Manusとは?自律型AIエージェントの全貌を解説【2026年最新】

Manusは、ユーザーが指示を出すとウェブ検索・コード実行・ファイル編集を連鎖させて自律的に処理し、スライド資料やWebアプリといった完成品を届ける「実行型AIエージェント」です。ChatGPTやClaudeが「対話相手」であるのに対し、Manusは「代わりに作業を完結させるAI」という点で根本的に異なります。
この記事では、料金プランの実態、ChatGPT・Claudeとの具体的な違い、2026年3月に追加されたデスクトップ機能、そして使う前に知っておくべきセキュリティ上の注意点を整理します。Manusの導入を検討しているマーケター・リサーチャー・スタートアップ関係者の方に向けた内容です。

Manus(マナス)とは — 汎用AIエージェントの基本
Manusは、シンガポールを拠点とするButterfly Effect Pte. Ltd.が開発した汎用AIエージェントです。タグラインは "Hands On AI"——文字どおり、指示を受けて手を動かすAIを意味します。
2025年3月6日に招待制ベータとして公開され、現在は一般公開済み。2025年12月29日にMetaが買収し、現在はMeta傘下でサービスが継続されています。プロダクトの最新版はManus 1.6(2025年12月15日リリース)です。
ChatGPTやClaudeは基本的に「テキストで回答する対話型AI」です。Manusはこれと異なり、ブラウザを自律操作しながらウェブ情報を収集し、コードを書いて実行し、その結果をドキュメントにまとめるという一連のワークフローを人手なしで完走します。AIエージェントの定義や他ツールとの位置づけを知りたい方は「AIエージェントとは」も参照してください。
Manusでできること — 主な機能一覧
自律タスク実行と成果物の自動生成
Manusの中核は、マルチステップタスクの自律実行です。ウェブ検索・コード実行・ファイル編集を自分で判断しながら連鎖させ、以下のような成果物を生成します。
- スライド資料(Manus Slides): プレゼン用スライドを自動構成・デザイン
- Webアプリ・Webサイト: フルスタック構成。データベース統合・認証・カスタムドメインにも対応
- レポート・分析文書: リサーチ結果をドキュメントとして出力
- スプレッドシート・財務モデリング: 数値データの整理と計算
非同期処理(バックグラウンド実行)
タスクを依頼したあとブラウザを閉じても処理が続きます。長時間かかる調査作業や大量データの処理を「待たずに」走らせられるのは、ChatGPTやClaudeにはない特徴です。
Wide Research(並列ウェブリサーチ)
最大100のサブエージェントが並列でウェブリサーチを実行します。競合調査・市場調査・文献収集など、大量の情報源を短時間でカバーする用途に適しています。
業務自動化機能
- Playbook: 繰り返しタスクをテンプレート化して再利用
- Schedule Task: タスクを定期自動実行(Proプランで最大20件)
- Mail Manus: メールをManusアドレスに転送するだけでタスク実行が始まる仕組み
My Computer(2026年3月16日〜、デスクトップ機能)
2026年3月16日リリースの新機能。現在はApple Silicon Mac向け限定です。ローカルファイルの読み取り・編集・管理、ローカルアプリの操作が可能になります。ターミナルコマンドの実行はユーザーの事前承認が必須で、意図しないシステム操作は起きない設計になっています。
Manus 1.6以降の追加機能
- Mobile Development: iOS/AndroidアプリのエンドツーエンドでのAI支援開発
- Design View: インタラクティブな画像編集キャンバス
外部ツール連携
Gmail・GitHub・Notion・Slackなどと連携し、既存のワークフローにManusを組み込めます。ただし対応サービスは現時点では限定的であり、全社的な業務システムとのフル連携を期待するには確認が必要です。

Manusの料金プラン — 無料で何ができるか
現時点での公式プランは以下のとおりです(2026年3月時点)。
プラン | 月額(USD) | 月間クレジット | 同時タスク数 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
Free | $0 | 300/日(繰り越し不可) | 1 | Manus 1.6 LiteのChat/Agentモード |
Pro $20 | $20 | 4,000/月 | 20 | 全Agentモデルアクセス、スケジュール20件 |
Pro $40 | $40 | 8,000/月 | 20 | 7日間無料トライアル付き |
Pro $200 | $200 | 40,000/月 | 20 | 大量利用向け |
Team | $20/ユーザー(最低2名〜) | Pro相当 | 20 | SSO・データプライバシー保護 |
年間契約を選ぶと17%割引が適用されます。
クレジット制の実態と注意点
Manusはメッセージ課金ではなくクレジット消費型の課金モデルです。使う前にいくつか把握しておくべき点があります。
- 事前見積もりが表示されない: タスク開始前にクレジット消費量が提示されない。複雑なタスクでは500〜900クレジットを消費することもあります
- 失敗時も消費される場合がある: タスクが途中で止まった・期待どおりの結果が出なかった場合でも、クレジットが使われることがあります
- 月末リセット: 未使用クレジットは月末に失効し、翌月に繰り越されません
- 原則返金不可: 公式は全額返金不可のポリシーを採っています
無料プランは1日300クレジットが付与されます。簡単なリサーチやドキュメント生成には使えますが、本格的な用途には不足することがほとんどです。本格利用を検討するなら、まずPro $40プランの7日間無料トライアルで消費量を把握してから判断するのが現実的です。
ChatGPT・Claude・OpenClawとの違い — 比較表

比較項目 | Manus | ChatGPT(GPT-4o) | Claude(Sonnet) | OpenClaw |
|---|---|---|---|---|
主な用途 | 汎用タスク自動化・成果物生成 | 対話・テキスト生成 | 長文分析・高精度コーディング | PC操作・コーディング自動化 |
自律性レベル | 高(完全自律) | 低〜中(対話型) | 低〜中(対話型) | 高(PC操作特化) |
成果物の種類 | スライド・Webアプリ・レポート等 | テキスト・コード中心 | テキスト中心 | コード・システム操作 |
非同期処理 | 対応 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
動作環境 | クラウド+デスクトップ(新機能) | クラウド | クラウド | ローカルPC |
月額料金(目安) | 無料〜$200 | 無料〜$20 | 無料〜$20 | 無料(OSS) |
ローカルファイル操作 | 対応(デスクトップ版) | 非対応 | 非対応 | 対応 |
用途別の使い分け
Manusが向いている場面: 「競合調査レポートを作って」「このデータからWebアプリを作って」のように、複数ステップを自分で判断して完結させてほしいタスク。成果物として何かを納品させたい場合。
ChatGPT・Claudeが向いている場面: 文章の校正、アイデア出し、コードの説明・レビュー、質問への回答など、人との対話で完結するタスク。ClaudeとはでClaudeの詳細を確認できます。
OpenClawが向いている場面: ローカルPCの操作自動化、ファイルシステムへの直接アクセスが必要なコーディング・システム管理タスク。OpenClawとはで詳しく解説しています。
他のAIツールとの詳細比較は「生成AIツールおすすめ比較」も参考にしてください。
ManusとOpenManusの違い(混同注意)
Manusを調べると「OpenManus」という名前を目にすることがあります。この2つはまったく別のプロジェクトです。
項目 | Manus | OpenManus |
|---|---|---|
開発元 | Butterfly Effect(現Meta傘下) | MetaGPTコミュニティ(有志) |
提供形態 | 有料クラウドサービス | オープンソース(無料) |
公開の経緯 | 2025年3月6日に公式リリース | Manus公開から数時間後にGitHubで公開 |
Manusとの関係 | 本体 | Manusに触発されたコミュニティ実装 |
ローカル実行 | 不可(クラウド型) | 可能 |
OpenManusはManus公開の反響を受け、MetaGPTコミュニティがわずか数時間でGitHubに公開した独立プロジェクトです。GitHubで2万以上のスターを獲得しましたが、Manus本体のオープンソース版ではなく、公式とは無関係です。
OpenManusが向いている人: ローカル環境で動かしたい、クラウドにデータを渡したくない、エンジニアがカスタマイズして使いたい。
Manusが向いている人: 環境構築なしにすぐ使いたい、安定した成果物品質を求める、業務ツール連携も必要。
Manusのセキュリティと注意事項
公式のセキュリティ認証
公式によるとSOC 2 Type IIコンプライアンスへの準拠、およびGDPRへの対応を宣言しています。ただし、第三者検証報告書の一般公開については2026年3月時点では未確認です。
把握しておくべきリスク
データの送信先に関する懸念: セキュリティ研究者が、Manusのデータが中国・深センのサーバーに送信されていると報告しています。Meta買収後の現状については継続的な確認が必要な状況です。
中国当局による審査: Meta買収(2025年12月)に対し、中国当局が安全保障上の観点から審査を開始しています(2026年1月〜)。審査の行方次第でサービス体制に影響が出る可能性があります。
米国政府機関での使用禁止: 米国テネシー州は2025年3月に政府ネットワークでのManus使用を禁止しました。
HIPAA非対応: 医療情報の処理・保存はManusでは行えません。医療・ヘルスケア領域での業務利用には適しません。
安全に使うためのガイドライン
- 氏名・住所・マイナンバーなどの個人情報はManusに入力しない
- 社内の機密情報・未公開の製品情報・顧客データは入力しない
- 医療・法律に関わる情報は入力しない
- My Computer機能の「Always Allow」設定は、繰り返し実行が確認できている信頼済みタスクのみに限定する
- 重要なアウトプットは必ず人が内容を確認する(価格・統計・引用などはハルシネーションの可能性がある)
Manusに向いている人・向いていない人
こんな人に向いています
職種・用途 | 具体的な使い方 |
|---|---|
マーケター | 競合調査レポート・市場分析資料の自動生成 |
リサーチャー・コンサルタント | 大量の情報源からの情報収集と要約(Wide Research) |
スタートアップ創業者 | プロダクトのランディングページやMVPのWebアプリ制作 |
副業ライター・フリーランス | 調査記事の下調べ・資料収集の自動化 |
経営企画担当者 | 財務モデリング・スプレッドシートの自動作成 |
「指示するだけで成果物が出てくる」体験が最もフィットするのは、アウトプットの内容よりプロセスを任せたい人です。
おすすめしない人・用途
- 機密情報を扱う業務: 社外秘のデータをクラウドサービスに渡すことになる
- 医療・法律分野: HIPAA非対応、ハルシネーションのリスクがある
- コスト管理を厳密にしたい人: クレジット消費の事前見積もりが出ないため、想定外の消費が起きやすい
- 即時の対話・フィードバックが必要な作業: ManusはAsync(非同期)で動くため、リアルタイムのやり取りはChatGPT/Claudeの方が適している
- 完全無料で本格運用したい人: 無料プランの1日300クレジットは簡易タスク向けで、実務には不足しやすい
Manusの始め方(簡単3ステップ)
ステップ1: アカウント登録
公式サイト(manus.im)にアクセスし、Googleアカウントまたはメールアドレスで登録します。登録後すぐに無料プランで利用開始できます。
ステップ2: 最初のタスクを設定する
タスクの指示は具体的に書くほど精度が上がります。「〇〇について調べて」ではなく、「〇〇について競合3社を比較し、それぞれの強み・弱み・料金を表形式でまとめたレポートを作って」のように、求める成果物の形式まで指定するのが基本です。
ステップ3: バックグラウンド実行を活用する
タスクを依頼したらブラウザを閉じて別の作業に進めます。完了通知が届いたら成果物を確認・修正します。最初は無料プランで試し、クレジットの消費ペースをつかんでから有料プランへ移行するのが現実的な流れです。
よくある質問(FAQ)
Q: Manusは日本語で使えますか?
A: 現時点では日本語での指示入力と日本語出力に対応しています。ただしUIの一部が英語表示になっている箇所もあります。日本語の精度はタスクの種類によって差があり、複雑な日本語文書の生成は英語指示の方が安定する場合もあります。
Q: ManusはChatGPTと何が違いますか?
A: ChatGPTは「回答する」AIで、Manusは「作業を完結させる」AIです。ChatGPTに「競合調査レポートを作って」と頼むとテキストが返ってきますが、Manusは実際にウェブを調べ、データを整理し、スライドやドキュメントとして納品します。
Q: 無料プランで実用的に使えますか?
A: 1日300クレジットは、単純なリサーチや短いドキュメント生成なら試せます。ただし複雑なタスクで500〜900クレジットを消費することがあるため、本格的な業務利用には不足します。まず無料で感触をつかんでから、必要に応じてPro $40プランのトライアルを活用するのが現実的です。
Q: クレジットが足りなくなったらどうなりますか?
A: 実行中のタスクが途中で停止します。処理途中でもクレジットが消費されている場合があります。月末でリセットされるまで追加クレジットが必要な場合は、上位プランへのアップグレードが必要です。
Q: My Computerの機能は安全ですか?
A: ターミナルコマンドの実行にはユーザーの事前承認が必須になっているため、意図しない操作は起きにくい設計です。ただし「Always Allow」設定にすると承認なく実行されるため、信頼済みの繰り返しタスク以外には使わないことを公式も推奨しています。機密情報が含まれるローカルファイルへのアクセスは慎重に判断してください。
Q: OpenManusとManusは同じですか?
A: 別プロジェクトです。ManusはMeta傘下の有料クラウドサービスで、OpenManusはMetaGPTコミュニティが独自に開発したOSSです。OpenManusはManusの公式オープンソース版ではなく、Manus本体とは無関係です。
Manusはまだ進化途上のサービスです。Meta買収後の方針変更、クレジット体系の見直し、セキュリティポリシーの変更などが今後も起こりえます。導入前に公式ヘルプセンターで最新情報を確認することをすすめます。生成AIツール全体の選び方や最新動向は「生成AIツールおすすめ比較」で詳しく解説しています。
この記事の著者

AI革命
編集部
AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。




