ビジネス活用2026年10月更新

契約書の期限管理を自動化する方法と費用|通知だけでは更新漏れが止まらない理由

公開日: 2026/08/28
更新日: 2026/10/12
契約書の期限管理を自動化する方法と費用|通知だけでは更新漏れが止まらない理由

この記事のポイント

契約書の期限管理を自動化する方法と費用を、Excel・Power Automate・kintone・契約書管理サービス・開発の5手段で比較。月17時間の工数試算から、通知で減る作業と残る作業、開発を頼んで見合う条件、自社でAIを使って進められる範囲まで整理します。

契約書の期限を検知してメールで知らせる部分は、月1万円台のクラウドサービスから自動化できます。ただし、台帳への項目入力と、通知が届いた後の「この契約を続けますか」という社内確認は、通知だけでは減りません。そこまで減らしたい場合は、今の台帳やシステムに合わせて照会・回答の回収・書面の下書き・台帳への反映を動かす仕組みを開発することが選択肢になります(当社の公開価格では既存システムの改修で100万円〜、税別・外部サービスの実費は別)。

この記事では、契約期限管理という業務を5つの工程に分解したうえで、どの工程をどの手段でなくせるのか、そして自社の契約件数だとどの手段が妥当なのかを、公開されている金額をもとに整理します。

契約書の期限管理のどこに時間がかかっているか

契約書の山とExcel台帳、カレンダーが並ぶ契約期限管理の実務イメージ

「期限管理」と一言でまとめられがちですが、実務は次の5工程に分かれています。後述の試算モデルでも、管理部門の担当者が時間を取られているのは③ではなく②と④です。

#

工程

実際にやっていること

①

契約書の収集

各事業部・拠点に散らばった紙/PDF/メール添付を集める

②

台帳への項目転記

契約名・相手先・締結日・契約期間・自動更新の有無・解約通知期限・金額・担当部署を1件ずつ入力

③

期限の検知と通知

90日前・60日前・30日前などにメールで知らせる

④

通知後の意思決定

事業部への「この契約続けますか」の照会 → 回答の回収 → 条件見直しの判断 → 稟議

⑤

実行

更新拒絶通知書の作成・送付、条件交渉、更新契約の締結、台帳の更新

契約書管理システムの検討では③の解決に目が向きやすいのですが、③は5工程のうち最も機械的で、後述の試算でも最も時間がかかっていない工程です。

Excel台帳では、なぜ途中までしか対応できないのか

Excelでの管理も、途中までは十分に機能します。満了日から本日の日付を引いて残日数を出し、条件付き書式で「30日を切ったらオレンジ、期限切れは赤」と色を変えるところまでは、追加コストゼロで組めます。

限界は一点だけで、Excelにはこちらから知らせに来る機能がないことです。誰かがファイルを開かない限り、色が赤に変わっていることに誰も気づきません。加えて、契約件数が数百件を超えると、期限が近い契約を目視で洗い出す作業自体が現実的でなくなります。担当者が変わったときに引き継げない、紙と電子で保管場所が分かれて台帳と現物が合わなくなる、といった問題もここに重なります。

自動化すると何がどう変わるか

工程ごとに、自動化前後で何が変わるかを整理します。

Before(Excel台帳)月初に担当者が台帳ファイルを開き、全件を満了日でソートして、今月中に動くべき契約を目視で拾い出す。該当する契約の担当事業部にメールで照会し、返信が来ない部署に催促を入れ、回答を集約する。更新するものは更新契約書を準備し、やめるものは更新拒絶通知書を作って送付し、結果を台帳に手で書き戻す。

After(通知と定型部分を自動化した場合)期限の90日前・60日前・30日前に、対象契約と担当事業部が記載されたメールが自動で届く。照会文は契約情報が差し込まれた状態で下書きが用意され、担当者は内容を確認して送るだけになる。回答が返ってきたら台帳の該当項目が更新され、更新拒絶が決まった契約は通知書のドラフトまで揃う。人が判断するのは「続けるか、やめるか、条件を変えるか」だけになります。

削減時間の試算(月何時間 × 人件費 = いくら)

以下は当社の試算モデルであり、業界統計ではありません。前提は次の通りです。

  • 管理対象の契約:400件(中堅企業を想定)
  • そのうち年間で更新期限を迎える契約:約3分の1、月あたり約11件
  • 担当者の人件費:時給3,000円換算(年収500〜600万円クラスの管理部門担当)

作業

月あたり工数

内訳の考え方

台帳の新規登録・項目転記

約4時間

新規・更新 約20件 × 12分

期限の洗い出し(台帳を開いて目視確認)

約3時間

月次で全件ソート・突合

事業部への継続可否の照会と回収

約6時間

対象11件 × 30分(照会文作成・催促・集約)

更新/解約の書面準備・送付・台帳反映

約4時間

対象11件 × 約20分

合計

約17時間/月

月51,000円/年間 約612,000円

月17時間、年間約61万円分の工数です。このうち通知の自動化で消えるのは、目視での洗い出し約3時間です。残る約14時間(照会と回収、書面の準備、台帳反映)は、通知を入れても人の作業として残ります。

この14時間を仕組みで減らす場合の費用感を、仮定に基づく試算で確かめます。14時間×3,000円×12か月=年504,000円です。当社の公開価格では既存システムの改修が100万円〜(税別)なので、仮に14時間がすべてなくなっても、開発費だけで回収に2年前後かかります。実際には確認作業が残り、クラウドや外部APIの実費もかかるため、回収はさらに延びます。この試算の条件では、期限管理単体のために開発を頼んでも費用が合いません。

判断が変わるのは、同じ担当者が抱えている他の定型業務を、同じ仕組みに載せられる場合です。たとえば、

  • 契約期限管理:月17時間
  • 月次レポートの集計と配信:月20時間
  • システム間のデータ転記:月15時間

の3つを対象にすると月52時間、時給3,000円換算で月156,000円/年間約187万円になります(同じく仮定に基づく試算)。対象が広がれば開発範囲も広がるため、開発費は100万円で収まるとは限らず、範囲を決めたうえでの個別見積になります。それでも、同じ台帳・同じ通知・同じ確認画面を複数の業務で使い回せる分、期限管理だけのときより回収の見通しは立てやすくなります。

期限管理単体で検討している段階なら、後述する契約書管理サービス(月1万円台〜)やkintone・Power Automateのほうが合理的です。

満了日ではなく「解約通知期限」を管理する

電子契約サービス「クラウドサイン」のロゴ

出典:クラウドサイン公式サイト(弁護士ドットコム株式会社)

期限管理でもっとも損害が出やすいのは、満了日の見逃しではなく解約通知期限の徒過です。

自動更新条項のある契約には、たいてい「満了日の3ヶ月前までに書面で通知しない限り、同一条件で1年間自動更新する」といった条件が付いています。この3ヶ月前や6ヶ月前という通知期限を1日でも過ぎると、解約の意思表示が受理されず、不要な契約がもう1年、しかも望まない条件のまま継続します。年間契約の保守委託やシステム利用料であれば、気づいた時点で数十万〜数百万円が確定してしまいます。

したがって、台帳で管理すべき日付は満了日ではなく、満了日から遡って計算した通知期限です。そして通知アラートは、その通知期限のさらに手前(社内稟議の所要期間を見込んで60〜90日前)に鳴らす必要があります。

システムを導入する際は、「満了日の何日前に通知するか」ではなく「解約通知期限を契約ごとに個別設定できるか、そこから逆算して通知できるか」を確認してください。ここを取り違えると、アラートが鳴った時点ですでに手遅れになります。

なお、契約書の保存期間そのものは、法人税法上は原則7年、欠損金の繰越控除を受ける事業年度は10年、会社法上は会計帳簿の閉鎖の時から10年(帳簿と事業に関する重要な資料)とされており、実務では10年に統一しておくのが安全という整理が一般的です。電子帳簿保存法は保存の「方法」を定める法律で、保存年数を短くするものではありません。制度の細目は改正が入るため、対応方針を固める際は国税庁の電子帳簿等保存制度の公式情報で最新の要件をご確認ください。

自動化できる業務・できない業務の境界線

契約期限管理は、すべての会社で同じように自動化できるわけではありません。仕組みを作る前に確かめておきたい条件を、先に示します。

自動化できる

自動化できない

契約書がPDF等のデジタルで存在する、またはスキャン済み

契約書が紙のみで倉庫にしかない(先にスキャンが必要)

「解約通知期限=満了日の3ヶ月前」のように、期限のルールが条文から定義できる

期限の解釈に毎回法務判断が要る(覚書が乱立し原契約との関係が不明など)

通知先・エスカレーション先が組織として決まっている

誰に聞けばよいかが契約ごとに違い、その都度探している

継続照会文や更新拒絶通知書に型がある

毎回ゼロから交渉方針を立てる大型契約

台帳がExcelでもよいので既にどこかに存在する

台帳そのものがなく、まず契約の棚卸しが必要

月次で繰り返し発生する

年1回しか発生しない

—

更新するかどうかの最終決裁をAIに委ねたい

最後の行が最も重要です。契約を続けるか打ち切るか、条件をどう変えるかという判断は、金額と事業リスクに直結するため常に人が決めます。自動化できるのは、その判断に必要な材料を期限までに、正しい人の手元に、迷わず動ける形で届けるところまでです。

また、台帳そのものが存在しない会社は、自動化の前に棚卸しが必要です。この場合は「まず全社の契約を集めて台帳を作る」作業が先行し、ここは人手と現場の協力がどうしても要ります。ここを飛ばして仕組みだけ入れると、空の台帳が残ります。

実現する方法は5つある

ノーコード業務改善プラットフォーム「kintone」のロゴ

出典:kintone公式サイト(サイボウズ株式会社)

契約期限管理の自動化には、費用も自動化できる範囲も異なる5つの選択肢があります。特定の手段に寄せずに比較します。

手段

初期費用

月額

自動化できる範囲

妥当なケース

① Excel台帳+条件付き書式

0円

0円

色分けのみ。通知は送られない

契約50件以下・担当者1名

② Excel/SharePoint+Power Automate

0円

2,248円/ユーザー〜

期限検知とメール通知

Microsoft 365を全社契約済み。台帳入力は人

③ kintone等のノーコード

0円

1,800円/ユーザー〜(最低10ID=月18,000円〜)

台帳の一元化+条件通知+簡易ワークフロー

契約以外の管理業務もまとめたい

④ 契約書管理サービス

0〜360,000円

11,000〜90,000円(非公開多数)

読み取りによる項目抽出+多段階アラート+全文検索・電帳法対応

契約数百件〜。法務部門があり監査対応が要る

⑤ 業務に合わせた仕組みの開発(既存システムとの連携・改修)

1,000,000円〜(当社の既存システム改修の公開価格)

クラウド・外部API等の実費(構成で変わる)

①〜④に加え、通知後の照会・回答集約・書面の下書き・台帳反映を自社の流れに合わせて

情報が複数システムに散在し、定型業務が期限管理以外にも複数ある

※すべて税別。⑤は開始価格で、対象範囲により個別見積です。

①Excel台帳+条件付き書式

契約50件以下、担当者が1名で毎月台帳を開く運用が定着しているなら、これで足ります。追加費用はゼロです。ただし前述の通り、ファイルを開かないと気づけない構造なので、担当者が繁忙期に台帳を開き忘れた月にリスクが集中します。

②Excel/SharePoint+Power Automate

すでにMicrosoft 365を全社導入している会社なら、追加ライセンスだけで通知を自動化できます。Power Automate Premiumは2,248円/ユーザー・月、ユーザー数に依存しないPower Automate Processは22,488円/ボット・月(いずれも税別、年払い相当)です。全社に配る場合は後者のほうが安く収まることがあります。自動化されるのは③の検知と通知のみで、②の台帳入力は人の作業として残ります。

③kintone等のノーコード

kintoneはライトコース1,000円/ユーザー・月、スタンダードコース1,800円/ユーザー・月(いずれも税別・年額換算、最低10ユーザー、初期費用無料)です。メール送信や他システム連携ができるのはスタンダードコース以上なので、通知を自動化したい場合はスタンダード=10ユーザーで月18,000円からが実質的な下限になります。契約書管理のサンプルアプリが公式に提供されているため、台帳の一元化と条件通知、簡単な承認フローまでは組めます。契約以外の管理業務も同じ基盤に載せたい会社に向きます。

④契約書管理サービス

期限アラートを持つ専用サービスです。先に指摘しておくと、主要サービスの多くは料金を公開していません。読者が費用を比較できない最大の理由はここにあります。2026年8月時点で公式に価格が確認できたもの/できなかったものを分けて示します。

サービス

初期費用

月額

Ofigo契約書管理(CIJ)

360,000円〜(初期セットアップ)

36,000円〜(50ユーザー)/48,000円〜(150ユーザー)/90,000円〜(500ユーザー)※公式料金ページに記載

クラウドサイン(弁護士ドットコム)

記載なし

Light 11,000円/Corporate 28,000円+送信220円/件(公式ヘルプセンター記載の金額。電子契約サービスだが、解約通知期限・契約終了日の事前メール通知機能を持つ)

Hubble

非公開

非公開(月額基本料金+オプション費用という枠のみ公表。更新期限通知は基本機能に含まれると記載)

Contract One(Sansan)

非公開(過去契約のデータ化・紙のスキャン代行・専任コンサル支援を含むと記載)

非公開(月間取込件数に応じた変動制)

ContractS CLM

非公開

非公開

比較メディアが料金のレンジをまとめていることもありますが、各社公式の一次情報ではなく、集計した時点や対象も記事ごとに違います。候補を絞った段階で、必ず各社から個別に見積もりを取ってください。

⑤業務に合わせた仕組みを開発する

台帳入力と通知後の社内確認まで、自社の流れに合わせて仕組みにする方法です。既存のExcel台帳や契約書管理サービスを置き換えず、公開API・Webhook・CSV・画面操作のどれでつなぐかを決めて、照会文の送信・回答の回収・催促・書面の下書き・台帳への反映を動かします。生成AIで条文から解約通知期限の候補を抜き出し、人が確認する画面を用意する、といった組み合わせもできます。当社に依頼する場合、既存システムの改修は100万円〜(税別、クラウド・外部APIなどの実費は別)で、範囲が広ければ個別見積です。

開発ではなく、AIエージェントを月額で運用してもらう外部サービスを使う方法もあります。料金体系や任せられる範囲はサービスごとに違うため、「②と④のどこまでを、誰が、どの権限で動かすのか」を同じ基準で比べてください。

④で足りるなら、⑤は要りません。 ⑤を検討する価値があるのは、「契約書管理サービスを入れたのに担当者の作業が減らなかった」会社です。次の見出しでその理由を説明します。

「システムを入れたのに作業が減らない」が起きる理由

契約書管理サービスを導入した後に起きやすいのが、「アラートは鳴るようになったが、誰も動かない」という状態です。

原因ははっきりしています。システムが解決したのは5工程のうち③だけだからです。

  • ② 台帳への項目転記:読み取り機能付きの製品なら一部は自動化されますが、抽出結果の確認と修正は人がやります。特に解約通知期限は条文の解釈が必要で、機械では抽出しきれないことがあります
  • ④ 通知後の意思決定:ここには何も手が入っていません。通知メールを受け取った管理部門が、事業部に照会し、返事の来ない部署に催促し、回答をまとめる作業は、導入前とまったく同じ量だけ残ります

つまり、月17時間のうち通知の自動化で消えるのは、目視での洗い出し3時間程度です。残る14時間は手つかずで残ります。

通知の自動化と、通知後のワークフローの自動化はまったく別のものです。 検討中の会社は、比較検討の段階で「このサービスは②と④のどこまでをやってくれるのか」を必ず確認してください。カタログ上の「アラート機能」が③(期限の検知と通知)だけを指すのか、②や④まで含むのかも、あわせて確かめてください。

④まで減らしたい場合、選択肢は「専任の担当者を増やす」か「④の定型部分を実行する仕組みを作る」かです。後者を選ぶ場合も、前述の試算のとおり期限管理単体では費用が合いにくいため、他の定型業務とまとめて対象にできるかを先に確かめてください。

自社でAIを使って進められる部分と、会社に頼む部分

ChatGPTやClaudeなどの生成AIを使えば、社内でもかなりの部分を進められます。

  • 自社で進めやすい部分:台帳の項目設計、解約通知期限を出すExcelの数式、照会文・催促文・更新拒絶通知書のひな形、Power Automateやkintoneの通知設定の手順、契約書PDFから期限条項の候補を抜き出す下書き、小さな集計スクリプトの作成
  • 会社に頼んだ方がよい部分:自社の契約データの揺れ(覚書・変更契約と原契約の関係、表記の不統一)の整理、今使っている契約書管理サービス・Microsoft 365・ワークフローとの連携と権限、回答が来ない・条件変更が入るといった例外の扱い、通知が正しい日に正しい相手へ届くかの試験と検収、ルールが変わったときに誰がどこを直すかの取り決め

前者だけで進められるなら、開発を頼む必要はありません。後者が絡んで社内だけでは進まないときは、ご相談ください。今の台帳と困っている操作を伺い、依頼範囲の候補と費用の目安を相談メモでお返しします。

今の台帳とシステムを活かして、契約の期限管理を仕組みにできるか相談する

費用の目安と、見落とされやすい初期費用

契約書管理サービス「Hubble」のサービス紹介イメージ

出典:Hubble公式サイト(株式会社Hubble)

年間の総額でまとめると次のようになります。契約400件・管理担当10名の想定です。

手段

初年度合計(税別・概算)

2年目以降(年額)

① Excel台帳+条件付き書式

0円

0円

② Power Automate(Process 1ボット)

269,856円

269,856円

③ kintone スタンダード10ID

216,000円

216,000円

④ 契約書管理サービス(Ofigo 50ユーザー例)

360,000円+432,000円=792,000円

432,000円

⑤ 開発(当社で既存システムを改修する場合)

1,000,000円〜+クラウド・外部API等の実費

実費(保守を依頼する場合はその費用)

過去契約のデータ化コストを忘れない

どの手段を選んでも、紙で保管している過去契約が残っていれば、それをデータにする費用が別途かかります。ここを見積もりに入れずに稟議を通すと、後から追加予算が必要になります。

スキャン代行の単価は、業者、カラーかモノクロか、原本を分解できるかで変わります。契約書は割印があるためホチキスを外して裁断する(分解する)ことが難しく、1枚ずつ手作業になると一般書類より単価が上がりやすい点に注意してください。ファイル名の付与やテキスト抽出(OCR)が別料金になっていることもあるため、見積もりではページ単価だけでなく、これらが含まれるかを確認します。

仮に過去契約500件、平均10ページ=5,000ページを15円/ページとすると約75,000円です(単価は説明用の仮定。実際の単価は見積もりで確認してください)。これとは別に、台帳項目の入力工数がかかります。

Contract Oneのように、初期費用にスキャン代行とデータ化を含めていると明記しているサービスもあります。見積もりを比較するときは、この費用が含まれているのか別なのかを必ず揃えてください。

当社の公開実績と、この課題との関係

契約書の期限管理そのものを仕組みにした事例で、当社が公開できるものは現時点ではありません。そのうえで、この課題と構造が近い、公開できる範囲の受託実績は次の2つです(いずれも守秘のため社名は非公開)。

  • 通信事業:数万件の請求情報を取り込み、集計し、確認画面で人がチェックできるようにした開発
  • 薬局:複数店舗・数千人分の記録を管理し、店舗ごとの権限と確認工程を設けた開発

契約期限管理に当てはめると、前者は「散らばったデータを取り込んで台帳に揃え、人が確かめる画面を用意する」部分、後者は「拠点・部署ごとに見てよい範囲を分け、確認の手順を仕組みに組み込む」部分に当たります。ただし、どちらも契約書管理の案件ではないため、同じ効果が出ることを示すものではありません。

保守委託契約、賃貸借契約、システム利用契約など自動更新条項付きの契約を数百本抱えている場合は、期限管理そのものより「期限が来たときに事業部側の担当者が誰なのか分からない」ことで止まっていないかも確かめてください。そうであれば、通知の自動化より先に、契約と担当部署の紐付けを台帳に持たせる整理が役に立ちます。

なお、契約期限管理に隣接する定型業務については、月次レポート作成の自動化やシステム間のデータ転記の自動化もあわせてご覧ください。複数業務をまとめて対象にできるほど、開発費の回収の見通しは立てやすくなります。

開発を頼む場合の進め方

契約期限管理の自動化を段階的に導入していく流れを表したイメージ

当社に開発を頼む場合は、次の順で進めます。期間は、契約台帳と社内ルールがどこまで整っているか、つなぐシステムがいくつあるかで大きく変わるため、範囲を決めた段階でお示しします。

  1. 初回相談(無料・30分・オンライン):契約件数、台帳の現状、月あたりの更新件数、今使っているシステム、困っている操作を伺います。自社でAIを使って進める部分と、任せる部分をここで切り分けます。相談後に、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモをメールでお送りします
  2. 範囲と見積の確定:資料を受け取ったうえで、どの工程をどこまで仕組みにするかを決め、提案と見積をお出しします。既存システムの調査や要件定義書の作成が必要な場合は有償になるため、その前に範囲と金額を示して合意をいただきます
  3. 設計:解約通知期限の算出ルール、通知タイミング、エスカレーション先、照会文のフォーマット、誰がどの契約を見てよいかの権限を固めます
  4. 開発と試験:既存の台帳・サービスとつなぎ、通知が正しい日に正しい相手へ届くか、回答が台帳へ正しく戻るかを試験します。過去契約のデータ化が必要な場合は並行して進めます
  5. 検収と運用への引き渡し:ルールの変更(通知日・担当部署・ひな形)を社内で直せる範囲と、改修として依頼する範囲を決めておきます

構築そのものより先に、1〜3の「現状の業務をルールとして書き出す作業」に時間を取ります。契約台帳と社内ルールがすでに整っている会社ほど早く進みます。

よくある質問

Q1. 契約書が紙しかありません。それでも自動化できますか。

まずスキャンしてデータにする工程が必要です。契約書は割印があり分解が難しいため、一般書類よりスキャン単価が上がりやすい点に注意してください。仮に15円/ページとすると、500件・5,000ページで約75,000円です(単価は説明用の仮定。実際は見積もりで確認してください)。全件を一度にデータ化するのではなく、「今後2年以内に更新期限が来る契約だけ先にデータ化する」進め方をとると、初期費用を大きく抑えられます。

Q2. 契約が50件程度でもシステムは必要ですか。

契約50件以下で担当者が1名なら不要です。Excelに満了日と解約通知期限の列を作り、条件付き書式で残日数を色分けする運用で足ります。追加費用はゼロです。判断の目安は、月次で台帳を開く運用が定着しているかどうかです。開き忘れる月がある、または担当者が兼務で繁忙期がある場合は、通知が届く仕組みを検討する価値があります。

Q3. 契約書管理サービスをすでに導入済みですが、それでも相談する意味はありますか。

意味があるのは、「導入したのに担当者の作業時間が減っていない」場合です。この状態は、サービスが期限の検知と通知(工程③)は解決した一方で、台帳入力(②)と通知後の社内照会(④)が残っているために起きます。開発で対応する場合は、既存サービスを置き換えず、そのAPIや書き出しデータとつないで②と④の定型部分を動かす形が基本です。逆に、導入して工数が実際に減っているなら追加投資は不要です。

Q4. 更新するかどうかの判断まで任せられますか。

できません。契約を継続するか打ち切るか、条件をどう変更するかは金額と事業リスクに直結するため、必ず人が決めます。自動化するのは、判断に必要な情報(契約内容、過去の取引額、担当部署の意見)を期限までに決裁者の手元に揃えることと、決定後の書面作成・送付・台帳更新です。

Q5. 期限管理だけを自動化した場合、費用対効果は合いますか。

本文の試算の条件では、期限管理だけを切り出すと合いません。契約件数別の目安は次の通りです。50件以下ならExcelと条件付き書式で追加費用ゼロ、50〜300件なら通知が届く仕組み(Power Automateで年約27万円、kintoneスタンダード10IDで年約22万円)、300件以上で法務の監査対応も必要なら契約書管理サービス(Ofigo 50ユーザーの例で初年度約79万円・2年目以降約43万円)が妥当な水準です。通知後の工程まで開発で仕組みにする場合、当社の既存システム改修は100万円〜(税別)で、期限管理だけで減る工数(本文の試算では年約50万円)に対しては回収に2年前後以上かかります。判断の基準は契約件数ではなく、同じ仕組みに載せられる業務の合計工数です。

Q6. 開発を頼む場合、どれくらいの期間がかかりますか。

つなぐシステムの数と、台帳・社内ルールの整い具合で変わるため、範囲を決めた段階でお示しします。次の3点が手元にあると、範囲を早く決められます。①現在の契約台帳(Excelで構いません。項目が揃っていなくても可)②直近1年に更新期限を迎えた契約の件数③契約ごとの担当部署が分かる資料です。逆に、台帳がなく契約の棚卸しから始める場合は、その期間が前段に加算されます。

Q7. 電子帳簿保存法への対応も同時にできますか。

法令要件そのものへの適合は、電帳法対応をうたう契約書管理サービスを使うのが確実です(要件には改ざん防止の措置と検索できる状態の確保が含まれます)。開発で作れるのは、そのサービスへの登録や台帳との整合を保つ連携の部分で、保存要件への適合を当社が保証するものではありません。制度の細目は改正されるため、対応方針は国税庁の公式情報と顧問税理士の確認を前提に決めてください。

Q8. 開発した後に、契約件数や通知のルールが変わったらどうなりますか。

契約件数が増えるだけなら、作り方によっては仕組みを直さずに扱えますが、クラウドや外部APIの実費は件数に応じて増えることがあります。通知日・担当部署・照会文のひな形のように変わりやすいものは、社内で設定を変えられるように作るか、変更のたびに改修として依頼するかを、開発範囲を決める段階で決めておくことが大切です。ここを決めずに作ると、ルールが変わるたびに仕組みが使われなくなります。

通知後の作業まで仕組みにできるか、30分の無料相談で確かめる

契約書の期限管理は、通知だけなら月1万円台のサービスで自動化できます。判断が難しいのは、「通知が来た後の照会・回収・書面・台帳反映まで、今の台帳とシステムを活かして仕組みにする価値があるか」です。

初回相談では、契約件数・今の管理方法・使っているシステム・困っている操作を伺い、自社でAIを使って進める部分と、任せる部分を一緒に切り分けます。契約書管理サービスやkintone・Power Automateで足りる場合は、その旨をお伝えします。

  • 初回相談は無料・30分(オンライン/Google Meet)。要件が決まっていなくても大丈夫です
  • 相談後に、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモをメールでお送りします
  • 公開価格:既存システムの改修 100万円〜/PoC 300万円〜/本開発は個別見積(すべて税別。クラウド・外部API・ライセンス等の実費は別)
  • 相談フォームには、契約書の本文・実際の取引先名・システムのパスワードなどは書かないでください

今の台帳とシステムを活かして、契約の期限管理を仕組みにできるか相談する

依頼範囲と費用の目安を30分で整理します

開発について相談する

この記事の著者

AI革命

AI革命

編集部

AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。

AI・システム開発は、開始価格を公開しています

既存システムの改修 100万円〜・PoC 300万円〜(税別)。相談内容を送っていただくと、2営業日以内に担当者からご返信します