AIツール2026年10月更新

GPT-5.5・GPT-5.4・Codex Amazon Bedrock GA完全解説|料金・272K超の長文料金・IAM統合・東京リージョンからの利用【2026年10月最新】

公開日: 2026/06/03
更新日: 2026/10/20
GPT-5.5・GPT-5.4・Codex Amazon Bedrock GA完全解説|料金・272K超の長文料金・IAM統合・東京リージョンからの利用【2026年10月最新】

この記事のポイント

Amazon BedrockのGPT-5.5・GPT-5.4・Codexを、2026年10月時点のAWS公式モデルカードで整理。OpenAI直接より10%高い料金、272K超の長文料金、105万トークンのコンテキスト、東京から使えるが国内では完結しないリージョン事情、IAM設定、Codexの設定方法をまとめました。

OpenAIのGPT-5.5・GPT-5.4は、2026年6月1日(米国時間)からAmazon Bedrockで一般提供(GA)されており、10月時点では東京・大阪リージョンからも呼び出せます。ただし東京から使う経路は「グローバルクロスリージョン推論」だけで、処理が日本国内で完結する経路はまだありません。

GA直後の6月と比べると、公式情報はかなり変わりました。Chat Completions APIとConverse APIに対応し、コンテキストは105万トークンと明記され、料金はOpenAI直接利用より10%高いことがモデルカードに書かれています。

Amazon BedrockでOpenAIのGPT-5.5・GPT-5.4・Codexが一般提供に

この記事でわかること

  • 6月のGA時から10月までに変わった点(リージョン・API・料金・コンテキスト)
  • GPT-5.5とGPT-5.4のBedrock版スペックと、OpenAI直接利用との料金差
  • 272Kトークンを超えたときの長文料金と、1リクエストあたりの試算
  • bedrock-runtimeとbedrock-mantleという2つのエンドポイントの違い
  • 東京から使う場合のデータの扱いと、IAM・SCPの設定で引っかかりやすい点
  • Codexの推論先をBedrockにする設定と、使えない機能

AWSをすでに使っている開発チームや情報システム部門で、BedrockでOpenAIモデルを使うかどうかを判断したい人に向けた記事です。OpenAIとAWSの提携の全体像はOpenAI × AWSパートナーシップ徹底解説にまとめています。


2026年6月1日GA発表:何がGA・何がまだプレビューか

GPT-5.5・GPT-5.4・Codex(Bedrockを推論先に使う形)は6月1日にGAとなり、その後も機能とリージョンの追加が続いています。一方、Bedrock Managed Agents(OpenAI powered)は2026年10月時点でもプレビューです。

サービス

状態(2026年10月20日時点)

GPT-5.5(on Bedrock)

GA(一般提供)。ライフサイクルはActive

GPT-5.4(on Bedrock)

GA(一般提供)。ライフサイクルはActive

Codex(推論先にBedrockを指定)

GA(一般提供)

Bedrock Managed Agents(OpenAI powered)

パブリックプレビュー(2026年9月末から。GAは未発表)

公式のモデルカードによると、GPT-5.5とGPT-5.4の提供終了(EOL)は早くても2027年6月1日で、その前に6か月以上のレガシー期間が設けられます。

6月のGA時から変わったこと

GA時の報道や6月に書かれた検証記事には、いまは当てはまらない記述があります。主な違いは次のとおりです。

項目

2026年6月のGA時

2026年10月時点(公式モデルカード)

日本リージョン

未対応(AWSジャパンは「時期未定」と回答)

東京・大阪からグローバルクロスリージョン推論で利用できる。国内完結の経路はない

対応API

Responses APIのみ

Responses・Chat Completions・Converse(Converseはbedrock-runtimeのみ)

米国のリージョン

GPT-5.5はオハイオ、GPT-5.4はオハイオ・オレゴン

6月11日にバージニア北部が追加。bedrock-runtime経由では米国・カナダの各リージョンから利用できる

コンテキスト

272Kと紹介されることが多かった

105万トークン(入出力の合計)、最大出力12.8万トークン

料金

AWSのブログでは「OpenAI直接と同じ」

「OpenAI料金に10%の手数料を含む」とモデルカードに明記

長文料金

条件が不明

入力が272Kトークンを超えると、そのリクエスト全体に長文料金がかかる

クロスリージョン推論

予定

提供済み(us. と global. の推論IDが使える)

6月以降の主な出来事も並べておきます。

日付

内容

2026年4月28日

OpenAIとAWSが提携を拡大。OpenAIモデル・Codex・Managed Agentsを限定プレビューで提供

2026年6月1日

GPT-5.5・GPT-5.4・CodexがGA

2026年6月11日

バージニア北部(us-east-1)にGPT-5.5・GPT-5.4を追加

2026年7月9日

GPT-5.6(Sol・Terra・Luna)がGA

2026年8月11日

OpenAI Daybreak(GPT-5.6 Cyberなど)を対象の顧客に提供

2026年8月17日

bedrock-runtimeでのOpenAIモデル対応とクロスリージョン推論を発表(発表文はGPT-5.6が対象)

2026年9月8日

GPT-6 AstraがGA

2026年9月末

Bedrock Managed Agents(OpenAI powered)がパブリックプレビューに

GPT-5.5・GPT-5.4がChat Completionsやクロスリージョン推論に対応した正確な日付は、公式発表では確認できませんでした。ここでは、現行のモデルカードに対応の記載があることを根拠にしています。

出典: AWS What's New(2026年6月)、AWS What's New(バージニア北部追加)、About Amazon


GPT-5.5とGPT-5.4のスペック比較

どちらも105万トークンのコンテキストを持ち、入力はテキストと画像、出力はテキストです。違いは用途と料金で、GPT-5.4はGPT-5.5のほぼ半額です。

項目

GPT-5.5

GPT-5.4

モデルID(bedrock-mantle)

openai.gpt-5.5

openai.gpt-5.4

推論ID(bedrock-runtime)

us.openai.gpt-5.5 / global.openai.gpt-5.5

us.openai.gpt-5.4 / global.openai.gpt-5.4

コンテキスト

1,050,000トークン(入出力の合計)

1,050,000トークン(入出力の合計)

最大出力

128,000トークン

128,000トークン

入力

テキスト・画像(音声・動画は不可)

テキスト・画像(音声・動画は不可)

出力

テキストのみ

テキストのみ

公式の想定用途

高度なコーディング、調査・分析、ソフトウェア操作、文書作業、長時間のエージェント処理

推論、コーディング、コンピュータ操作、長文処理、ツール利用。複数の業務システムをまたぐ作業

入力100万トークンの料金(短文・In-Region)

$5.50

$2.75

GA日

2026年6月1日

2026年6月1日

GPT-5.4は、6月の検証記事(クラスメソッド DevelopersIO)で reasoning.effort(low / medium / high)の指定と推論ブロックの出力が確認されています。GPT-5.5の reasoning.effort 対応は、Bedrockのモデルカードには記載がありません。

なお、GPT-5.5はOpenAIの最新モデルではなくなっています。Bedrockには後継のGPT-5.6(7月)とGPT-6 Astra(9月)も載っています。モデル単体の性能はGPT-5.5(Spud)とは?とGPT-5.4とは?で詳しく解説しています。

出典: GPT-5.5 モデルカード(AWS)、GPT-5.4 モデルカード(AWS)

Amazon BedrockでGPT-5.5とGPT-5.4を選ぶイメージ

Amazon Bedrock版の料金

公式モデルカードでは、BedrockのIn-Region料金はOpenAI直接利用の1.1倍です。入力が272Kトークンを超えるリクエストには、全トークンに長文料金がかかります。

GPT-5.5(In-Region・Standard)

区分

入力

キャッシュ読み取り

出力

短文(入力272K以下)

$5.50

$0.55

$33.00

長文(入力272K超)

$11.00

$1.10

$49.50

GPT-5.4(In-Region・Standard)

区分

入力

キャッシュ読み取り

出力

短文(入力272K以下)

$2.75

$0.275

$16.50

長文(入力272K超)

$5.50

$0.55

$24.75

GovCloud(US-West)短文

$3.375

$0.3375

$20.25

単位はいずれも100万トークンあたりのUSドルです。

OpenAI直接利用との比較

モデル

OpenAI直接(入力 / 出力)

Bedrock In-Region(入力 / 出力)

差

GPT-5.5 短文

$5.00 / $30.00

$5.50 / $33.00

+10%

GPT-5.5 長文

$10.00 / $45.00

$11.00 / $49.50

+10%

GPT-5.4 短文

$2.50 / $15.00

$2.75 / $16.50

+10%

GPT-5.4 長文

$5.00 / $22.50

$5.50 / $24.75

+10%

モデルカードには「Commercial In-Region prices include a 10% fee over OpenAI rates(表の価格は手数料込み)」とあります。6月1日のAWSブログやGA時の報道では「OpenAI直接と同じ料金」とされていましたが、現在のモデルカードとは食い違っています。見積もりには現行のモデルカードの数字を使うのが安全です。

東京・大阪から使う場合のグローバルクロスリージョン推論の単価は、GPT-5.5・GPT-5.4のモデルカードには載っていません。AWSは「OpenAIモデルのグローバル推論はIn-RegionやGeoより安い」と発表しており、GPT-6 Astraではグローバルが約9%安く設定されています。ただしGPT-5.5に同じ割合が当てはまるかは確認できていないため、実際の単価はAmazon Bedrockの料金ページとCost Explorerで確かめてください。

272K超の長文料金の試算

長文料金は「272Kを超えた部分だけ」ではなく、リクエスト全体にかかります。GPT-5.5 In-Regionで、出力を5,000トークンとして計算すると次のとおりです。

入力トークン

適用される料金

1リクエストの料金

100,000

短文

$0.55 + $0.165 = 約$0.72

270,000

短文

$1.485 + $0.165 = 約$1.65

300,000

長文

$3.30 + $0.2475 = 約$3.55

入力を27万から30万に増やしただけで、料金は2倍以上になります。大きなリポジトリや長い文書を毎回まるごと渡す使い方では、272Kを超えないように分割するか、キャッシュが効く形でプロンプトを組むと費用を抑えられます。

その他の料金ルール

  • サービス階層はStandardのみ: Priority・Flex・Reservedは使えない
  • キャッシュ: 暗黙のプロンプトキャッシュのみ(bedrock-runtimeではResponses APIで自動適用)。明示的なキャッシュ指定は使えない
  • シート課金なし: Codexも含めてトークン量に応じた従量課金で、開発者ごとの契約は不要
  • 既存のAWS利用契約に計上できる: 利用額は既存のAWSコミットに含められる(AWS公式ブログ)
  • 明細: Cost Explorerと利用状況レポート(CUR)に表示される

他のAIモデルとの料金比較は生成AI料金比較にまとめています。

出典: GPT-5.5 モデルカード、OpenAI API Pricing、AWS ML Blog(2026年6月1日)


使い方・認証方法

OpenAIの公式SDKのまま、接続先URLとキーをBedrockのものに替えれば呼び出せます。新しく作るアプリには、AWSはbedrock-runtimeを勧めています。

2つのエンドポイントの違い

項目

bedrock-runtime(推奨)

bedrock-mantle

接続先

https://bedrock-runtime.{region}.amazonaws.com/openai/v1

https://bedrock-mantle.{region}.api.aws/openai/v1

推論の経路

Geo(us.)かグローバル(global.)のみ。In-Regionは不可

In-Regionのみ

東京・大阪から

global. で利用できる

利用できない

Responses API

○

○

Chat Completions API

○

○

Converse API

○

×

Invoke API / Messages API

×

×

Guardrails

○(Converse API経由のみ)

記載なし

サーバー側のツール実行

×

○

呼び出しログ・ストリーミング

○

記載なし

bedrock-mantleでモデル一覧を取得するときだけ、パスが /v1/models になります(/openai/v1/models は404)。

方法1:Bedrock APIキーを使う

AWSコンソールのAmazon Bedrockから長期のAPIキーを発行し、OpenAI SDKのキーとして渡します。東京リージョンからGPT-5.5を呼ぶ例です。

import os
from openai import OpenAI

client = OpenAI(
    base_url="https://bedrock-runtime.ap-northeast-1.amazonaws.com/openai/v1",
    api_key=os.environ["AWS_BEARER_TOKEN_BEDROCK"],  # BedrockのAPIキー
)

response = client.responses.create(
    model="global.openai.gpt-5.5",
    input="このリポジトリのリファクタリング計画を立ててください。",
)
print(response.output_text)

既存のChat Completionsのコードも、接続先とモデルIDを替えれば動きます。

response = client.chat.completions.create(
    model="global.openai.gpt-5.5",
    messages=[{"role": "user", "content": "この仕様書の要点を3つにまとめてください。"}],
)
print(response.choices[0].message.content)

米国内のリージョンで処理したい場合は、us-east-1 などの米国リージョンの接続先で us.openai.gpt-5.5 を指定します。単一リージョンに限定したい場合はbedrock-mantle(https://bedrock-mantle.us-east-1.api.aws/openai/v1)で openai.gpt-5.5 を指定します。

APIキーと接続先のリージョンが合っていないと認証エラーになる点に注意してください。

方法2:IAMの認証情報から短期トークンを作る

長期キーを配りたくない場合は、aws-bedrock-token-generator で既存のIAMロールやプロファイルから短期トークンを作り、api_key に渡します。トークンの有効期限は最大12時間で、元の認証情報の期限を超えることはありません。

pip install aws-bedrock-token-generator

文書ファイルを渡すとき

Converse APIでは、ユーザーメッセージに入れられるのはテキストと画像だけで、documentブロックを入れるとValidationExceptionになります。PDFなどの文書を渡すなら、Responses APIの input_file を使います。

出典: GPT-5.5 モデルカード(Endpoints and APIs)、クラスメソッド DevelopersIO

Amazon Bedrock経由とOpenAI直接利用の接続構成の違い

Bedrockで使えること・使えないこと

API面での制約は6月より大きく減りましたが、音声入力、Priorityなどの上位の処理枠、Invoke APIは引き続き使えません。bedrock-runtimeとbedrock-mantleで使える機能も違います。

機能

Bedrock版

補足

Responses API

○

両エンドポイント

Chat Completions API

○

両エンドポイント

Converse API

○

bedrock-runtimeのみ

Invoke API / Messages API

×

テキスト入力・画像入力

○

音声入力・動画入力

×

画像出力

×

出力はテキストのみ

構造化出力(JSON Schema)

○

bedrock-runtimeのResponses API

推論サマリー

○

runtimeはResponses・Converse、mantleはResponses

サーバー側のツール実行

一部

bedrock-mantleのみ。使えるツールの一覧は公式に未掲載

クライアント側のツール呼び出し

○

Guardrails

○

bedrock-runtimeのConverse API経由のみ

明示的なプロンプトキャッシュ

×

暗黙のキャッシュのみ

トークン数の事前カウント

×

bedrock-runtimeでは使えない(mantleは記載なし)

Priority / Flex / Reserved

×

Standardのみ

クロスリージョン推論

○

bedrock-runtimeのみ

OpenAIがホストするWeb検索やファイル検索などのツールは、bedrock-mantleで「サーバー側のツール呼び出し」が使えるとされています。ただし、どのツールが使えるかの個別の一覧は公式ドキュメントで確認できませんでした。Web検索などを前提に設計する場合は、事前に動作を確かめてください。


IAM統合・エンタープライズセキュリティ

既存のIAM・VPC・CloudTrailの仕組みでOpenAIモデルを管理できる点が、Bedrockで使う一番の理由です。一方で、クロスリージョン推論を使うとIAMとSCPの設定に追加の作業が要ります。

使えるセキュリティ機能

機能

内容

IAMによるアクセス管理

IAMポリシーでモデルの利用を制御

VPC / PrivateLink

推論の通信をインターネットに出さない構成にできる

KMSによる暗号化

保存時・転送時のデータを暗号化

CloudTrail

API呼び出しの監査記録

呼び出しログ

S3またはCloudWatch Logsに保存。CloudWatchメトリクスにも出る

Guardrails

入出力のフィルタリング(Converse API経由のみ)

学習への不使用

プロンプトと応答はモデルの学習に使われず、モデル提供元とも共有されない(AWS公式)

顧客ごとの分離

顧客ごとに分かれたキューで処理し、障害時もリクエストを再開できる

不正利用の検知

有効になっている

6月時点の記事には「推論はOpenAIが管理するモデルで実行されるため、データはAWSに閉じない」という説明もありましたが、AWSの公式説明は「推論はBedrock上で実行され、提供元とは共有されない」です。

必要なIAM権限

現行のモデルカードでは、推論プロファイルへの権限に加えて、アカウントのdefaultプロジェクト(arn:aws:bedrock:{region}:{account-id}:project/default)に対する bedrock:InvokeModel が必要とされています。

6月の検証記事(サーバーワークス)では AmazonBedrockFullAccess と AWSMarketplaceManageSubscriptions を付けて動かしていました。初回の呼び出しでAWS Marketplaceの購読が自動で行われるためです。手早く試すには使えますが、本番では必要な操作に絞ったポリシーを作るほうが安全です。

クロスリージョン推論を使う場合、GPT-5.6を例にしたAWSの公式ブログでは次の権限を組み合わせています。

  • 推論プロファイルとdefaultプロジェクトへの bedrock:InvokeModel
  • 送信元・送信先リージョンのモデルへの権限(推論プロファイルのARNを条件にする)
  • APIキーで呼ぶ場合の bedrock:CallWithBearerToken
  • ストリーミング(ConverseStream)を使う場合の bedrock:InvokeModelWithResponseStream

GPT-5.5でも仕組みは同じと考えられますが、公式の例はGPT-5.6向けです。

SCPでリージョンを絞っている組織の注意点

組織のSCPで使えるリージョンを制限している場合、グローバル推論のリクエストは aws:RequestedRegion が「unspecified」として扱われ、拒否されることがあります。AWSは bedrock:InferenceProfileArn を条件にしてグローバル推論を例外にする方法を勧めています。

出典: AWS ML Blog(GPT-5.6のクロスリージョン推論、2026年8月20日)、サーバーワークス エンジニアブログ


リージョン対応状況と日本企業の現実

東京・大阪から呼び出すことはできますが、処理は世界のどこかのリージョンで行われます。データを日本国内で処理することが条件なら、2026年10月時点のGPT-5.5・GPT-5.4は要件を満たせません。

現時点(2026年10月20日)の対応リージョン

経路

GPT-5.5

GPT-5.4

bedrock-mantle(In-Region)

us-east-1(バージニア北部)、us-east-2(オハイオ)

us-east-1、us-east-2、us-west-2(オレゴン)、us-gov-west-1(GovCloud)

bedrock-runtime(Geo:米国)

米国4リージョン、カナダ2リージョンから

同左

bedrock-runtime(グローバル)

米国・カナダに加え、東京(ap-northeast-1)・大阪(ap-northeast-3)、ソウル、シンガポール、シドニー、欧州など

同左

東京から使えるが、国内では完結しない

6月のGA時、AWSジャパンは日本リージョンでの提供を「時期未定」と答えていました(ITmedia AI+、2026年6月3日)。その後、グローバルクロスリージョン推論が使えるようになり、東京・大阪のbedrock-runtimeから global.openai.gpt-5.5 を指定して呼び出せます。

ただし、グローバル推論は「世界の対応リージョンのどこかで処理される」しくみです。東京リージョン内で処理するIn-Regionや、日本国内に限定するGeo推論は、GPT-5.5・GPT-5.4には用意されていません。東京でのIn-Region提供の予定も公式には発表されていません。

呼び出しログやメトリクスは送信元のリージョン(東京から呼べば東京)に記録され、課金とクォータは自分のアカウントに付きます。

要件別の選び方

社内の要件

選ぶ経路

指定するモデルID

東京のシステムから手軽に使いたい。処理場所の指定は不要

bedrock-runtime(東京)のグローバル推論

global.openai.gpt-5.5

処理を米国内に限定したい

bedrock-runtime(米国リージョン)のGeo推論

us.openai.gpt-5.5

単一のリージョンに限定したい

bedrock-mantle(us-east-1 / us-east-2)のIn-Region

openai.gpt-5.5

日本国内での処理が必須

GPT-5.5・GPT-5.4は使えない

東京のIn-Regionや日本のGeo推論があるモデルを選ぶ

グローバル推論と米国のGeo推論は、どちらも個人データの国外移転にあたる可能性があります。個人情報保護法の越境移転の規定や社内規程に照らして、法務・コンプライアンス部門と確認してから使ってください。個人情報や機密情報を含まないコード生成から始めるのも現実的な進め方です。


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Codex on Bedrock:機能と制限

Codexの推論先をBedrockにすると、OpenAIのサーバーを通さずに、手元のアプリやCLIからBedrockへ直接リクエストが送られます。2026年10月時点で、OpenAIの公式ドキュメントが対応モデルとして挙げているのはGPT-6系(Astra・Sol・Luna)です。

OpenAI CodexでAmazon Bedrockを推論先に使う構成

出典: AWS Blog

Codexのインターフェース

Bedrockを推論先にできるのは、手元で動かすCodexとChatGPT Workだけです。

  • Codex CLI、SDK・codex exec
  • ChatGPTデスクトップアプリ(ローカルで動くChatGPT WorkとCodex)
  • IDE拡張

Web版のChatGPT WorkとCodex cloudは対象外です。ローカルで使うChatGPT WorkについてはChatGPT Workとは?で解説しています。

設定方法(~/.codex/config.toml)

6月の記事でよく見かけた [model] provider = "openai" と base_url を書く形は、公式の書き方ではありません。現行の公式ドキュメントでは次のように設定します。

bedrock-runtimeを使う場合は次のように書きます。新しく設定するならこちらが推奨です。

model_provider = "amazon-bedrock-runtime"
model = "global.openai.gpt-6-astra"

bedrock-mantleを使う場合は次のように書きます。In-Regionの経路で、ホスト型のWeb検索が使えます。

model_provider = "amazon-bedrock"
web_search = "cached"

認証は次の順で確認されます。ChatGPTへのサインインや OPENAI_API_KEY は使いません。

  1. 環境変数 AWS_BEARER_TOKEN_BEDROCK と AWS_REGION(APIキーを使うときはリージョンの指定が必須)
  2. AWS SDKの認証チェーン(aws configure、環境変数、aws login、aws sso login --profile と AWS_PROFILE、credential_process)

デスクトップアプリやIDE拡張では ~/.codex/.env に変数を置き、変更したら再起動します。

GPT-5.5をCodexの推論先として使い続けられるかは、公式の対応モデル表に記載がなく確認できませんでした。CodexをBedrockで新しく使うなら、公式表にあるGPT-6系を選ぶのが確実です。

Bedrockを推論先にしたときに使えない機能

区分

使えない機能

生成・入力

Fast Mode(オンデマンド推論のみのため)、画像生成・編集、音声入力

検索

bedrock-runtimeでのホスト型Web検索(bedrock-mantleなら使える)

クラウド機能

Web版ChatGPT Work、Codex cloud、Sites、クラウド上のチャット、GitHub・Slack・Linearのクラウド連携

管理機能

ChatGPT認証が必要なプラグイン・コネクタ、プラグインのクラウド共有、クラウドで管理する設定、ワークスペースのRBAC、SCIM・EKM、分析・コンプライアンスAPI

セキュリティ

Codex Security cloud(Codex Security CLIは別のBedrock設定を使う)

リージョンで制限

Computer Use、Chrome拡張、Memories

Codex本体についてはOpenAI Codexとは?、セキュリティ用途はCodex Securityとは?、企業向けの導入支援はOpenAI Codex Labs とは?を参照してください。

出典: Amazon Bedrock setup for ChatGPT Work and Codex(OpenAI公式)


Bedrock Managed Agents(OpenAI powered)はパブリックプレビュー中

Bedrock Managed Agentsは2026年9月末に限定プレビューからパブリックプレビューに移りましたが、10月20日時点でGAは発表されていません。GPT-5.5のGAとは別のものなので、本番での利用は慎重に判断してください。

プレビューでできること

  • エージェントのセッションの作成・取得・一覧・削除
  • テキストの送信と処理の中断、進捗イベントのストリーミング
  • 自社で用意した実行環境またはAgentCore Runtimeでのコマンド実行
  • ファイルで定義したスキル、環境に置いたSTDIO形式のMCPサーバーの利用

プレビューの制約

  • 提供はus-east-1・us-east-2・us-west-2のbedrock-mantleだけ(bedrock-runtimeとクロスリージョン推論は対象外)
  • 入力はテキストのみ
  • サブエージェントとコードによるツール呼び出しは使えない
  • 長期のメモリはない(6月時点で紹介されていた「永続メモリ」はプレビューでは非対応)
  • 顧客管理のKMSキーは設定できない
  • コンソールはなく、APIと配布サンプルで操作する。プレビューのAPIは変わる可能性がある

IAMのアクション名は bedrock-mantle:CreateAgentSession のような形式です。AgentCoreの使い方はAWS Bedrock AgentCore CLI / Managed Harness 使い方、Anthropic側の同種サービスはClaude Managed Agentsとは?で解説しています。

出典: Bedrock Managed Agents Preview availability and limitations(AWS)、AWS Weekly Roundup(2026年10月5日)


後継モデルとの関係:いまGPT-5.5を選ぶ理由

Bedrockで新しくOpenAIモデルを使い始めるなら、GPT-5.5だけで決めずに後継モデルとも比べるのがおすすめです。一方、すでにGPT-5.5で動いている仕組みを急いで移す必要はありません。

モデル

Bedrockでの提供

位置づけ

GPT-5.4

2026年6月GA

GPT-5.5の約半額。業務システムをまたぐ作業向け

GPT-5.5

2026年6月GA

高度なコーディング・長時間のエージェント処理向け

GPT-5.6(Sol・Terra・Luna)

2026年7月GA

用途別の3モデル。TerraはGPT-5.5の半額とされる

GPT-6 Astra

2026年9月GA

Bedrock上のOpenAI最新モデル。Codex on Bedrockの対応モデル

GPT-5.5を使い続ける理由になるのは、検証済みのプロンプトや評価結果がある場合、出力の傾向を変えたくない場合などです。EOLは早くても2027年6月1日なので、移行の計画を立てる時間はあります。GPT-5.6の違いはGPT-5.6とは?Sol・Terra・Lunaの違いで解説しています。


Claude on Bedrockとの使い分け

同じBedrock上でClaudeも使えます。使い分けの決め手になるのは、性能よりもデータを処理する場所と、普段使っているコーディングツールです。

判断ポイント

GPT-5.5 on Bedrock

Claude on Bedrock

東京からの利用

グローバル推論で利用できる

モデルごとに異なる(モデルカードで確認)

日本国内での処理

不可

東京のIn-Regionや日本のGeo推論があるモデルなら可能。対応はモデルごとに確認

コンテキスト

105万トークン

モデルによる

使えるAPI

Responses・Chat Completions・Converse

Converse・Invokeなど

コーディングエージェント

Codex(推論先にBedrockを指定)

Claude Code(推論先にBedrockを指定)

料金形態

トークン従量

トークン従量

日本国内での処理が条件の業務では、東京のIn-Regionや日本のGeo推論があるモデルを選ぶ必要があります。Claudeのモデルごとの対応状況は、AWSのモデルカードで最新の情報を確かめてください。処理場所の条件がなく、すでにCodexやOpenAIのAPIに合わせた仕組みがあるなら、GPT-5.5やその後継をBedrockで使うと移行の手間を減らせます。

AWS上でClaudeを使う方法はClaude Platform on AWS とは?で詳しく解説しています。


導入をおすすめする企業・おすすめしない企業

既存のAWSの管理の仕組みでOpenAIモデルを使いたい企業には合っています。日本国内での処理が条件の企業には、2026年10月時点では合いません。

こんな企業・チームにおすすめ

  • AWSのIAM・VPC・CloudTrailで権限と監査を管理している企業: 新しい契約先を増やさず、既存の管理の仕組みでOpenAIモデルを使える
  • AWSと利用額の契約(コミット)を結んでいる企業: GPT-5.5やCodexの利用額を既存のコミットに計上できる
  • 開発者が多く、1人ごとのライセンス費を避けたいチーム: Codexもトークン従量なので、費用は人数ではなく利用量で決まる
  • 既存のChat Completionsのコードを持つチーム: 10月時点ではChat Completionsに対応しており、接続先とモデルIDの変更で移せる
  • 処理を米国内に限定できる、または処理場所を指定しない業務: Geo推論やグローバル推論をそのまま使える

自社の業務システムにGPT-5.5などの新しいモデルを組み込む場合は、APIの接続だけでなく、権限設計やログ、評価の仕組みまで含めて費用が決まります。方法と費用の目安はAI開発の費用相場(AI受託開発の改修・PoC・本開発の価格と見積の内訳)で整理しています。

おすすめしない企業・ケース

  • データを日本国内で処理することが条件の企業: 金融・医療・官公庁などで国内処理が必須なら、GPT-5.5・GPT-5.4は使えない
  • SCPでリージョンを厳しく制限していて、例外を作れない組織: グローバル推論が拒否される
  • 音声入力・画像生成を使いたいケース: Bedrock版では使えない
  • Priority・Flexなどの処理枠や、CodexのFast Modeで速さを求めるケース: Standardのみの提供のため使えない
  • 入力が272Kを超える処理を大量に回すケース: 長文料金では入力単価が2倍、出力単価が1.5倍になるため、OpenAI直接利用や分割処理と比べて判断したい

今後のロードマップ(公式確認情報)

6月時点で「近日公開」とされていたクロスリージョン推論は提供済みです。残っている未確定事項は、東京でのIn-Region提供とManaged AgentsのGAです。

項目

2026年10月20日時点の状態

グローバル・Geoのクロスリージョン推論

提供済み

Chat Completions・Converse API

提供済み

米国リージョンの追加

バージニア北部を6月に追加済み

東京・大阪でのIn-Region提供、日本のGeo推論

公式発表なし

Bedrock Managed Agents(OpenAI powered)のGA

パブリックプレビュー中。GA時期は未発表

OpenAI DaybreakのBedrock提供

2026年8月11日から対象の顧客に提供

コンソールのプレイグラウンドでの利用

公式情報で確認できず

DaybreakについてはOpenAI Daybreakとは?で解説しています。

Amazon Bedrock上のOpenAIモデルとCodexの利用イメージ

出典: AWS Blog


FAQ

Q: Amazon BedrockでGPT-5.5を使うには何が必要ですか?

AWSアカウントと、モデルを呼び出すIAM権限が必要です。現行のモデルカードでは、推論プロファイルへの権限に加えてdefaultプロジェクトへの bedrock:InvokeModel が求められます。初回の呼び出しではAWS Marketplaceの購読が自動で行われるため、その操作を許可しておく必要もあります。認証にはBedrockのAPIキーか、IAMの認証情報から作る短期トークンを使います。

Q: 料金はOpenAI直接利用と同じですか?

現行のモデルカードでは、In-Regionの料金はOpenAI直接利用より10%高く設定されています(GPT-5.5は入力$5.50・出力$33.00)。GA時のAWSブログでは同額とされていましたが、いまは異なります。東京から使うグローバル推論の単価はモデルカードに載っていないため、Bedrockの料金ページで確認してください。

Q: 東京リージョンで使えますか?

東京・大阪のbedrock-runtimeから global.openai.gpt-5.5 を指定すれば使えます。ただし処理は世界の対応リージョンのどこかで行われ、東京リージョン内で処理するIn-Regionの提供はありません。

Q: コンテキストは272Kトークンではないのですか?

公式のコンテキストは105万トークン(入出力の合計)、最大出力は12.8万トークンです。272Kは料金が切り替わる境目で、入力が272Kを超えるとそのリクエスト全体に長文料金がかかります。

Q: Bedrock Managed AgentsはGAになりましたか?

なっていません。2026年9月末にパブリックプレビューになりましたが、提供は米国3リージョンのbedrock-mantleだけで、長期メモリなどにも対応していません。

Q: 既存のOpenAI API実装はそのまま使えますか?

ResponsesとChat Completionsのどちらも、OpenAI SDKの接続先URL・APIキー・モデルIDを替えれば動きます。ただし、Web検索などOpenAIがホストするツールや、Priority・Flexの処理枠に頼っている部分は動かない場合があります。

Q: データはモデルの学習に使われますか?

AWSの公式説明では、プロンプトと応答はモデルの学習に使われず、モデル提供元とも共有されません。不正利用の検知は有効になっています。

Q: CodexのFast ModeはBedrockで使えますか?

使えません。Bedrockはオンデマンド推論のみの提供のためです。Fast Modeが必要なら、ChatGPTのアカウントでサインインして使う通常のCodexを選ぶことになります。


まとめ

GPT-5.5・GPT-5.4・CodexのAmazon Bedrock版は、6月1日のGAから4か月で大きく変わりました。Chat CompletionsとConverseに対応し、東京・大阪からもグローバル推論で呼び出せます。既存のAWSの権限管理と監査の仕組みのままOpenAIモデルを使える点は、AWS中心の企業にとって大きな利点です。

一方で、料金はOpenAI直接利用より10%高く、入力が272Kトークンを超えると長文料金になります。日本国内で処理を完結させる手段もまだありません。データの処理場所の要件、SCPの設定、長文処理の量を確かめたうえで、GPT-5.6やGPT-6 Astraといった後継モデルとも比べて選ぶのが現実的です。

料金・リージョン・対応APIは今後も変わる可能性があります。最新情報はGPT-5.5 モデルカード(AWS公式)とAmazon Bedrock OpenAI公式ページで確認してください。

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この記事の著者

AI革命

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編集部

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