AIツール2026年5月更新

Project Glasswing とは?Anthropic × 12社+IBM が仕掛けるAIサイバー防衛の全貌【2026年最新】

公開日: 2026/05/25
Project Glasswing とは?Anthropic × 12社+IBM が仕掛けるAIサイバー防衛の全貌【2026年最新】

この記事のポイント

Anthropicが2026年4月に発表した業界横断AI防衛イニシアティブ「Project Glasswing」を徹底解説。Claude Mythos Previewのゼロデイ発見能力、12社ローンチパートナー、1億ドルコミットメント、日本政府YATA-Shieldへの対応まで網羅。

Project Glasswing(プロジェクト・グラスウィング)は、Anthropicが2026年4月7日に発表した業界横断のAIサイバー防衛イニシアティブです。AWS・Apple・Google・Microsoft・JPMorganほか12社のパートナーとともに「AI時代の重要ソフトウェアインフラを保護する」を掲げ、最大1億ドルの利用クレジットをセキュリティ研究機関・エンタープライズ組織に無償提供します。

本記事では、Project Glasswingの定義と名前の由来から、中核モデル「Claude Mythos Preview」の実力、初動1ヶ月で発見された10,000件超のゼロデイ脆弱性、なぜ一般公開できないのかというデュアルユースの問題、日本政府・企業への影響、参加申請方法まで一気通貫で解説します。

この記事でわかること:

  • Project Glasswingの定義・仕組み・名前の由来
  • Claude Mythos Previewのセキュリティ能力(ベンチマーク比較表付き)
  • 発見されたゼロデイ脆弱性の具体例(CVE番号付き)
  • なぜ「危険すぎて公開できない」のか:デュアルユースのパラドックス
  • AWS・Apple・Google・Microsoft・JPMorganほか12社+IBMの役割
  • $100M+$4Mの財政コミットメントの全体像
  • 日本政府「YATA-Shield」と日本企業が今すべき対応
  • 一般企業が利用できる「Claude Security」とGlasswingの違い
  • Glasswing参加申請の方法と条件

対象読者: セキュリティ担当者・ITエンジニア・CTO・CISO、AI/セキュリティ領域に関心のある方

Project Glasswing とは|定義・名前の由来・発表背景

Project Glasswing 公式発表ビジュアル(Anthropic)

出典: Anthropic - Project Glasswing: An initial update

Project Glasswingは「AIが生み出すサイバー脅威に、AIで先手を打つ」ための業界連合です。

Anthropic公式の定義は下記の通りです。

"An initiative to secure the world's most critical software for the AI era."(AI時代の世界の重要なソフトウェアを守るためのイニシアティブ)

2026年4月7日(日本時間4月8日)に正式発表されました。

名前はなぜ「グラスウィング(Glasswing)」なのか

グラスウィング蝶(ツマジロスカシマダラ)は、羽の大部分が透明で背景に溶け込んで見えない昆虫です。このイニシアティブが標的とするのは「ソフトウェアの深部に長年潜伏し、人間の目では発見できなかった透明な脆弱性」。まさにグラスウィングが象徴する「見えない脅威」です。

発見された脆弱性の中には、27年間誰にも気づかれなかったOpenBSDのTCP実装バグも含まれています。

発表に至った背景

Project Glasswingが生まれた直接的なきっかけは、Anthropic社内で開発中だった未公開フロンティアモデル「Claude Mythos Preview」の評価結果です。このモデルは、コード理解・推論・自律性の向上に伴う副産物として、最高技能の人間専門家を上回るレベルでソフトウェア脆弱性を自律発見・悪用できることが判明しました。

重要なのはこの能力が「明示的にトレーニングされたものではない」点です。一般的なコーディング能力の自然な延長として生まれた能力であれば、今後あらゆる高性能AIモデルに同様の能力が宿るリスクがあります。

防御側(セキュリティ研究者・企業)が攻撃側より先にアクセスできる枠組みを作ることが急務と判断し、Project Glasswingが設計されました。

「攻撃者も同等のモデルを開発中という想定で設計している。防御側が先行アクセスできる構造が必要だ」 — Anthropic公式資料

なお、Project Glasswingは2026年3月26日にAnthropicのCMS設定ミスにより存在が事前漏洩。セキュリティ関連株が最大7%下落するなど市場に動揺をもたらした後、正式発表に至った経緯があります。

Claude Mythos Preview の実力|ベンチマーク比較表

Project Glasswingの中核を担うのがAnthropic未公開のフロンティアモデル「Claude Mythos Preview」です。現時点ではGlasswing参加組織のみがアクセス可能で、一般ユーザー向けのAPIやClaude.aiからはアクセスできません。

AnthropicのAIセーフティに関する研究ビジュアル」 width=

出典: Anthropic - Core Views on AI Safety

主要ベンチマーク(公式・第三者確認済み)

ベンチマーク

Claude Mythos Preview

Claude Opus 4.6

GPT-5.4

SWE-bench Verified

93.9%

80.8%

未報告

SWE-bench Pro

77.8%

53.4%

57.7%

USAMO 2026

97.6%

42.3%

95.2%

GPQA Diamond

94.5%

91.3%

92.8%

CyberGym(サイバー専門)

83.1%

66.6%

SWE-bench Multimodal

59.0%

27.1%

特筆すべきは数学オリンピック相当の「USAMO 2026」で Claude Opus 4.6 比 +55.3ポイント という世代的な跳躍を記録した点です。CyberGymはサイバーセキュリティ特化のベンチマークで、現行最高スコアを達成しています。

セキュリティ固有の能力

Claude Mythos Previewのセキュリティ能力は、単純な脆弱性スキャナーを大きく超えます。英国AI Security Instituteの2つのサイバーレンジをクリアした初のモデル(第三者評価)として認定されており、以下のことが可能です。

  • 主要OS・ブラウザのゼロデイ脆弱性を自律的に発見・実証
  • ブラウザサンドボックスの回避・権限昇格エクスプロイトの生成
  • 企業環境のエンドツーエンド攻撃シミュレーション
  • 複数脆弱性の連鎖による特権昇格チェーンの構築

特に衝撃的なのは Firefox 147のJavaScriptエンジン脆弱性 のデータです。Claude Opus 4.6が181回の試行で2回しか攻撃成功できなかったのに対し、Claude Mythos Previewは181回全て成功(成功率1.1% → 100%、約90倍)。この数字が「危険すぎて一般公開できない」という判断の根拠のひとつになっています。

Claude Opus 4.7 との関係(混同に注意)

Claude Opus 4.7はClaude Mythosとは別モデルです。Claude Opus 4.7は「Project Glasswingで得た知見を取り込んだ初の一般向けモデル」として2026年5月初旬にリリースされており、EnterpriseプランのClaude Security機能に組み込まれています。Claude Mythosは依然としてGlasswing参加組織限定です。

初動1ヶ月で10,000件超のゼロデイ発見

2026年5月に公開されたAnthropicの初動1ヶ月レポートは、AI主導セキュリティ調査の規模感を大きく書き換えるものでした。

サイバーセキュリティ脆弱性検出の技術イメージ」 width=

全体数字

  • 約50パートナー組織で実施
  • 10,000件超の高/重大度脆弱性を発見
  • オープンソース領域: 23,019件中6,202件が高/重大度(真陽性率90.6%

偽陽性率(誤検知率)の低さが特筆すべき点で、Cloudflareは「偽陽性率は人間のテスターより低い」と評価しています。

パートナー別の発見実績

パートナー

発見件数

概要

Cloudflare

2,000件(うち400件が高/重大度)

「偽陽性率は人間より低い」と評価

Mozilla

271件(Firefox 150)

Firefox 148調査時の10倍超

Anthropic自身(OSSスキャン)

6,202件(高/重大度)

530件を開示、75件がパッチ適用済み

銀行パートナー

150万ドル規模の不正送金を検知・阻止

発見された主要ゼロデイ脆弱性(CVE番号付き)

長年放置されてきた重大な脆弱性が複数発見されています。

脆弱性

対象システム

潜伏期間

技術的メカニズム

TCP SACK 実装バグ

OpenBSD

27年

符号付整数オーバーフロー → NULLポインタ書き込み → リモートDoS

H.264 コーデックバグ

FFmpeg

16年

スライスカウンタ不整合 → メモリ越境アクセス(ファジングで500万回見逃し)

RPCSEC_GSS RCE

FreeBSD NFS

17年

memcpyバッファオーバーフロー → ROP攻撃 → root権限取得(CVE-2026-4747

特権昇格チェーン

Linux カーネル

複数脆弱性の連鎖 → 制限なしroot昇格

証明書偽造

wolfSSL

CVE-2026-5194(数十億台のデバイスに採用された暗号ライブラリ)

特に深刻なのはFFmpegのバグです。自動テスト(ファジング)が500万回見逃し続けた脆弱性を、Claude Mythosは論理的推論で発見しました。FFmpegは動画処理ライブラリとして世界中の製品・サービスに組み込まれており、日本国内への影響も無視できません。

修正状況の現実

発見からパッチ適用までの道のりは長く、現時点での状況は以下の通りです。

  • 開示済み530件のうちパッチ適用済み: 75件(約14%)
  • 初期段階では99%以上がまだ未修正という状態も報告
  • Anthropicは90日以内に開示可能な範囲での知見・修正内容を公開予定

この「発見できても修正できていない」という状況は、AI時代のパッチ管理プロセスに根本的な見直しを迫るものです。

なぜ「危険すぎて公開できない」のか?デュアルユースのパラドックス

Claude Mythos PreviewをAnthropicが一般公開しない理由は明確です。「防御に使えるものが攻撃にも同等に有効」というデュアルユースの問題があるためです。

防御側と攻撃側——非対称性の逆転

通常の脆弱性発見では、攻撃者は「どこかに穴がある」という前提で探索し、防御者は「パッチを当て続ける」というイタチごっこが続きます。Claude Mythosは、この均衡を根本から変える存在です。

比較軸

従来の手法

Claude Mythos Preview

探索方法

人間のセキュリティ研究者が手動で

自律的に数千件を並列スキャン

論理的穴の発見

ファジングで見逃す(FFmpeg: 500万回)

コード推論で発見

攻撃成功率(Firefox JS)

1.1%(Opus 4.6実績)

100%(Mythos Preview実績)

修正までの期間

数ヶ月〜数年

発見・実証・報告の自動化で短縮可能

問題の核心は「攻撃者も同等のモデルを開発中」という前提です。Anthropicは「防御者が先行アクセスできる時間が数ヶ月でもあれば重大な被害を回避できる」という考え方でProject Glasswingを設計しています。

なぜ今すぐ全面公開しないのか

Anthropicが挙げる3つの理由:

  1. 99%以上の発見脆弱性が未修正: 情報を公開すれば攻撃者への情報提供になる
  2. 攻撃成功率の高さ: Firefox JSエンジンへの181回成功は、実際の攻撃ツールとして機能することを意味する
  3. 責任ある開示プロセスの遵守: パッチ提供から一定期間後に公開する業界慣行(90日ルール等)に従う

AI「軍拡競争」のリアル

Picus SecurityやForresterなどのアナリストが指摘するのは、Glasswingが象徴する「AIサイバー軍拡競争」の現実です。防御側がAIで脆弱性を発見・パッチするより先に、攻撃側がAIで脆弱性を探索・悪用するシナリオが現実味を帯びています。

Glasswingの意義はこの非対称性を逆転させようとする点にあります。ただし、その設計が正しく機能するには、参加組織が防御目的のみに使うという信頼が前提です。

12社+IBM ローンチパートナーとその役割

Project Glasswingには、クラウド・セキュリティ・金融・OSS・インフラにまたがる12社がローンチパートナーとして参加し、2026年5月19日にはIBMが追加参加を発表しました。

エンタープライズ企業間のテクノロジーパートナーシップ」 width=

ローンチ時12社の役割一覧

企業・組織

分類

主な役割

Amazon Web Services

クラウド

インフラ提供・Bedrock経由での顧客アクセス

Apple

プラットフォーム

重要インフラ・デバイスの脆弱性審査

Broadcom

インフラ

重要システムの監査・知見共有

Cisco

セキュリティネットワーク

検知・防御能力の高度化

CrowdStrike

セキュリティ

見落とされた脆弱性の発見・脅威ハンティング

Google

クラウド

GCP経由でのアクセス・インフラ審査

JPMorgan Chase

金融

金融インフラのセキュリティ強化

Linux Foundation

OSS

オープンソースソフトウェア保護・知見共有

Microsoft

クラウド

Azure経由でのアクセス・インフラ審査

NVIDIA

インフラ

GPU関連システムの監査

Palo Alto Networks

セキュリティ

防衛能力強化・知見のフィードバック

Anthropic

主催

Claude Mythosの開発・運営・コンプライアンス管理

IBMの追加参加(2026年5月19日)

2026年5月19日、IBMがProject Glasswingへの参加を正式発表しました。IBM Security X-Forceチームが参加し、以下のポートフォリオとの連携が予定されています。

  • IBM Concert: ITオペレーション管理にAI脆弱性知見を統合
  • IBM Concert Secure Coder: 開発工程でのAIセキュリティ支援
  • IBM Autonomous Security: 自律的な脅威対応ポートフォリオとの連携

IBM参加により、Project Glasswingの知見はエンタープライズのIT運用・開発・セキュリティオペレーション全体に浸透する可能性が高まりました。

40以上の追加組織も参加中

正式ローンチパートナー以外にも、2026年5月時点で40以上の追加組織が重要ソフトウェアインフラを構築・維持する組織として拡大アクセスの提供を受けています。対象はセキュリティ研究機関・MSSP・政府・防衛コントラクターなど。

JPMorgan Chaseと金融AI連携の文脈

Project GlasswingにJPMorgan Chaseが参加していることは特に注目に値します。同社はAnthropicとの関係が深く、Anthropicの金融サービス向けAIエージェントにも関与しています。初動1ヶ月で150万ドル規模の不正送金を検知・阻止した銀行パートナーの実績は、金融領域でのAIセキュリティの有効性を示す重要なデータです。

$100M コミットメント+$4M OSS 寄付|費用・プランの全体像

Anthropicは財政面でも大型のコミットメントを表明しています。

Anthropicの財政コミットメント(公式確認)

コミットメント

金額

対象

Claude Mythos Preview 利用クレジット

最大$100M(1億ドル)

約50の参加組織に無償提供

Alpha-Omega & OpenSSF への寄付

$2.5M

Open Source Security Foundation

Apache Software Foundation への寄付

$1.5M

Apache系OSSのセキュリティ強化

合計

$104M超

「最大$100M」は約50の参加組織への無償クレジット総量の上限であり、個別組織への配分は審査に基づきます。

Claude Mythos Preview のAPI料金(リサーチプレビュー終了後)

リサーチプレビュー終了後のAPI料金は公式ページで確認されています。現時点(2026年5月)では参加組織への無償提供期間中のため、実際の課金は発生していません。

種別

料金(百万トークンあたり)

入力トークン

$25

出力トークン

$125

他のAnthropicモデルと比較すると、出力トークン$125/Mはかなり高水準です。これはMythosが商業リリース版ではないPreviewモデルであることを反映しています。

Claude Security(Enterpriseユーザー向け)

一般企業がGlasswingの成果に近い形でアクセスできるのが「Claude Security」です。

項目

内容

提供開始

2026年5月初旬(Enterpriseユーザー向け公開ベータ)

アクセス方法

claude.ai/security(サイドバーから直接アクセス)

技術基盤

Claude Opus 4.7(Project Glasswingの知見を取り込んだ初の一般向けモデル)

拡大予定

Team・Maxユーザーへの拡大予定

料金

Enterpriseプランの一部として提供(独立した料金表は公式未発表)

Claude SecurityはClaude Mythosそのものではありませんが、Glasswingで得られた脆弱性発見・セキュリティ分析の知見が組み込まれています。

日本政府・日本企業への影響|YATA-Shield と実務対応

日本政府は2026年5月18日、Project Glasswingを参照したAI時代のサイバー防衛パッケージ「Project YATA-Shield」を策定・発表しました。

Project YATA-Shield(内閣官房国家サイバー統括室)

14省庁が連携して策定した対応パッケージで、3層の注意喚起を発出しています。

対象層

内容

第1層: 重要インフラ事業者(電力・金融・通信・医療・交通)

ゼロトラスト移行・AIによる脅威ハンティングの導入

第2層: ソフトウェアベンダー

リリース前のAI脆弱性検出・継続的パッチ供給体制の整備

第3層: 政府機関26機関・独法86法人・指定法人10法人

パッチマネジメントの全面見直し

自民党は「Mythos級のAIモデルが攻撃者の手に渡れば、人間の監視速度を超えた自動化攻撃が発生しうる」として政府に対策要請。米国のGlasswingをモデルにした日本版企業連合の創設も検討されています。

日本企業の現状と間接的影響

  • 参加状況: 2026年5月時点で日本企業の正式参加は確認されていない(未公表の可能性あり)
  • wolfSSL(CVE-2026-5194)の影響: 日本国内の数十億台規模のデバイスへの間接的な供給チェーン影響
  • 業界反応: 東京海上ディーアール・トレンドマイクロが専門家評価を公開。日経xTECHは「対応せざるを得ない」と日本金融業界の状況を報道
  • 日本金融業界: 2026年4月中旬、経産省の官民連携枠組みを設置

日本企業が今すべき3つの対応

Step 1: 保有ソフトウェアの棚卸しと脆弱性の優先順位付け
Glasswingで発見された脆弱性(FFmpeg・OpenBSD・wolfSSL等)が自社システムに含まれるかを確認。特にOSSコンポーネントのSBOM(ソフトウェア部品表)整備を急ぐことが重要です。

Step 2: Claude Security(Enterprise)の試験導入
現在Enterprise向けに公開ベータ中のClaude Securityを使い、Glasswingの知見を取り込んだAI脆弱性スキャンを試験導入する。claude.ai/security から申請可能です。

Step 3: Project YATA-Shieldの指針に従ったパッチマネジメント見直し
特に第2層(ソフトウェアベンダー)・第3層(政府機関・独法)に該当する組織は、内閣官房国家サイバー統括室の指針に従った対応が求められます。

一般企業はどう使える?Claude Security と Glasswing の接続

Project GlasswingへのフルアクセスはGlasswing審査通過組織のみですが、一般企業はClaude Security(Enterprise)を通じてその成果の一部を活用できます。

Glasswing vs Claude Security の違い

比較項目

Project Glasswing(Mythos Preview)

Claude Security(Enterprise)

対象

セキュリティ研究機関・大手企業・政府

Enterpriseプラン契約企業

使用モデル

Claude Mythos Preview(未公開フロンティア)

Claude Opus 4.7(Glasswing知見組み込み)

アクセス方法

審査 + anthropic.com/glasswingから申請

claude.ai/security(サイドバー直接)

料金

無償(最大$100M利用クレジット)

Enterpriseプランの一部(詳細未公表)

攻撃シミュレーション

可(ペネトレーションテスト)

限定的(防御用途中心)

一般向け提供

将来的に検討中(時期未定)

現在公開ベータ、Team・Maxに拡大予定

日本語対応

未確認

対応(Enterpriseプランに準じる)

導入の流れ(Claude Security Enterprise)

  1. AnthropicのEnterpriseプランに契約
  2. claude.ai/security にアクセス(サイドバーから選択可能)
  3. セキュリティ診断・脆弱性スキャンを実行
  4. 発見結果を内部セキュリティチームでレビュー・対応

Project Glasswing への参加申請方法と条件

申請方法

申請対象

以下の組織が対象とされています。

  • セキュリティ研究機関
  • エンタープライズセキュリティチーム
  • MSSP(マネージドセキュリティサービスプロバイダー)
  • 政府・防衛コントラクター

申請要件

要件

詳細

ユースケースの文書化

脆弱性発見・防御目的での具体的な使用計画の提出

コンプライアンス認証

適切なセキュリティ認証の保有証明

使用契約への署名

防御目的限定・定期監査受け入れ・出力コントロール実装義務の同意

参加後の義務事項

  • 防御目的のみ使用: 攻撃的利用は使用許諾で明示禁止
  • 定期監査の受け入れ: Anthropicによる使用状況の監査
  • 出力コントロールの実装: 不適切な出力が外部に漏れないシステム的な担保

審査期間・詳細スケジュールは公式には明示されていません(2026年5月時点)。

こんな組織に向いている / 向いていない

Project Glasswing(Mythos Preview)に向いている組織

カテゴリ

具体例

大規模セキュリティ組織

独立したセキュリティチームを持つ大企業・銀行・通信会社

セキュリティ研究機関

学術研究機関・国立研究所・セキュリティベンダーのR&D部門

重要インフラ管理者

電力・水道・交通・医療・金融インフラの管理組織

政府・防衛機関

国家レベルのサイバー防衛機関・防衛コントラクター

大規模OSSプロジェクト

Linux Foundation・Apache等の広く使われるOSS管理組織

Project Glasswing(Mythos Preview)に向いていない組織

カテゴリ

理由

セキュリティ専任チームがない中小企業

出力コントロール・監査対応の実装が困難

攻撃的セキュリティテストが主目的の組織

防御目的のみという使用制限に反する

コンプライアンス認証未取得の組織

申請要件を満たせない

個人・個人事業主

対象外

Claude Security(Enterprise)に向いている組織

  • セキュリティ担当者を持つ中〜大規模企業
  • 脆弱性スキャンを内製化したいDevSecOpsチーム
  • AnthropicのEnterpriseプランを既に利用中の組織
  • Glasswingへの直接参加要件を満たさないが、AIセキュリティを強化したい組織

よくある質問(FAQ)

Q. Project Glasswingは日本企業でも申請できますか?

公式の申請ページ(anthropic.com/glasswing)は全世界向けであり、日本企業であることを理由に排除する規定はありません。ただし、2026年5月時点で日本企業の正式参加は確認されていません。申請要件(コンプライアンス認証・ユースケース文書化)を満たす組織であれば申請は可能です。

Q. Claude Mythosは今後一般公開される予定はありますか?

現時点でAnthropicは一般公開の時期を明示していません。99%以上の脆弱性がパッチ未適用の状態が解消されるまで、段階的な公開にとどめると説明しています。

Q. $100Mの利用クレジットは全て無償提供されますか?

「最大$100M」は約50の参加組織への無償クレジット総量の上限です。個別組織への配分額は審査に基づきます。

Q. 日本の「Project YATA-Shield」は、Project Glasswingと正式に連携していますか?

現時点では米日間の正式な政府間連携協定は確認されていません。YATA-ShieldはGlasswingをモデルに設計されましたが、Anthropicと日本政府間の公式連携協定の存在は未公表です。

Q. Claude SecurityとProject Glasswingは同じものですか?

別物です。Project GlasswingはClaude Mythos Previewを使う研究組織向けの審査制イニシアティブ、Claude SecurityはClaude Opus 4.7を使うEnterprise向けの一般製品です。後者は前者の知見を取り込んでいますが、Mythosへの直接アクセスは提供しません。

Q. Project Glasswingで発見された脆弱性の情報はどこで確認できますか?

Anthropicは公式研究ページ(anthropic.com/research/glasswing-initial-update)で初動レポートを公開しています。CVE番号が付与されたものはNVD(米国国家脆弱性データベース)でも確認可能です(例: CVE-2026-4747CVE-2026-5194)。

Q. セキュリティ株への影響はありますか?

2026年3月26日の事前漏洩時にセキュリティ関連株が最大7%下落しました。一方、CrowdStrikeやPalo Alto Networksなどパートナー企業の株価は上昇傾向が報告されています。SaaS市場では「Glasswing限定参加が大手テック依存を加速させる」という見方もアナリストから出ています。

まとめ|Project Glasswingが変えるもの

AIセキュリティと次世代サイバー防衛のビジョン」 width=

Project Glasswingは「AIがサイバー脅威の地形を変えた」という現実への、業界を挙げた最初の組織的回答です。

ポイント

内容

何が起きているか

Claude Mythos Previewが1ヶ月で10,000件超のゼロデイを自律発見。人間のファジングが500万回見逃した脆弱性を検出

なぜ公開できないか

防御にも攻撃にも等しく有効なデュアルユース。99%以上が未修正の状態で情報公開は攻撃者を利する

誰が動いているか

AWS・Apple・Google・Microsoft・JPMorgan・IBM他13社以上の業界連合+40以上の組織

日本への影響

政府YATA-Shield策定・wolfSSL等の間接影響。日本企業の正式参加は未確認

一般企業の選択肢

Glasswingへの直接申請 or Claude Security(Enterprise)の活用

GoogleがAnthropicに400億ドルを投資した背景や、AWSがGlasswingと並行してAnthropicとの連携を深めている構図(OpenAI × AWS戦略パートナーシップとの比較も参照)を踏まえると、Project Glasswingは単一のセキュリティイニシアティブを超え、AI時代のインフラ覇権争いの一環として理解する必要があります。

Anthropicが日本市場でも積極的な動きを見せていることは、Anthropic × NEC戦略提携でも確認できます。また、Anthropic × Blackstone・Goldman Sachs合弁企業との関係を見ると、金融セキュリティ(Glasswing)と金融エージェント(Project Deal等)は車の両輪として機能しつつあります。

さらに、Project Glasswingの成果が反映されたClaude Opus 4.7の実力はClaude Opus 4.7とGPT-5.5 Spudの比較で詳しく解説しています。

公式情報の確認・申請は anthropic.com/glasswing から。Claude Securityの申請は claude.ai/security から。

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この記事の著者

AI革命

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編集部

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