

ZDR契約やBedrock / Vertex AI利用時の扱い

ZDR(Zero Data Retention)契約は、CVPの開始時は対象外でした。現在は扱いが分かれます。

  • Fable 5.1/Mythos 5.1のデータ保持免除の承認を受けている組織: ZDRのまま、対象モデルすべてでCVPを使えます。
  • それ以外のZDR組織: CVPには悪用監視のためのデータ保持が必要です。データ保持を有効にした別のワークスペースを用意する方法が案内されています。

Covered Models(Mythos 5/5.1・Fable 5/5.1)は、プロンプトと応答が既定で最低30日保持されます。保持の扱いが社内規程と合うかは、法務・情報システム部門と事前に確認してください。詳しくはClaude Fable 5 企業導入の落とし穴:30日データ保持・ZDR無効化で解説しています。

Anthropicは、自社が管理するクラウドにデータを置いたまま悪用対策を維持できるEFSを「今秋後半」に提供予定としています。2026年10月11日時点では提供開始は確認できていません。Bedrock中心で使っている企業は、EFSの提供を待つか、CVPが必要な業務だけClaude Platform on AWSやAnthropic直接の経路に分ける方法を検討することになります。

Google Cloudは、旧Vertex AIを含めて対応済みです。Vertex AIでは使えないとしていた以前の説明は、現在は当てはまりません。

CVP承認後に必須のセキュリティ運用

開始時は「承認後に自社でやっておくべき推奨事項」として語られていたセキュリティ運用は、現在は申請時に誓約する要件になりました。とくにDefense Accessでは、2026年12月15日までにフィッシング耐性MFAへの移行とAPIキーの廃止が求められています。出典はCVP Security Requirementsです。

開発者がコードを確認しているセキュリティ運用のイメージ

全ティア共通の要件

  • アラートを受けて動けるセキュリティ連絡先を指定する
  • 侵害・悪用の疑いは72時間以内、セキュリティインシデントは24時間以内にAnthropicへ報告する
  • Anthropicが特定した悪用は48時間以内に調査し、問い合わせには7日以内に回答する
  • アカウント、シート、セッション、ワークロードIDを共有しない
  • ユーザープロファイルを有効にし、リクエストを個人またはワークロードに紐付ける
  • セキュリティ体制、所有者、本社、連絡先が大きく変わったら30日以内に通知する

ティア別の主な要件

要件

Defense Access

Red Team/Specialized Access

多要素認証

全アカウントでMFA。2026年12月15日までにFIDO2キー・パスキー・スマートカード(PIV)などのフィッシング耐性MFAへ移行し、メールのマジックリンクを無効化。SMS、音声、メールコード、認証アプリのコード、プッシュ承認は不可

同等以上。Specializedは組織のSSOが必須

認証情報

12月15日までに長期のAPIキーを廃止し、各基盤の短期認証へ移行

自社発行の認証情報は12時間以内に失効。漏えい時は24時間以内に失効処理、退職・異動者は3営業日以内に削除

承認ユーザー数

既定の上限なし

25人まで(書面で追加申請可)

アカウント

組織のアカウント

組織ドメインのアカウント必須(個人メール・Webメール不可)

端末・通信

規定なし

組織が管理する端末のみ(私物不可)、OSの自動更新。攻撃的・エージェント的な作業の外向き通信はホスト外の許可リストで制御しログを取る。Specializedはアプリの許可・拒否リストかEDRのブロックモードも必要

人の確認

規定なし

委託先を含む全ユーザーの身元確認と、法的に可能な範囲での犯罪歴確認

政府機関は、FISMAのATO(NIST SP 800-53)などで一部の要件を代替できます。

APIキーから短期認証への移行

12月15日までの移行期間中にAPIキーを使う場合は、シークレットマネージャーに保管し、1人または1ワークロードにだけ割り当て、ソースコードには置かず、7日ごとにローテーションします。Anthropic側が7日の上限をかける場合もあります。

移行先は基盤ごとに決まっています。Anthropic直接ならWorkload Identity Federation(IdPの署名付きトークンを短期のアクセストークンに交換する仕組み)が推奨です。Google CloudではサービスアカウントのJSON鍵、BedrockではIAMアクセスキーが使えず(12時間以内に失効する短期キーは可)、FoundryではAPIキーとサービスプリンシパルのシークレットが使えません。

Defense Accessを個人で使う場合は、GoogleなどのIdPでのサインインのみ、利用は本人だけ、全通信が保持・監視され(ZDRは不可)、移行期間中のAPIキーは1本までです。

会社としてCVPを申請するなら、MFAの方式、認証基盤、端末管理、ログの保管先を、Claude以外の生成AIの利用も含めて社内全体で揃えておくと、要件への対応がぶれません。会社で生成AIを使うときにセキュリティ要件を満たす構成の選び方は、生成AIのセキュリティ要件と社内導入の構成で整理しています。

要件に加えて社内で決めておきたいこと

公式の要件とは別に、実務では次の点も決めておくと安全です。

  • モデル出力の独立検証: Claudeが示した脆弱性の仮説や検証コードは、対象システムの状態で結果が変わります。隔離した環境で再現を確かめ、既存のスキャナやプロキシログと照らし合わせてから報告書に使います。
  • プロンプトインジェクションへの備え: 外部から取得したコード、ログ、検体の文字列には、モデルへの指示が紛れ込んでいる前提で扱います。エージェントにはタスクごとの短期権限だけを渡し、影響の大きい操作は人が承認します。

関連する対策は生成AIのセキュリティリスクと対策とAIエージェント セキュリティ対策ガイドにまとめています。

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既知の制約|承認後もブロックされるケース

承認されたのにブロックされる場合、公式ヘルプのFAQによると原因はおおむね次の3つです。

  1. 管理者がワークスペースにアクセスを割り当てていない
  2. 利用者が割り当て対象外の別のワークスペース(個人の組織など)で作業している
  3. 依頼した作業がティアの範囲を超えている(Defense Accessでペンテストを依頼した場合など)

まず管理画面で割り当てと利用中のワークスペースを確認します。ティアの範囲内の業務なのにブロックされた場合は、公式発表で案内されている報告フォームから知らせます。

2026年5月ごろには、旧CVPで承認を受けたあとも、Claude Code経由ではブロックが残るという報告がGitHubに上がっていました。現在の仕組みで同じことが起きるかは確認できていません。Claude Codeで長時間の検証を行う場合は、本番の作業に入る前に、承認後の挙動を一度試しておくと安心です。

さらに、CVPの付与は自組織の業務(自社のコードやインフラ)が前提です。顧客のコードやシステムに対してモデルを動かすサービスを提供するには、別途「製品化(productization)」の申請が必要で、ポータルで受付予定とされています。受託の脆弱性診断やMSSPを営む企業は、開始時期を公式情報で確認してください。

CVPの料金と、対象モデルの利用料

Claude Platform Docsの料金ページ(Pricing)

出典: Claude Platform Docs 公式

CVPそのものの料金は、現行の公式ページに記載がありません(開始当初のヘルプでは無料の申請制プログラムと明記)。かかるのはモデルの利用料で、個人でDefense Accessを申請する場合は有料プランの加入が条件です。

モデル

入力(100万トークンあたり)

出力(100万トークンあたり)

提供範囲

Claude Mythos 5.1

$10

$50

限定(CVPなどで承認された組織)

Claude Fable 5.1

$10

$50

一般提供

Claude Opus 5.5

$4

$20

一般提供

Claude Sonnet 5.5

$2

$10

一般提供

Claude Opus 4.7

$5

$25

提供中(退役は2027年4月16日以降の予定)

出典: Claude API Pricing(2026年10月11日確認)

公式の料金ページによると、Claude 4.7以降は新しいトークナイザーのため、同じテキストでも消費トークンが約30%増えます。API利用料を見積もるときは、この増加分も入れておきます。

サブスクリプションでは、CVP承認後にMythos 5.1を使う場合、Proプランは使用クレジットのみで利用し(プラン内の利用枠は使わない)、MaxプランはFableと週間上限の最大50%を共有します。プランごとの料金はClaude料金を日本円で比較、対象モデルの性能はClaude Opus 5.5とはとClaude Fable 5.1とはで解説しています。

他社のサイバー向けプログラムとの違い

OpenAIやMicrosoftも、セキュリティ業務向けにモデルや利用枠を用意しています。CVPは「同じモデルのまま、審査に応じてブロックを減らす」方式で、ティアごとの要件が細かく公開されている点が特徴です。

提供元

名称

方式の概要

Anthropic

Cyber Verification Program

一般モデル・Mythos 5.1のセーフガードを3ティアで緩和。申請と誓約・本人確認が必要

OpenAI

Trusted Access for Cyber/GPT-5.5-Cyber・GPT-5.6-Cyber

サイバー向けモデルを審査済みの利用者に提供

Microsoft

MAI-Cyber-1-Flash

セキュリティ業務向けの自社モデル

申請条件や提供範囲は各社で異なり、変更も多いので、利用前に公式情報を確認してください。各サービスの詳細はGPT-5.6-Cyberとは、GPT-5.5-Cyberとは、Microsoft MAI-Cyber-1-Flashとはで解説しています。業界全体の動きはサイバーセキュリティ業界のAI活用事例が参考になります。

CVP申請をおすすめする組織・おすすめしない組織

CVPが役立つのは、攻撃側の技術まで扱う防御業務をClaudeで日常的に行い、要件を満たす管理体制を用意できる組織です。

申請をおすすめする組織・個人

  • インシデント対応やマルウェア解析をClaudeで行いたいSOC・CSIRT
  • 社内レッドチームを持ち、認可済みのペネトレーションテストを行う企業(Red Team Access)
  • 病院、自治体の水道、電力など、規模を問わず重要インフラを担う事業者
  • 脆弱性の報告実績があり、有料プランに加入している個人研究者
  • 自分のプロジェクトの脆弱性を調べたいOSSメンテナー
  • 旧CVPの会員で、Opus 5.5やMythos 5.1に移りたい組織(再申請は不要で、割り当て作業のみ)

申請をおすすめしない組織・個人

  • コードレビュー、既知の脆弱性へのパッチ、アラートのトリアージが目的の組織(CVPなしで使える)
  • フィッシング耐性MFAへの移行やAPIキーの廃止を12月15日までに進められない組織
  • Bedrockだけで使っていて、経路を分けられずEFSの対象でもない組織
  • 顧客向けの診断サービスにそのまま使いたい企業(製品化の申請が別途必要)
  • 業務の実態や脆弱性報告の実績を示せない個人、有料プランに加入していない個人
  • 認可のない第三者システムをテストする意図がある利用者(Usage Policy違反)

日本からの申請に制限があるかは、公式には明記されていません。Mythos系は米国の輸出管理で一時提供が止まった経緯があり(Fable 5・Mythos 5 輸出管理命令で世界停止)、審査では法的・規制上の環境も考慮されます。日本企業が申請する場合は、審査結果と追加情報の依頼に沿って進めるのが現実的です。

CVP申請前のセルフチェックリスト

申請の前に、次の項目を確認してください。

  • 依頼したい作業が、CVPなしで使える範囲(コードレビュー、自社コードの脆弱性発見、トリアージなど)に収まらないことを確認した
  • 対象は自組織が所有・保守するシステム、またはテスト権限のあるシステムだと説明できる
  • 申請する管理者が、Verification Portalで申請画面を開ける権限を持っている
  • 申請者の原本の政府発行の写真付き身分証を用意した
  • 利用経路(Anthropic直接、AWS、Google Cloud、Foundry、Bedrock)のCVP対応を確認した
  • ZDR契約の有無と、データ保持(Covered Modelsは最低30日)について法務の了承を得た
  • 全アカウントのMFAを、12月15日までにフィッシング耐性のある方式へ切り替える計画がある
  • APIキーを短期認証に移す計画と、移行期間中の7日ごとのローテーション手順がある
  • セキュリティ連絡先を決め、72時間・24時間以内の報告フローを作った
  • Red Team以上を希望する場合、25人の上限、管理端末限定、身元確認に対応できる
  • 顧客向けサービスに使う予定がある場合、製品化の申請が必要なことを把握している

よくある質問(FAQ)

Q1. CVPの申請は本当に無料ですか?

A. CVPそのものの料金は公式に記載がなく、開始当初のヘルプでは無料と明記されていました。 ただし個人の申請は有料プランへの加入が条件です。セキュリティ要件を満たすための費用、たとえばFIDO2キーの配布や端末管理の仕組みは、組織側の負担になります。

Q2. 個人で申請しても通りますか?

A. 個人はDefense Accessだけ申請できます。 有料プランへの加入が条件で、脆弱性報告の実績が目安になります。個人の承認では、IdP経由のサインインのみ、本人だけの利用、全通信の保持・監視という条件が付きます。

Q3. 承認されたら「何でも」生成できますか?

A. いいえ。 Usage Policyは全ティアで適用され、ランサムウェアの開発や大規模なデータ流出は解除されません。Red Team Accessでも、物理的な被害につながる行為はリアルタイムでブロックされます。

Q4. AWS Bedrock経由でClaudeを使っていますが、CVPは使えますか?

A. BedrockでCVPを使えるのは、現時点ではEFSの対象顧客だけです。 AWS上で使いたい場合は、AWSアカウントIDを紐付けて申請できるClaude Platform on AWSが選択肢になります。

Q5. 承認されると組織内の誰でもセーフガードが緩和されますか?

A. いいえ。管理者が割り当てたワークスペースや利用者だけが対象です。 Red Team以上では承認ユーザーが25人までに制限されます。アカウントやセッションを共有することは要件で禁止されています。

Q6. 申請が却下されたり、審査が長引いたりしたらどうすればいいですか?

A. まず審査の進み方を確認します。 7営業日以内に結果か追加情報の依頼が届くので、依頼があれば業務の対象と権限を具体的に書き足します。Red Team Accessは審査に数週間かかり、その間はDefense Accessで先に使えます。却下後の再申請の手順は、現行の公式ヘルプでは明示されていません。

Q7. 旧CVPの承認を受けています。もう一度申請が必要ですか?

A. 再申請は不要です。 Opus 5.5/Sonnet 5.5/Mythos 5.1については自動で審査され、従来のモデルの設定はそのまま残ります。新しいアクセスを使うワークスペースへの割り当ては、管理者が行う必要があります。

Q8. ZDR(Zero Data Retention)契約のままCVPは使えますか?

A. Fable 5.1/Mythos 5.1のデータ保持免除の承認を受けている組織なら使えます。 それ以外の組織はデータ保持が必要なため、保持を有効にした別のワークスペースを用意します。

Q9. Claude Opus 4.7だけを使い続ける場合、CVPは関係ありますか?

A. 新規申請でOpus 4.7にも緩和が及ぶかは、公式には明記されていません。 新しいCVPの対象モデルはOpus 5.5/Sonnet 5.5/Mythos 5.1と今後のモデルです。サイバー業務でCVPを使うなら、対象モデルへの切り替えを前提に検討するのが確実です。Opus 4.7の性能や仕様はClaude Opus 4.7とはで確認できます。

Q10. Claude Mythos 5.1はCVPなしで使えますか?

A. Mythos 5.1は限定提供のモデルで、CVPなどで承認された組織が使えます。 一般提供の上位モデルを使いたい場合はFable 5.1が選択肢です。サードパーティのクラウドでは、承認からMythos 5.1が使えるまで約5営業日かかります。

まとめ|CVPは3段階の審査で使える範囲が決まる公式ルート

Cyber Verification Programは、Claudeのサイバーセーフガードが防御業務まで止めてしまう問題に対する公式の申請ルートです。2026年4月にOpus 4.7と同時に始まり、10月6日にDefense/Red Team/Specializedの3段階へ拡大しました。現在の対象はOpus 5.5、Sonnet 5.5、Mythos 5.1です。

申請はVerification Portalで管理者が行い、本人確認とセキュリティ管理策の誓約が必要です。審査はヘルプの目安で7営業日以内、Red Teamは数週間かかります。Defense Accessでは、2026年12月15日までにフィッシング耐性MFAへの移行とAPIキーの廃止を済ませる必要があります。

申請の前に、次の3点を確認しておくと進めやすくなります。

  • 自社の業務がCVPなしで足りるか、どのティアに当たるか
  • 使っている経路(Bedrock、ZDRなど)がCVPに対応しているか
  • MFA、認証情報、報告体制の要件を期限までに満たせるか

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