XChat(Xチャット)とは?アプリが消えた理由・今の使い方・E2E暗号化とGrok連携の安全性【2026年10月】

この記事のポイント
XChat(Xチャット)とは、X(旧Twitter)のE2E暗号化メッセージ機能です。独立アプリは2026年9月にストアから取り下げられましたが、X本体アプリとWeb版で無料で使えます。機能・料金・Ask Grok・安全性の限界をまとめました。
XChat(Xチャット)とは、X(旧Twitter)が旧DMに代わって提供しているE2E暗号化メッセージ機能で、メッセージを長押しするとGrokに要約や翻訳を頼めます。独立アプリの「XChat」は2026年9月中旬にApp Store・Google Playから取り下げられましたが、同じ暗号化チャット機能はX本体アプリ(iOS/Android)とWeb版x.comの「チャット」として、今も無料で使えます。
この記事でわかること
- XChat(Xチャット)が何なのか、X本体の「チャット」とはどういう関係か
- 独立アプリが消えた経緯と、すでにインストールしている人がやっておくこと
- 機能・料金・使い方(2026年10月時点)
- E2E暗号化で守られる範囲と守られない範囲(公式の暗号仕様をもとに説明)
- Ask Grokを使うときのプライバシーと、開発者向けX Chat APIの概要
- Signal・WhatsApp・LINE・Telegramとの違い、業務で使ってよいかの目安
こんな方に向けた記事です
- 「XChat」を検索したらアプリが見つからず、何が起きたのか知りたい方
- XのDMが「チャット」に変わり、暗号化やPIN(パスコード)の意味を確認したい方
- Grok入りのメッセンジャーを個人や仕事で使ってよいか判断したい方
- X Chat APIでAIエージェントやサポートBotをつなげたい開発者
XChat(Xチャット)とは?XのE2E暗号化メッセージ機能
XChatは、X Corp.が提供するXアカウントで使うE2E暗号化(エンドツーエンド暗号化)のメッセージ機能です。2025年11月にX本体アプリの新しいDM「チャット(Chat)」として正式に提供が始まり、2026年4〜9月には同じ機能を切り出した独立アプリ「XChat」も配布されていました。

現時点では「XChat=独立アプリ」と捉えるより、「XChat=X内の暗号化チャット機能と、その基盤になっている暗号の仕組み」と理解するほうが実態に合っています。独立アプリが配布停止になっても、メッセージ機能そのものはXの中で動き続けているためです。
独立アプリ時代のApp Store説明文には、次のように書かれていました。
"Chat with anyone on X in a private, focused space built for conversation. No ads. No tracking. Fully end-to-end encrypted."
(Xの誰とでも、会話のための静かなプライベート空間でチャット。広告なし、トラッキングなし、完全なE2E暗号化。)
XChatの基本情報(2026年10月時点)
項目 | 内容 |
|---|---|
名称 | XChat / X Chat(X本体アプリ内では「チャット」) |
提供元 | X Corp.(旧Twitter) |
内蔵AI | Grok(提供元はSpaceXAI。2026年7月にxAIから改名) |
今使える場所 | X本体アプリ(iOS/Android)、Web版 x.com |
独立アプリ「XChat」 | 2026年9月14〜15日ごろにApp Store・Google Playから取り下げ。新規ダウンロード不可 |
料金 | 無料(XChat単独の有料プランは確認できない) |
ログイン | Xアカウント(電話番号の登録は不要) |
開発者向け | X Chat API/Chat XDK(2026年7月公開) |
X本体の「チャット」と旧DMとの関係
X本体のDMは2025年12月ごろまでに「チャット」へ置き換わりました。旧DMの会話もチャット画面にまとめて表示され、Web版では「暗号化されていない」チャットだけを絞り込むフィルタが用意されています。つまり、古いDMの中には暗号化されていない会話が残っている場合がある点は押さえておきましょう。
暗号化チャットは当初X Premium加入者に先行提供されていましたが、2025年9月以降は無料ユーザーにも開放されています。
XChatアプリが消えた理由は?2026年9月の取り下げの経緯
独立アプリ「XChat」は、2026年9月14〜15日ごろにApp StoreとGoogle Playの両方から姿を消しました。9to5Macの情報筋によると、Appleが削除したのではなくX側が自主的に取り下げたもので、2026年10月5日時点でXから理由の説明や告知は出ていません。
XChatの時系列
時期 | 出来事 |
|---|---|
2025年6月 | 新しい暗号化DMの仕組み(Juiceboxによる鍵バックアップ)が明らかになり、暗号の専門家が課題を指摘 |
2025年9月 | 暗号化チャット・通話を無料ユーザーにも開放 |
2025年11月 | X本体アプリで新DM「チャット」を正式に提供開始(iOS・Web先行) |
2025年12月 | DMがチャットに置き換わる。メッセージ長押しの「Ask Grok」が登場 |
2026年4月下旬 | 独立アプリ「XChat」iOS/iPadOS版を公開(iOS 26.0以上・日本語を含む46言語に対応と報道) |
2026年5月 | Xの「コミュニティ」機能を終了。移行先としてXChatのグループを案内 |
2026年6月29日 | 独立アプリ「XChat」Android版を公開(最大2GBのファイル送信に対応と報道) |
2026年7月6日 | Grokの開発元xAIがSpaceXAIに改名 |
2026年7月30日 | 開発者向けX Chat API・Chat XDKを公開 |
2026年9月14〜15日ごろ | 独立アプリ「XChat」がApp Store・Google Playから消える(X側の自主的な取り下げと報道) |
※独立アプリのiOS公開日は、報道によって4月17日・23日・24日・25日と分かれています。
取り下げの理由(公式説明なし・報道ベースの見方)
Xは理由を説明していません。Social Media Todayは、「X本体と切り離したメッセージ・決済アプリは送金ライセンス対応の手段だったが、X Money(Cross River Bankと提携)が2026年7月に本格稼働したため独立アプリが不要になり、X本体にすべてをまとめる"エブリシングアプリ"路線に戻ったのでは」という見方を伝えています。ただし、これはあくまでメディアの推測です。
Xのソースコードやアプリ内からも、独立アプリへの言及が消えつつあると報じられています。独立アプリが復活するのか完全に終わるのかは、公式発表を待つ必要があります。
すでに独立アプリを入れている人がやっておくこと
インストール済みの独立アプリが今後も動くか、更新が届くかについて公式発表はありません。次の順で備えておくと困りません。
- X本体アプリのチャットで同じ会話が見られるか確認する(チャット履歴はXアカウント側にひもづいています)
- 暗号鍵のPIN(パスコード)を控えておく。機種変更や再ログインのとき、過去の暗号化メッセージの復元に必要です
- ストアで「XChat」と検索して出てくる別のアプリを入れない。いま出てくる同名アプリはX社製ではありません
- 非公式のデスクトップクライアントにXのログイン情報やPINを入力しない
Xチャットで今できること(機能一覧)
X本体アプリのチャット(と旧独立アプリ)で確認できた主な機能は次のとおりです。テキストのやり取りだけでなく、通話・消えるメッセージ・AI呼び出しまで揃っています。

機能 | できること | 補足 |
|---|---|---|
E2E暗号化メッセージ | 1対1・グループのテキスト、リンク、リアクション、画像などを暗号化 | 古いDMには暗号化されていない会話が残っている場合あり |
音声・ビデオ通話 | 電話番号なしで通話 | Xアカウント同士で発信 |
消えるメッセージ | 一定時間(5分など)で自動削除 | 機密度の高い会話向け |
編集・送信取り消し | 送信後にメッセージを編集・削除 | 誤送信のフォローに使える |
スクリーンショット対策 | 撮影のブロック、または撮影の通知 | OSの制約で、撮影を完全に防げない場面もある |
ファイル共有 | ほぼすべての形式のファイルを送れる | 独立アプリのAndroid版は最大2GBと報道 |
ボイスメモ | 音声メッセージの送信 | 一度なくなったが復活 |
グループ・参加リンク | リンクで招待できるグループチャット | 上限は「500人」「1,000人」と報道が分かれ、現行値は公式未確認 |
Ask Grok | メッセージを長押ししてGrokに要約・翻訳・解説・返信案を依頼 | 選んだメッセージだけがGrokに送られる |
Web版の便利機能 | Google Driveからのアップロード、暗号化されていないチャットの絞り込み、ニックネーム | Web版 x.com で利用 |
Ask Grokでできること
チャット画面でメッセージを長押しして「Ask Grok」を選ぶと、Grokに次のような作業を頼めます。
- 長い会話や共有されたリンクの要約
- 外国語のメッセージの翻訳
- 専門用語や話題の解説
- 返信の下書き
Grokが自動でチャット履歴を読むわけではなく、ユーザーが操作したときに選んだメッセージだけが送られる仕組みです。Grok自体の機能や料金はGrokとは?Agent Mode・Grok Imagineの使い方と料金、現行モデルの性能はGrok 4.7とは|SpaceXAI最新モデルの性能・API料金で詳しく扱っています。
Xチャットの料金:基本機能は無料
Xチャットの暗号化メッセージ・通話・グループ・消えるメッセージは無料で使えます。 配布されていた独立アプリも無料で、アプリ内課金はありませんでした。XChat単独の有料プランも確認できません。料金が関係してくるのは、Ask Grokをたくさん使いたい場合です。
プラン | 料金の目安(日本・Web版) | Xチャットとの関係 |
|---|---|---|
無料(Xアカウントのみ) | 0円 | 暗号化チャット、通話、グループ、消えるメッセージ、ファイル共有、Ask Grok(Grokの無料枠内) |
X Premium Basic | 月368円/年3,916円 | チャット機能自体は無料版と同じ |
X Premium | 月980円/年10,280円 | Grokの利用枠が増える |
X Premium+ | 月6,080円/年60,040円 | Grokの上位枠。Ask Grokを多用する人向け |
※X Premiumの価格は第三者のまとめ(2026年8月時点)をもとにした目安です。アプリ内課金は手数料の分だけ高くなることがあります。最新の金額はXの購入画面かX Premium公式ヘルプで確認してください。Ask Grokの具体的な回数上限は公表されていません。
Grokを単体のサブスク(SuperGrok)で使う場合も含めて、他の生成AIと料金を比べたい方は生成AIの料金比較が参考になります。
Xチャットの使い方(X本体アプリ・Web版)
独立アプリをダウンロードできなくなったため、今はX本体アプリかWeb版x.comから使います。手順はシンプルです。
ステップ1:X本体アプリかx.comを開く
iPhone・Androidの「X」アプリ、またはブラウザでx.comにログインします。電話番号の登録は必要ありません。
ステップ2:チャット(封筒アイコン)を開く
下部メニュー(Web版は左メニュー)のチャットを開きます。初めて暗号化チャットを使うときは、暗号鍵を保護するPIN(パスコード)の設定を求められます。
ステップ3:PIN(パスコード)を設定して控える
このPINは、新しい端末で過去の暗号化メッセージを復元するときに必要です。推測されにくい値にして、パスワードマネージャーに保管しておきましょう。公式の説明では、PINを20回間違えると保管されている鍵の断片が削除されます。
ステップ4:相手を選んでチャットを始める
相手のユーザー名を指定して1対1チャットを始めるか、グループを作って参加リンクを共有します。消えるメッセージや通知の設定は、チャットごとに変えられます。
ステップ5:必要なときだけAsk Grokを使う
メッセージを長押しして「Ask Grok」を選ぶと、要約や翻訳を頼めます。個人情報や社外秘が含まれるメッセージでは使わないのが原則です。
XChatの安全性:E2E暗号化で守られる範囲と守られない範囲
Xチャットはメッセージの「中身」をE2E暗号化で守りますが、「誰と・いつ」やりとりしたかは守られず、前方秘匿性(Forward Secrecy)もありません。 これはX公式の開発者ドキュメント(docs.x.com 暗号入門)に明記されています。

公式ドキュメントが説明する暗号の仕組み
- 3種類の鍵:会話鍵を受け取るための「アイデンティティ鍵」、送信者を確かめる「署名鍵」、会話ごとの「会話鍵」(バージョン管理され、定期的に入れ替わる)
- アルゴリズム:P-256曲線上のECDH/ECIESで会話鍵を包み、ECDSAで署名、メッセージとメディアは対称暗号で暗号化
- グループも同じ仕組み:参加者それぞれの公開鍵に会話鍵を包んで配る
- 秘密鍵のバックアップ:オープンソースの秘密分散プロトコル「Juicebox」を使い、鍵の断片を3つの「realm」に分けて保管。うち2つはHSM(ハードウェアセキュリティモジュール)で運用し、復元には3つ中2つが必要。各realmでPINを20回間違えると削除される
Xに見えるもの・見えないもの
区分 | 内容 |
|---|---|
Xに見えないもの | メッセージ本文、生の会話鍵、PIN(端末の外に送られない) |
Xに見えるもの | 暗号化された本文、包まれた状態の鍵、メタデータ(参加者・送信時刻)、署名つきの状態記録 |
E2E暗号化の外に出るもの | Ask Grokで選んだメッセージ(Grok側で処理される) |
公式は「暗号化が隠すのは"何を"であって、"誰が"や"いつ"ではない」と説明しています。
2025年の専門家の指摘と、2026年の公式仕様
暗号学者のMatthew Green氏(ジョンズ・ホプキンス大学)は2025年6月、旧仕様について「信頼できる監査を受けるまでは、暗号化されていないDMと同程度にしか信用しない」と評価しました。その後の公式ドキュメントでは、一部の点に対応したと読める記述があります。
論点 | 2025年の指摘 | 2026年の公式ドキュメント |
|---|---|---|
鍵の保管 | Juiceboxが「4つのソフトウェアrealm」で、本物のHSMではない疑い | 3つのrealmのうち2つをHSMで運用。「ソフトウェアだけで鍵に到達する経路はない」と説明 |
PINの強さ | 4桁PINだとオフラインの総当たりのおそれ | realmごとに20回で削除。現行のPIN桁数は公式で確認できず |
前方秘匿性 | なし | なし。アイデンティティ秘密鍵を持つ攻撃者は、過去に取得した暗号文を解読できると明記。鍵の入れ替え方式は開発中とされる |
鍵の検証 | 相手の鍵を確かめる手段がない | 公式で明確な説明は確認できず |
第三者監査 | 未公開 | 独立した監査レポートの公開は確認できず |
強みと弱み
強み
- 1対1・グループのメッセージ本文をE2E暗号化し、会話ごとに鍵を分けている
- 電話番号なしで使えるため、番号から身元を知られにくい
- 鍵バックアップのJuiceboxと開発キットのChat XDKはオープンソースで、仕組みを外部から確認できる
- Chat XDKの中核は、メモリ安全性の高いRustで書かれている
弱み・注意点
- 前方秘匿性がない。秘密鍵が漏れると、過去のメッセージまでさかのぼって読まれるおそれがある
- メタデータは暗号化されない。誰といつやりとりしたかはXに残る
- アプリ本体はクローズドソースで、独立した第三者監査も公開されていない
- 古いDMの中に暗号化されていない会話が残っている場合がある
- 旧暗号化DMのヘルプには「中間者攻撃への保護はない」「法的手続きでXがアクセスし得る」という注意書きがあった。新しいチャットでの扱いは公式で確認できていない
なお、マスク氏が使った「Bitcoinスタイルの暗号化」という表現は、公式の仕様(P-256のECDH/ECIES/ECDSA)とは別物です。宣伝上の表現と考えたほうがよいでしょう。
Ask Grokの仕組みとプライバシー:Grokに送ったメッセージは暗号化の外に出る
Ask Grokで選んだメッセージは、E2E暗号化の保護から外れてGrok(SpaceXAI)側で処理されます。 チャット全体の暗号化は保たれ、公式も「チャットはプライベートで暗号化されたまま。共有されるのは選んだメッセージだけ」と説明しています。

Ask Grokを使ったときのデータの流れ
- チャット画面でメッセージ(テキストや画像)を長押しする
- 「Ask Grok」を選ぶ
- 選んだメッセージだけがGrokのサーバーに送られる
- Grokが要約・翻訳・返信案などを返す
- 結果は自分の画面にだけ表示される(相手には送られない)
X上でのGrokとのやりとりは、これまで初期設定で学習に使われる設定になっていた経緯があります。Ask Grokに渡したチャット内容が学習に使われるか、どれくらい保存されるかについて、Xチャット向けの公式説明は確認できていません。
Ask Grokを使ってよい内容の目安
会話の内容 | Ask Grokを使うか |
|---|---|
雑談・趣味・ニュースの話題 | 使ってよい |
公開情報の翻訳・要約 | 使ってよい |
仕事の一般的な相談 | 中身を確認してから使う |
住所・電話番号・本名などの個人情報 | 使わない |
顧客情報・社外秘・契約内容 | 使わない |
医療・法務・金融の機密情報 | 使わない |
「外部のAIに見せて問題ない内容だけをAsk Grokに渡す」と決めておけば、迷う場面はほとんどありません。業務でAIに情報を渡すときの考え方はAIエージェントのセキュリティ対策にまとめています。
このツールを自社のシステムや業務にどう組み込むか、ご提案します
初回相談は無料・30分(オンライン)。要件が決まっていなくても大丈夫です。改修100万円〜・PoC300万円〜(税別)
X Chat API・Chat XDKとは:AIエージェントからXチャットを使う開発者向け機能
X Chat APIは、外部のアプリやAIエージェントがXチャットの暗号化メッセージを送受信できる開発者向けAPIです。 2026年7月30日に、暗号処理を担う開発キット「Chat XDK」とあわせて公開されました(公式ドキュメント)。

出典: X Developer Platform(docs.x.com)
項目 | 内容 |
|---|---|
できること | 暗号化チャットの送受信、カスタマーサポートBotやAIエージェントの構築 |
受信方法 | Webhook/アクティビティストリーム |
Chat XDK | 中核はRust製のオープンソース。Python( |
認証 | OAuth 2.0のユーザーコンテキスト( |
制約 | ユーザー側から会話を始める必要があり、Botから一方的には送れない |
料金(報道ベース) | 従量課金アカウントは当面1日500通の無料枠、受信イベント1件0.01ドル、送信は課金なし。上位ティアではSpaceXAI APIクレジットの付与あり |
※料金はRuntimeWireの報道によるもので、公式ドキュメントには記載がありません。利用前に開発者ポータルで確認してください。
注意したいのは、AIエージェントが復号したメッセージを外部のLLMに渡した時点で、その内容はE2E暗号化の外に出ることです。サポートBotを作るなら、どのLLMに何を渡すか、復号用の鍵とPINをどこに保管するかを先に決めておく必要があります。AIエージェントの基本はAIエージェントとは、X上のGrok連携BotはGrok Botとはも参考にしてください。
XChatと他メッセンジャーの比較(Signal・WhatsApp・LINE・Telegram)
暗号の成熟度と透明性はSignalが一番で、XChatの強みは「電話番号なしで使える」「チャット内でAIを呼べる」の2点です。 主な比較ポイントを表にまとめました(2026年10月時点の公開情報)。
項目 | XChat(Xチャット) | Signal | LINE | Telegram | |
|---|---|---|---|---|---|
E2E暗号化の範囲 | 1対1・グループ(古いDMは非暗号化が残る場合あり) | 全通信が既定 | 全通信が既定 | Letter Sealing対応のトーク | シークレットチャットのみ |
前方秘匿性 | なし(公式が明記) | あり | あり | 公開情報が限られる | シークレットチャットはあり |
秘密鍵の保管 | Xのインフラ(Juicebox・PIN保護) | 端末内 | 端末内(バックアップは任意) | 端末+サーバー | 端末+サーバー |
オープンソース | アプリ本体は非公開。Chat XDK・Juiceboxは公開 | アプリ・プロトコルとも公開 | 非公開(Signalプロトコル採用) | 非公開 | クライアントのみ公開 |
独立した第三者監査 | 公開を確認できず | 実績多数 | 実績あり | 限定的 | 限定的 |
AI連携 | Grok(Ask Grok) | なし | Meta AI | LINEのAI機能 | Botで外部AIと連携 |
電話番号 | 不要(Xアカウント) | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 |
利用環境 | X本体アプリ(iOS/Android)、Web | 全主要OS | 全主要OS | 全主要OS | 全主要OS |
開発者API | X Chat API(暗号化DM対応) | 公式APIなし | WhatsApp Business Platform | LINE Messaging API | Bot API |
料金 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
用途別のおすすめ
やりたいこと | おすすめ |
|---|---|
記者・活動家など、最高レベルの秘匿性が必要 | Signal |
家族・友人との日常連絡(日本) | LINE |
海外の相手との日常連絡 | |
数千人以上の大規模コミュニティ | Telegram(またはDiscord) |
Xでつながった相手と、番号を明かさずに話す | Xチャット |
会話の要約・翻訳をその場でAIに頼みたい | Xチャット(Ask Grok) |
暗号化DMにAIエージェントを接続したい | X Chat API |
偽アプリ・非公式クライアントに注意
2026年10月時点で、ストアで「XChat」と検索して出てくるアプリはX社製ではありません。 公式の独立アプリが消えたあとも、同じ名前を使った無関係のアプリが残っています。
- Google Playには「XChat - Private Messenger」(
com.oxchat.lite)など、X Corp.とは関係のない同名アプリがある - GitHubには「XChat非公式デスクトップクライアント(Windows/Mac)」をうたうリポジトリがあるが、X Corp.の公式ではない
- Linux向けのIRCクライアント「XChat」や後継の「HexChat」も名前が同じだが、Xとは無関係
特に危ないのは、XのIDとパスワード、暗号鍵のPINを入力させる非公式クライアントです。PINが漏れると、Xインフラに保管された鍵を復元される入口になり得ます。Xチャットを使うときは、X公式アプリかx.comだけにしておきましょう。
Xチャットを業務で使ってよいか:判断の目安
社外とのちょっとした連絡なら使えますが、顧客情報や機密情報のやりとりには向きません。 前方秘匿性がなく、メタデータが残り、第三者監査が公開されていないためです。
業務シーン | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
X経由の取材依頼・問い合わせの一次対応 | 使える | 相手がXにいて、内容が機密でない |
イベント・コミュニティの連絡 | 使える | グループ・参加リンクが便利 |
取引先との日程調整 | 条件付き | 社内規程で許可されていれば可 |
見積もり・契約条件のやりとり | 避ける | 業務用ツール(メール・社内チャット)に記録を残すべき |
顧客の個人情報・医療・法務・金融情報 | 使わない | 前方秘匿性なし・監査未公開・Ask Grok誤操作のリスク |
AIサポートBotでの顧客対応 | 設計次第 | X Chat APIで構築可。外部LLMに渡る範囲と鍵管理を決めてから |
業務で使う場合は、Xアカウントの二段階認証、PINの管理、Ask Grokを使ってよい範囲を社内ルールとして決めておくと安心です。
Xチャットがおすすめな人・おすすめしない人
おすすめな人
- Xを毎日使っていて、DMを少しでも安全にしたい人
- 電話番号を知られずにメッセージや通話をしたい人
- 海外の相手とのやりとりで、Ask Grokの翻訳・要約を使いたい人
- Xのコミュニティ終了後、グループの移行先を探している人
- X Chat APIで、暗号化DMに対応したサポートBotやAIエージェントを作りたい開発者
おすすめしない人
- 独立したメッセンジャーアプリとして使いたい人(2026年10月時点ではダウンロードできない)
- 前方秘匿性・オープンソース・第三者監査が必須の人(Signalが第一候補)
- 医療・法務・金融・行政など、厳しい守秘義務のある業務連絡に使いたい人
- 数千人以上の大規模コミュニティを運営したい人
- 個人情報を含む会話が多く、うっかりAsk Grokに渡してしまう心配がある人
よくある質問
Q1. XChatのアプリが見つからないのはなぜですか?
独立アプリ「XChat」は、2026年9月14〜15日ごろにApp StoreとGoogle Playから取り下げられたためです。Appleによる削除ではなくX側の判断と報じられていますが、Xは理由を説明していません。今はX本体アプリかWeb版x.comの「チャット」から同じ機能を使えます。
Q2. 「Xチャット」と「XChat」は同じものですか?
基本的に同じです。X本体アプリでは「チャット」、英語では「X Chat」、独立アプリ名は「XChat」と表記されていました。どれもXアカウントで使うE2E暗号化メッセージ機能を指しています。
Q3. 独立アプリに残っていたメッセージは消えますか?
チャット履歴はXアカウントにひもづいているため、X本体アプリやx.comで同じ会話を確認できます。ただし、新しい端末で過去の暗号化メッセージを復元するにはPINが必要です。独立アプリが今後も動くかどうかについて公式発表はありません。
Q4. PINを忘れたらどうなりますか?
新しい端末やブラウザで、過去の暗号化メッセージを復元できなくなる可能性があります。公式ドキュメントでは、PINを20回間違えると保管されている鍵の断片が削除されると説明されています。パスワードマネージャーで管理しておくのが安全です。
Q5. Xは私のチャットを読めますか?
公式の説明では、メッセージ本文・会話鍵・PINはXには見えません。一方で、誰といつやりとりしたかというメタデータはXに見えます。また、Ask Grokで選んだメッセージは暗号化の外に出てGrok側で処理されます。
Q6. 相手がAsk Grokを使うと、私のメッセージもGrokに送られますか?
相手が長押しして選んだメッセージは、あなたが送ったものでもGrokに送られます。Ask Grokは受け取った側の操作で動く仕組みで、2026年10月時点では送る側からそれを止める設定は確認できていません。見られて困る内容は、そもそもXチャットで送らないのが確実です。
Q7. Grokを使わない設定にはできますか?
自分でAsk Grokを選ばなければ、メッセージがGrokに送られることはありません。Ask Grokのボタン自体を非表示にする設定や、Grokの学習利用をXチャット単位で止める設定については、2026年10月時点で公式の説明を確認できていません。X全体の「プライバシーと安全」設定にあるGrok関連の項目もあわせて見直しておきましょう。
Q8. Linuxの「XChat」とは関係ありますか?
関係ありません。LinuxのXChatは古くからあるIRCクライアント(後継はHexChat)で、X社のXChatとは名前が同じだけの別ソフトです。
まとめ:XChatは「独立アプリ」から「X内の暗号化チャット」へ
XChat(Xチャット)は、X(旧Twitter)のE2E暗号化メッセージ機能です。独立アプリは2026年9月にストアから消えましたが、暗号化チャット・通話・消えるメッセージ・Ask Grokは、X本体アプリとx.comで今も無料で使えます。
- 今使うなら:X本体アプリかx.comの「チャット」から。ストアの同名アプリや非公式クライアントは使わない
- 守られるもの:メッセージの本文。グループも暗号化の対象
- 守られないもの:誰といつ話したか、Ask Grokで選んだメッセージ、秘密鍵が漏れた場合の過去メッセージ(前方秘匿性なし)
- 使い分け:Xでつながった相手との日常連絡ならXチャット、最高レベルの秘匿性が必要ならSignal
独立アプリが復活するのか、前方秘匿性や第三者監査がいつ実現するのかで、評価は大きく変わります。最新状況はX公式ヘルプ(About Chat)と開発者ドキュメントで確認してください。ほかのAIツールも含めて比較したい方は生成AIツールおすすめ比較、生成AIの基本から知りたい方は生成AIとはをあわせてご覧ください。
このツールを自社のシステムや業務にどう組み込むか、ご提案します
この記事の著者

AI革命
編集部
AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。
最新記事

OpenCodeに不正アクセス、APIキー流出の可能性|対象の見分け方と今すぐやる対処
2026/10/17

GPT-5.4 vs Claude Opus 4.6 徹底比較【2026年10月最新】性能・料金・用途別の選び方と後継モデル
2026/04/10

Claude Opus 4.7とは|Opus 4.6との違い・性能比較・新機能・料金・使い方徹底解説
2026/04/17

販売管理システムの開発費用と、作るか買うかの判断|パッケージで足りない条件・会計と在庫の連携【2026年10月】
2026/10/17

Claude Codeのシステムプロンプトが80%削減|Anthropicが「モデルの創造性を解放」・Fable 5世代のプロンプト設計思想・開発者への影響を完全解説【2026年10月最新】
2026/07/12

DeepSeek V4.1 Flash 1017とは?変更点・料金・Search API・旧モデル名の扱いを整理
2026/10/17


