ビジネス活用2026年9月更新

業務自動化はエンジニア不要でできるか|社内に技術者がいない会社に必要な体制と費用【2026年9月最新】

公開日: 2026/09/04
業務自動化はエンジニア不要でできるか|社内に技術者がいない会社に必要な体制と費用【2026年9月最新】

この記事のポイント

業務自動化はエンジニア不要でできるか、経営者向けに結論から解説。「作る」と「動かし続ける」を分け、社内で育てる・外注・運用込みサービスの3択を年間費用で比較。月何時間×人件費の回収試算、適用できない業務、調剤薬局の事例も収録。

結論から言うと、業務自動化を「作る」段階は、ノーコードツール・RPA・AIエージェントのどれを選んでも、社内にエンジニアがいなくてもできます。ただし「止まったときに直す」「システムの画面や帳票が変わったときに追従する」技術担当を、社内で育てる(ツール費が年数万円〜+兼任者の人件費)、外注する(年75万〜410万円)、運用込みのサービスに含める(初期100万円+月額10万円〜=初年度220万円)のどれで確保するかを先に決めておかないと、自動化は1〜2年で止まります。

この記事は、社内に情報システムの担当者がいない、あるいは兼任1名しかいない会社の経営者・事業責任者・業務部門長に向けて、「作る」と「動かし続ける」を分けたうえで、必要な体制と費用を数字で整理します。

「社内にエンジニアがいない」会社で、自動化のどこに時間がかかっているか

RPAツール UiPath の公式OGP画像

出典: UiPath 公式サイト

「エンジニア不要かどうか」を調べている会社の多くは、そもそも社内にエンジニアがいません。それは珍しいことではなく、多数派です。

  • 中小企業の経営者200名への調査では、社内にIT人材が「いない」企業が74%(Zenken調査、2024年9月)
  • 年商5〜50億円の中堅・中小企業では、情報システム担当が「専任」の会社は28.7%から16.7%に減り、「兼任」が48.0%から61.1%に増加(ノークリサーチ「ひとり情シス」調査、2025年5月、800社)
  • 中小企業がDXを進めるうえでの課題の1位は「ITに関わる人材が足りない」28.3%(中小機構「中小企業のDX推進に関する調査」、2025年12月、1,000社)
  • デジタル化を推進しているのは「経営者(経営層)」が48.0%で最多。「推進する部署(人)はない」も約4割(2023年版 小規模企業白書)

つまり、自動化を推進するのは経営者本人か、本来業務を抱えた兼任者です。この状態で進めると、時間がかかる工程はほぼ決まっています。

自動化の6つの工程と「誰がやるか」

工程

何をするか

エンジニアなしでできるか

時間・費用の目安

① 業務の棚卸し・手順の言語化

どの業務を、どの順で、何を見て判断しているかを書き出す

業務担当者にしかできない。エンジニアがいても代われない

最も時間がかかる。ここが甘いと後工程が全部やり直しになる

② ツール選定

ノーコード/RPA/AIエージェントのどれにするか決める

できる。ただし「ベンダーや製品を選ぶ情報が足りない」と答えた企業は79.8%(中小機構「AI等の利活用に係る実態調査」2026年3月)

③ 構築

作業の流れ(フロー・シナリオ)を作る

ノーコード・RPAならできる。入門研修は2日間、eラーニングなら4〜20時間で始められる

RPA構築を外注すると1本15万〜50万円

④ テスト・並行運用

人の作業と並走させ、結果を突き合わせる

できる(業務担当者の確認作業)

1〜2ヶ月

⑤ 監視・復旧

止まったことに気づき、原因を調べ、直す

ここで技術担当が要る

保守を外注すると月5万〜30万円

⑥ 変更への追従

画面・帳票・クラウドサービスの仕様変更、担当者交代に対応する

同上。作った人が辞めると止まる

修正を外注すると1回5万〜15万円

ベンダーが言う「エンジニア不要」は、①〜④の話です。⑤と⑥を誰が担うかは、ツールをいくら選び直しても解決しません。

これは調査でも裏づけられています。業務部門の社員が自分でツールを使って作る「市民開発」に取り組む企業への調査では、課題の1位が「牽引役を担う人材の不足」、2位が「IT専門部門と業務部門の役割分担・責任範囲・承認プロセスの不明確さ」でした(サイボウズ「アプリケーション開発に関する調査」、2025年10月、従業員100名以上の404社)。ツールの問題ではなく、体制の問題です。

自動化すると何がどう変わるか

体制を決めたうえで自動化すると、担当者の仕事は「作業する」から「確認して承認する」に変わります。月次レポートを例に、作業の流れを比べます。

Before(手作業)

  1. 販売管理システムと会計システムから、それぞれ先月分のデータを取り出す
  2. Excelに貼り付け、部門別・商品別に集計する
  3. 前月比・予算比を計算し、グラフを整える
  4. 数字が合わない箇所を探し、原因をつぶす
  5. 報告書の体裁に整え、関係者にメールで送る

After(自動化後)

  1. 毎月1日の朝、AIが両システムからデータを取得し、集計・照合・レポート化まで済ませておく
  2. 担当者は、照合で差異が出た箇所の説明(あれば)を読んで判断する
  3. 「配信する」を承認すると、関係者に送られる

担当者がやることは2と3だけになります。

ここで見落とされがちなのが、Afterの手順1が止まったとき(システムのログイン画面が変わった、ダウンロードできる形式が変わった等)に、誰が直すのかです。ノーコードやRPAを自作した場合は、作った担当者か兼任の情シスが直します。運用込みのサービスなら、提供側が直します。この差が、次の試算で「兼任者の時間」として金額に現れます。

削減時間の試算|月何時間 × 人件費でいくら戻るか

投資回収の計算は単純です。「削減できる月間時間 × 時給換算の人件費」から「月額費用」を引き、その額で初期費用を割ります。この記事では次の前提で計算します。

  • 人件費:時給3,000円換算(会社負担の社会保険料等を含めた目安)
  • 費用:初期100万円+月額10万円(税別。10名規模の運用込みAIエージェントを想定)
  • 損益分岐:月額10万円 ÷ 3,000円 = 月33.3時間。自動化できる業務がこれを下回るなら、月額型のサービスは元が取れない

例1:定型業務を3つ束ねて月45時間の場合

月次レポート作成 20時間 + 商談記録のCRM(顧客管理システム)への転記 15時間 + 商品マスタ更新 10時間 = 月45時間

項目

計算

金額

削減額

45時間 × 3,000円

月13.5万円

純削減(月額10万円を引く)

13.5万円 − 10万円

月3.5万円

初期100万円の回収期間

100万円 ÷ 3.5万円

約29ヶ月

正直に言って、この規模では回収に2年半かかります。月45時間程度で、かつ判断ルールが単純なら、後述するノーコードツール(月数千円〜2万円程度)を自作したほうが安く済みます。

例2:例1に加えて、兼任者がすでに自作ツールの面倒を見ている場合

すでにノーコードやRPAを自作していて、兼任の担当者が「止まったときの復旧」「仕様変更への対応」に月8時間(目安は月5〜10時間)を使っているなら、その時間も削減側に加えられます。

項目

計算

金額

削減時間

45時間 + 8時間

月53時間

削減額

53時間 × 3,000円

月15.9万円

純削減

15.9万円 − 10万円

月5.9万円

回収期間

100万円 ÷ 5.9万円

約17ヶ月

例3:複数部門の定型業務を束ねて月80時間の場合

項目

計算

金額

削減額

80時間 × 3,000円

月24万円

純削減

24万円 − 10万円

月14万円

回収期間

100万円 ÷ 14万円

約7〜8ヶ月

月80時間を超えるあたりから、運用込みのサービスが明確に有利になります。逆に言えば、社内の定型業務を洗い出しても月33時間に届かないなら、月額型のサービスは選ばないほうがよい、というのがこの試算の結論です。まず自社の業務で「月何時間か」を数えることが、どの方法を選ぶかより先です。

自動化できる業務・できない業務の境界線

エンジニアの有無にかかわらず、自動化に適用できる業務とできない業務ははっきり分かれます。適用できない業務にツールやAIを入れると、例外対応と承認待ちで結局人が張り付き、削減時間がゼロに近づきます。

適用できる

適用できない

毎日・毎週・毎月繰り返す

毎回例外判断が発生する

入力も出力もデジタルで完結する(システム・ファイル・メール)

紙・対面・電話が前提

判断ルールを紙に書き切れる

最終決裁をAIに委ねたい

公開・送信・価格変更・削除などの重要操作を人が承認できる体制がある

承認者を置けない、または置きたくない

業務オーナー(手順を説明できる人)が社内にいる

業務を知っている人が誰もおらず、棚卸しができない

適用できる側の具体例は、EC商品カタログの更新、商談記録のCRM入力とフォローメール送信、月次集計とレポート配信、商品マスタ管理、複数システム間のデータ照合などです。

もう一つ正直に書いておくと、適用できる業務であっても、判断ルールが「AならB」で済む単純なものならノーコードで足ります。AIエージェントの出番は、複数のシステムをまたぎ、判断ルールが文章でしか書けない業務です。そこにノーコードで足りる業務を持ち込むのは費用の無駄です。任せられる業務の線引きはAIエージェントに任せられる業務・任せられない業務の記事で詳しく整理しています。

エンジニアがいなくても回る体制の作り方|3つの役割と技術担当の確保3択

kintone 公式サイトのOGP画像(みんな、つくれる。)

出典: kintone 公式サイト

「エンジニア不要」の正確な答えは、次の一文に集約されます。

業務オーナーと承認者は社内に必要。技術担当は社内に置かなくてよい。ただし空席にしてはいけない。

自動化に必要な3つの役割

役割

何をするか

誰が担えるか

業務オーナー

手順の言語化、判断ルールの明文化、出来上がりの検収

業務部門の担当者。必ず社内。外注できない

承認者

公開・外部送信・価格変更・削除など取り返しのつかない操作の承認、例外時の判断

部門長・経営者。必ず社内

技術担当

構築、監視、エラー復旧、仕様変更への追従、権限・セキュリティ管理

社内で育てる/外注する/サービスに含める の3択

上2つの役割は、エンジニアがいても代われません。業務を知っているのは業務部門であり、責任を負うのは経営者だからです。逆に技術担当は、社内にいなくても成立します。問題は「誰もやらない」状態を作らないことです。

技術担当の確保3択を比較する

確保の仕方

具体的には

年間の費用感

強み

弱み

① 社内で育てる(市民開発)

Excelが得意な社員や兼任情シスが研修を受け、ノーコード・RPAを自作して面倒も見る

ツール費 年数万〜30万円+研修3万円〜+兼任者の保守時間(月5〜10時間=年18万〜36万円)。デスクトップRPAだと保守の人件費込みで年220万〜270万円規模になる例もある

業務を知っている人が作るので手戻りが少ない。小さく始められる

作った人が辞める・異動すると誰も直せない。兼任者の本来業務が圧迫される

② 外注する(RPA開発代行・情シス代行)

構築を開発会社に、監視・修正を保守契約や情シス代行に出す

構築15万〜50万円/本(複雑なら300万円)+保守 月5万〜30万円(年60万〜360万円)+修正 都度5万〜15万円

社内の手を使わない。技術的な品質が安定する

情シス代行の多くは自動化の構築・保守が範囲外。修正のたびに見積と費用が発生する

③ サービスに含める(運用込みのAIエージェント)

構築から監視・復旧・変更追従・基盤運用まで提供側が担う形で契約する

初期100万円+月10万円〜(10名規模)=初年度220万円、2年目以降 年120万円

技術担当を社内に置かなくてよい。止まっても自社で直さなくてよい

月33時間未満の業務量では元が取れない。例外判断の多い業務には使えない

(参考)社内SEを採用する

専任の技術担当を雇う

年収450.8万円(doda 社内SE平均)+会社負担分+採用費

全て社内で完結する

情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.46倍(全職種1.11倍。厚生労働省「一般職業紹介状況」2026年5月分、同年6月発表)で採用が難しい。1名体制だと退職で振り出しに戻る

どれが正解かは、業務量(月33時間を超えるか)と、兼任者にどれだけ時間があるかで決まります。①で始めて、面倒を見る時間が月10時間を超え始めたら②か③に移す、という順番も現実的です。①の隠れコストはRPA保守コストの記事、作った人が辞めたときに何が起きるかはPower Automateの属人化の記事で扱っています。

実現する方法は3つある(手作業の効率化/ノーコード・RPA/AIエージェント)

ノーコード自動化ツール Zapier の公式OGP画像

出典: Zapier 公式サイト

技術担当の確保と対になるのが、何で作るかです。方法は大きく3つで、それぞれ「作る難しさ」と「動かし続ける難しさ」が違います。価格はすべて2026年9月時点の各社公式ページの表記です。

方法1:手作業の効率化(Excel関数・マクロ・Power Automate for desktop)

  • 費用:0円。Power Automate for desktop はWindows 10/11で追加費用なしに使え、Windows 11には標準搭載
  • できること:自分のPC上のExcel操作・ブラウザ操作の繰り返しを記録して再生する
  • 技術担当:作った本人。本人がいる間は動くが、異動・退職で止まりやすい
  • 適する業務:1人で完結し、PCを開いている間に動かせばよい作業

方法2:ノーコードツール・RPA

ノーコードツールは、プログラムを書かずに画面上の設定だけで「AをしたらBをする」という作業の流れを組み立てられるサービスです。RPAは、人がパソコンで行っているクリックや入力の操作を記録し、そのとおりに自動で再生するソフトを指します。どちらも「作る」段階では専門知識をほぼ必要としません。

ツール

現行価格(公式表記)

特徴

Zapier

Free $0(月100タスク・2ステップのみ)/Pro $19.99〜/月(年払い、月払いは$29.99〜)/Team $69〜/月(年払い)。USD建て

クラウドサービス同士をつなぐ。無料版は条件分岐・多段処理が不可

Power Automate(Microsoft)

Premium 2,248円/ユーザー/月(年払い)/Process 22,488円/ボット/月

Microsoft 365と相性がよい。有人・無人のデスクトップ操作にも対応

kintone(サイボウズ)

ライト 1,000円/スタンダード 1,800円/ワイド 3,000円(各ユーザー/月、税抜)。最低10ユーザー、初期費用0円

業務アプリを自作する代表格。自動化は外部連携・プラグイン(スタンダード以上)

Coopel(クラウドRPA=ブラウザ上で動かすRPA)

エントリー 12,800円/月(初期0円)/スタンダード 50,000円/月(初期100,000円)/アドバンスト 100,000円/月(初期200,000円)、税抜

画面操作で自動化の手順を作る。処理量超過は従量課金

UiPath

Automation Cloud ベーシック $25〜/月

世界シェア上位。無人ロボット2体まで含む

WinActor(NTT-AT)

フル機能版 1,098,680円/PC/年、実行版 300,080円/PC/年(税込。正規販売代理店の公開価格、2025年1月以降)

国産のデスクトップRPA(自分のPCにインストールして動かすRPA)。シナリオ作成・保守・研修の有償サポートあり

  • 技術担当:社内の兼任者、または外注
  • 適する業務:判断ルールが「AならB」で書ける、決まった画面・決まった形式の繰り返し作業
  • 注意:他のまとめ記事に載っている価格には古いものが混じっています(例:Coopelの「月額5,940円」は旧価格、UiPathの「Pro 約420ドル」は旧体系)。契約前に必ず公式ページで確認してください

ノーコードの限界がどこにあるかはZapierとMakeの限界の記事、RPAが止まる典型的な原因はRPAが動かない原因の記事にまとめています。

方法3:AIエージェント

AIエージェントは、文章で書いた業務ルールを読み取り、複数のシステムを自分で操作して仕事を終わらせるAIです。決まった手順をそのまま再生するRPAと違い、判断に幅がある作業を扱えます。

  • 費用:初期100万円+月額10万〜50万円(税別)が当社の場合の目安。他社は個別見積が多い
  • できること:複数のシステムを横断し、文章で書かれた判断ルールに沿って処理する。「差異があれば理由を添えて担当者に確認する」「重要な操作は承認を待つ」といった動きができる
  • 技術担当:運用込みの契約なら提供側
  • 適する業務:システムが3つ以上またがる、判断ルールに幅がある、月33時間を超える定型業務

ノーコードとAIエージェントのどちらを選ぶべきかは、ノーコードとAIエージェントの違いの記事で判断の手順を示しています。

費用の目安|方法別・体制別に年間いくらかかるか

クラウドRPA Coopel の公式OGP画像

出典: Coopel 公式サイト

方法と技術担当の確保方法を掛け合わせて、1年目にいくらかかるかを並べます。10名規模を想定し、税別または各社の公式表記に従います。

方法

初期費用

月額

技術担当は誰か

1年目の総額の目安

手作業の効率化(Excel・マクロ・Power Automate for desktop)

0円

0円

作った本人

0円+本人の作業時間

ノーコード自作(Zapier Pro/Power Automate Premium/kintone スタンダード)

0円

$19.99/2,248円/人/18,000円(10人)

社内の兼任者

約2.7万〜27万円(人数による)+兼任者の保守時間 年18万〜36万円

クラウドRPA自作(Coopel エントリー〜スタンダード)

0〜10万円

12,800〜50,000円

社内の兼任者

約15万〜70万円+兼任者の保守時間

デスクトップRPA(WinActor フル機能版)

年1,098,680円(税込)≒月9.2万円

社内担当+有償サポート

約110万円+サポート費+社内担当の時間

RPA構築を外注

1本15万〜50万円

保守 月5万〜30万円

外注先(修正は都度5万〜15万円)

約75万〜410万円

情シス代行に運用を委託

月5万〜30万円(開発込みは20万〜50万円)

代行会社(自動化の構築は範囲外が多い)

約60万〜600万円

社内SEを採用

採用費

社内

年収450.8万円+会社負担分+採用費

AIエージェント(運用込み)

100万円

10万円(10名)/20万円(30名)

提供側(監視・復旧・変更追従・基盤運用込み)

220万円(10名)/340万円(30名)

3年で見ると差は縮まる

1年目だけ見ると運用込みのAIエージェントが高く見えますが、技術担当の費用を含めて3年で比べると差は縮まります。中間的な条件で仮置きした試算です。

確保の仕方

仮置きの条件

3年総額

① 社内で育てる(ノーコード)

ツール費 年10万円+研修3万円+兼任者の保守 月7.5時間(年27万円)

約114万円+退職・異動で止まるリスク

① 社内で育てる(デスクトップRPA)

ライセンス+保守の人件費で年220万〜270万円

約660万〜810万円

② 外注する

構築30万円+保守 月10万円+修正 年2回×10万円

約450万円

③ サービスに含める(AIエージェント 10名規模)

初期100万円+月10万円

460万円

ノーコードを社内で育てる形が最も安いのは事実です。ただしそれは「兼任者が月7.5時間で収まり、辞めない」前提であり、月33時間を超える業務量を1人の兼任者が支え続けられるかは別の話です。

当社のシゴハヤエージェントは、この表の「AIエージェント(運用込み)」に当たります。初期費用100万円(税別)には、業務整理、専用環境の構築、主要な業務フロー1つ、業務システムの接続(標準2つまで)とチャット環境の接続、権限・承認の設定、テスト、並行運用、本番移行が含まれます。月額10万〜50万円(税別)には、稼働監視、エラーの調査と復旧、基盤のセキュリティ更新、バックアップ、月次の稼働レポート、軽微なルール調整が含まれ、金額は会社規模とAIの処理量の大きいほうで決まります(10名程度で10万円、30名程度で20万円、50名程度で30万円、100名程度で50万円)。「社内にAIエンジニアは不要」「特別な担当者は不要」と言えるのは、この月額の中に技術担当の仕事が入っているからです。なお、人手による業務代行は含まれません。

AIエージェント全般の費用相場や補助金の扱いはAIエージェント導入費用の記事で別途まとめています。

実際にやった事例|調剤薬局のケース(技術担当を社内に置かずに回っている形)

当社は過去に薬局・医療機関・インフラ企業のAI導入・システム開発を担当しています。守秘のため社名と具体的な数値は公開できませんが、体制の観点で「調剤薬局のケース」を紹介します。

課題

複数のシステムを使い分けており、月末月初に各システムからデータを取り出して集計・照合し、報告書にまとめて配信する定型業務が事務担当者に集中していました。社内に情報システムの担当者はおらず、経営者が兼任。ツールを入れても「止まったときに誰が直すのか」が決まらないため、自動化に踏み切れない状態が続いていました。

作ったもの

その薬局専用のAI社員です。決まった日に各システムからデータを取得し、照合と集計を済ませて報告書を作り、差異があれば「どこが・なぜ合わないか」の説明を添えて事務担当者に提示します。外部への送信やデータの削除など取り返しのつかない操作は、必ず人が承認してから実行される設定にしました。業務ルールは事務担当者が日本語の文章で確認・修正できる形にしています。

何がどう変わったか

事務担当者の役割は「作業する」から「確認して承認する」に変わりました。社内に技術担当は置いていません。止まったときの復旧、システム側の画面や形式の変更への追従、基盤の更新は当社側の作業です。導入時に社内で必要だったのは、手順を説明できる業務オーナー(事務担当者)と、承認者(経営者)の2役だけでした。

この事例のポイントは、削減時間そのものより「技術担当が空席のままでも運用が止まらない体制」を先に作ったことです。エンジニアがいない会社で自動化を続ける形として、これが一つの答えになります。

導入までの流れと期間

シゴハヤエージェント(AI革命)公式サイトのOGP画像

出典: シゴハヤエージェント 公式サイト

自分で作る場合(社内で育てる)

  1. 研修:Power Automate for desktop の入門研修は2日間、eラーニングなら4〜20時間
  2. 1本目を作る:1人で完結する小さな作業から
  3. 台帳を作る:何を自動化していて、誰が作り、止め方はどうするかを一覧にする。これがないと「誰も中身が分からないのに動いている」状態(いわゆる野良ロボット)になる
  4. 引き継ぎ書を残す:担当者が異動・退職しても直せるように

3と4を省くと、1〜2年後に止まります。ここが自作の実質的なコストです。

運用込みのサービスに任せる場合(シゴハヤエージェントの例)

ステップ

内容

社内でやること

① 無料相談

自動化したい業務を聞く

業務を1〜3個挙げる。手順書がなくてもよい

② 対象業務と効果の整理

手順・判断ルール・月間時間を整理し、回収見込みを出す

業務オーナーが現在の手順を説明する。月何時間かを数える

③ 専用環境・業務フローの構築

環境構築、システム接続、権限と承認の設定

判断ルールの確認、承認者を決める、システム接続の許可

④ テスト・並行運用

人の作業と並走させて結果を突き合わせる

結果の確認

⑤ 本番稼働・継続運用

監視・復旧・ルール調整は提供側

承認と例外時の判断のみ

期間は標準1〜2ヶ月で、業務の複雑さと接続するシステム数で変わります。社内で必要なのは業務オーナーと承認者の2役で、技術的な作業はありません。②の段階で月33時間に届かないと分かれば、ノーコードで足りるとお伝えすることもあります。進め方の詳細はサービスページにまとめています。

よくある質問

Q1. Excelやマクロが得意な社員がいれば、外部に頼まなくても十分ですか?

「作る」だけなら十分です。Power Automate for desktop はWindows 11に標準搭載で無償ですし、Excelが得意な人なら数日で最初の1本が動きます。ただし、その社員が「唯一直せる人」になった時点で、会社はその人の在籍に依存します。始める前に、①自動化しているものの一覧(台帳)、②止め方、③引き継ぎの方法、の3つを決めておけるなら、社内で育てる選択は有力です。決められないなら、最初から外部の保守を組み込んだほうが安全です。

Q2. 自動化を作った担当者が退職・異動したらどうなりますか?

多くの場合、誰も中身を直せない「ブラックボックス」が残ります。動いている間はよいのですが、システムの画面や帳票が変わった時点で止まり、手作業に戻るか、外注先に「解析からお願いします」と頼むことになります。対策は、作った時点で台帳と手順書を残すこと、あるいは監視と修正が契約に含まれた外部サービスを使うことです。契約前にベンダーへ「作った人がいなくなっても動き続けますか。その場合、誰が直しますか」と一言聞いてください。答えに詰まるなら、その体制は空席です。

Q3. 情シス代行(ITアウトソーシング)に頼めば、自動化の面倒も見てくれますか?

契約内容によります。情シス代行の多くは、ヘルプデスク、PCやアカウントの管理、ネットワーク保守が中心で、自動化フローの構築や修正は範囲外か、別料金です。相場はヘルプデスク中心で月5万〜10万円、情シス業務一括で月10万〜30万円、開発・構築込みで月20万〜50万円です。契約前に「自動化フローの監視と修正が含まれるか」「修正は都度課金か」の2点を確認してください。

Q4. APIのない古いシステム(ほかのシステムとつなぐ窓口がないもの)でも自動化できますか?

管理画面の操作で対応できる場合があります。ただし、画面のレイアウト変更、画像認証(CAPTCHA)、多要素認証の影響を受けるため、事前に検証したうえで対応できる範囲を決めるのが通常です。当社でも検証後に対応範囲を提示する形を取っています。RPAも同じ制約を受けますが、画面が変わって止まったときに誰が直すかが違います。古いシステムほど「変更への追従」の頻度が問われるので、技術担当の確保方法とセットで考えてください。

Q5. セキュリティは誰が担保するのですか?社内に分かる人がいません。

社内に分かる人がいなくても、契約前に次の4点を提供側に文書で出してもらえば判断できます。①どのAIモデルを使い、データがどこに保存され、外部のどこに送られるかの一覧、②入力した内容がAIの学習に使われない構成か、③権限が必要最小限で、重要操作が承認制か、④実行履歴が残るか。この4点に明確に答えられないベンダーは避けてください。当社の場合は、利用するAIモデル・データの保存先・外部への送信先を導入前に一覧で提示し、顧客ごとに認証情報とデータを分離しています。

Q6. 補助金は使えますか?

AIエージェントや自動化ツールの導入は、IT導入補助金などの対象になる可能性があります。ただし公募回ごとに締切と要件が変わり、採択から入金までにも期間があるため、この記事では扱いません。2026年9月時点の締切と入金までの流れはAIエージェント導入費用の記事で更新しています。

Q7. 将来、社内にエンジニアを採用したら、外部サービスから乗り換えられますか?

乗り換えられるかどうかは、「業務の手順と判断ルールが、自社の資産として文書で残っているか」で決まります。導入時に整理した手順書・判断ルール・実行履歴が社内に残る形かを、契約前に確認してください。一方で、情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.46倍(厚生労働省、2026年5月分)で、採用できたとしても1名では退職で振り出しに戻ります。採用を前提に体制を組むより、採用できたときに「業務オーナーと承認者を強くする」役割に振るほうが現実的です。

毎月くり返す定型業務があり、社内に技術担当を置けない会社へ

「作るのはできそうだが、止まったときに誰が直すのか分からない」——その状態なら、まず自動化したい業務と「月何時間か」を持ってご相談ください。月33時間に届かなければ、ノーコードをおすすめすることもあります。初回相談は無料です。

自動化したい業務を無料で相談する(シゴハヤエージェント)

補助金の枠内で導入できる範囲を試算します

補助金前提で相談する

この記事の著者

AI革命

AI革命

編集部

AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。

経理・事務作業・開発を、AI革命にまとめて任せられます

ご相談は無料です。オンラインで完結します