Devinとは?自律型AIエンジニアの機能・料金・他ツールとの違いを解説【2026年最新】

DevinはGitHub CopilotやCursorのような「コード補完ツール」ではなく、開発タスクを丸ごと自律実行するAIエンジニアです。コードを書く「補助」ではなく、「計画→実装→テスト→デプロイ」のサイクルを自分で回します。
この記事では、Devin 2.0の機能・料金・他ツールとの違いを2026年3月時点の公式情報に基づいて整理します。「Devinを導入すべきか判断したい」「GitHub CopilotやCursorとどう使い分けるのか知りたい」という方に向けた内容です。
Devinとは何か?コード補完ツールとは根本的に違う理由
Devinは、米国のAIスタートアップCognition AI(サンフランシスコ)が開発した自律型AIソフトウェアエンジニアです。2024年3月のプロトタイプ発表、同年12月のDevin 1.0正式リリースを経て、2025年4月にDevin 2.0がリリースされました。
「補完」と「自律実行」の違い
既存のAIコーディングツールとの根本的な違いは「自律性」にあります。
- GitHub Copilot・Cursor: エディタやIDE上でリアルタイムにコードを提案・補完する。人間がキーを打つたびにサポートする「副操縦士」型
- Devin: タスクを渡すと、計画→コード実装→テスト→デプロイまでを自律的に実行する「パイロット」型
Devinには組み込みのIDE・ターミナル・ブラウザが搭載されており、StackOverflowで調べ、コードを書き、テストを走らせ、バグが出たら修正して再実行する——これを人間の介入なしに繰り返します。
公式の定義は「意欲的なエンジニアリングチームがバックログを一気に片付けるのを支援するために設計されたAIソフトウェアエンジニア」(Devin公式ドキュメントより)。
Cognition AIについて
創業は2023年8月。創業者のScott Wu、Steven Hao、Walden Yanはいずれも国際情報オリンピック(IOI)の金メダリストです。2025年9月時点での評価額は約102億ドル(約$10.2B)、累計調達額は$400M。ARRは2024年9月の$1Mから2025年6月に$73Mへと、18ヶ月で73倍成長しています。
Devinでできること(コア機能)
Devinは「計画→実装→テスト→デプロイ」のサイクルを自律実行します。以下はDevinが得意とする主なタスクカテゴリです(公式ドキュメントより)。
コード移行・リファクタリング
言語の移行やフレームワークのバージョンアップグレードを一括で処理します。DeNAの事例では、レガシーシステム移行を予定6ヶ月から実績1ヶ月に短縮しています。
バグ修正・バックログ解消
積み残したGitHub Issueやバックログタスクを、明確な仕様があれば自律的に処理します。
データエンジニアリング
データウェアハウスの移行やETLパイプラインの開発に対応します。
テスト作成・CI/CDタスク
既存コードへのテスト追加や、CI/CDパイプラインの整備を自動化します。
技術負債の解消
コードの可読性改善やパフォーマンス最適化など、後回しにしやすいタスクを大量に処理できます。
組み込み環境
Devinが自律実行できるのは、専用の仮想環境が組み込まれているためです。
環境 | 役割 |
|---|---|
組み込みIDE | コードの編集・実行・テスト |
ターミナル | コマンド実行・ログ確認 |
ブラウザ | ドキュメント参照・StackOverflow検索・WebアプリのE2Eテスト |
対応統合ツール
Slack、Microsoft Teams、GitHub、Linear、Jira、Confluence、AWS、Snowflake、MongoDB、Azure等に対応。2026年3月にはDatadog MCP連携も追加されています。
Devin 2.0と2026年3月の最新アップデート
Devin 2.0(2025年4月リリース)の主な変更点
Interactive Planning(インタラクティブプランニング)
セッション開始時にDevinがコードベースを数秒で解析し、関連ファイルと詳細な実行計画を自動提示します。人間がその計画をレビューして修正してからDevinが実行に移るため、「途中で方向がずれる」問題が大幅に減少しました。
Devin Search(コードベース探索)
コードベースについての質問に、引用付きで回答する検索機能です。「この関数はどこで使われているか」「この仕様はどのファイルに定義されているか」といった調査を高速化します。複雑な検索にはDeep Modeも利用可能です。
Devin Wiki(リポジトリドキュメント自動生成)
数時間ごとにリポジトリをインデックス化し、アーキテクチャ図・ソースリンク・ドキュメントを自動生成します。ドキュメントが整備されていないリポジトリでも、Devinが自律的にナレッジベースを構築します。
パフォーマンス改善
Devin 2.0はDevin 1.xと比べて、ACUあたり83%多くのジュニアレベル開発タスクを完了しています。また問題解決速度は4倍高速化、リソース消費は2倍効率化されています。
2026年3月の最新アップデート
Devin Manages Devins(2026年3月19日)
複数のDevinインスタンスを並列でオーケストレーションする機能です。1つのDevinが「マネージャー」として他のDevinに作業を振り分け、調整します。大規模なコード移行プロジェクトや並列テスト実行などで、単一インスタンス以上の処理速度を実現します。
この機能は「エージェンティックエンジニアリング」の概念——複数のAIエージェントが協調して複雑な問題を解決する——を実装した具体例です。
その他の2026年3月アップデート
- ストリーミング思考と高速実行のプレビュートグル
- Jira連携拡張(セッション直接作成・サービスアカウント対応)
- HTML・PDF・SVGファイルのインライン表示
- 組織レベルメトリクスAPI
- PWAアプリ対応、ライトモードベータ版
料金プラン(ACUとは・費用試算)
ACU(Agent Compute Unit)とは
Devinの料金は「ACU(Agent Compute Unit)」という単位で計算されます。仮想マシン時間・モデル推論・ネットワーク帯域幅などのコンピューティングリソースを正規化した指標で、1 ACU = 約15分のDevinの稼働時間に相当します。
つまり1時間の作業 ≒ 4 ACU。ACU単価は$2.00〜$2.25なので、1時間あたりの費用はおよそ$8〜$9です。
プラン比較表
プラン | 月額 | ACU単価 | 並行セッション | VPCデプロイ | SSO |
|---|---|---|---|---|---|
Core | $20から(従量課金) | $2.25/ACU | 最大10 | なし | なし |
Team | $500/月(250 ACU含む) | $2.00/ACU | 無制限 | なし | なし |
Enterprise | カスタム | カスタム | 無制限 | あり | あり(SAML/OIDC) |
- ユーザーシートは全プランで無制限
- 全プランでAPIアクセスとAWS Marketplaceでの提供に対応
- 自動リチャージ設定が可能
費用の具体的な試算
タスク規模 | 想定稼働時間 | 消費ACU | Core料金($2.25/ACU) |
|---|---|---|---|
小さなバグ修正1件 | 30分 | 2 ACU | 約$4.5 |
中規模機能の追加 | 2時間 | 8 ACU | 約$18 |
テストスイートの追加 | 4時間 | 16 ACU | 約$36 |
レガシーコードの移行 | 8時間 | 32 ACU | 約$72 |
Teamプランの$500/月(250 ACU含む)は、月に約62.5時間のDevin稼働に相当します。週5日稼働換算で1日約3時間です。
Devin 2.0での値下げ: 旧価格は$500/月(250 ACU付き)の単一プランのみでした。Devin 2.0リリース時に$20/月からの従量課金プランが導入され、参入コストが96%削減されました。小規模チームや個人でも試しやすくなっています。
AIコーディングツール4分類との比較
AIコーディングツールは「どこで動くか」「どこまで自律するか」で大きく4種類に分けられます。Devinは「Web完結型・完全自律型」に分類され、他ツールとは根本的に異なるカテゴリです。
他のAIコーディングツールの詳しい比較は「AIコーディングツール おすすめ比較」で整理しています。
4ツール比較表
ツール | 分類 | 操作環境 | 自律性 | 主な用途 | 月額(最安) |
|---|---|---|---|---|---|
GitHub Copilot | コード補完型 | IDE(VS Code等)内 | 低(提案のみ) | タイピング中のコード補完 | $10/月 |
Cursor | IDE型・対話補助 | 専用IDE内 | 中(指示に応答) | コード生成・説明・リファクタリング | $20/月 |
Claude Code | CLI型・自律補助 | ターミナル | 中〜高(自律実行あり) | 開発者がCLIで操作するエンジニア向け | トークン従量課金 |
Devin | Web完結型・完全自律 | ブラウザ(Web) | 高(タスク丸ごと) | タスクを渡して放置できる開発代行 | $20/月〜 |
各ツールの向き不向き
GitHub Copilotが向いているのは、自分でコードを書きながら補完のスピードを上げたい場面です。コードの流れを自分でコントロールしたい場合に最適です。
Cursorが向いているのは、IDEを使いながらAIと対話してコードを改善したい場合です。自分でコードを書くが、重い処理はAIに任せたいという中間的なスタイルに合います。
Claude Codeが向いているのは、開発者自身がCLIを使い、ある程度の自律性を持たせながらも、細かくコントロールしたい場面です。詳細は「Claude Codeとは」を参照してください。
Devinが向いているのは、明確な要件があってタスクを渡し切れる場面です。「このバグを直してPRを出しておいて」「このレガシーコードをPythonからTypeScriptに書き換えて」というように、結果だけ確認すればよいタスクに適しています。
セキュリティとデータ管理
企業がDevinを導入する際に確認すべきセキュリティ情報を整理します。
コンプライアンス認証
SOC 2 Type II認証を2024年3月に取得済みです。セキュリティポリシーと内部統制について第三者機関による監査を受けており、企業のセキュリティ基準を満たした運用が確認されています。詳細はCognition Trust Center(trust.cognition.ai)で確認できます。
データの学習利用
デフォルトでは、顧客データをモデルの学習に使用しません。 設定ページで明示的にオプトインした場合のみ学習に使われます。Enterpriseプランでは、顧客データを学習に利用しないことを契約レベルで保証しています。
生成されたコードの知的財産権は顧客に帰属し、商用利用可能です。
認証情報の管理(Secrets機能)
APIキーや認証情報は、DevinのSecrets機能を使って安全に管理することが公式推奨です。タスクの指示文に直接APIキーを書くことは避け、Secretsに登録してDevinが参照する形を取ります。
デプロイオプション
デプロイ形式 | 対応プラン | 内容 |
|---|---|---|
Multi-tenant SaaS | Core/Team | 標準の共有クラウド環境 |
Customer Dedicated SaaS | Enterprise | 専用クラウド環境 |
VPCデプロイ | Enterprise | AWS PrivateLink/IPSec でのプライベート接続 |
金融・医療・公共系など、データが自社クラウドの外に出てはいけない要件がある場合はEnterpriseのVPCデプロイが必要です。
推奨される運用フロー
- すべてのDevinのプルリクエストは人間がコードレビューしてからマージする
- ブランチ保護ルールを設定し、Devinが直接mainブランチに書き込まないようにする
- Secrets機能で認証情報を管理し、チャット上に直接書かない
日本企業での導入事例:DeNA全社2,000名超に導入
2026年3月、DeNAが全社員2,000名超にDevin Enterpriseを導入しました。DeNA AI Linkが日本展開パートナーとしてCognition AIと提携し、日本最大規模のDevin導入事例となっています。
導入形態
- VPCデプロイ: DeNA自社のクラウド環境内でDevinが稼働(社外へのデータ流出なし)
- SSO統合: 既存のID管理基盤と連携
具体的な成果
レガシーシステム移行: 予定6ヶ月 → 実績1ヶ月で完了。開発チームのみが使うのではなく、営業担当者がDevinとやりとりを通じて製品のソースコードを理解し、見積もり速度が約10倍に向上したという効果も報告されています。
日本市場への示唆
DeNAの事例は「開発チームだけが使うツール」というDevinのイメージを超えています。製品の仕様や技術的な詳細を理解する必要がある非エンジニア職にとっても、Devinがコードベースの「通訳者」として機能する可能性を示しています。
こんな人・チームにおすすめ / おすすめしない場面
Devinが向いているチーム・用途
- バックログが積み上がったチーム: 明確な要件が定まっているが手が回らないタスクをDevinに渡せる
- レガシー移行・大量のリファクタリング: 繰り返し作業が多く、人間がやると膨大な時間がかかるタスク
- テストを書きたいが後回しになっている組織: テスト作成はDevinが最も得意とするカテゴリの一つ
- エンタープライズでセキュリティ要件がある企業: SOC 2 Type II取得・VPCデプロイに対応
- 非エンジニアがコードベースを理解したい場面: Devin SearchやDevin Wikiがコードへの理解を支援
- 並列で複数タスクを進めたいチーム: TeamプランやEnterpriseで複数Devinを同時稼働できる
Devinをおすすめしない場面
- 要件が曖昧なゼロからの設計: アーキテクチャが決まっていない段階での判断は苦手。明確な仕様書が必要
- 視覚デザインの判断が必要なタスク: デザイン的な判断(色・レイアウトの主体的決定)は不得手
- 途中でスコープが変わる可能性が高い仕事: 実行中の要件変更への対応が苦手で、リテイクが発生しやすい
- 単発の小さなコード補完: 1〜2行の補完目的なら、GitHub CopilotやCursorのほうが速くて安い
- 高規制領域での自律判断: 医療・金融・法律系のロジックで人間のレビューなしに動かすのはリスクが高い
- 日本語のみで精密な指示をしたい場合: UIは英語中心で、日本語指示も可能だが英語より精度が下がる傾向がある
Devinの始め方(3ステップ)
ステップ1: アカウント登録
app.devin.ai にアクセスし、GoogleアカウントまたはGitHubアカウントでサインアップします。Coreプランは$20からの従量課金で、クレジットカードを登録すれば即日利用可能です。
ステップ2: GitHubリポジトリを連携
Devinの設定からGitHubアプリをインストールし、Devinにアクセスさせるリポジトリを指定します。Devinはリポジトリのコードを読んで作業するため、この連携が実作業の前提となります。
Devin WikiがリポジトリをインデックスすることでDevinがコードベースを把握し、最初のタスクから的確な実行計画を立てやすくなります。
ステップ3: 最初のセッションを開始
SlackまたはWebアプリから、具体的なタスクをDevinに渡します。最初は「バグを1件修正する」「既存の関数にテストを追加する」など、要件が明確で小規模なタスクから始めることを推奨します。
Interactive Planningにより、Devinが実行計画を提示してくれるので、内容を確認してから「OK」を返すと実行が始まります。
よくある質問(FAQ)
Q. DevinはSlackから使えますか?
はい。SlackのDevin appからタスクを渡すことができます。Devinがタスクを完了するとSlack上に通知が届き、PRのリンクなども共有されます。非エンジニアでも使いやすい連携方法です。
Q. Devinが使っているAIモデルは何ですか?
現時点では非公開です。Cognition AI独自のモデルを使用していると説明されていますが、具体的なモデル名や基盤LLMの詳細は公式情報として開示されていません。
Q. 日本語で指示できますか?
日本語での指示も可能ですが、公式ドキュメントの注記および実務報告によると、英語での指示のほうが精度が高い傾向があります。特に技術的な要件や曖昧な表現を含む日本語の指示は、英語に翻訳してから渡すことを推奨します。なお公式ドキュメント(docs.devin.ai)には日本語版があります。
Q. SWE-benchで13.86%という数値は低くないですか?
SWE-benchは実際のGitHub Issueを自律的に解決するベンチマークで、かなり難易度が高いテストセットです。13.86%は「たった13%しか解けない」ではなく、「難易度の高いIssueの7件に1件を完全に自律解決できる」と解釈するのが適切です。また実際のPR統合率は34%から67%まで向上しており(18ヶ月実績)、実務環境での有用性を示しています。
Q. GitHub Copilotと併用できますか?
できます。Devinは開発環境とは独立したWebサービスとして動作するため、開発者がCursorやGitHub Copilotを使いながら、並行してDevinに別のタスクを処理させる運用が可能です。「自分はフロントエンドを書いて、Devinにはバックエンドのテスト追加を並行してやらせる」といった分担が現実的です。
Q. 「Devin Manages Devins」とはどういう機能ですか?
2026年3月19日にリリースされた機能で、1つのDevinインスタンスが複数の別のDevinインスタンスに作業を割り振り、管理・調整できます。大規模なコード移行や多数のファイルにまたがる変更を、並列で処理することで大幅に高速化できます。AIエージェントとは何かを理解している方には、マルチエージェント協調の実装例として参考になります。
まとめ
Devinは「AIがコードを提案する」時代の次のフェーズ——「AIがタスクを丸ごと自律実行する」時代を体現するツールです。
Devin 2.0で料金が$500/月から$20/月(従量課金)へと下がり、個人や小規模チームでも試せるようになりました。2026年3月には「Devin Manages Devins」による複数エージェントの並列実行が可能になり、大規模タスクへの対応力がさらに高まっています。
一方で、「曖昧な要件には弱い」「途中でスコープが変わると対応が難しい」という制約は現時点でも存在します。Devinに向いているのは、要件が明確で繰り返し作業が多いタスク——レガシー移行、テスト作成、バグ修正バックログの解消などです。
まずはCoreプランで小さなタスクから試し、Devinが得意とする作業を見極めることが、費用対効果を最大化するアプローチです。
AIコーディングツール全体の比較や選び方については「AIコーディングツール おすすめ比較」をご覧ください。また、Devinのような自律型エージェントが実現する開発スタイルについては「AIエージェントとは」も参考になります。
この記事の著者

AI革命
編集部
AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。




