AIツール2026年8月更新

GoogleのAI検索がデフォルトになる?AI Mode/AI Overviews最新データと企業SEOの変え方【2026年8月最新】

公開日: 2026/08/25
GoogleのAI検索がデフォルトになる?AI Mode/AI Overviews最新データと企業SEOの変え方【2026年8月最新】

この記事のポイント

GoogleのAI検索がデフォルトになるのか、一次情報で切り分けます。GoogleはAI ModeをChromeの既定検索にする計画を否定した一方、AI Overviewsの表示率とAI Modeの利用規模は急拡大。表示率・CTR低下率の最新データを出典つきで整理し、Search Console生成AIレポートやGA4のAI Assistantチャネルを使った計測、業態別の打ち手までを解説します。

Googleは検索の設定を変えて「AI Modeをデフォルト」にしたわけではありません。しかし、AI Overviews(AIによる概要)の表示率が調査によっては4割を超え、AI Modeが月間10億ユーザーに達した現在、実態として「AIの回答が先に出る検索」が標準の入口になりつつあります。

この記事では、「デフォルトになる」という言葉の事実関係を一次情報で切り分けたうえで、表示率・クリック率の最新データを出典と計測方法つきで並べ、企業サイトが今すべき計測・判断・実行を整理します。

この記事でわかること:

  • 「GoogleのAI検索がデフォルトになる」の正確な意味(Googleが否定したこと/実際に起きていること)
  • AI Overviews表示率とクリック率低下の最新データ(調査ごとの数値の差と、その理由)
  • 日本国内のデータ(Ahrefs日本のCTR −37.8%、国内表示率、AIモード利用率など)
  • Search Console 生成AIパフォーマンスレポートとGA4「AI Assistant」チャネルで何が測れて何が測れないか
  • AI機能から自サイトを除外(オプトアウト)する手段と、その損得
  • メディア/BtoB/BtoC・EC/ローカルビジネス別の優先施策

想定読者: 企業のWeb担当者・マーケティング責任者・オウンドメディア運営者・検索流入の減少を経営に説明する必要がある方。

Googleは設定を変えていない。変わったのは「回答が先に出る」ことだ

GoogleのAIモード(AI Mode)タブが表示された検索結果画面

出典:Google公式ブログ「AI Mode in Search」(blog.google)

事実関係を整理すると、次のようになります。

論点

現時点の事実

GoogleはAI Modeをデフォルト検索に設定したか

していない。 2026年6月にChromeの実験フラグが一時的に確認された件について、Googleは「AI ModeをChromeのデフォルト検索体験にする計画はない」と明言している

実態としてAI回答が検索の入口になっているか

なりつつある。 AI Overviewsの表示率はSimilarwebの計測で米国43%(2026年5月)、AI Modeは月間アクティブユーザー10億人超(Google公式・I/O 2026)

企業サイトへの影響

順位1位=流入1位ではなくなった。 情報収集型クエリのクリックが構造的に減る一方、「AI回答に引用される」ことの価値が上がった

つまり、正しい言い方は「Googleが設定上のデフォルトを変えた」ではなく、「AI回答が先に表示される検索が、事実上の標準になった」です。この区別は社内説明でも重要で、前者を前提に議論すると対策の優先順位を誤ります。

「AI検索がデフォルトになる」の正確な意味を切り分ける

この話題には、2つのまったく別の論点が混ざっています。

論点1:Chromeのデフォルト検索をAI Modeにする計画は否定されている

2026年6月、Chromeの実験用フラグに「AI Modeをデフォルトの検索体験にする」ように読める項目が一時的に現れ、海外SEOメディアで話題になりました。これに対しGoogleは、AI ModeをChromeのデフォルト検索体験に置き換える計画はないと否定しています(Search Engine Roundtable、2026年6月)。

現時点で、AI Modeは以下の位置づけです。

  • PCでは検索結果画面の左側にある「AIモード」タブ、または google.com/ai から利用する
  • 従来の複数リンクが並ぶ検索結果は、引き続き既定の表示である
  • ユーザーがタブを切り替えるか、AI Overviews内の追撃質問から遷移することで対話モードに入る

論点2:AI OverviewsとAI Modeは「ひとつのAI検索体験」に統合された

一方で、より実務に効く変化がGoogle I/O 2026(2026年5月19日)で発表されています。AI OverviewsとAI Modeを「one seamless AI Search experience(ひとつのシームレスなAI検索体験)」として統合するという方針です。

これにより、AI Overviewsを読んだユーザーがそのまま追撃質問を投げてAI Modeの対話に流れる導線が、デスクトップ・モバイルの両方で全世界に展開されました。「AI Overviewsは要約、AI Modeは別タブの実験機能」という2機能を分けて考える整理は、現時点では実態に合いません。

I/O 2026での検索関連の発表全体については、Google I/O 2026の全発表まとめで個別に整理しています。

AI Modeの現在地(2026年8月時点)

項目

内容

提供範囲

200以上の国・地域、約100言語

日本語対応

2025年9月9日に開始済み。一般ユーザーに開放されている

既定モデル

Gemini 3.5 Flash(I/O 2026で全世界の既定モデルに)

利用規模

月間アクティブユーザー10億人超(提供開始から約1年)

料金

基本機能は無料。Deep Searchなど一部の高度機能はGoogle AI Pro / Ultra契約が必要

入力形式

テキスト・画像・ファイル・動画・Chromeタブをマルチモーダルに受付(検索ボックスは「25年以上で最大のアップグレード」と表現された)

加えて、金融・ショッピング・スポーツ情報を常時監視して通知するInformation Agents、予約を代行するBooking Agents、米国で店舗へ自動架電するAgentic Callingなど、検索が「調べる場所」から「代行してもらう場所」に寄っている点も押さえておくべき変化です。エージェントがECサイトと直接やりとりする規格についてはGoogle UCP(エージェントコマース)の解説も参考になります。

最新データで見る浸透度:表示率は「21%〜65%」まで割れる

Google検索のAI Overviews(AIによる概要)が表示された検索結果の例

出典:Google公式ブログ「Generative AI in Search」(blog.google)

AI Overviewsの表示率を単一の数値で語るのは危険です。調査主体・計測時期・対象クエリの選び方によって、2倍以上の開きがあります。

調査別のAI Overviews表示率

調査元

表示率

時期・対象

計測方法の特徴

Similarweb

約43%

2026年5月・米国

Webパネル観測。方法論の開示が薄いという指摘もある

BrightEdge

約48%

2026年2月・追跡クエリ

9業種のクエリトラッカー。2025年2月の約31%から増加

Conductor

約25%

2,190万クエリのベンチマーク

大規模クエリセット

Safari Digital

約21%

対象クエリ数が比較的小規模

Xponent21

60〜65%

情報収集型に寄ったクエリセットとみられる

なぜここまで割れるのか。主因は「どのクエリを母集団に置いたか」です。AI Overviewsは情報収集型のクエリに集中して出るため、Know系クエリを多く含むセットでは表示率が跳ね上がり、指名検索やトランザクション系を多く含むセットでは下がります。

さらに、表示率は直線的に伸びているわけではありません。Similarwebの計測では2025年8月に約40%まで上がった後、10月に約27%まで低下し、再び上昇しています。自社の実感と外部データが合わない場合、多くは業種とクエリ構成の違いが原因です。自社のSearch Console上の実測を優先してください。

AI Modeの規模と「頭打ち」論は両方を見る

AI Modeの訪問数は、Similarwebの計測で1億2,600万(2025年6月)から2億7,900万(2026年5月)へと約2.2倍になりました。TechCrunchはこのデータを「GoogleのAI検索は急速にデフォルト化している」と報じています(2026年7月27日)。

ただし、Similarweb自身のブログでは「AI Overviewsは伸長を続ける一方、AI Modeは頭打ち(plateaued)」との記述もあり、見出しの温度感とはニュアンスが異なります。実務判断としては、次のように解釈するのが妥当です。

  • AI Overviews:既定の検索結果に混ざって出るため露出量が大きく、流入への影響も大きい
  • AI Mode:能動的にタブを切り替えるユーザーが中心で、利用者数は多いが伸びは鈍化の可能性がある
  • したがって、まず対処すべきはAI Overviews側である

日本国内のデータ

海外データだけで社内を説得しようとすると「日本は違うのでは」と必ず返されます。国内の数字を押さえておきます。

指標

数値

出典・時期

国内のAI Overviews表示率

9%(2025年5月)→ 32%(2025年11月)

博報堂DYグループ ONEDER。2026年6月時点でも増加傾向(総計は前月比+2.3%)で、Know系クエリと保険業種の伸びが大きい

AI検索の利用率

26.7%(総務省の公式統計)/28〜43.5%(民間調査)

設問設計(生成AI全般か検索限定か)と年代構成で差が出る

サービス別利用率

ChatGPT 29.1%/Google検索の「AIモード」 21.0%(10代は33.5%)/Gemini 15.6%

生活者調査

AI回答だけで検索を終える層

23.9%

博報堂DYグループ「AI検索白書2026」

AI回答を見たうえで別途検索もする層

32.8%

同上。約80%のユーザーが情報の裏取りを行っている

年代別では20代が初めて過半数を超え、50代の伸びが最大(前回比+7.7ポイント)で年代差は縮小傾向にあります。「若年層だけの現象」という前提は既に成立していません。

なお、「日本のAI Overviews表示率は7割近い」とする記述を見かけることがありますが、一次ソースが確認できないため本記事では採用していません。

検索行動はどう変わったか:クリックとゼロクリックの実測値

Google検索のトップページ。AI要約表示時のクリック行動の変化を示す調査イメージ

出典:Pew Research Center「Google users are less likely to click on links when an AI summary appears in the results」(2025年7月)

情報収集型クエリのクリックは、複数の独立調査で一貫して3〜6割減少しています。ここでも数値には幅があるため、調査設計とセットで見ます。

調査

指標

結果

設計

Ahrefs(2026年2月)

オーガニックCTR変化

日本 −37.8%(予測2.9%→実測1.8%)/グローバル −58.0%

30万キーワード。AI Overviews導入前後(2023年12月 vs 2025年12月)の比較

Agarwal & Sen(ISB×CMU)

外部サイトへのクリック

−38%〜−39.8%

米国デスクトップChromeユーザー1,065人のランダム化フィールド実験。査読前のワーキングペーパー

同上

ゼロクリック率

54% → 72%(+18ポイント)

実験中、AI Overviewsは全クエリの42%に出現

Pew Research Center

検索結果のクリック率

AI Overviewsあり 8%/なし 15%

実利用ログの観察

Seer Interactive

AI Overviews表示クエリのCTR

1.76% → 0.61%(−61%)

2025年9月時点の分析

SparkToro

米国のゼロクリック率

68.01%(2024年は60.45%)

Similarwebのデスクトップ・モバイルパネル、2026年1〜4月・米国

SparkToroの分析では、2016年の約45%から2026年の68%まで、10年でゼロクリック率が約23ポイント上昇しています。AI Overviewsはこの長期トレンドを加速させた要因であり、単独の原因ではない点にも留意が必要です。

因果関係を示した数少ない研究

これらの調査の中で、相関ではなく因果を検証しているのはランダム化フィールド実験だけです。Saharsh Agarwal(Indian School of Business)とAnanya Sen(Carnegie Mellon University)による研究で、参加者のブラウザ上でAI Overviewsの表示・非表示を無作為に割り当て、1人あたり2週間観測しました。

  • AI Overviewsを消すと、1検索あたりの外部クリックが 0.38 → 0.61 に増加した
  • スポンサー(広告)クリック数と検索頻度そのものには有意な影響が見られなかった
  • AI Mode条件ではAI Overviews条件よりさらに大きな流入減が観測され、ユーザーの信頼・満足度指標も低下した

ただしこの研究は査読前のワーキングペーパーであり、AI Modeに関する部分は探索的分析です。確証度はAI Overviews条件ほど高くありません。とはいえ、「AI Overviewsの存在そのものがクリックを減らしている」という因果の方向は、現時点で最も強いエビデンスと言えます。

日本のユーザーは「読むが、確認もする」

国内調査では、AI回答が完全にサイト訪問を代替しているわけではない実態が見えます。PRIZMAの世代別調査(2026年6月、20〜60代1,034人)では次の結果が出ています。

  • 全世代の約9割が検索画面上のAI要約を読んでいる(30代 98.3%、20代 90.1%)
  • 約6割が「AI要約を読んだ後、従来の検索結果をクリックする頻度が減った」と回答
  • 不安点は「情報の真偽が不明」48.4%、「情報の時点が不明」43.0%、「出典が不明」32.9%
  • 40〜60代ほど出典の信頼性を確認する傾向が強い
  • 約6割が今後もAI優先の検索方法を選びたいと回答

つまり日本市場では、クリックは減るが「裏取り需要」は残るという構図です。出典として選ばれるサイトになれるかどうかが、残ったクリックの奪い合いを決めます。

Googleの主張とパブリッシャーの実測は食い違っている

Alphabetの2026年第2四半期決算(2026年7月22日)で、Googleは「検索のAI機能を通じて毎週数十億回のクリックをウェブサイトに送っている」「AI Modeは検索クエリ全体の増加に寄与している」と説明し、Search and other売上は前年比17%増(632.7億ドル)でした。

一方、パブリッシャー側の実測はこう出ています。

  • 2025年11月までの1年で、パブリッシャーへのGoogle検索流入は世界で−33%、米国で−38%
  • Digital Content Next加盟社の多くが1〜25%の流入減を報告し、一部は75%超の減少
  • AIチャットボット経由の参照流入は、従来のGoogle検索比で95〜96%少ない

Googleの数値は自社主張であり、第三者による検証はされていません。両方を並べたうえで、自社のSearch Console実測で判断するのが唯一の正解です。

減る流入の裏で「引用されると得をする」データもある

すべてが損失というわけではありません。AI回答の出典として引用されたブランドは、同じクエリで引用されていないブランドよりクリックを獲得しやすいというデータがあります。

データ

内容

出典

引用ブランドのクリック優位

AI Overviewsに引用されたブランドは、引用されていないブランドより1インプレッションあたり約120%多いオーガニッククリックを獲得

Seer Interactive(2026年分析)

Preferred Sourcesの効果

ユーザーが「優先する情報源」に登録したサイトはクリック率が2倍。20万件以上のサイトが登録済み

Google公式

引用の不安定さ

AI Modeで引用されるソースの56%が週単位で入れ替わる

SISTRIX調査

AI回答経由の購買行動

AI回答を信頼して実際に購入・来店した層が約7.4%

博報堂DYグループ「AI検索白書2026」

読み取るべきは2点です。第一に、「引用されること」は流入面でも実売面でも価値がある。第二に、引用は極めて不安定で、週単位で入れ替わる。したがって、AI回答での露出は「積み上がる資産」ではなく「常時メンテナンスが必要な変動枠」として扱うのが現実的です。

AI Overviewsがどのようなソースを引用しやすくなっているかについては、フォーラムや専門家の投稿を引用する動きを扱ったGoogle AI Overviewsの専門家アドバイス機能の解説も合わせて確認してください。

Preferred Sources(優先する情報源)は日本語対応済み

Preferred Sourcesは、ユーザーが「信頼する情報源」を事前登録すると検索結果で優先表示される機能です。

  • 2026年5月1日、日本語を含む全サポート言語に対応
  • 2026年5月27日以降、AI Overviews / AI Modeにも適用範囲が拡大
  • サイト側から強制的に登録させることはできないが、登録を促すためのツールとヒントがヘルプセンターで提供されている

自社に固定読者がいるメディアやBtoB事業者にとっては、現時点で数少ない「AI検索での露出を自力で押し上げられる施策」です。メールマガジン・SNS・会員向けページで登録導線を案内する価値があります。

企業サイトのSEOは何が変わり、何が変わらないか(Google公式ガイド)

Google Search Central(Google検索セントラル)の公式ガイドページ

出典:Google Search Central「AI features and your website」(developers.google.com)

2026年5月15日、GoogleはSearch Centralに「生成AI最適化ガイド」を新設しました。ここでの結論は明快で、「生成AI検索向けの最適化は、依然としてSEOである」というものです。AI機能は従来検索と同じコアランキングシステム上で動くため、別の専門分野ではないという整理になっています。

Googleが「必要ない」と明言したこと

施策

Googleの見解

llms.txt などのAI専用ファイル

Google検索自体は使用しない。クロールはしても生成AI機能で特別扱いはしない

コンテンツのチャンク化(細切れ化)

コンテンツを細かく分割する要件はない

AI向けの特別な文体

生成AI検索のためだけに特定の書き方をする必要はない

キーワードのバリエーション網羅

AIの言語理解が向上したため不要

不自然なメンション獲得

スパム対策の対象であり効果的ではない

一部で語られる「AI検索時代のためにllms.txtを置くべき」という主張は、少なくともGoogle検索については公式に否定されています。他社のAI製品での扱いは別問題ですが、Google対策としての優先度は低いと判断できます。

Googleが必要としたこと

  1. 独自の視点・一次体験・専門性を含む非コモディティなコンテンツ(実体験に基づくレビューなど)
  2. 段落・見出しによる明確な構造と可読性、関連する画像・動画の統合
  3. 検索の技術要件を満たし、インデックスとスニペット表示の対象であること(クロール可能であること)
  4. セマンティックHTMLと人間可読性の優先。JavaScriptサイトは標準的なSEOベストプラクティスを遵守
  5. ページ体験(レスポンシブ・速度・可読性)の維持と重複コンテンツの削減
  6. Google Merchant Center / Googleビジネスプロフィールの整備(EC・ローカル情報)
  7. AIエージェント対応(エージェントが扱いやすいサイト設計、新しいプロトコルの動向注視)

構造化データについては「生成AI検索のために必須ではない」としつつ、リッチリザルト対応の観点から継続使用は引き続き推奨という位置づけです。

Search Centralのヘルプでも、「AI OverviewsやAI Modeに表示されるための追加要件はない」と明記されています。やることが増えたのではなく、既存のSEOで求められる質の閾値が上がったと捉えるのが正確です。

測る:Search Console生成AIレポートとGA4「AI Assistant」チャネル

Google Search Central Blog。Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポート告知イメージ

出典:Google Search Central Blog(developers.google.com/search/blog)

「何が測れて何が測れないか」を正確に把握しないと、社内報告が事実と乖離します。現時点の計測環境を整理します。

Search Console 生成AIパフォーマンスレポート

項目

内容

名称

Search Generative AI performance reports(Search用・Discover用の専用ビュー)

対象サーフェス

AI Overviews / AI Mode / Discover内の生成AI機能

取得できる指標

表示回数(impressions)、ページ、国、デバイス、期間推移(時間単位まで)

取得できない指標

AI経由のクリック数・CTR・クエリ・コンバージョン(分離提供されない)

提供状況

2026年6月3日に一部プロパティで開始。2026年8月11日ごろにはほぼ全プロパティで確認できるようになったと業界メディアが報じているが、Googleからの「展開完了」の公式アナウンスは出ていない

履歴データ

2026年5月18日以降のデータのみ。それ以前との比較はできない

最大の注意点は、AI Overviews / AI Modeからのクリックが従来のパフォーマンスレポートの「Web」検索タイプに合算されていることです。AI経由のクリック数だけを取り出すことは、現時点ではできません。「AI Overviewsから何クリック来たか」を示すレポートは外部ツールの推計値である可能性が高いため、社内で使う前に出所を確認してください。

したがって実務では、「AI表示回数(Search Console)」×「Web全体のクリック推移」の2軸で見て、表示は増えているのにクリックが減っている領域を特定する、という読み方になります。

GA4「AI Assistant」チャネル(2026年5月13日追加)

GA4のデフォルトチャネルグループに 「AI Assistant」 が追加されました。

  • 認識済みのAIチャットボット参照元からの流入に medium = ai-assistant が自動付与される
  • 対象例:ChatGPT / Gemini / DeepSeek / Copilot / Grok
  • 2026年6月7日ごろから広範なプロパティで利用可能
  • 設定不要で自動適用されるが、遡及適用はされない(過去のAI流入は旧分類のまま)

注意すべきは、これはあくまで「AIチャットボットからの参照流入」であり、Google検索内のAI Overviews / AI Modeからの流入とは別物という点です。前者はGA4で識別でき、後者はGA4上ではOrganic Searchに混ざります。この2つを混同したレポートは、AI検索の影響を過小にも過大にも見せてしまいます。

ChatGPTなど外部AIサービス側での露出・広告出稿についてはChatGPTに広告を出す方法の解説、AI検索エンジン全体の勢力図はAI検索エンジンの比較記事で扱っています。

KPIの置き換え方

流入減が構造的である以上、KPI設計を変えないと現場が疲弊します。実務では次の置き換えが有効です。

従来のKPI

置き換え候補

セッション数・PV

指名検索数、直接流入数、Search Consoleの表示回数

平均掲載順位

AI Overviews / AI Modeでの引用有無・引用率

オーガニックCTR

商談化率・問い合わせ数などクリック後の質

記事本数

一次情報を含む記事の割合、更新頻度

判断する:AI機能から自サイトを除外すべきか

結論として、大半の企業にとってオプトアウトは推奨できません。ただし選択肢と副作用は把握しておくべきです。

手段

効果

副作用・注意点

Search Console の「Search generative AI」トグル

プロパティ単位でAI Overviews / AI Mode / Discover内AI Overviewsから除外できる(Include / Exclude / Inherit from parent)。反映には1〜2日かかる

2026年6月3日に英国のサイト運営者向けに先行提供(英国CMAの命令に基づく/同年6月17日発効)。日本を含む他地域での一般提供状況は執筆時点で未確認

nosnippet / data-nosnippet / max-snippet

スニペット表示を抑制し、結果的にAI回答での引用可能性を下げる

通常の検索結果のスニペットも消えるためCTRが大きく落ちる。ページ単位・部分単位で制御できる

noindex

検索結果から完全に除外

流入がゼロになる。実質的に選択肢にならない

Google-Extended

GoogleのAIモデル学習への利用を制御

検索インデックスとは別系統。AI Overviews / AI Modeでの表示可否とは直接連動しない

Googleは、Search Consoleのトグルについて「従来検索のランキングシグナルとしては使わない」と表明しています。つまりオプトアウトしても順位ペナルティはない、という立場です。

それでも推奨しない理由は単純で、AI Overviewsに引用されたブランドのクリックが約120%多いというデータ(Seer Interactive)がある以上、除外は「残ったクリック」まで手放す判断になりやすいからです。検討に値するのは、記事本文そのものが商品であるメディアや、コンテンツライセンス収入を主軸に据える事業者に限られます。

GoogleのAI検索強制に対する反発やプライバシー面の論点、オプトアウトの実務手順についてはGoogleのAI検索強制とオプトアウト方法の解説で詳しく扱っています。

打つ:業態別に「守る指標」と「捨てる指標」を分ける

全業態に共通する唯一の正解はありません。AI Overviewsが表示されるキーワードの99.2%が情報収集型(informational)であることを踏まえ、業態ごとに優先度を出し分けます。

業態

打撃が大きい領域

優先すべき施策

守る指標

メディア・オウンドメディア

「〜とは」「〜 方法」など解説記事の流入

一次取材・独自調査・実測データの比率を上げる/Preferred Sources登録の促進/ニュースレター・アプリなど直接接点の構築

直接流入、再訪率、登録者数

BtoB

課題認知段階の情報収集記事

比較・選定基準・導入事例・料金の透明化に投資/指名検索とホワイトペーパー獲得を主軸に

商談化数、指名検索数、資料ダウンロード数

BtoC・EC

商品情報の一般的な解説

Google Merchant Centerの商品データ整備(公式ガイドで明示)/レビュー・在庫・価格の正確性/エージェント経由の購買フローへの対応準備

売上、指名検索、カート投入率

ローカルビジネス

「地域名+業種」の情報系クエリ

Googleビジネスプロフィールの整備/営業時間・メニュー・写真・口コミ返信の運用/予約導線の構造化

電話数、来店数、予約数、地図表示数

BtoC・ECでは、AI回答を信頼して実際に購入・来店した層が約7.4%というデータもあります。流入が減っても、AI回答内で正確に紹介されていれば売上には繋がりうるため、Merchant Centerの商品フィード精度は「SEO施策」ではなく「売上直結の必須整備」として扱うべきです。

90日でやることの優先順位

  1. 計測基盤の整備(〜2週間):Search Consoleの生成AIレポートを開き、GA4で「AI Assistant」チャネルの流入を確認。AI流入とOrganic Searchを分けて報告する型を作る
  2. クエリ棚卸し(〜1か月):自社の流入キーワードを情報収集型/比較検討型/指名・購買型に分類し、情報収集型の流入減を織り込んだ計画に修正する
  3. コンテンツの質の引き上げ(継続):既存記事に一次情報(自社データ・実測・取材・導入事例)を追加。汎用的な解説だけの記事は統合または削除する
  4. 公式チャネルの整備(〜1か月):Merchant Center/ビジネスプロフィール/構造化データを点検する
  5. Preferred Sources登録の促進(継続):既存顧客・読者に対して登録導線を案内する
  6. 引用モニタリング(月次):主要クエリでAI Overviews / AI Modeを実際に叩き、自社が引用されているかを目視で記録する(引用の56%が週単位で入れ替わるため、単発チェックでは判断できない)

流入が減るなら買うのか:AI Mode内広告という選択肢

Google Marketing Live 2026(2026年5月20日)で、AI Mode内の広告フォーマット4種が発表されました。

フォーマット

内容

Conversational Discovery Ads

対話の流れの中で表示される発見型広告

Highlighted Answers

AI回答内で強調表示される広告枠

AI-Powered Shopping Ads

Geminiが商品を評価して生成する説明文を併記するショッピング広告

Business Agent for Leads

見込み客獲得を目的としたエージェント型フォーマット

すべて「スポンサー(Sponsored)」ラベル付きで、Geminiが生成したAI説明文が広告クリエイティブに併記されます。

ただし、現時点では米国でのテスト段階であり、欧州などへの展開は通常6〜12か月遅れます。日本での正式提供は未確認です。ISB×CMUのランダム化フィールド実験でも「スポンサークリック数には有意な影響がなかった」とされており、オーガニック流入の減少を広告で即座に埋められる保証は、現時点ではありません。予算計画に織り込むのは、日本での提供が公式に確認できてからで十分です。

こんな企業は今すぐ着手すべき/急がなくてよい企業

今すぐ着手すべき企業

  • オウンドメディアからの流入が売上の主要導線になっている企業:情報収集型記事の流入減が直撃する。KPIの置き換えを先に行わないと、現場が数字を追えなくなる
  • 「〜とは」「〜のやり方」系の記事が流入の大半を占めるサイト:AI Overviewsの表示率が最も高い領域。一次情報の追加が最優先
  • BtoC・EC事業者:Merchant Centerの商品データ整備は、AI経由の購買行動が実際に発生している以上、後回しにできない
  • ローカルビジネス:ビジネスプロフィールの情報精度が、AI回答の内容をほぼ決める
  • 経営層に検索流入の減少を説明する必要がある担当者:外部データを出典・計測方法つきで揃えておかないと、施策の失敗と誤解されるリスクがある

慌てて動く必要が薄い企業

  • 指名検索・既存顧客からの直接流入が大半を占める企業:AI Overviewsの影響を受けにくい。ただし計測の準備だけはしておく
  • 検索流入をもともと重視していないBtoB企業(営業主導・紹介中心):優先度は低い
  • llms.txtの設置やAI専用の文体変更を検討している企業:Googleが公式に不要と明言している。これらに工数を割く前に、通常のSEOの質を上げるほうが確実
  • 「AEO/GEO」の名前で従来SEOと同じ内容の外注を検討している企業:Googleは「生成AI検索向けの最適化は依然としてSEOである」と整理している。契約前に、施策内容が既存SEOと具体的に何が違うのかを確認すべき

よくある質問

Q. GoogleはAI Modeをデフォルト検索にしたのですか?
していません。2026年6月にChromeの実験フラグが話題になった際、Googleは「AI ModeをChromeのデフォルト検索体験にする計画はない」と明言しました。ただしAI OverviewsとAI Modeは2026年5月のI/Oで「ひとつのAI検索体験」として統合され、AI回答が先に表示される導線は全世界で標準化されています。

Q. AI Overviewsの表示率は結局何%ですか?
調査によって21%〜65%まで割れており、単一の数値では断定できません。差の主因は対象クエリの構成です。自社に必要なのは業界平均ではなく、自社の主要クエリでの実際の表示状況なので、主要キーワードを実際に検索して記録するのが確実です。

Q. Search ConsoleでAI Overviews経由のクリック数は見られますか?
現時点では見られません。2026年6月に追加された生成AIパフォーマンスレポートで取得できるのは表示回数・ページ・国・デバイス・期間推移までで、クリック数・CTR・クエリは分離提供されていません。AI経由のクリックは従来レポートの「Web」検索タイプに合算されています。なお、データの蓄積は2026年5月18日以降のため、それ以前との比較もできません。

Q. llms.txt を設置すればAI検索に有利になりますか?
Google検索に関しては有利になりません。公式ガイドで「Google検索自体は使用しない」と明記されています。他社のAI製品での扱いは別ですが、Google対策としての優先度は低いと考えられます。

Q. AI Overviewsに自社サイトを表示させない設定はありますか?
Search Consoleの「Search generative AI」トグルで除外できますが、2026年6月3日時点では英国のサイト運営者向けの先行提供で、日本を含む他地域での一般提供は未確認です。nosnippet でも間接的に抑制できますが、通常の検索結果のスニペットも消えるため、CTR低下という副作用が大きくなります。

Q. AI検索対策は従来のSEOと別物ですか?
Googleの整理では別物ではありません。AI機能は従来検索と同じコアランキングシステム上で動くため、「生成AI検索向けの最適化は依然としてSEOである」というのが公式の立場です。変わったのは手法ではなく、求められる質の水準と、流入以外のKPIを持つ必要性です。

Q. 日本でもAI Mode内の広告は出せますか?
現時点では未確認です。2026年5月に発表された4つのフォーマットは米国でテスト中で、他地域への展開は通常6〜12か月遅れます。

Q. AI検索が広がると、検索エンジンのシェアも変わりますか?
日本のGoogleシェアは依然90%超ですが、アウンコンサルティングの調査(2026年4月2日)では、PCにおけるGoogleシェアが前回調査比で20%以上減少し、BingのPCシェアが20%以上上昇しています。単一エンジンへの依存度を下げる意味でも、指名検索と直接流入の強化が有効です。

まとめ

「GoogleのAI検索がデフォルトになる」という表現は、設定上の事実としては誤りで、体験上の実態としては正しいというのが結論です。GoogleはChromeのデフォルト化を否定しましたが、AI OverviewsとAI Modeは統合され、AI回答が先に出る検索が事実上の標準になりました。

企業サイトが取るべき行動は、次の3段階に集約されます。

  1. 測る:Search Consoleの生成AIレポートで表示回数を、GA4の「AI Assistant」チャネルで外部AI経由の流入を把握し、両者を混同しないレポート体制を作る
  2. 判断する:情報収集型クエリの流入減は構造的なものとして受け入れ、指名・比較・購買直前のクエリと「AI回答での引用」に投資を寄せる
  3. 打つ:一次情報を含む非コモディティなコンテンツ、Merchant Center/ビジネスプロフィールの整備、Preferred Sourcesの登録促進を、公式ガイドに沿って進める

やるべきことの中身は、実のところ従来のSEOから大きく変わっていません。変わったのは、「そこそこの記事でも1位なら流入が取れた」時代が終わったことです。

検索の前提になっている技術そのものを理解したい場合は生成AIとは何かの解説、検索が「代行してもらう場所」に変わる背景はAIエージェントとは何かの解説、Geminiの利用規模の推移はGeminiアプリが月間10億ユーザーを突破した件、PC環境でのAI検索の入口の変化はGoogle Search app for Windowsの解説を参照してください。

主な参照元

  • Google公式ブログ「Search at I/O 2026」(2026年5月19日)
  • Google Search Central「生成AI最適化ガイド」(2026年5月15日)
  • Google Search Central Blog「Gen AI performance reports」(2026年6月3日)
  • Alphabet 2026年第2四半期決算(2026年7月22日)
  • Similarweb「2026 Generative AI Landscape」/TechCrunch(2026年7月27日)
  • SparkToro「In 2026, less than one third of Google searches still send a click」(2026年6月9日)
  • Agarwal, S. & Sen, A. によるAI Overviewsのランダム化フィールド実験(SSRN、2026年4月3日掲載/7月8日改訂・査読前)
  • Ahrefs 調査(2026年2月26日)/Pew Research Center/Seer Interactive/SISTRIX
  • 博報堂DYグループ ONEDER「AI検索白書2026」/PRIZMA 世代別調査(2026年6月)/アウンコンサルティング(2026年4月2日)

このツールを自社の毎月の業務に組み込むと何が変わるか、ご提案します

業務を1つ送る

この記事の著者

AI革命

AI革命

編集部

AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。

AIでビジネスを革新しませんか?