ビジネス活用2026年8月更新

経費精算のチェックを自動化する方法と費用|月何時間減るかを試算【2026年8月最新】

公開日: 2026/08/26
経費精算のチェックを自動化する方法と費用|月何時間減るかを試算【2026年8月最新】

この記事のポイント

経費精算のチェックは7〜8割を自動化できます。経費精算システムなら月3万円〜、既存システムを変えずチェック工程だけAIに任せるなら初期100万円+月10〜50万円。削減時間と回収ラインを数字で解説します。

経費精算のチェックは、そのうち7〜8割を自動化できます。費用は、経費精算システムを入れる方法なら月3万円〜、既存のシステムを入れ替えずにチェック工程だけをAIに任せる方法なら初期100万円+月10〜50万円が目安です。

ただし、すべての会社にAIが最適解になるわけではありません。この記事では、自社の申請件数と規程の複雑さから「どの方法を選ぶべきか」を自分で判断できるところまで、数字で書きます。

経費精算のチェックのどこに時間がかかっているか

経費精算システム「楽楽精算」の公式ロゴ

出典: 楽楽精算 公式サイト

「経費精算に時間がかかる」と言うとき、実際に時間を食っているのは申請作業ではなく、そのあとの確認作業です。

経理が1件ごとに見ている項目

1件の申請に対して、経理担当者はおおむね次の4系統を確認しています。

1. 書類そのものの不備

  • 領収書・レシートの添付漏れ
  • 日付が読み取れない、申請日と領収書の日付が合わない(何ヶ月も前の遅延申請)
  • 宛名が「上様」になっている
  • 但し書きが「お品代」のままで、何を買ったのか分からない

2. 社内規程との突き合わせ

これが最も手間のかかる部分です。経費精算システムのラクスが公開している設定例を見ると、実際の企業が持っているルールの粒度が分かります。

  • 1人あたり5,500円を超える飲食費は、交際費を選ばないと申請できない
  • タクシーを使ったのに、備考に理由が書かれていない
  • 事前申請した金額より精算額のほうが大きい
  • 規程外の宿泊費なのに、理由の記載がない
  • 未来の日付で精算しようとしている

3. 重複・不正の検知

同じ領収書が二重に申請されていないか。禁止している店舗での接待になっていないか。交通費の実費請求が、定期券の区間と重複していないか。

このうち二重申請は、「見落としている」のではなく人の目では構造的に見つけられない種類のチェックです。部署や月をまたぐと照合対象が数千件になり、目視で全件を突き合わせることは物理的に不可能だからです。

4. 税務要件の判定

2023年10月のインボイス制度開始以降、ここが一気に重くなりました。

  • 適格請求書発行事業者の登録番号が記載されているか、形式は正しいか
  • 税区分(税率と取引内容)が合っているか
  • どの特例に該当するかの判定

差し戻しが起きると、三者に往復が生まれる

不備を見つけて差し戻すと、経理が指摘文を書き、申請者が修正し、承認者が再度承認し、経理が再確認する——という往復が発生します。1件の差し戻しは、申請者・承認者・経理の三者の時間を消費します。1件あたり10分程度は簡単に溶けます。

そして、月末に申請が集中します。経理が月次の締め作業をやりたい時期に、突合作業が2〜3日分乗ってくる構造になっています。

インボイス制度の「少額特例」は終わりが決まっている

見落とされがちですが、チェック負荷はこれから増えます

現在、税込1万円未満の課税仕入れについては、インボイスを保存しなくても、一定事項を記載した帳簿の保存だけで仕入税額控除ができます(少額特例)。対象は、基準期間の課税売上高が1億円以下、または特定期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者です。

この特例の適用期間は、令和5年10月1日から令和11年9月30日まで。令和11年10月1日以後の課税仕入れは対象外となり、原則どおりインボイスと帳簿の両方の保存が必要になります(国税庁公表資料・2026年8月時点)。

経費精算で件数が最も多いのは、まさにこの1万円未満の少額経費です。つまり、いま帳簿だけで済ませている大量の申請が、数年後には全件インボイス確認の対象になります。今の人員でこなせているからといって、そのままの体制で持ち続けられる保証はありません。

なお、少額特例のほかにも、3万円未満の公共交通機関の運賃、3万円未満の自動販売機での購入、従業員に支給する出張旅費・宿泊費・日当のうち通常必要と認められる部分(出張旅費等特例)などは、帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められます。

チェックが重い本当の理由は、件数が多いからではなく、1件ごとに「どの特例に該当するか」の判定が挟まるようになったからです。 そしてこの判定は、ルールとして書き下せます。書き下せるものは自動化できます。

自動化すると何がどう変わるか

チェックの流れ Before / After

Before(現状)

  1. 従業員が申請する
  2. 上長が承認する(内容の精査までは実際にはできていないことが多い)
  3. 経理が全件を目視でチェックする
  4. 不備を見つけたら差し戻し、往復が発生する
  5. 問題なければ会計システムに登録する

After(チェック工程を自動化した場合)

  1. 従業員が申請する
  2. 仕組みが全件を自動でチェックする(添付漏れ・日付・金額整合・規程違反・重複・登録番号・税区分・特例判定)
  3. 不備のあるものだけ、理由と該当箇所を添えて申請者に自動で戻る
  4. 経理は「仕組みが疑義ありと判定したもの」だけを見る
  5. 上長は、判断が必要な案件だけを承認する

変わるのは「チェックが速くなる」ことではありません。経理が全件を見るのをやめて、例外だけを見る体制に切り替わることです。

削減できる時間の試算

自社の数字に置き換えられるよう、前提を明示して試算します。以下の前提は当社が実務ベースで置いたモデルであり、公的な調査データではありません。自社の実測値に差し替えてご覧ください。

前提

項目

前提値

経理の1次チェック

1件あたり3分

差し戻しの発生率

15%

差し戻し1件あたりの往復(三者合計)

10分

承認者の確認

1件あたり2分

人件費換算

時給3,000円

時給3,000円は、経理事務の平均年収423万円に会社負担の法定福利費(約16〜22%)を加えた年約490〜515万円から逆算した数字です。

ケース1:従業員30名/月240件(1人あたり月8件)

作業

月間時間

経理の1次チェック(3分 × 240件)

12.0時間

差し戻し対応(36件 × 10分)

6.0時間

承認者の確認(2分 × 240件)

8.0時間

合計

26.0時間/月(年312時間)

時給3,000円換算で、月7.8万円・年93.6万円が経費精算のチェックに消えている計算になります。

ケース2:従業員100名/月800件(複数拠点・独自規程あり)

作業

月間時間

経理の1次チェック(3分 × 800件)

40.0時間

差し戻し対応(120件 × 10分)

20.0時間

承認者の確認(2分 × 800件)

26.7時間

合計

約87時間/月(年約1,044時間)

時給3,000円換算で、月26万円・年313万円。担当者0.5人分以上の時間が、確認作業だけに使われています。

「経理をもう1人採用する」との比較

発注段階で実際に迫られる選択は、ツールの比較ではなく「人を増やすか、仕組みにするか」です。

選択肢

年間コスト

経理担当を1名増員

年収423万円 × 会社負担約1.2倍 = 約508万円(採用費・教育期間は別途)

チェック工程をAIに任せる(初期100万円+月20万円の場合)

初年度340万円/2年目以降240万円

ケース2の規模なら、人を1人増やすより安く、しかも引き継ぎも退職もありません。逆にケース1の規模なら、後述するとおり経費精算システムのほうが合理的です。規模によって答えが変わるということを、先に申し上げておきます。

自動化できるチェック・できないチェック

判断の基準は1行で言えます。そのチェックが「規程やマスタを見れば誰でも同じ答えになる」ものなら自動化できます。「担当者によって答えが変わる」ものは自動化できません。

自動化できるチェック

自動化できないチェック

領収書の添付漏れ、日付・金額の整合

その支出が業務上妥当かという最終判断

社内規程の金額上限と勘定科目の対応

規程に書かれていない例外を認めるかどうか

二重申請・重複領収書の検知

取引先との関係性を踏まえた交際費の許容判断

適格請求書発行事業者の登録番号の有無・形式

不正が疑われた場合の本人への事情確認

税区分・特例該当(少額特例/公共交通機関/出張旅費等)の判定

決裁権限そのものの代行

事前申請額と精算額の差分検知

紙のみで完結し、データ化されない申請

過去申請との傾向比較、異常値のフラグ立て

自動化を検討する前に確認すべき3つの条件

以下のいずれかに当てはまる場合、自動化の効果は限定的です。正直に申し上げます。

1. 申請の元データがデジタルになっていない

紙の申請書を回覧しているだけなら、まず申請そのものを電子化するのが先です。チェックだけ自動化しても、入力する人が必要では意味がありません。

2. 領収書の読み取り精度が担保できない環境

スマホ撮影の画質が悪い、コピーのコピーを提出している、といった状態では、読み取り結果を自動判定の入力に使えません。読み取りが不正確なら、その先のチェックも不正確になります。

3. 月間件数が少ない

月100件を下回る規模では、仕組みの導入・保守コストが削減効果を上回ります。この場合は現行のまま運用するか、安価な経費精算システムを入れるのが正解です。

そして最も重要な点として、AIが「問題なし」と判定した申請を、人の確認なしにそのまま承認してはいけません。 自動化の目的は、経理が全件を見なくて済むようにすることであって、経理を不在にすることではありません。最終的な承認責任は必ず人が持つ設計にしてください。

実現する方法は3つある

マネーフォワード クラウド経費の申請・チェック画面イメージ

出典: マネーフォワード クラウド経費 公式サイト

自動化の方法は大きく3つです。それぞれ費用も向き不向きも違います。

方法1:経費精算システムを導入する

楽楽精算、バクラク経費精算、マネーフォワード クラウド経費、freee経費精算、TOKIUM経費精算などが該当します。

できること

  • 領収書の自動読み取り
  • 規程違反を申請の時点でブロックする(差し戻しそのものを減らせる)
  • 重複申請の検知
  • 承認ルートの自動分岐
  • 会計ソフトへの連携、電子帳簿保存法への対応

できないこと

  • 申請時にルールとして書き下せるものしか止められません。「この接待の金額と参加者リストが整合しているか」といった文脈を読む判断は対象外です
  • 既存の基幹システムや独自の経費ワークフローを残したまま、チェック機能だけを足すことはできません。そのシステムに乗り換えるのが前提になります

こんな会社におすすめ:現状がExcelや紙。社内規程が標準的。全社を1つのフローに統一できる。従業員数十名〜100名規模。

方法2:RPA・ノーコードで既存フローに組み込む

既存の画面操作を記録して、システム間のデータ転記や突合を自動で実行させる方法です。

できること:既存システムの画面を操作しての突合、システムをまたぐデータの転記。

できないこと:画面レイアウトの変更やシステム更新のたびに動かなくなります。保守が発生し続けるのが最大の弱点です。非定型の判断もできません。

こんな会社におすすめ:既存システムをどうしても変えられず、かつ手順が完全に固定されている場合。

方法3:AIエージェントにチェック工程を任せる

既存の会計ソフトや経費精算システムから申請データを取り出し、規程・マスタ・税務要件に照らして複数項目を一括判定し、不備の理由を添えてレポート化・差し戻しまで行わせる方法です。

できること

  • 「規程に照らして妥当か」という文脈を含む判定ができる
  • 既存システムを乗り換えずに、チェック工程だけを載せ替えられる
  • 経費精算のチェックだけでなく、月次締め・レポート配信・仕訳連携・データ照合など周辺の定型業務をまとめて1つの仕組みに載せられる

できないこと:最終決裁の代行はできません。必ず人のレビューを挟む前提で設計します。

こんな会社におすすめ:既存の基幹システムを変えられない。独自規程が複雑でルールの例外が多い。申請データが複数のシステムに分散している。月間件数が多い。

この方法は実現可能性が疑われがちですが、経理BPO事業者のCASTER BIZ accountingも、freee会計から承認前データを取得し、AIが金額合計・日付整合・領収書添付・業務目的の記入・税区分・申請遅延の6項目を検証して、不備をレポート化する実装を公開しています。同社も「AIの出力を最終確認なしに承認してはならない」と明記しています。技術的には既に現実解になっている領域です。

問題は、自社でこれを組むと保守と例外対応が社内に残り続けることです。規程が変われば直す必要があり、新しい例外パターンが出るたびに調整が要ります。ここを丸ごと引き受ける形で提供しているのが、当社のシゴハヤエージェントです。

費用の目安

経費精算システム「バクラク」の公式ロゴ

出典: バクラク 公式サイト

各社の公式料金ページで確認できる金額を、2026年8月時点でまとめました。

手段

初期費用

月額

Excel+目視(現状維持)

0円

0円(ただし前述の人件費が丸ごと乗る)

楽楽精算

100,000円(税抜・導入支援込み)

30,000円〜(税抜/従業員数・オプションで変動)

バクラク経費精算

要問合せ

30,000円(税抜)〜/50アカウントまで。51名以上は+20,000円/月。最低利用期間12ヶ月

マネーフォワード クラウド経費

0円

6,480円/月(年払・基本5名)+6名目以降 500円/名

freee経費精算Plus

0円

7,500円/月〜(年払)+650円/月・ID(会計連携時は300円/月・ID)

TOKIUM経費精算

個別見積

基本利用料 10,000円/月〜+領収書件数の従量課金(ユーザー数課金なし)

RPA(クラウド型)

10万円程度

5,000〜20,000円/ライセンス

RPA(デスクトップ型)

50〜100万円

1台あたり10万円程度

シゴハヤエージェント(当社)

1,000,000円(税別)

100,000〜500,000円(税別)

シゴハヤエージェントの月額は処理量に連動します。10名規模で月10万円、30名規模で月20万円が目安で、月1,000万〜1.2億トークン(トークンはAIが読み書きする文字量の単位です)の処理枠が含まれます。導入期間は標準1〜2ヶ月です。詳しい料金の決まり方はサービスページに記載しています。

なお、既存システムの改修や新規開発が必要な場合は受託開発でも対応しており、試験導入(PoC)300万円〜/小規模改修 30万円〜(すべて税別)が目安です。

回収ラインの目安

正直に書きます。経費精算のチェックだけを切り出す場合、AIエージェントが投資に見合うのは、おおむね月500件以上、あるいは月200件前後でも規程が複雑で差し戻しが常態化している場合です。

それ未満なら、まず経費精算システムの規程違反チェック機能を入れるほうが合理的です。前述のケース1(30名/月240件)の年間コストは93.6万円で、経費精算システムの年間費用(36〜60万円程度)で十分に元が取れます。この規模でAIエージェントを入れるのは過剰投資です。

一方、ケース2(100名/月800件)なら年313万円が確認作業に消えており、初年度340万円・2年目以降240万円のAIエージェントは、2年目には確実に投資を上回ります。

規模が足りない場合の考え方:経費精算チェック単体で回収できなくても、請求書発行月次レポートの作成と配信、仕訳連携、データ照合といった周辺の定型業務をまとめて1つの仕組みに載せれば、30名規模でも成立します。シゴハヤエージェントは処理量に連動する料金なので、業務を束ねるほど1業務あたりの単価が下がります。

なお、経費精算システムやAI導入は「デジタル化・AI導入補助金」(旧IT導入補助金)の対象になり得ます。通常枠は補助率原則1/2以内・補助上限450万円です(小規模事業者は賃上げ等の要件を満たすと補助率が引き上げられます)。本記事執筆時点で公式サイトに公表されている直近の締切は2026年9月29日(火)17:00、交付決定日は2026年11月9日(月)予定、事業実施期間は交付決定〜2027年4月30日(金)です(通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠。独立行政法人中小企業基盤整備機構の公募スケジュールより)。それ以降の締切回は執筆時点で未発表です。補助金は事業完了後の実績報告を経て支払われるため、費用はいったん自社で立て替える前提で資金計画を立ててください。

「承認そのものをやめる」という選択肢

チェックの自動化を突き詰めると、承認フローの設計自体を見直す段階に至ります。

Miletos社の発表によると、明治安田生命は経費精算プロセスの見直しにあたり、管理職による承認業務を原則廃止しました。事前承認をなくし、AIによる事後検証に切り替えたのです。

具体的には、AIが申請の正当性を評価し、入退館情報やシフトと照合して矛盾を検出。二重申請や高リスク項目を自動でフラグ化し、低リスクの案件は自動処理、疑義のある案件だけをワークフローで停止させる仕組みです。

結果として、年間約63,000件の立替精算にかかる管理職の承認業務が廃止され、年間約5,300時間が削減されました。単純計算すると1件あたり約5分、承認者だけの作業時間です。

ここで注目すべきは削減時間ではなく、導入前に懸念された統制の低下が起きなかったという点です。同社の確認によれば、経費統制はむしろ強化され、特に二重精算リスクの検知に効果があったとされています。

理由は明確です。人による承認は、件数が増えるほど「とりあえず承認」に形骸化します。形骸化した承認は、統制として機能していません。一方、機械による全件検証は、件数が増えても精度が落ちません。承認を減らすと統制が緩む、というのは実は逆で、形骸化した承認を機械の全件検証に置き換えたほうが統制は強くなります。

「承認を廃止する」は多くの企業にとってすぐには取れない選択肢ですが、どの承認が実質的に機能しているかを棚卸しするところからは、今日でも始められます。

実際にやった事例:調剤薬局チェーンのケース

調剤薬局チェーンの本部で領収書チェックを自動化するイメージ

当社が支援した調剤薬局チェーンのケースをご紹介します。経費精算そのものではありませんが、複数のシステムをまたいでデータを突き合わせ、規程やマスタと照合して不整合を洗い出すという構造は、経費精算のチェックとまったく同じです。

課題

複数店舗のデータが、本部の基幹システムと店舗側のシステムに分散していました。月次の突合作業は本部の担当者が手作業で行っており、店舗数が増えるほど作業時間が線形に増えていました。基幹システムはベンダー保守の都合で改修できず、新しいシステムへの乗り換えも現実的ではありませんでした。「システムを変えずに、突合作業だけをなくしたい」という要件です。

作ったもの

既存システムには一切手を入れず、両システムからデータを取得して、あらかじめ定義した照合ルールに従って突き合わせるAIエージェントを構築しました。一致しないものだけを、不一致の理由(金額差なのか、そもそもデータが片側にないのか、マスタの表記ゆれなのか)を添えて一覧化し、担当者に届けます。判断が必要な案件は必ず人に回る設計にしています。

何がどう変わったか

担当者の作業は「全件を突き合わせる」から「一覧に上がってきたものだけを判断する」に変わりました。作業時間そのものが減っただけでなく、店舗数が増えても本部の作業時間が増えない構造になったことが、経営側にとっては大きな変化でした。

経費精算のチェックも同じです。件数が増えても経理の時間が増えない構造に変えることが、本当の目的です。

導入までの流れと期間

経費精算チェック自動化の導入ステップを示した図

シゴハヤエージェントの場合、標準で1〜2ヶ月です。

1. 現状のヒアリング(1〜2週間)

現在のチェック項目を全部書き出します。ここが最も重要な工程です。「規程に書いてあること」だけでなく、「規程に書いていないが経理が実際にやっていること」を洗い出します。属人化しているチェックほど、ここで初めて言語化されます。

2. 自動化する範囲の確定(1週間)

書き出した項目を、機械が判定できるもの/人が判断すべきものに仕分けします。前掲の境界線の表がそのまま判断基準になります。この時点で、削減できる時間と費用の見込みが数字で出ます。

3. 構築とテスト(3〜4週間)

既存の会計ソフト・経費精算システムからのデータ取得を含めて構築します。過去の申請データを使って、人が出した判定と機械の判定を突き合わせ、精度を確認します。ここで例外パターンを潰します。

4. 並走運用(2〜4週間)

いきなり切り替えず、しばらくは従来の目視チェックと並走させます。機械の判定を人が確認し、ズレがあれば調整します。この期間を経てから、経理が全件を見る運用をやめます。

5. 本番運用

運用開始後も、規程の変更や新しい例外パターンへの対応は当社側で継続対応します。社内に保守担当者を置く必要はありません。

よくある質問

Q1. 経費精算システムを既に導入していますが、それでもAIに任せる意味はありますか?

あります。経費精算システムは「ルールとして書き下せるもの」を申請時にブロックする仕組みです。それでも経理の手元に残っているチェック(規程外の例外判断、備考の記述内容の妥当性、他システムのデータとの照合など)があるなら、そこがAIの担当領域です。逆に、システム導入後に経理の確認工数がほぼゼロになっているなら、追加投資は不要です。まずは「今、経理が何を見ているか」を洗い出してから判断してください。

Q2. 社内規程を変更したら、作り直しになりますか?

なりません。金額の上限、対象となる勘定科目、必須の記載項目といった条件は設定として持たせる設計にするため、変更は設定の更新で対応します。ただし、チェックの構造そのものが変わる場合(例:新しい承認階層を追加する、拠点ごとに異なる規程を持たせる)は、設定変更ではなく作りの追加になります。シゴハヤエージェントは月額に運用保守を含んでいるため、こうした変更対応も月額の範囲で行います。

Q3. 税務調査で「AIがチェックした」ことが問題になりませんか?

チェックを誰が行ったかではなく、保存要件を満たしているか、仕入税額控除の判定が正しいかが問われます。むしろ、判定の根拠が記録として残る点は説明上有利に働きます。電子帳簿保存法のスキャナ保存要件(入力期間・画質・タイムスタンプ等・検索機能)は、要件を満たす形で設計する必要があるため、導入時に顧問税理士と要件を確認したうえで仕様を固めることをおすすめします。

Q4. 従業員10名の会社でも導入できますか?

技術的には可能ですが、経費精算のチェックだけを目的とするならおすすめしません。10名規模なら月間件数は80件前後で、確認作業は月10時間程度、費用換算で月3万円ほどです。マネーフォワード クラウド経費(月6,480円〜)や freee経費精算(月7,500円〜)で十分に足ります。ただし、経費精算以外にも毎月繰り返す定型業務が複数あり、それらをまとめて任せるなら10名規模でも月10万円の構成で成立します。

Q5. 領収書は紙で回収していますが、チェックだけ自動化できますか?

紙のまま回っている状態では自動化できません。ただし、実務上は「申請者がスマホで撮影して申請、原本は別途保管」という運用に切り替えることで解決するケースがほとんどです。この電子化は経費精算システムの標準機能でできます。紙の回収をやめる必要はなく、チェックの入口だけをデジタルにできれば十分です。

Q6. どのくらいの精度で不備を検出できますか?

チェック項目の性質によって大きく異なります。添付漏れ、日付の整合、金額の一致、登録番号の有無といった機械的な判定はほぼ確実に検出できます。一方、「備考の記述が業務目的として十分か」といった文脈判断は、100%にはなりません。そのため、判定を「問題なし/要確認/明確な不備」の3段階で出し、要確認は必ず人に回す設計にします。見逃しをゼロにするのではなく、人が見る件数を数分の1に減らすのが現実的な目標です。

Q7. 導入後、うまくいかなかった場合はどうなりますか?

構築段階で過去の申請データを使った検証を行い、人の判定と機械の判定を突き合わせて精度を確認してから本番に進みます。さらに本番移行後も2〜4週間は従来の目視チェックと並走させ、ズレがないことを確認してから切り替えます。この2段階を挟むため、「動かしてみたら使えなかった」という事態は構造的に起きにくくなっています。

経費精算のチェックを自動化すべきか、無料でご相談ください

経費精算のチェック自動化は、月間件数と規程の複雑さで最適解が変わります。月200件以下で標準的な規程なら経費精算システム、月500件以上または規程が複雑で既存システムを変えられないならAIエージェント、というのが基本的な考え方です。

当社のシゴハヤエージェントは、御社専用のAI社員が毎月繰り返す定型業務を自動で実行するサービスです。費用は初期100万円(税別)+月額10〜50万円(税別)、導入期間は標準1〜2ヶ月。既存の会計ソフトや基幹システムを入れ替えることなく、チェック工程だけを載せ替えられます。

「うちの規模だと、そもそもAIを入れる意味があるのか」——その判断から一緒に整理します。件数と現在のチェック項目をお聞かせいただければ、削減できる時間と費用を数字でお出しします。経費精算システムのほうが適していると判断した場合は、正直にそうお伝えします。

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この記事の著者

AI革命

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編集部

AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。

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