ビジネス活用2026年10月更新

広告レポートの自動化|集計から配信まで仕組みにする方法と費用

公開日: 2026/08/28
更新日: 2026/10/12
広告レポートの自動化|集計から配信まで仕組みにする方法と費用

この記事のポイント

広告レポートの自動化を7工程に分け、月数万円の専用ツールで足りる範囲と、CRM突合・独自様式への転記・配信まで仕組みを開発する場合の費用を整理。公式サイトで確認したツール価格、回収月数の計算式、AIで自作できる部分と会社に頼む部分も解説します。

広告レポートの集計は自動化できます。媒体データを集めて表にするだけなら月数万円の専用ツールで足ります(公式サイトで価格を確認できた3製品は月2.5万〜5万円・税抜から)。CRMの受注データとの突合、決まったExcel様式への転記、宛先別の配信までを1つの仕組みにしたい場合は開発を頼む選択肢になり、当社の公開価格では既存システムの改修100万円〜、PoC(試作検証)300万円〜です(税別・実費別)。

この記事では、広告レポートの作成に毎月どれだけ人手がかかっているかを工程ごとに分解し、どこまでが安いツールで解決でき、どこからが解決できないのかを正直に示します。読み終えたときに「自社はツールで足りるのか、仕組みの開発を頼むべきか」と「投資回収は何ヶ月か」を自分で判断できる状態を目指します。

広告レポート作成のどこに時間がかかっているか

広告レポート作成でデータ収集から集計・チェックまでに時間がかかる工程のイメージ

「レポート作成に丸1日かかる」と言うとき、その1日の中身は一様ではありません。実際には性質の異なる7つの工程が積み上がっています。

工程

実際にやっていること

① データ収集

媒体ごとに管理画面へログインし、期間を指定してCSVをダウンロードする

② 集計・加工

スプレッドシートに貼り付け、関数で集計し、前月比・前年比を計算する

③ 媒体外データとの突合

CRMの受注数や基幹システムの売上と紐付け、CPAではなく受注単価で見られるようにする

④ 独自フォーマットへの転記

社内またはクライアント固有のExcel様式・パワーポイント様式に落とし込む

⑤ 考察コメントの執筆

数字が増減した理由と、翌月の打ち手を文章にする

⑥ チェック

管理画面の数値と作成物を突き合わせて検算する

⑦ 配信

宛先別にメールで送る、Slackに投稿する、指定の共有フォルダに格納する

負担になりやすいのは、①②に半日かかること、⑥の突き合わせチェックに目立たないながら時間を取られること、担当者ごとにフォーマットが揃わず後から直す手間が発生することです。広告レポート自動化ツール「アドレポ」の導入事例では、1件あたり4〜5時間かかっていたレポート作成が約30分になったと公表されています(アドレポ 導入事例)。これは同社が公表している一例であり、どの会社にも当てはまる数値ではありません。①②の自動化でどれだけ減るかは、自社の作業時間を測ってから見積もってください。

この7工程のうち市販ツールが最も得意とするのは①②だという点が重要です。③以降は「広告媒体のAPIから取れるデータの外」にあるため、ツールの標準機能だけでは片付かないことがあります。ツールを入れたのに現場から「思ったより楽になっていない」という声が上がるのは、たいていここが原因です。

自動化すると何がどう変わるか

工程ごとに導入前後を並べると、変化の中身が見えます。

工程

自動化前

自動化後

① データ収集

媒体5つ分、管理画面に順にログインしてCSVを落とす

毎朝、指定時刻に自動取得済み

② 集計・加工

貼り付け・関数修正・前月比計算を手作業

集計済みの表が出来上がっている

③ 媒体外データとの突合

CRMからエクスポートして関数で手作業結合

受注データと紐付いた状態で出力される

④ 独自フォーマットへの転記

提出様式に手で打ち直す

決められた様式に自動で流し込まれる

⑤ 考察コメントの執筆

白紙から書き起こす

増減の要因と候補となる打ち手が下書きされている

⑥ チェック

全項目を目視で検算

前月と乖離が大きい項目だけ人が確認

⑦ 配信

宛先ごとに手でメール送付

宛先別に自動送付、送信履歴が残る

人がやる作業は「⑤の下書きを読んで確からしさを判断する」「⑥で異常値だけ見る」に絞られます。

削減時間の試算:月30時間の作業はいくらか

投資判断のために、作業時間を金額に換算します。以下はすべて前提を置いた計算例であり、外部の統計値ではありません。自社の実数に置き換えてお使いください。

前提:広告媒体が5つ、案件・部門が複数あり、レポート作成を担当者1名が月30時間かけている。人件費を時給3,000円換算とする。

  • 月30時間 × 3,000円 = 月9万円
  • 年間では 108万円

作業量が月20時間の場合は月6万円・年72万円、月50時間なら月15万円・年180万円になります。

続いて、開発を頼んだ場合の回収期間を次の式で見ます。以下は仮定に基づく試算です。

回収月数 = 開発費 ÷(月の削減額 − 月の運用費)

仮定は次のとおりです。月の運用費は、クラウド・外部APIなどの実費として月3万円とします(媒体の仕様変更や様式変更に合わせた改修費は含めていません)。開発費は、既存のシステムやスプレッドシートに出力・配信の機能を足す規模を100万円、媒体外データとの突合から配信までを新しく作る規模を300万円・500万円とします。削減額は、作業時間がすべてなくなる前提です。実際には⑤⑥の確認が残るため、回収はこれより長くなります。

作業量

月の削減額 − 運用費

開発費100万円

開発費300万円

開発費500万円

月30時間

9万円 − 3万円 = 6万円

約17ヶ月

50ヶ月

約83ヶ月

月60時間

18万円 − 3万円 = 15万円

約7ヶ月

20ヶ月

約33ヶ月

月30時間で広告レポート業務だけを対象にすると、突合から配信までを新しく作る規模の開発は、回収に4年以上かかります。広告レポート1本のために一から作るのは、多くの場合割に合いません。

回収の見通しが立つのは、次のいずれかに当てはまるときです。

  • レポート作成が月60時間以上ある(複数クライアント・複数事業を抱える場合)。開発費300万円の仮定でも20ヶ月で回収する計算です
  • 同じ部品をほかの月次業務にも使う。データの取得・突合・様式への流し込み・配信は、請求書の発行やシステム間のデータ照合などにも使えます。削減時間を合計すれば、同じ式で回収が早まります
  • 今のシステムやスプレッドシートを活かし、足りない部分だけを改修で足せる。開発費100万円の仮定なら、月30時間でも約17ヶ月です

逆に、レポート作成が月10〜20時間で、他に自動化したい定型業務がないなら、月数万円の専用ツールを選ぶほうが合理的です。仮にツールで①②の月15時間分が減るとすると、削減額4.5万円に対して月3万円のツールなら差し引き月1.5万円のプラスで、初期費用0円の製品なら初月から収支が合います。

自動化できる業務・できない業務の境界線

自動化に向く業務には共通する条件があります。着手前にこの表でどちらに当てはまるかを見分けておくと、無駄な検討時間を使わずに済みます。

自動化できる

自動化できない

毎月・毎週など、決まった周期で繰り返し発生する

毎回、その場の状況に応じた例外的な判断が発生する

媒体データも提出フォーマットもデジタルで完結する

紙の資料や、口頭・対面での確認が前提になっている

出力先の様式と宛先が定義できる(誰に、いつ、どの形で)

出す相手ごとに毎回ゼロから構成を設計している

数字が動いた理由の説明ルールが言語化できる

最終的な評価・投資判断そのものをAIに委ねたい

過去数ヶ月分の実物レポートが残っている

これから初めて作るレポートで、正解の形が誰にも分からない

「自動化できない」側に3つ以上当てはまるなら、いま着手すべきではありません。 まず業務そのものを整理し、レポートの様式と宛先を固定するところから始めるほうが、結果として早く成果が出ます。

なお⑤の考察コメントは、「できる/できない」ではなく「どこまで任せるか」の問題です。数字の増減要因を過去データから拾い上げて下書きにすることは自動化できますが、その内容を対外的に発信してよいかの最終判断は人が行う前提で設計します。任せる範囲を曖昧にしたまま導入すると、思わぬトラブルが起きるか、結局すべて人が書き直すことになります。

実現する方法は4つある

広告レポート自動化ツール「アドレポ」の管理画面イメージ

出典: アドレポ 公式サイト

広告レポートの自動化には、費用も向き不向きも大きく異なる4つの選択肢があります。フラットに比較します。

1. スプレッドシート+GAS・公式アドオン

Googleスプレッドシートのマクロ機能や、各広告媒体が提供する公式アドオンでデータを自動取得する方法です。

  • 費用:無料〜(作る人の工数のみ)
  • 向くケース:扱う媒体が1〜2、レポートも社内向け1種類、社内に作れる人がいる
  • 注意点:属人化します。作った担当者が異動・退職すると誰も直せなくなり、媒体側の仕様変更で止まったときに復旧できません。「無料」の代わりに継続リスクを持つ選択です

2. Looker Studio(旧データポータル)

Googleの無料の可視化ツールで、広告データをダッシュボードとして表示します。

  • 費用:無料(一部の媒体接続には有料コネクタが必要で、料金は提供元によって異なる)
  • 向くケース:数字を「見せる」ことが目的。関係者がURLを開いて自分で見る運用にできる
  • 注意点:決まったExcel様式での提出や、宛先別のメール配信には向きません。「見に来てもらう」文化がない組織では、結局誰も開かず、担当者が画面をスクリーンショットして貼り付けるという本末転倒が起きます

3. 広告レポート専用のクラウドツール

アドレポ、Databeat、ATOM、Roboma、Shirofune、インハウスプラスなど、広告レポートに特化したツール群です。①データ収集と②集計をほぼ完全に自動化します。

  • 費用:公式サイトで価格を確認できた製品は月2.5万〜5万円(税抜)から。初期費用の有無は製品ごとに確認が必要
  • 向くケース:扱う媒体数が多く、提供されるテンプレートに自社の業務を合わせられる
  • 注意点:対応できるカスタマイズの範囲は製品ごとに違います。③媒体外データの突合と④独自フォーマットへの転記は標準機能では扱えないことがあるため、導入前に自社の様式で試せるか確認してください。⑤考察は、オプションで考察の機能を用意している製品もあります(例:アドレポの「スマート考察機能」)。また、ツールのテンプレートに合わせて既存のレポート様式を変える場合は、社内やクライアントの合意が必要になります

4. 媒体外データの突合から配信までを仕組みとして開発する

自社の業務手順に合わせて、①〜⑦を通しで動く仕組みを作る方法です。ツールに業務を合わせるのではなく、業務のほうにシステムを合わせます。広告媒体のAPIやCSV、CRMの出力、既存のExcel様式、メールやチャットへの配信をつなぎ、考察コメントの下書きに生成AIを組み込むこともできます。作り手は、社内の担当者と開発会社の2通りです。

  • 費用:社内で作るなら担当者の工数。開発会社に頼む場合は範囲で変わり、当社の公開価格では既存システムの改修100万円〜、PoC 300万円〜、本開発は個別見積(税別)。このほかクラウド・外部APIなどの実費と、媒体の仕様変更や様式変更に合わせた改修の費用がかかります
  • 向くケース:独自フォーマットが固定されている、媒体外データとの突合が必要、配信まで自動にしたい、レポート以外の定型業務にも同じ仕組みを使いたい
  • 注意点:広告レポート1本だけを安く自動化したいなら割高です。前述の試算のとおり、月30時間程度の作業量では回収に時間がかかります。作った後に媒体の仕様変更へ誰が対応するか(保守の範囲)を、契約前に決めてください

このほか、AIエージェントを月額で運用するサービスを使う方法もあります。開発費を抑えて始められる一方で月額が続き、対象にできる業務の範囲や、解約したときに仕組みとデータがどうなるかはサービスごとに違います。契約前に確認してください。

選び方の目安:媒体数が多いだけならクラウドツール(3)。テンプレートに業務を合わせられず、媒体外データとの突合や配信まで必要なら(4)。まず現状を可視化したいだけなら(2)から始めるのが低リスクです。

AIで自分で作れる部分と、会社に頼む部分

ChatGPT・Claude・Codex などの生成AIを使えば、方法1や方法4の多くは社内でも作れます。媒体のAPIからデータを取るスクリプト、CSVを結合して前月比を出す処理、Excelの指定セルに値を流し込むコード、考察コメントの下書きを作る指示文は、AIに頼めば短時間で動くものが出てきます。まず自社で試作してみるのは十分に現実的です。

試作が動いた後に残るのは、その会社に固有の部分です。

  • データの扱い:CRMの案件名と広告のキャンペーン名をどう対応させるか、表記ゆれや重複をどう寄せるか。正解は社内の運用の中にしかありません
  • 権限と認証:媒体ごとのAPI利用の設定、ログイン情報を誰の権限でどこに保管するか、担当者が異動・退職したときにどう引き継ぐか
  • 例外:媒体の障害やデータの遅れ、月の途中でのキャンペーン名の変更、提出先の様式変更があったときに、止めるのか進めるのか
  • 正しさの確認:管理画面の数字と出力が一致することを、どの月のデータで、誰が確かめて完成とするか
  • 変更の責任:媒体の仕様変更や宛先の追加に、誰がいつまでに対応するか。宛先を誤って別のクライアントのレポートを送らない仕組みも含みます

試作は自社で進め、権限・例外・正しさの確認・変更対応の設計だけを会社に頼む、という分け方もできます。

費用の目安

広告データインフラツール「ROBOMA」のダッシュボード画面イメージ

出典: ROBOMA 公式サイト

2026年10月12日に各社の公式サイトで確認した価格を整理します。税抜・税込の表記は提供元によって異なります。

選択肢

初期費用

月額

スプレッドシート+GAS

0円

0円(自社工数のみ)

Looker Studio

0円

0円(有料コネクタ利用時は別途)

インハウスプラス

公式サイトで確認できず

公式サイトで確認できず

Lisket

公式サイトで確認できず

公式サイトで確認できず

アドレポ

0円

3万円〜(税抜。接続アカウント数・オプションで変動)

Databeat

公式サイトで確認できず

公式サイトで確認できず

ATOM

価格ページに記載なし

5万円〜(税抜)

Roboma

要問い合わせ

要問い合わせ

glu

要問い合わせ

要問い合わせ

Shirofune

金額の記載なし(初期設定サポートはオプション)

月額広告費×5%(最低2.5万円・税抜)

仕組みの開発(受託)

当社の場合:既存システムの改修100万円〜/PoC 300万円〜/本開発は個別見積(税別)

クラウド・外部APIなどの実費+変更時の改修費(契約による)

上記のうち公式サイトで金額を確認できたのは、アドレポ(初期0円・月3万円〜/税抜。接続アカウント数やオプションで変わる)、ATOM(月5万円〜/税抜。初期費用と最低利用期間は価格ページに記載がなく、詳細は資料で案内)、Shirofune(月額広告費×5%・最低2.5万円/税抜)です。インハウスプラス・Lisket・Databeat は、今回公式サイトで金額を確認できませんでした。glu と Roboma は公式が金額を公開しておらず問い合わせ制です。比較サイトに載っている数字は時点が古いことがあるため鵜呑みにせず、検討時は必ず各社に最新の条件をご確認ください。

公式で確認できた専用ツールは月2.5万〜5万円(税抜)からです。①データ収集と②集計だけを自動化したいなら、この価格帯で目的は達成できます。まずここから検討するのが順当です。

仕組みの開発の一例として、当社(AI革命)の受託開発の公開価格は、既存システムの改修100万円〜、PoC(本番の前に小さく作って精度と効果を確かめる試作検証)300万円〜、本開発は個別見積です(いずれも税別。クラウド・外部API・ライセンスなどの実費は別)。PoCの300万円は試作検証の開始価格で、本番システムの完成価格ではありません。専用ツールとは桁が違うため、広告レポートの集計だけが目的であれば専用ツールのほうが確実に安く済みます。

この価格差が正当化されるのは、次の条件に複数当てはまるときです。

  1. クライアントまたは社内の提出フォーマットが固定されていて、ツールのテンプレートに合わせられない
  2. 広告媒体の外にあるデータ(CRMの受注、基幹の売上、営業のスプレッドシート)との突合が必要
  3. 考察コメントの下書きと、宛先別の配信まで含めて自動にしたい
  4. 広告レポート以外の月次定型業務(請求書発行、商品マスタ更新、システム間のデータ照合など)にも、同じ取得・突合・配信の部品を使える
  5. 今使っている基幹システム・CRM・スプレッドシートを変えずに、その間をつなぎたい

とくに影響が大きいのは4番目です。広告レポート単体では回収に時間がかかっても、月次で発生している定型業務を束ねれば削減時間が増え、前述の式で回収が早まります。逆に、1〜5のどれにも当てはまらないなら、月数万円のツールを選んでください。

自社の7工程がどの依頼の形に当たりそうか分からない段階でも、初回相談(無料・30分・オンライン)で今のレポートの流れを伺い、依頼範囲の候補と費用の目安を相談メモでお返しします。

▶ 広告レポートの集計から配信まで、自動化の範囲と費用を相談する

ツールを入れても残る作業と、その埋め方

レポート自動化ツール導入後も残る突合・転記・配信の手作業を示した図

ツールを入れても「結局毎月2日かかっている」という状態なら、残っているのは主に次の3つです。

残る作業①:広告媒体の外にあるデータとの突合

広告管理画面で分かるのは、クリック数・コンバージョン数・獲得単価までです。「そのコンバージョンが実際に受注につながったか」「受注単価はいくらだったか」はCRMや基幹システムの側にあります。この2つを突き合わせて初めて、経営が見たい数字になります。

現場ではこの工程を、CRMからCSVを書き出して関数で結合する形で手作業しています。媒体数が増えるほど、案件名の全角半角や日付形式といった表記ゆれの吸収に時間がかかります。埋め方としては、突合ルール(何をキーにして、どの表記ゆれをどう寄せるか)を一度言語化し、その手順ごと自動化します。システム間のデータ転記の自動化と同じ構造の課題です。

残る作業②:独自フォーマットへの転記

ツールが用意したテンプレートで出力する場合、問題になるのが提出先の様式です。提出先が指定するExcel様式は、セルの位置も項目名も固定です。結果として「ツールが出したPDFを見ながら、指定のExcelに手で打ち直す」という工程が残ります。

これを解消するには、出力先のファイルそのものを起点に設計する必要があります。つまり「このExcelのB7セルには前月比を、C12セルには媒体別内訳を入れる」というレベルで手順を定義し、そこまで含めて自動実行させます。既存の様式を変えずに済むため、社内やクライアントの抵抗も起きません。

残る作業③:配信

作った後に「誰に・いつ・何で送るか」が残ります。A社にはメールでPDF、B部門にはチャットに要約を投稿、経営会議用には共有フォルダに格納、といった宛先別の出し分けです。1件あたりは5分でも、宛先が20あれば月2時間近くになります。配信まで対応するツールは限られており、ここが手作業のまま残りやすい領域です。

この3つが自社に当てはまるなら、ツール選定をやり直すより、毎月の定期レポート業務そのものを自動化する方向で設計し直すほうが結果的に早く終わります。

当社の公開実績と、広告レポート自動化との関係

広告レポートの自動化そのものについて、当社が公開できる実績はありません。関係する範囲で公開しているのは、次の2件です(いずれも社名は非公開)。

  • 通信事業:数万件の請求情報の取込・集計と、結果を確かめる確認画面。広告レポートの①データ収集・②集計・⑥チェックと同じく、大量のデータを取り込んで集計し、人が確かめる工程を作った例です
  • 薬局:複数店舗・数千人分の記録の管理と、権限・確認工程。店舗や担当ごとに見てよい範囲を分ける考え方は、宛先別の配信で別のクライアントの数字を見せない設計にも必要になります

どちらも計算式・処理速度・削減効果は公開していません。広告媒体のAPIやCRMとの連携、既存のExcel様式への出力、メールやチャットへの配信は当社が対応できる範囲ですが、上の2件と同じ内容の実績としては扱っていません。

開発を頼む場合の導入の流れ

広告レポート自動化を導入するまでの棚卸しから本稼働までの流れ

期間は対象の範囲、媒体やCRMの数、確認の体制で変わります。ここでは工程の順番と、それぞれで決めることを示します。

1. 現状の棚卸し いま誰が、どの作業に、月何時間かけているかを洗い出します。実際に使っているExcelファイル、送信しているメールの現物、媒体の管理画面の画面例があると早いです。この時点で「これは自動化しないほうがよい」と判断する業務も出てきます。

2. 対象範囲と手順の定義 7工程のうちどこまでを自動にし、どこから人が見るかを決めます。異常値の基準、考察コメントの記載ルール、宛先リスト、突合のキーと表記ゆれの寄せ方をここで文書化します。成果を左右するのは、この工程の精度です。 過去数ヶ月分の実物レポートを見本にすれば、新たに資料を作らなくても進められます。

3. 構築とテスト運転 実際のデータで動かし、人が作ったレポートと突き合わせて差分を確認します。差分がなくなるまで手順を調整し、どの月のデータで一致を確かめたら完成とするかを先に決めておきます。

4. 本番稼働と改善 稼働後も、媒体の追加や様式変更に合わせた調整が必要です。誰が対応し、費用をどう扱うか(保守契約か、都度の改修か)を契約前に決めておきます。

社内で用意するのは、現状の業務を説明できる担当者と、判断ルールを決められる責任者です。開発会社に頼む場合は1と2を一緒に整理し、既存システムの改修で足りるのか、PoCで考察コメントの精度などを先に確かめるのか、本開発まで進めるのかを決めてから見積に進みます。棚卸しが済んでいなくても、初回相談(無料・30分)で今のレポートの流れを伺うところから始められます。広告アカウントのログイン情報や実際の顧客データを、初回にお送りいただく必要はありません。

よくある質問

Q1. 無料のLooker Studioで十分ではないですか。どこで限界が来ますか。

見るだけであれば十分です。限界が来るのは3つの場面です。第一に、決まったExcelやパワーポイントの様式で提出する必要があるとき。画面をスクリーンショットして貼り付ける作業が発生します。第二に、宛先別にメールで送る必要があるとき。定期送信の機能はありますが、宛先ごとに内容を出し分けるには、宛先の数だけレポートや配信の設定を分ける手間がかかります。第三に、広告媒体の接続に有料コネクタが必要な場合で、媒体数が増えるとコネクタの利用料が積み上がり「無料」ではなくなります(料金はコネクタの提供元によって異なります)。

Q2. 広告媒体を追加したら、また一から作り直しになりますか。

専用ツールの場合、対応媒体リストに含まれていれば設定変更だけで済み、追加費用は基本的に発生しません(アカウント数で課金するツールでは、上限を超えると上位プランになります)。GASで自作している場合は、媒体ごとに接続方法が異なるため実質的に作り直しに近い作業量になります。仕組みを開発している場合は、取得元を1つ足す改修になります。費用が保守の範囲に入るか都度の改修になるかは契約によるため、開発を頼む時点で確認してください。ただし新しい媒体の指標体系が既存と大きく異なる場合は、集計ルールの見直しが必要です。

Q3. 考察コメントまでAIに書かせて問題ないですか。

対外的に出すレポートでは、必ず人のレビューを挟む前提で設計してください。AIが得意なのは「前月比で最も動いた項目を特定し、過去に同じ動きがあったときの説明パターンを当てはめて下書きする」ところまでです。市況の変化や社内でまだ共有されていない事情は反映できません。実務では「下書きを読んで、事実と違う箇所や社内の事情に合わない箇所を書き換える」という使い方が現実的です。

Q4. 広告運用を代理店に任せていますが、それでも自動化する意味はありますか。

あります。代理店が提出するのは、その代理店が運用している媒体・アカウントの範囲のレポートです。複数の代理店を使っていれば様式もタイミングもバラバラで、それを社内で統合し直す作業は発注側に残ります。また代理店のレポートには自社CRMの受注データが入っていないため、受注ベースでの評価は自社でやるしかありません。この場合の自動化の対象は「複数の代理店から届いたレポートを統合し、自社データと突き合わせる工程」になります。

Q5. 導入にあたって、社内にどんな人員やスキルが必要ですか。

社内で作る場合、生成AIを使えば専任のエンジニアがいなくても試作は進められます。ただし、媒体の仕様変更のたびに仕組みを直せる人(または保守を頼む先)は必要です。開発会社に頼む場合に社内で必要なのは、現在の業務手順を説明できる担当者(実際に作業している方が最適です)と、判断ルールを決められる責任者です。負担は棚卸しと手順の定義、テスト運転での突き合わせに集中します。専用ツールを選ぶ場合も、初期設定で媒体ごとのアカウント連携作業が必要になるため、一定の初期工数は見込んでおいてください。

Q6. 既存のExcelフォーマットをそのまま使えますか。

仕組みを開発する場合は、既存のExcelファイルをそのまま出力先として使う設計にできます。セル位置を指定して値を流し込む形にするため、社内やクライアントに「様式が変わります」と説明する必要がありません。一方、専用ツールはツール側のテンプレートでの出力が基本で、既存の様式にどこまで合わせられるかは製品ごとに違います。ツール検討時には「既存のExcel様式に出力できるか」を必ず確認事項に入れてください。ここを見落とすと、導入後に転記作業だけが残ります。

Q7. 月数万円のツールと仕組みの開発、どちらから始めるべきですか。

まず月数万円の専用ツールを試してください。①データ収集と②集計が自動化されるだけでも効果は出ますし、その状態で「まだ何時間残っているか」が正確に測れます。残った時間が月20時間未満で、内容も定型的なら、そのまま運用すれば十分です。残った時間が月40時間を超える、または他部門にも同じような月次定型業務が複数あると分かった段階で、残った工程を仕組みとして開発する方向を検討するのが失敗の少ない順序です。ツールで取得したデータを、開発する仕組みの入力に使う組み合わせもできます。

まずは自社の業務が対象になるか確認するところから

広告レポートの自動化は、「どのツールが優れているか」ではなく「自社の7工程のうち、どこが重いか」から考えると判断を誤りません。①②が重いなら月数万円のツールで解決します。③〜⑦が重く、かつ他の月次定型業務も抱えているなら、まとめて1つの仕組みとして開発するほうが結果的に安く済むことがあります。どちらが合うかは、試算の式に自社の時間と費用を入れて確かめてください。

当社は、既存システムの改修(100万円〜)・PoC(300万円〜)・本開発(個別見積)の形で開発をお受けしています(税別・実費別)。広告媒体のAPIやCSV、CRMや基幹システムとの連携、既存のExcel様式への出力、メールやチャットへの配信は対応できる範囲です。

初回相談は無料・30分(オンライン)で、要件が決まっていなくても大丈夫です。今のレポートの流れと使っているツールを伺い、自社でAIを使って進める部分と任せる部分を一緒に切り分けたうえで、依頼範囲の候補と費用の目安を相談メモでお返しします。広告アカウントのログイン情報や実際の顧客データは、初回にお送りいただく必要はありません。

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