Anthropic × PwC エンタープライズAI展開とは?Claude Code 3万人認定・Office of the CFO・最大70%短縮・Big 4合計約111万人を整理【2026年9月最新】

この記事のポイント
2026年5月に発表されたAnthropicとPwCの提携拡大を、公式発表と報道・推計に分けて整理。3万人の研修・認定、Office of the CFO、「最大70%」の納期短縮の中身、Big 4のAIベンダー比較、2026年9月時点の続報、自社でClaudeを法人導入するときの判断材料まで解説します。
Anthropic × PwCのエンタープライズAI展開は、PwCがClaude・Claude Code・Claude Coworkを米国チームから全社へ広げ、3万人のプロフェッショナルを研修・認定し、財務部門の変革を専門にする新事業「Office of the CFO」を立ち上げた提携拡大です(2026年5月14日発表)。クライアント案件での納期短縮は「平均70%」ではなく「最大70%」が公式の表現で、2026年9月時点ではPwC×Anthropicに関する追加の公式発表は確認できていません。
この記事でわかること
- 2026年5月の発表内容(公式で確認できる事実と、報道・推計の区別)
- 「3万人」「数十万人」「最大70%」「約111万人」など、数字がそれぞれ何を指すのか
- Office of the CFOと「Customer Zero」の正しい意味
- Deloitte・PwC・KPMG・EYの4社がどのAIベンダーを選んだかの比較
- 2026年9月時点の続報と、規制業種の財務でClaudeを使うときのリスク
- 自社でClaudeを法人導入するときの判断材料(コンサル経由か直接契約か)
こんな方に向けた記事です
- 自社のAI戦略を担当していて、Big 4の動きを判断材料にしたい方
- 財務・経理・内部監査の立場から、AIエージェントの導入を検討している方
- Claude Enterpriseを検討中で、大企業の導入事例とリスクを確認したい方

出典: Anthropic 公式ニュース
Anthropic × PwC提携の要点(2026年9月時点)
提携の中身は「全社展開」「共同CoE」「3万人の研修・認定」「Office of the CFO」の4つです。公式の一次情報はAnthropicの発表「PwC deploys Claude across its business」(2026年5月14日)で、PwC米国のプレスリリースも同じ内容を伝えています。
項目 | 内容 | 情報の確度 |
|---|---|---|
発表日 | 2026年5月14日(戦略的提携の拡大) | 公式 |
展開の範囲 | Claude CodeとClaude Coworkを米国チームから展開し、最終的に数十万人(hundreds of thousands)規模のグローバル人員へ | 公式 |
共同CoE | Joint Center of Excellence(共同の専門組織)を設立 | 公式 |
研修・認定 | 3万人のプロフェッショナルをClaudeで研修・認定(米国の3万人とする報道が多い) | 公式+報道 |
新事業 | 財務部門の変革に特化した「Office of the CFO」を立ち上げ。まず銀行・保険・ヘルスケアから | 公式 |
成果 | 本番導入した案件で、納期が最大70%改善したとクライアントが報告 | 公式 |
契約金額・条件 | 非公開 | — |
2026年9月時点の続報 | PwC×Anthropic固有の追加発表は確認できず | 編集部調べ |
PwCが使うのはClaude(チャット)、Claude Cowork、Claude Codeの3つです。社内のAIアシスタント「ChatPwC」の中でもClaudeを使えると公式に説明されています。Claude自体の基本はClaudeとはで解説しています。
数字の整理:「3万人」「最大70%」「100万人」はそれぞれ何を指すか

報道では数字が一人歩きしがちです。それぞれの数字が何を指し、誰が発表したものかは次のとおりです。
数字 | 何を指すか | ソース |
|---|---|---|
3万人 | ClaudeでPwCのプロフェッショナルを研修・認定する人数(米国とする報道が多い) | Anthropic公式+報道 |
5,000人超 | 2026年初めの「Advisory Leadership Exchange」で提携の中身を体験したPwCのリーダー。ハンズオン研修から、Claude Codeをクライアント業務に使う早期の活用者が生まれた | Anthropic公式 |
数十万人 | Claude Code・Coworkを最終的に広げる人員規模 | Anthropic公式 |
36万4,000人 | PwCの全従業員数(136カ国)。「全員にClaude Codeを展開する」とは公式に言っていない | PwC Global Annual Review 2025 |
最大70% | 本番導入した案件でクライアントが報告した納期改善の上限 | Anthropic公式 |
10週間→10日 | 保険の引受にかかる期間(Dario Amodei CEOの発言)。短縮率は約86%(編集部計算) | Anthropic公式 |
2兆ドル超 | AI以前の世界向けに作られたシステムや業務プロセスがもたらす負担の推計(推計の主体は明示されていない) | Anthropic公式 |
1億ドル | 2026年3月に始まった「Claude Partner Network」への投資額 | Anthropic |
約111万人 | Anthropicと全社規模の提携を結んだBig 4の3社(Deloitte・PwC・KPMG)の従業員数を合算したもの | 編集部の合算 |
「Claude Code 3万人認定」という見出しで報じられることもありますが、公式の表現は「3万人のプロフェッショナルをClaudeで研修・認定する」です。Claude Codeだけに限った認定制度とは書かれておらず、Claude Codeは研修・展開の対象ツールの1つという位置づけです。
「グローバル100万人展開」という言い方も、単一の公式発表ではありません。3社の従業員数を足した数字で、「Claudeを実際に使っている人数」とは別物です。媒体によって合算の元になる数字が違い、70万人台とするものもあります。
提携の中身:3つの重点領域
PwCはClaudeを使って「テクノロジーの構築」「ディールの実行」「企業機能の再発明」をあらゆる業種のクライアントに提供する、と公式に説明しています。

出典: Claude 公式ブログ
領域 | 公式の説明 | 主に使うツール |
|---|---|---|
① エージェント型の技術開発 | エンジニアリングチームがClaude Codeを使い、大企業向けの本番ソフトウェアを「四半期ではなく数週間で」出荷する | Claude Code |
② AIネイティブなディール実行 | デューデリジェンス → 価値創造 → 統合(PMI)まで、エージェントがディールチームと最初から最後まで並走する | Claude / Cowork |
③ 企業機能の再発明 | 財務・サプライチェーン・HRなどを、パイロットではなく本番規模でAIネイティブな業務モデルに移す | Claude / Cowork / Code |
①の背景として、公式は「多くの企業は今もAI以前の世界向けに作られたシステムやプロセスで動いており、その負担は2兆ドル超と推計されている」と述べています。「PwCとAnthropicが共同で試算した」とは書かれていないため、推計値として読むのが適切です。
企業システムへの接続には、Model Context Protocol(MCP)を使うと公式に説明されています。AIが社内のシステムと連携して作業を進める仕組みの全体像は、AIエージェントとはで解説しています。
Office of the CFOとは:規制業種の財務部門から始める新事業
Office of the CFOは、PwCの財務の専門知識とAnthropicの全製品(Claude・Claude Cowork・Claude Code)を組み合わせて、クライアントの財務部門を変革する新しい事業グループです。複数の報道では「Anthropicの技術を軸にした初の独立事業ユニット」と表現されています。

出典: Anthropic 公式
まず銀行・保険・ヘルスケアから始める理由
公式は、最初の対象を銀行・保険・ヘルスケアとし、その理由を「正確性と監査可能性が最も重要な分野だから」と説明しています。財務の数字に誤りが許されず、監査に耐える記録が求められる業種で先に実績を作る、という順番です。
Customer Zero=PwC自身が先に使った
「Customer Zero(最初の顧客)」はPwC自身のことです。PwCはクライアントに提供する前に、まず自社の中でClaudeを使いました。公式が挙げている社内での用途は次のとおりです。
用途 | 内容 |
|---|---|
仕訳 | 仕訳データの確認・作成の補助 |
差異分析 | 予算と実績の差の分析 |
RFP対応 | 提案依頼書(RFP)への回答作成 |
年次計画 | Claude Codeでツールを作り、年次計画のプロセスを最適化 |
これとは別の取り組みとして、両社はAnthropic自身のCFO部門がスケールするための支援(業務運営・内部統制・国際給与)でも協力しています。「AnthropicのCFO業務で検証してからクライアントに展開する」という説明は、Customer Zeroの主語を取り違えたものです。
ライフサイエンスへの広がり
公式は、ライフサイエンス分野での臨床開発サイクルの短縮や、規制当局への申請書類の作成にも触れています。どの規制基準に対応するかなど、具体的な仕様は公表されていません。
財務・金融向けのClaudeの活用例をもっと知りたい方は、Anthropicの金融サービス向けAIエージェントや、月次決算などの財務テンプレートを扱ったClaudeの財務エージェントが参考になります。
「最大70%」の中身:公式が示した本番導入の事例

公式の原文は「本番導入の事例全体で、クライアントは最大70%の納期改善を報告している(up to 70%)」です。平均値ではなく上限なので、すべての業務で70%短縮できるという意味ではありません。
本番導入の領域 | 公式の記述 | 数値 |
|---|---|---|
保険の引受 | 引受サイクルを短縮 | 10週間 → 10日(約86%短縮は編集部計算) |
サイバーセキュリティ | 対応時間を短縮 | 数時間 → 数分 |
HR変革 | 1週間でプロトタイプ、2ヶ月未満で本番アプリ全体が完成 | 1週間 / 2ヶ月未満 |
メインフレームのモダナイゼーション | 想定の4倍の規模だったCOBOLコードベースに対応 | 想定の4倍 |
プロスポーツ運営 | デジタル上のファンエンゲージメントを刷新 | 数値の公表なし |
クライアント名が公表されているのは、職員数16万7,000人の医療システムAdvocate Healthのみです。同社は職員全体へのClaude展開を計画・拡大している段階で、Chief Digital and AI OfficerのAndy Crowder氏は「16万7,000人の仲間が、すべての患者のためにより多くのことができる基盤を作る」という趣旨のコメントを出しています。
両社トップの発言(意訳)は次のとおりです。
Dario Amodei(Anthropic 共同創業者兼CEO):PwCは、正確性と信頼性が妥協できない領域へのAIの広がりをリードしてきた。結果は明らかだ。10週間かかっていた保険の引受は10日になり、数時間かかっていたセキュリティ業務は数分になった。
Paul Griggs(PwC米国 シニアパートナー兼CEO):AIをめぐる議論は「何ができるか」から「どう実行するか」に移った。Anthropicとの協業で、高度なAIの能力とPwCの業界経験を組み合わせ、企業が検証段階から全社的な成果へ、より確信を持って進めるよう支援する。
Big 4 × AIベンダー比較:3社がAnthropic、EYはMicrosoft
Big 4のうちDeloitte・PwC・KPMGの3社がAnthropicと全社規模の提携を結び、EYはMicrosoft(Copilot)との大型提携を選んでいます。

比較項目 | Deloitte | PwC | KPMG | EY |
|---|---|---|---|---|
AIベンダー | Anthropic | Anthropic | Anthropic | Microsoft |
発表日 | 2025年10月6日 | 2026年5月14日 | 2026年5月19日 | 2026年5月21日 |
対象人数 | 47万人にClaude | 米国チームから数十万人規模へ(全従業員36万4,000人) | 27万6,000人超 | Copilotを40万人超へ |
研修・認定・先行成果 | 1万5,000人を認定 | 3万人を研修・認定 | 公表なし | 先行導入の15万人で生産性15%向上と発表 |
中核の仕組み | Claude CoEを設立 | Joint CoE、ChatPwC内でClaude | Digital Gateway(Azure基盤)にCowork・Managed Agentsを統合 | Microsoft 365 E7 / Copilot |
重点・特徴 | 全社展開と認定者の育成(発表当時「Anthropic最大のエンタープライズ展開」) | Office of the CFO(財務)、ディール、技術開発 | 税務・法務から開始、PE向けの優先パートナー、KPMG Blaze(レガシー刷新) | 全社的なAI価値創出(5年で10億ドル超) |
KPMGの提携内容はAnthropic × KPMGのグローバルアライアンスで詳しく解説しています。
3社の重心を比べると、Deloitteは「規模と認定者数」、PwCは「財務部門という業務領域」、KPMGは「税務・法務とPE」にあります。PwCの特徴は、提携を事業部門(Office of the CFO)として商品化した点です。
PwCとOpenAIの関係:ベンダーを1社に絞っていない
PwCはAnthropicとの提携を広げた一方で、OpenAIとの協業も続けています。PwCはOpenAIとのアライアンスページを公開しており、OpenAIのCodex Labsでも提携先に名前が挙がっています(OpenAI Codex Labs)。
ただし、2026年2月にOpenAIが発表した「Frontier Alliances」で名前が挙がったのはBCG・McKinsey・Accenture・Capgeminiの4社で、PwCは含まれていません(TechCrunch)。「PwCはOpenAI Frontier Allianceにも加盟している」という説明は誤りです。
大手コンサルは、クライアントの要件に合わせて複数のAIベンダーを使い分けるのが一般的です。法人向けAIでのAnthropicとOpenAIの動きの違いは、Anthropic・OpenAIの法人向けAI合弁会社の比較で整理しています。
Claude Partner NetworkとServices Track

出典: Anthropic 公式ニュース
PwCの提携は、Anthropicが2026年3月に1億ドルを投じて始めた「Claude Partner Network」の流れの中にあります。研修・技術支援・共同マーケティングを提供するパートナー制度で、2026年6月3日には「Services Track」と「Partner Hub」が追加されました(Anthropic公式)。
階層 | 有効な認定者 | 共同顧客(直近12ヶ月で本番導入) | 公開事例 |
|---|---|---|---|
Select | 10人以上 | 2社以上 | 1件以上 |
Preferred | 100人以上 | 15社以上 | 3件以上 |
Global Premier | 1,000人以上 | 3地域以上で100社以上 | 15件以上 |
- 昇格審査は年2回(1月1日・7月1日)で、加えて2026年10月1日に追加審査が予定されています
- 降格の判定は年1回(12月31日)で、90日前に通知されます
- Partner HubはMCPコネクタでClaudeと接続できます
- 発表時点で加入申請は4万社超、認定コンサルタントは1万人超でした
同じ発表の中では、Accenture(3万人を研修)、Cognizant(約35万人に展開)、Deloitte(47万人)、KPMG(27万6,000人超)と並んで、PwC(米国チームから展開)が紹介されています。
2026年9月時点の続報と最新動向
PwC×Anthropic固有の続報は、2026年9月28日時点で確認できていません。 3万人の研修・認定の進み具合、全社展開の完了時期、Office of the CFOの顧客事例はいずれも未発表です。一方、周辺では次のような動きがありました。
日付 | 出来事 |
|---|---|
2025年10月6日 | Deloitte×Anthropic:47万人にClaude、1万5,000人を認定 |
2026年3月 | Claude Partner Network開始(1億ドル) |
2026年5月14日 | PwC提携拡大 |
2026年5月19日 | KPMG×Anthropicのグローバルアライアンス / 日立がグループ約29万人にClaudeを導入 |
2026年5月21日 | EY×Microsoft:5年で10億ドル超、Copilotを40万人超へ |
2026年5月27日 | 富士通:約10万人へのClaude展開、1,000名規模のFDEチーム |
2026年6月3日 | Partner NetworkにServices TrackとPartner Hubを追加 |
2026年9月1日 | Enterprise Frontier Safeguards発表 / Claude Fable 5.1・Mythos 5.1発表 |
2026年9月18日 | AnthropicがAccentureとの「embedded evaluation」での協業を発表 |
規制業種にとって重要なEnterprise Frontier Safeguards
2026年9月1日に発表された「Enterprise Frontier Safeguards(EFS)」は、Office of the CFOが対象とする規制業種にとって見逃せない更新です。
- ゼロデータ保持(ZDR)と、自動の不正利用検知を両立させる仕組み
- 監視用のデータは、顧客が管理するクラウド(Amazon S3 / Azure Blob Storage / Google Cloud Storage)に、顧客の暗号鍵・アクセスポリシー・監査ログのもとで保存される
- EFSではAnthropic社員による人手のレビューを行わない。追加料金なし
- 2026年秋から段階的に提供。準備が整うまでは、対象の顧客はFable 5 / Fable 5.1でゼロデータ保持を利用できる
- 金融・医療・製造・通信・法務・小売・公共の100社超と共同で開発
なお、提携が発表された5月と現在ではClaudeのモデルの世代が違います。2026年9月時点の主なモデルはClaude Fable 5.1やClaude Opus 5.5です。
規制業種の財務でClaudeを使うときのリスクと統制

出典: Anthropic 公式ニュース
財務部門にAIエージェントを入れる場合、「AIの出力を誰がどう確認するか」を先に決めることが最大の論点です。PwCが具体的にどのような統制の仕組みを使っているかは公開されていないため、ここでは一般的なチェック項目を整理します。
リスク | 具体例 | 対策の方向性 |
|---|---|---|
ハルシネーション(もっともらしい誤り) | 差異分析の説明文に存在しない要因が書かれる | 数値と根拠データの突き合わせ、人間の最終承認 |
権限の広げすぎ | MCP経由でERPや会計システムに書き込みまでできてしまう | 読み取り専用から始め、書き込みは承認フローを通す |
監査証跡の不足 | AIが何を参照し、何を変更したか後から追えない | 監査ログ・Compliance APIの活用、プロンプトと出力の保存 |
データの取り扱い | 機密の財務データが保持・学習に使われるか不安 | Enterpriseプランのデータ保持設定、EFS・ゼロデータ保持の確認 |
過度な期待 | 「最大70%」を自社の目標値にしてしまう | 業務ごとに小さく計測し、効果を実測で判断 |
Big 4であってもAIの出力確認は欠かせません。KPMGがAIのハルシネーションを理由に報告書を撤回した事例は、KPMGのAIハルシネーション報告書問題で解説しています。
自社導入の選択肢:コンサル経由か、Claude Enterpriseを直接契約するか
PwCの事例を見て「自社でもClaudeを入れたい」と考えた場合、選択肢は大きく2つです。提携自体の契約金額は非公開なので、ここではClaudeの公開料金(claude.com/pricing、2026年9月28日確認)を基準にします。
比較項目 | コンサル経由(PwC・KPMGなど) | Claude Enterpriseを直接契約 |
|---|---|---|
費用 | コンサルティングフィー+ライセンス(個別見積もり) | 月$20/席(年払い)+API料金ベースの利用料 |
強み | 業務設計・統制・変更管理まで一括で任せられる。業界の知見がある | 費用を抑えやすい。自社のペースで小さく始められる |
弱み | 費用が大きい。ベンダーへの依存が生まれる | 業務設計や統制を社内で担う人材が必要 |
管理機能 | 契約内容による | SCIM、監査ログ、Compliance API、データ保持期間の設定、ロールベースのアクセス制御、HIPAA対応 |
向いている企業 | 規制業種の大企業、全社変革をしたい企業 | IT部門やAI推進チームが社内にある企業 |
Claudeの主なプランは次のとおりです(USD、2026年9月時点)。
プラン | 料金 | 備考 |
|---|---|---|
Pro | 月$20(年払いなら月$17) | Claude Codeを含む |
Team Standard | 月$25/席(年払いなら$20) | 2〜150名 |
Team Premium | 月$125/席(年払いなら$100) | Standardの5倍の利用量 |
Enterprise | 月$20/席(年払い)+API料金ベースの利用料 | 管理・セキュリティ機能が充実 |
Enterpriseは席の料金と利用量に応じた料金の二本立てなので、席料金だけで総コストを見積もらないよう注意が必要です。プランの詳細はClaudeの料金、Claude Codeの導入手順はClaude Code 完全ガイドで解説しています。
日本企業にとっての意味

PwC Japanでの Office of the CFO の提供開始やClaudeの展開状況は、2026年9月時点で公式に発表されていません。 「日本でもすぐに同じサービスが受けられる」と考えるのは早く、詳細はPwC Japanに直接確認するのが確実です。
一方、日本の大手企業ではClaudeの全社展開が相次いでいます。
- 日立:グループ約29万人にClaudeを導入し、10万人規模のAI人材を育成(Anthropic × 日立)
- 富士通:約10万人にClaudeを展開し、1,000名規模のFDEチームを編成(富士通 × Anthropic)
- NEC:Anthropicと戦略提携(Anthropic × NEC)。金融分野のコンソーシアムも発足(NEC × Anthropic 金融コンソーシアム)
PwCの事例のうち、日本企業でも取り入れやすい進め方は次のとおりです。
- 自社で先に使う(Customer Zero):PwCはクライアントに出す前に、自社の仕訳・差異分析・RFP対応で使った。社内の間接部門から始めるのは再現しやすい進め方です
- 規制が厳しい領域ほど「監査可能性」から設計する:先に統制の仕組みを決めてから、対象業務を広げる
- 研修・認定を展開計画に組み込む:ツールを配るだけでなく、3万人規模の研修・認定をセットにしている
こんな企業におすすめ / おすすめしない企業
PwCの事例やOffice of the CFOが参考になるかどうかを、企業の条件別に整理します。
参考になる企業
条件 | 理由 |
|---|---|
銀行・保険・ヘルスケアなど規制業種の財務部門 | Office of the CFOが最初に対象とする業種そのもの |
COBOLなどのレガシーシステムを抱える企業 | 想定の4倍規模のコードベースに対応した事例がある |
M&A・PMIを頻繁に行う企業、PEファンド | ディール全体にエージェントが並走する領域が重点に含まれる |
全社変革を外部の支援で進めたい大企業 | コンサル経由で業務設計・統制・研修まで任せられる |
参考になりにくい企業
条件 | 理由・代わりの選択肢 |
|---|---|
数名〜数十名規模の企業 | 大企業向けの話が中心。ProやTeamプランで直接始める方が現実的 |
日本での提供をすぐに必要としている企業 | PwC Japanでの提供状況は未発表 |
「70%短縮」を前提に投資判断したい企業 | 公式の数字は「最大」。自社で小さく検証してから判断すべき |
AIベンダーを1社に統一したい企業 | PwC自身もOpenAIとの協業を続けており、1社に絞る構成ではない |
よくある質問
Q. 「3万人認定」は、3万人全員がすでに認定を取ったという意味ですか?
いいえ。3万人は研修・認定の対象規模で、2026年9月時点で完了時期や進み具合は公表されていません。2026年初めのリーダー向けイベントでは5,000人超が提携の中身を体験し、ハンズオン研修をきっかけにClaude Codeをクライアント業務に使う早期の活用者が生まれた、と公式は説明しています。
Q. PwCの36万4,000人全員がClaude Codeを使えるようになるのですか?
公式の表現は「最終的に数十万人規模のグローバル人員へ広げる」です。36万4,000人はPwCの全従業員数で、全員への展開を約束した数字ではありません。
Q. 提携にはいくらかかっているのですか?
AnthropicとPwCの契約金額・条件は公表されていません。関連する数字としては、Anthropicがパートナー制度に投じた1億ドル、PwCが次世代AI能力に投資している約15億ドル(PwC Global Annual Review 2025)があります。
Q. Anthropicの企業向けシェアはOpenAIを上回っているのですか?
米国の法人カード会社Rampの「AI Index」(2026年4月)では、Anthropicの企業採用率が34.4%となり、OpenAIの32.3%を初めて上回りました。ただしRampの顧客である米国企業が母集団のデータで、世界全体のシェアではありません。Anthropicの資金調達や評価額についてはAnthropicの評価額とIPOの動向で解説しています。
Q. 中堅企業でもPwCのような財務DXは可能ですか?
仕訳の確認、差異分析、RFPの下書きといったCustomer Zeroの用途は、中堅企業でもClaude TeamやEnterpriseで試せる範囲です。ただし会計システムへの接続や書き込み権限を与える場合は、承認フローと監査ログを先に整える必要があります。実装を外部に任せたい場合は、Anthropicと金融機関によるエンタープライズAI実装会社のような支援体制も出てきています。
まとめ
- Anthropic × PwCの提携拡大(2026年5月14日)は、全社展開・共同CoE・3万人の研修・認定・Office of the CFOの4本柱
- 納期短縮は「平均70%」ではなく「最大70%」。保険の引受10週間→10日、セキュリティ業務の数時間→数分が代表例
- Customer ZeroはPwC自身。AnthropicのCFO部門の支援は別の取り組み
- 「100万人」は公式の数字ではなく、Deloitte・PwC・KPMGの従業員数の合算(約111万人)
- PwCはOpenAIとの協業も続けている。ただしOpenAIの「Frontier Alliances」の4社には含まれない
- 2026年9月時点でPwC×Anthropicの続報はなく、PwC Japanでの提供も未発表。規制業種では9月発表のEnterprise Frontier Safeguardsが新たな判断材料になる
自社への導入を考えるなら、「最大70%」を目標値にせず、PwCと同じように社内の間接業務から小さく試し、統制の仕組みを整えてから対象業務を広げるのが現実的です。
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AI革命
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