VS Code 1.118 Copilot「共著者」自動追加炎上|著作権問題・git.addAICoAuthor無効化方法徹底解説

この記事のポイント
VS Code 1.118で問題になったCopilotの「Co-authored-by」自動追加は、1.119でデフォルトがoffに戻りました。2026年10月時点の状況、git.addAICoAuthorの止め方、すでに付いたトレーラーの消し方、Claude Codeなど他ツールの設定、著作権の論点を整理します。
VS Code 1.117〜1.118 で問題になった Co-authored-by: Copilot <copilot@github.com> の自動追加は、2026年5月6日リリースの VS Code 1.119 でデフォルトが off に戻りました。 ただし、1.117・1.118 のころに設定画面で値を変えた人はユーザー設定に chatAndAgent や all が残っていることがあるので、確実に止めたいなら settings.json に off を書いておくのが安全です。
{
"git.addAICoAuthor": "off"
}この記事でわかること
- 1.117 → 1.118 → 1.119 で何が変わったか(バージョン別のデフォルト値)
- 2026年10月時点(最新の安定版は 1.142)の状況と、まだ残っている課題
git.addAICoAuthorの止め方(GUI・settings.json・チーム共有・AI機能の一括オフ)- すでに履歴に入った
Co-authored-by: Copilotの確認方法と消し方 - Claude Code や Copilot coding agent など、VS Code の設定では止まらないツールのトレーラー
- 著作権の論点(米国の Thaler 事件、Doe v. GitHub の2026年9月判決、Microsoft の著作権補償、日本の文化庁の考え方)
こんな方に向けた記事です: VS Code で Git を使っているエンジニア、チームのリポジトリを管理しているリーダー、AI 利用の記録や納品物の権利を気にしている法務・発注担当の方。
VS Code 1.118 で何が変わったのか

VS Code 標準の Git 拡張にある git.addAICoAuthor という設定のデフォルト値が、1.117 と 1.118 の2回続けて「有効」側に変わり、1.119 で元の off に戻りました。騒ぎの中心になったのは 1.118 ですが、変更の始まりは 1.117 です。
git.addAICoAuthor は、AI が生成したコードを含むコミットに Co-authored-by トレーラーを自動で足すかどうかを決める設定です。有効になっていると、コミットメッセージの末尾に次の1行が付きます。
Co-authored-by: Copilot <copilot@github.com>バージョン別のデフォルト値
バージョン | リリース時期 |
| 補足 |
|---|---|---|---|
1.109以前 | 〜2026年2月 | 設定なし | — |
1.110〜1.116 | 2026年3月〜 |
| 設定が追加され、使いたい人だけ有効にする機能だった |
1.117 | 2026年4月22日から順次配信 |
| 4月16日マージの PR #310226 で変更。リリースノートでの告知はなかった |
1.118 | 2026年4月29日 |
| リリースノートに "VS Code now enables Git AI co-authoring by default for chat and agent workflows." と記載 |
1.119以降(〜1.142) | 2026年5月6日〜 |
| PR #313931 で戻された。最新の安定版は 1.142(2026年10月14日) |
1.117 か 1.118 かで報道の書き方が分かれていますが、VS Code チームが GitHub に公開した経緯説明(Issue #314311)では「1.117 で all、1.118 で chatAndAgent」とされています。リリースノートで告知されたのは 1.118 だけで、1.119 のリリースノート本文にもデフォルトを戻した記載はありません。
3つの設定値の違い
設定値 | 公式の説明(要約) | いつのデフォルトか |
|---|---|---|
| トレーラーを一切付けない | 1.110〜1.116、1.119以降 |
| Copilot Chat やエージェントの編集を含むコミットだけに付ける | 1.118 |
| インライン補完(Tab補完)も含め、AI が関わったコミットすべてに付ける | 1.117 |
設定のスコープは resource なので、ユーザー設定・ワークスペース設定(.vscode/settings.json)・フォルダー単位のどれでも指定できます。
トレーラーが付く仕組みと対象範囲
現行の VS Code のソースコード(extensions/git/src/repository.ts)を見ると、トレーラーはおおむね次の順番で判定されます。
chat.disableAIFeaturesがtrueなら、設定値に関係なく付けない(1.119 で追加された処理)git.addAICoAuthorがoff(未設定もoff扱い)なら付けない- 同じトレーラーがすでにあれば重ねて付けない
- コミット対象のファイルに AI の編集履歴があれば、コミットの直前にメッセージ末尾へトレーラーを足す
最後の点が批判の理由の一つです。入力欄には表示されないため、コミットした後で履歴を見て初めて気づく形になります。
対象は VS Code のソース管理画面からのコミットだけです。ターミナルでの git commit や、SourceTree・GitHub Desktop・GitKraken などの外部クライアントからのコミットは、VS Code のこの処理を通りません。
なぜ炎上したのか:3つの問題点

反発が大きくなったのは、「告知なしで有効にした」「Copilot を使っていなくても付いた」「共著者という表記が権利の話に見えた」の3つが重なったためです。
問題1: 告知のないオプトアウト方式
1.117 の変更はリリースノートに載らず、1.118 で初めて「デフォルトで有効にした」と書かれました。Hacker News(#47958353 など)や GitHub では、数百件規模のコメントで次のような批判が出ています。
- 本来は使いたい人が有効にする機能で、知らせずに有効にするのは筋が違う
- 補完を1回受け入れた程度でも「共著者」として記録される
- フォーマッターや Lint もコードを書き換えるのに、Copilot だけ名前が残るのはおかしい
- 確認したコミットメッセージと、実際に履歴へ残るメッセージが違う
コミュニティからはデフォルトを off に戻す PR(#313725)も出され、最終的に VS Code チーム側の PR #313931 が 2026年5月3日にマージされました。なお、Issue #314311 は経緯と今後の方針を説明したもので、はっきりした謝罪の文言は入っていません。「謝罪した」というより「撤回して経緯を説明した」と見るのが正確です。
問題2: Copilot を使っていないのに付いたバグ
もう一つの火種が Issue #313064(2026年4月28日起票、ラベル: bug / important)です。1.117 では AI 以外の補完まで Copilot の編集として数えてしまう不具合があり、chat.disableAIFeatures: true で AI 機能を切っていても Co-authored-by: Copilot が付くケースが報告されました。
項目 | 内容(2026年10月20日時点) |
|---|---|
症状 | Copilot 未使用、AI 機能をオフにしていてもトレーラーが付く |
主な原因 | デフォルト |
1.119 での対応 | デフォルトを |
Issue の状態 | Open のまま。マイルストーンは 1.119 から先送りが続き、2026年5月18日に Backlog へ移動 |
デフォルトが off に戻ったので、多くの人にとって実害は出にくくなりました。ただし Issue 自体は閉じておらず、その後も「off にしていたのに 1.123 / 1.124 で付いた」というユーザー報告が寄せられています(チームが再現を確認したかは不明です)。「完全に直った」とは言い切れない状態です。
問題3: 著作権・コード所有権への不安
「共著者(Co-author)」という言葉が、コードの権利を Microsoft や GitHub と分け合うように見えたことも反発を強めました。トレーラー1行で権利関係が変わるのかどうかが、多くの開発者や法務担当者の関心事になりました。
著作権・コード所有権への実際の影響

Co-authored-by: Copilot の1行が付いても、Copilot や GitHub が著作権者になるわけではありません。 トレーラーは Git の慣習的なメタデータで、法的な著作者を決めるものではないからです。一方で、受託開発の納品物や OSS への貢献では「AI を使ったかどうか」を問われる場面があり、トレーラーがその判断材料として見られる可能性はあります。
主要な論点の現状(2026年10月時点)
論点 | 現状 | 押さえておくこと |
|---|---|---|
米国: AI は著作者になれるか(Thaler v. Perlmutter) | 2026年3月2日、連邦最高裁が上告を受理しなかった | 「著作者は人間でなければならない」という DC 巡回区控訴裁判所の判断がそのまま残った。最高裁が中身を判断したわけではない |
米国: Copilot 集団訴訟(Doe v. GitHub) | 2026年9月16日、第9巡回控訴裁判所が DMCA 1202(b) の請求を退けた判断を支持 | Copilot の出力は「著作権管理情報を消したコピー」ではなく新しいコードだという理由。似たコードが著作権侵害になるかは判断されておらず、OSS ライセンス(契約)関連の請求は地裁で係属中 |
Microsoft の著作権補償(Customer Copyright Commitment) | 出力をめぐる第三者からの知財の請求について、Microsoft が顧客を防御する制度 | GitHub 製品は 2026年4月3日以降、追加の必須措置なし(重複検出フィルターは任意)。対象プランは契約条項で確認する |
日本: AI 生成物の著作物性 | 文化庁「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月) | AI が自律的に作ったものは著作物ではない。人が道具として使い、創作意図と創作的寄与があれば利用者が著作者になりうる |
米国法: AI は著作権者になれない
Thaler v. Perlmutter では、AI が単独で生成した作品の著作権登録が認められませんでした。最高裁が上告を受理しなかったので(SCOTUSblog)、少なくとも当面は「人間の著作者が必要」という判断が米国の基準として残ります。
Doe v. GitHub は「和解」ではなく判決が出た段階
以前は「2025年11月に和解が成立した」と紹介されることがありましたが、和解の根拠は確認できません。実際には 2026年9月に控訴審判決が出て、DMCA に基づく請求は退けられました(Fenwick の解説)。OSS ライセンス違反を理由とする請求は北カリフォルニア連邦地裁で続いているため、「Copilot の法的リスクが決着した」とまでは言えません。
Microsoft の著作権補償
Microsoft は 2023年9月に「Copilot Copyright Commitment」を発表し、現在は Product Terms の Customer Copyright Commitment として運用しています。Microsoft Learn の該当ページ(2026年7月更新)では、GitHub 製品について 2026年4月3日以降は追加の必須措置がないと説明されています。どの契約・プランが対象になるかは公開ページだけでは読み取りにくいため、自社の契約条件と GitHub の製品条項で確認してください。
トレーラーの技術的な限界
Co-authored-byはただの文字列で、署名や検証の仕組みはない- 誰でも付けられ、消すこともできる。監査証跡にはならない
- 使ったモデル名は記録されない(モデル名を残す案は Issue #297353 で検討中)
AI の利用を記録として残す必要がある組織では、トレーラーに頼るより、PR テンプレートの申告欄や社内ポリシー、ツール側のセッションログを使うほうが確実です。AI コーディングツールのガバナンス全般は「Claude Codeのセキュリティと安全な使い方」も参考になります。
受託開発・企業での判断
受託開発の納品物では、契約で「AI ツールの利用可否」や「利用時の開示」を決めているケースがあります。トレーラーの有無だけで判断するのではなく、契約と社内ルールで AI 利用の扱いを先に決め、それに合わせて設定を揃えるのが筋です。AI で作った試作やツールを社内の実データや既存システムにつないで業務で使う段階では、こうした権利・記録の整理に加えて、認証・権限・保守の担当を決めておく必要があります。進め方は「AIで作ったアプリを開発会社へ引き継ぐには」で整理しています。
注意: ここでの整理は2026年10月20日時点の公開情報に基づくもので、法的助言ではありません。契約や紛争に関わる判断は弁護士・法務部門に確認してください。
git.addAICoAuthor を無効化する完全手順(4通り)

1.119 以降のデフォルトは off ですが、自分の設定に値が残っていればそちらが優先されます。 まず現状を確かめ、必要なら次のどれかで off にしてください。変更は次のコミットから効き、VS Code の再起動は要りません。なお、設定を変えても、すでに付いたトレーラーは消えません。
まず確認: 自分の環境で付く状態か
- VS Code のバージョンを確認する(ヘルプ → バージョン情報)。1.117・1.118 のままなら更新する
- 設定画面(
Ctrl+,/ Mac はCmd+,)でaddAICoAuthorを検索し、値を見る。「変更済み」の印が付いていれば、ユーザー設定かワークスペース設定に値が書かれている - リポジトリに
.vscode/settings.jsonがあれば、git.addAICoAuthorが書かれていないか確認する - Claude Code や Copilot CLI など、VS Code 以外の AI ツールでもコミットしていないか確認する(VS Code の設定は効かない)
方法1: 設定画面(GUI)で off にする
Ctrl+,(Mac:Cmd+,)で設定を開く- 検索欄に
addAICoAuthorと入力する - Git: Add AI Co Author のドロップダウンで
offを選ぶ
ユーザー タブで変えるとすべてのプロジェクトに、ワークスペース タブで変えるとそのプロジェクトだけに効きます。
方法2: settings.json に直接書く
Ctrl+Shift+P(Mac: Cmd+Shift+P)でコマンドパレットを開き、Preferences: Open User Settings (JSON) を選んで追記します。既存の設定がある場合は、前の行の末尾にカンマを付けます。
{
"editor.fontSize": 14,
"git.addAICoAuthor": "off"
}デフォルトが off に戻った今でも、明示しておけば将来デフォルトがまた変わったときに影響を受けません。
方法3: .vscode/settings.json でチームに共有する
リポジトリ直下の .vscode/settings.json に書いてコミットすると、そのリポジトリを VS Code で開くメンバー全員に同じ設定が入ります。
{
"git.addAICoAuthor": "off"
}ワークスペース設定はユーザー設定より優先されますが、メンバーが別のエディターやターミナル、他の AI ツールでコミットする場合には効きません。VS Code 以外からのコミットまで揃えたいなら、commit-msg フックと組み合わせます。AI コーディングツールをチームに入れるときの設定管理は「Claude Code チーム導入ガイド」でも扱っています。
方法4: AI 機能をまとめて切る
Copilot 自体を使わないなら、AI 機能をまとめて止める設定もあります。
{
"chat.disableAIFeatures": true
}1.119 以降は、この設定が true のときは git.addAICoAuthor の値に関係なくトレーラーが付きません。ただし Issue #313064 が Open のままなので、念のため "git.addAICoAuthor": "off" も一緒に書いておくと安心です。
すでに付いた「Co-authored-by: Copilot」の確認と消し方

出典: Visual Studio Code 公式ドキュメント「Source control in VS Code」
設定を off にしても、過去のコミットに付いたトレーラーは残ります。消すには履歴の書き換えが必要で、push 済みかどうかで手間とリスクが大きく変わります。
履歴に付いているか確認する
git log --grep="Co-authored-by: Copilot" --oneline1件も出なければ対応は不要です。出てきたコミットは git show <コミットID> でメッセージ全体を確認できます。
状況別の消し方
状況 | 方法 | 注意点 |
|---|---|---|
直前のコミット・未 push |
| 影響は手元だけ |
直近の数コミット・未 push |
| 範囲の数字は対象に合わせる |
履歴全体・大量 |
| 別途インストールが必要。新しいクローンで実行する |
push 済み・自分だけのブランチ | ローカルで直してから | コミットIDが変わる |
push 済み・共有ブランチ(main など) | チームの合意を取ってから書き換える。書き換えない判断もあり | 全員が取り直す必要がある。フォークや GitHub 上のキャッシュに残ったものは消せない場合がある |
履歴全体から一括で消す例です。必ずバックアップを取り、新しくクローンしたリポジトリで実行してください。
git filter-repo --message-callback '
import re
return re.sub(rb"(?m)^Co-authored-by: Copilot <copilot@github\.com>\n?", b"", message)
'メッセージの末尾に空行が残ることがありますが、Git の動作には影響しません。Git 公式も git filter-branch より git filter-repo の利用を勧めています。
共有ブランチの書き換えは、チームの作業を止めるうえに完全には消しきれないことがあります。社外に公開していないリポジトリなら、無理に書き換えず「今後付かない状態にする」ことを優先するのも現実的な判断です。
今後付かないようにする: commit-msg フック
VS Code はトレーラーを足したメッセージで git commit を実行するので、commit-msg フックで消せます。ターミナルや他ツールからのコミットにも同じルールが効くのが利点です。
#!/bin/sh
# .git/hooks/commit-msg(実行権限を付ける: chmod +x .git/hooks/commit-msg)
tmp="$(mktemp)"
grep -v '^Co-authored-by: Copilot <copilot@github.com>$' "$1" > "$tmp"
mv "$tmp" "$1".git/hooks はリポジトリに含まれないので、チームで使う場合はリポジトリ内の .githooks/ などに置き、各自が git config core.hooksPath .githooks を実行する運用にします。さらに CI で git log --grep を使ってトレーラーを検出すれば、すり抜けにも気づけます。逆に AI の利用を記録したいチームは、フックで消すのではなく、PR テンプレートで申告してもらうほうが情報として正確です。
Claude Code・Copilot CLI など他ツールのトレーラー
VS Code の git.addAICoAuthor は、VS Code のソース管理画面からのコミットにしか効きません。AI コーディングツールの中には、自分でトレーラーを付けるものがあります。 VS Code チームも Issue #314311 で「Copilot CLI や Claude CLI は自分でトレーラーを付ける」とコメントしています。
ツール | 付く内容 | デフォルト | 止め方 |
|---|---|---|---|
VS Code(Git 拡張) |
|
|
|
GitHub Copilot coding agent | Copilot がコミットの作成者、依頼した人が共著者。 | 常に付く | 公式の止め方は確認できず。エージェントに任せた作業として扱う前提 |
GitHub Copilot CLI |
| 付く(報告ベース) | 公式ドキュメントでは確認できず。 |
Claude Code |
| 付く | 設定の |

Claude Code の設定項目は版によって変わるため、使う前に Claude Code 公式の設定リファレンス で確認してください。Claude Code の基本は「Claude Codeとは」、Copilot との使い分けは「Claude Code vs GitHub Copilot 徹底比較」で解説しています。
Copilot coding agent は「Copilot が書いたコミット」をはっきり示す設計で(GitHub Changelog)、VS Code の件とは目的が違います。作成者を消すことより、セッションログで経緯を追える点を監査に生かすほうが向いています。
どの設定値を選ぶべきか:状況別の推奨
迷ったら off にしておけば困ることはほとんどありません。AI 利用の記録を積極的に残したい場合だけ chatAndAgent か all を選びます。
状況 | おすすめの設定 | 理由 |
|---|---|---|
受託開発・金融・医療など、納品物の権利や記録が厳しい |
| トレーラーは証跡にならない。記録は別の仕組みで残す |
Copilot を使っていない、別の AI ツールを使っている |
| Issue #313064 が Open のため明示しておく |
OSS にコントリビュートしている |
| 書式( |
チームで統一したい |
| VS Code 以外からのコミットも揃う |
Copilot Chat やエージェントの関与を記録したい個人 |
| チャット・エージェント経由の変更だけ記録される |
補完も含めて AI の関与をすべて記録したい |
| 範囲が最も広い。小さな補完でも付く |
OSSプロジェクト開発者への注意点

OSS では、AI の関与をどう書くかをプロジェクトごとに決めていることが多く、自動で付く Co-authored-by: Copilot がそのルールと合わない場合があります。
代表例が Linux カーネルです。公式ドキュメント「AI Coding Assistants」では次のように定めています。
- AI の支援は
Assisted-by: AGENT_NAME:MODEL_VERSION [TOOL1] [TOOL2]の形で書く - AI は
Signed-off-byを付けてはならない(DCO を証明できるのは人間だけ) - 人間の提出者がレビューし、責任を負う
このように「AI の関与は書く。ただし形式はプロジェクトが決める」という考え方が広がっています。VS Code でも表記を Assisted-by に変える案(Issue #313962)が出ていますが、2026年10月時点では Open のままで採用は決まっていません。
OSS に貢献する前は CONTRIBUTING.md などのガイドラインを確認し、自動のトレーラーは off にしたうえで、求められた書式を自分で書くのが安全です。
こんな場合は今すぐ無効化を推奨 / そのままでよいケース
今すぐ off を明示したほうがよい人
- 1.117・1.118 のころに設定を触った人:ユーザー設定に
chatAndAgentやallが残っている可能性がある - OSS にコントリビュートしている人:プロジェクトの書式と合わないトレーラーが混ざる
- Copilot を使っていない、別の AI ツールを使っている人:誤判定の Issue がまだ Open
- 受託開発や規制業種のリポジトリを扱う人:契約や社内ルールと食い違う記録を残さないため
- コミット履歴を監査や責任追跡に使っているチーム:確認したメッセージと履歴を一致させるため
- Claude Code や Copilot CLI も併用している人:VS Code 側を止めても他ツールの分は付くので、まとめて見直す
デフォルトのままでも困りにくい人
- 1.119 以降を使い、設定を一度も変えていない個人:すでに
offになっている - 個人の非公開リポジトリだけで使う人:外部に影響が出にくい
- AI の関与を履歴に残したい人:あえて
chatAndAgentを選ぶのも一つの使い方
Copilot の学習への利用など、ほかの「知らないうちに有効になりがちな設定」は「GitHub Copilot 学習 オプトアウト設定」で確認できます。
よくある質問(FAQ)
Q. いまの VS Code でも Co-authored-by: Copilot は勝手に付きますか?
A. 1.119(2026年5月6日)以降はデフォルトが off なので、設定を変えていなければ付きません。ただし、ユーザー設定やワークスペース設定に chatAndAgent や all が書かれていればその値が使われます。設定画面で addAICoAuthor を検索して確認してください。
Q. 設定を off にしたのに付きました。原因は何ですか?
A. まず、そのコミットが VS Code 以外(Claude Code、Copilot CLI、Copilot coding agent など)で作られていないかを確認してください。それぞれのツールが独自にトレーラーを付けます。VS Code からのコミットで付いた場合はワークスペース設定の上書きを疑ってください。それでも付く場合、同様の報告が Issue #313064 にも寄せられています。commit-msg フックを入れれば、どのツールから付いた分も取り除けます。
Q. 付けたくない人に向けて、VS Code は同意の確認を出すようになりましたか?
A. Issue #314311(2026年5月5日)では「設定値に関係なく、付ける前にユーザーの同意を求める」方針が示されました。ただし、2026年10月20日時点の VS Code の main ブランチのコードには、この同意確認はまだ入っていません。今後の版で入る可能性はあるので、リリースノートを確認してください。
Q. GitHub の画面で、自分のコミットに Copilot のアイコンが並んで表示されるのはなぜですか?
A. GitHub は Co-authored-by トレーラーを読み取り、共著者としてアイコンを並べて表示します。コミット本体の作成者が変わったわけではなく、トレーラーを消せば表示も消えます。
Q. Copilot coding agent が作ったコミットの作成者を自分に変えられますか?
A. Copilot coding agent は、Copilot を作成者、依頼した人を共著者にする設計です。公式に作成者を切り替える設定は確認できませんでした。エージェントの成果物として扱い、PR のレビューで人が責任を持つ運用が前提になります。
Q. この設定と Copilot の料金は関係ありますか?
A. git.addAICoAuthor は無料の VS Code の機能で、料金はかかりません。なお GitHub Copilot は2026年6月から使用量ベースの課金に移っています。詳しくは「GitHub Copilot 使用量ベース課金とは」をご覧ください。
Q. トレーラーが残ったコードを顧客に納品しても問題ありませんか?
A. トレーラーで著作権の帰属が変わるわけではありませんが、契約で AI 利用の開示や制限を決めている場合は、トレーラーがその判断材料として見られる可能性があります。納品前に契約条件を確認し、必要なら履歴を整理するか、AI 利用を正式に開示してください。
まとめ:今すぐできる対応
VS Code 1.117〜1.118 の git.addAICoAuthor のデフォルト変更は、告知の不足と誤判定のバグが重なって大きな反発を招き、1.119 でデフォルトが off に戻りました。 2026年10月時点の最新版(1.142)でもデフォルトは off のままですが、関連する Issue は Open で、予告された同意確認もまだ入っていません。
やることチェックリスト
- 設定画面で
addAICoAuthorを検索し、値がoffか確認する(明示しておくと将来も安心) git log --grep="Co-authored-by: Copilot" --onelineで過去のコミットを確認する- 未 push なら
--amendやrebase -iで消す。共有ブランチはチームで合意してから - チームでは
.vscode/settings.jsonとcommit-msgフックで揃える - Claude Code・Copilot CLI など他ツールのトレーラー設定も見直す
- AI 利用の記録や納品物の扱いは、トレーラーではなく契約と社内ルールで決める
{
"git.addAICoAuthor": "off"
}GitHub Copilot そのものの機能やプランは「GitHub Copilotとは」で解説しています。
依頼範囲と費用の目安を30分で整理します
この記事の著者

AI革命
編集部
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