AI活用事例2026年8月更新

「小説家になろう」AI利用状況の設定義務化はいつから?対象作品・9月1日期限・4区分の選び方・未設定時の影響【2026年8月最新】

公開日: 2026/06/10
更新日: 2026/08/03
「小説家になろう」AI利用状況の設定義務化はいつから?対象作品・9月1日期限・4区分の選び方・未設定時の影響【2026年8月最新】

この記事のポイント

「小説家になろう」のAI利用状況設定は2026年6月9日から必須化、既存作品も9月1日で全面適用されます。対象作品・4区分の選び方・迷いやすいケースの判定・未設定時に何ができなくなるか・違反時のリスクを公式情報ベースで整理しました。

「小説家になろう」のAI利用状況設定は、2026年6月9日から新規投稿作品で必須2026年9月1日からは既存作品を含めた全作品で必須になります。2026年8月4日時点で猶予期間の残りは約4週間で、未設定のまま9月1日を迎えると、その作品はエピソード投稿も作品情報の編集もできなくなります。

そして最も見落とされやすい点として、AIを一切使っていない作家も「AI不使用」を自分で設定する必要があります。「使っていないから関係ない」は誤りです。

この記事は、公式ガイドライン・利用規約・公式Q&A(第一弾/第二弾)を一次情報として、次の内容を扱います。

  • 期限までに何をすればよいのか(3ステップ)
  • 対象になる作品・ならない作品
  • 4区分(AI直接使用/AI間接利用/AI補助的利用/AI不使用)の選び分け
  • 検索エンジンのAI要約、Wordの自動校正など「迷いやすいケース」の公式見解
  • 未設定のまま期限を過ぎた場合に起きること
  • 虚偽設定のペナルティと、運営対応とは別に残る賠償リスク
  • 施行から約2か月時点で「AI直接使用」が実際に何作品に付いているか(独自集計)

連載中の作家、複数作品を抱える作家、コンテスト応募や書籍化を視野に入れている作家に向けた内容です。


制度の全体像:いつから・誰が・何をするのか

小説家になろうグループ公式ブログのロゴ画像

出典: 小説家になろうグループ公式ブログ

項目

内容

制度名

作品創作における「AI利用状況」設定の必須化

運営

株式会社ヒナプロジェクト(小説家になろうグループ)

新規作品への適用

2026年6月9日から(未設定では投稿ボタンが押せない)

既存作品への適用

2026年9月1日から(8月31日までは未設定でも更新可能)

対象

小説家になろうグループに投稿されるすべての作品(R18サイトを含む)

設定区分

AI直接使用/AI間接利用/AI補助的利用/AI不使用の4つ

費用

無料(投稿機能の仕様変更であり課金は発生しない)

未設定時

9月1日以降、エピソード投稿・作品情報の編集が不可

AI不使用の作家

「AI不使用」の設定が必要(対応不要ではない)

制度の性格は「AI利用の禁止」ではなく「AI利用状況の開示義務化」です。公式ガイドラインは目的を次のように説明しています。

「小説家になろうでは、健全な創作環境を守るため、作品創作におけるAI利用状況の設定を必須としています。AI利用状況を設定いただくことで、ユーザの皆様だけでなく、メディア化等で作品にかかわる企業・関係者間での認識のずれを防ぎ、作品に対する信頼を守ることを目的としています。」

AI利用状況に関して|小説家になろう

ただし例外が1つあり、本文すべてがAI生成のテキストで構成された作品の投稿は禁止されています(利用規約第14条第12項(オ))。


9月1日までにやること(3ステップ)

小説家になろうのAI利用状況設定を期限までに完了させる作業イメージ

作業自体は1作品あたり数分で終わります。時間がかかるのは「作品数が多い場合」と「区分の判断に迷う場合」です。

ステップ1:自分の作品を棚卸しする

マイページの作品一覧から、自分が投稿している全作品をリストアップします。長期間更新していない過去作・短編・掌編も対象です。2026年6月9日より前に投稿された作品はすべて猶予期間の対象なので、放置していれば9月1日で更新できなくなります。

ステップ2:作品ごとに区分を決める

創作工程を振り返り、4区分のどれに当たるかを決めます。判断の入口は「自分の意志で、主体的・能動的にAIに回答を求めたか」です(公式Q&A第二弾)。求めていないなら「AI不使用」で問題ありません。

ステップ3:作品設定ページで設定する

設定場所は次の経路です。

  1. ユーザページ右上の「メニュー」→「投稿」
  2. 「作品の作成・編集」→ 対象作品を選択
  3. 「設定」→「作品設定」→「AI利用状況設定」
  4. 区分を選び「編集[実行]」で確定

出典:AIを利用した作品の投稿について|ヘルプセンター

なお、複数作品をまとめて設定する一括機能については、公式ヘルプ・公式ブログのいずれにも案内が確認できません(2026年8月4日時点)。現状は1作品ずつ作品設定ページで設定する手順のみが公式に案内されているため、作品数が多い作家ほど早めの着手が必要です。


対象になる作品・ならない作品

ケース

設定の要否

期限

2026年6月9日以降に新規投稿する作品

必須

投稿時(未設定では投稿不可)

2026年6月9日より前に投稿済みの連載作品

必須

2026年8月31日まで

完結済み・更新予定のない過去作

必須(更新したい場合)

更新するなら9月1日まで

短編・掌編

必須

同上

ミッドナイトノベルズ等グループサイトの作品

必須

同上

9月1日以降の日付で予約掲載したい作品

必須

予約を入れる時点で設定済みである必要あり

読むだけのアカウント(投稿しない)

不要

ガイドラインの注記は次のとおりです。

「※2026年6月9日(火)以前に投稿されていた作品は、2026年9月1日(火)まではAI利用状況が未設定でもエピソード投稿や作品の更新が可能ですが、同日以降より不可となります。」

見落とされやすいのが予約掲載の制限です。2026年6月9日以降、未設定の作品では9月1日より先の日付を指定した予約掲載ができません。ストックを作って数か月先まで予約投稿しているタイプの作家は、猶予期間中であっても実質的にすでに影響を受けています。


制度の要点:禁止されたこと・許されていること

小説家になろうのAI利用状況設定における4区分(直接使用・間接利用・補助的利用・不使用)

2026年6月9日施行の利用規約改定で、次の内容が明文化されました。

第14条第12項(オ)新設(禁止コンテンツ)

「本サイトの作品投稿機能を使用して本文として掲載されるテキスト等の情報であって、その全文がAIによって生成されたもの。」

第14条第24項 新設(禁止行為)

「投稿作品において、実際のAI利用状況とは異なる虚偽の設定を行う行為、又は投稿や更新に伴いAI利用方法を変更したにもかかわらず適切に申告しない行為。」

第21条第8項 新設(第三者提供)

「(前略)当グループは、ユーザの作品に対して出版社、企業等から商業化又はメディア化の打診等があった場合や、ユーザの作品が当グループの関与するコンテスト等に参加されている場合には、(中略)当該作品のAI利用状況やメディア化のサポートを希望しているか否かを、当該出版社、企業等に開示及び提供することができるものとし、ユーザはこれに同意するものとします。」

出典:【重要】利用規約改定のお知らせ|公式ブログ

ガイドライン上の禁止事項は次の4つです。

  1. 全編AI生成作品の投稿(「AI直接使用」を設定していても、加筆・修正が極めて限定的で実質的に全編AI生成と判断される場合は運営対応の対象になり得る)
  2. 本文欄へのプロンプト記載(作品内容に該当しない情報の掲載にあたるため)
  3. 虚偽の設定(利用状況が変わったのに区分を変更しないことも含む)
  4. 備考欄の目的外使用(AI利用と関係のない情報を備考欄に書かない)

逆に言えば、AIを補助的に使うことも、下書き素材として使うことも、部分的に生成テキストを本文に置くことも、正しく開示していれば投稿を続けられます。AIをどう使うかという前提知識を整理したい場合は、生成AIとは何かもあわせて確認しておくと区分の判断がしやすくなります。

この開示義務化は単独の施策ではなく、2026年5月26日の公式ブログ「アニメ化200作品突破と今後の新たな取り組みについて」で、なろうパートナープログラム(商業化打診の初動代理対応)書報機能アップデート(書籍化作品の書影反映、2026年秋頃予定)とセットで発表されたものです。商業化・メディア化サポートを強化するにあたって、企業側に渡す情報の正確性を担保する、という位置づけになっています。


4区分の違いと選び方

区分ごとの扱いを一覧で比較

区分

判断の軸

作品情報ページへの表示

キーワード欄への反映

備考欄

AI直接使用

段落以上の連続した文をそのまま本文に使用/修正が単語置換レベル

あり(固定文言)

あり(「AI直接使用」が自動付与)

任意で入力可

AI間接利用

AI生成物を下書き・素材にし、全体を自分で書き直した

あり(固定文言)

なし

任意で入力可

AI補助的利用

本文の執筆そのものにAIが関与しない(校正・アイデア出し・資料調査)

なし(第三者には非公開)

なし

なし

AI不使用

構想・プロット・執筆・校正の全工程でAI不使用

なし(第三者には非公開)

なし

なし

ここで見落とされやすいのが次の2点です。

  • キーワード欄に自動反映されるのは「AI直接使用」だけです。読者は作品検索でこのキーワードを使って絞り込みも除外もできるため、直接使用と間接利用では読者からの見え方が大きく変わります。
  • 「補助的利用」「不使用」も、コンテスト参加時・商業化打診時には企業へ開示されます(規約第21条第8項)。読者に非公開だから何を選んでもよい、という話ではありません。

3つの質問で区分を決める

公式Q&Aの回答を踏まえると、次の順番で判断できます。

Q1. 自分の意志で、主体的・能動的にAIに回答を求めたか?
→ いいえ = AI不使用

公式Q&A第二弾は、検索エンジンのAI要約、執筆ソフトの自動校正、日常アプリに組み込まれたAI機能について「ご自身の意志で主体的・能動的にAIによる回答を求めて使用していない限りは、いずれも『AI不使用』の区分としていただいて問題ございません」と回答しています。生成AI登場以前から存在する広義のAI技術を使ったサービスも同様の扱いです。

Q2. AIの出力が、本文の表現や物語の展開に関与しているか?
→ いいえ(誤字脱字チェック・アイデア相談・資料調査のみ)= AI補助的利用

Q3. AIが生成した文章を、そのまま(または単語の置き換え程度の修正で)本文に置いているか?
→ はい = AI直接使用
→ いいえ(全体を自分で書き直している)= AI間接利用

公式は「AIが生成した文章に対し、作者の修正が単語の変換等に留まる場合は『AI直接使用』、作者が全体の修正・改変を行った場合は『AI間接利用』」と説明しています。ここが両者の分岐点です。


迷いやすいケース別の判定(公式Q&A準拠)

ケース

公式見解にもとづく区分

検索したら検索エンジンがAI要約を勝手に表示した

AI不使用(自分から回答を求めていないため)

執筆ソフト・ドキュメントソフトの自動校正が働いた

AI不使用(同上)

AIに誤字脱字・表記ゆれのチェックを依頼した

AI補助的利用

舞台設定や歴史背景をAIに調べさせた

AI補助的利用

タイトル案・キャラ名案をAIに複数出させて参考にした

AI補助的利用(本文の展開を決定づけない範囲であれば)

AIが出した物語の展開案を下敷きに全体を執筆した

AI間接利用(アイデア出しのレベルを超え「プロット作成や執筆素材」に該当)

AIにプロットを作らせ、本文は自分で書いた

AI間接利用

自分の文章をAIに改稿させ、それをさらに全部自分で直した

AI間接利用

自分の文章をAIに改稿させ、そのまま貼った

AI直接使用

AIが生成した段落をそのまま本文に貼った箇所がある

AI直接使用

それ単独では創作性のない短い一文だけAI生成を使った

AI間接利用

とくに判断が割れやすいのが「アイデア出しのつもりだったが、実は展開そのものをAIが決めていた」ケースです。公式Q&A第二弾は次のように整理しています。

「作品本文の展開を決定づける内容をAIが出力し、それを下敷きとして執筆全体で利用している場合は、アイデア出しのレベルではなく『プロット作成や執筆素材』などに該当するものとして、『AI間接利用』の設定が適切となります。」

AI翻訳して投稿する場合

海外在住の作家や多言語で執筆している作家が見落としやすい論点です。公式Q&A第二弾は、AI翻訳版の投稿にも同じ判断基準が適用されるとしたうえで、こう述べています。

「AIが翻訳して生成した文章だけで構成された作品をそのまま投稿する行為は禁止事項に該当します。翻訳する先の言語を作者ご自身が扱えない場合、その言語での編集がご自身で行えない以上、実質的に禁止行為に該当する可能性が高い状況となりますのでご注意ください。」

つまり「自分が読み書きできない言語にAI翻訳して投稿する」ことは、事実上できないと考えるべきです。AI翻訳・AI校正を実務でどう使い分けるかについては、出版・メディア業界のAI活用事例で工程別に整理しています。

連載途中で使い方が変わった場合

区分の設定は作品単位です。連載途中でAI利用の実態が変わったら、その時点で設定を変更する義務があります(規約第14条第24項)。エピソード単位での設定機能は確認できないため、公式が例示しているように備考欄で「エピソード〇以降、本文内の一部記述にAIを使用しています。」のように補足する運用になります。


未設定のまま9月1日を迎えるとどうなるか

起きること

内容

エピソード投稿

不可(連載の続きが上げられない)

作品情報の編集

不可(タイトル・あらすじ・キーワード等の変更ができない)

予約掲載

9月1日より先の日付は指定不可(2026年6月9日以降すでに制限中)

コンテスト・商業化

対象外となる場合がある

すでに公開中の作品の閲覧

「閲覧できなくなる」とは公式に明記されていない

「閲覧できなくなる」という点については補足が必要です。公式が明記しているのは「エピソード投稿や作品の更新ができなくなる」という点までで、既存作品が非公開になる・読めなくなるとは書かれていません。この点を断定している解説記事も見られますが、2026年8月4日時点の公式情報では確認できないため、鵜呑みにしないほうが安全です。

一方で、更新できないこと自体が連載作家にとっては致命的です。9月1日に設定を思い出しても、その時点から設定すれば更新は再開できると考えられますが、日刊ランキングや予約投稿を軸に運用している場合は数日の空白が発生します。

なお、2026年8月4日時点で公式ブログ・ヘルプセンターを確認した限り、9月1日の期限を延長・緩和するアナウンスは出ていません。予定どおり適用される前提で動くのが妥当です(今後変更される可能性は残ります)。


違反時のペナルティと、別建てで残る賠償リスク

虚偽設定のペナルティと損害賠償リスクのイメージ

運営対応は「即削除」ではなく段階的

公式Q&A第一弾は、制度開始初期の誤設定について次の方針を示しています。

「明らかに逸脱した設定や、過度な頻度でAI利用状況を変更する行為など悪質なケースを除き、自主的な修正が行われるか一定期間様子を見ることや、即時の削除ではなく非公開設定など段階的な対応から行うことも想定しております。」

つまり、うっかり誤った区分を選んだだけで即座にアカウントが消える、という制度ではありません。禁止事項に該当した場合の運営対応は、作品の非公開化 → 悪質な場合はアカウント停止等という段階を踏むとされています。

ただし民事上のリスクは運営対応と別に残る

同じQ&Aは続けてこう述べています。

「当社側での運営対応の有無にかかわらず、虚偽設定を行っていたために発生したトラブルについては、設定したユーザ側が責任を負うものとなります。」

ガイドライン本体も、虚偽設定のまま商業化が進行した場合について「設定したユーザ側が賠償といった大きなリスクを負う懸念があります」と明記しています。運営が何もしなかったこと=問題なし、ではありません。ここが本制度で最も誤解されやすい構造です。

具体的には次のようなシナリオが想定されます。

  • 「AI不使用」と設定した作品の書籍化が進み、出版社が編集・宣伝コストを投じた後にAI直接使用が判明する
  • コンテスト受賞後にAI利用の申告漏れが判明し、受賞・書籍化が取りやめになる
  • 規約第21条によって企業へ渡った情報が誤っていたことで、契約上の表明保証に関わる問題になる

AIと創作物の権利をめぐる係争がどの規模になり得るかは、Anthropicの著作権訴訟・15億ドル和解のような事例を見ておくと感覚がつかめます。個人の作家でも「AI利用の申告内容」は契約上の情報として扱われる、と考えておくのが安全です。


施行から約2か月、実際にどのくらい設定されているのか(独自集計)

「AI直接使用」はキーワード欄へ自動反映されるため、なろうデベロッパー公式API(api.syosetu.com)のキーワード検索で件数の目安を取ることができます。2026年8月4日時点で集計した結果は次のとおりです。

指標

件数

「AI直接使用」キーワードを持つ作品(一般)

約4,645件

「AI直接使用」キーワードを持つ作品(R18)

約637件

合計

約5,282件

API上の全掲載作品数(一般)

1,232,070件

全体に占める割合

約0.4%

参考:「AI間接利用」を任意でキーワード付与している作品

約60件

この数字には次の限界があります。

  • APIのキーワード検索は部分一致のため、厳密な公式統計ではなく目安値です
  • 「AI間接利用」「AI補助的利用」「AI不使用」はキーワードに反映されないため、この数字からサイト全体のAI利用率は算出できません
  • 猶予期間中(〜8月31日)の途中経過であり、9月以降に大きく動く可能性があります

それでも読み取れることはあります。施行から約2か月で、本文にAI生成テキストをそのまま含むことを自己申告した作品が5,000件規模で可視化された、という事実です。これは「AI利用作品を探して読みたい読者」にとっても、「AI利用作品を避けて読みたい読者」にとっても、初めて実用的な絞り込み手段が用意されたことを意味します。開示義務化の効果は、まずこの検索性の変化として現れています。


他の投稿サイトとの違い

カクヨムの小説投稿ガイドライン変更を告知する公式お知らせ

出典: カクヨムからのお知らせ

比較項目

小説家になろう

カクヨム

アルファポリス

方針

開示の義務化

タグ付けの推奨

商用ルートで禁止

区分の切り方

4段階(創作工程のどこにAIが関与したか)

3タグ(本文中のAI生成の割合、目安50%)

AI生成作品か否かの2分

未対応時

2026年9月1日以降、投稿・編集が不可

特段の投稿制限はなし

コンテスト参加・出版申請の対象外

全編AI生成

投稿禁止(規約に明記)

明示的な投稿禁止規定は確認できず

商用ルートで禁止

企業への開示

規約第21条で制度化

明示規定は確認できず

直近の動き

2026年6月9日 必須化

2026年5月27日 投稿ガイドライン本体へ反映

2026年6月23日 ランキング仕様変更

カクヨムのタグは「AI本文利用(本文の大半・目安50%以上)」「AI本文一部利用(目安50%未満)」「AI補助利用(アイデア・資料・校正)」の3種類で、小説投稿ガイドラインに位置づけられています。なろうが「工程のどこで使ったか」で切るのに対し、カクヨムは「本文の何割がAI生成か」で切るため、同じ作品でも両サイトで判断のしかたが変わります。複数サイトに同じ作品を投稿している場合、片方の設定をそのまま流用できない点に注意が必要です。

アルファポリスは2025年11月18日に、生成AIを本文作成の主目的として利用した作品のコンテスト参加・出版申請を禁止しました。受賞・書籍化の打診後にAI生成作品と判明した場合は取りやめとする厳しい方針です(プロット検討や校正など補助的利用は対象外)。2026年6月23日には、同一著者による大量投稿がランキングを占拠する問題への対策として小説HOTランキングの仕様も変更しています。

3社の方針を並べると、「禁止」「推奨」「義務化」と対応は分かれているものの、AI利用を可視化する方向では一致していることが分かります。出版・メディア業界全体でAIの位置づけがどう動いているかは、メディア・出版業界のAI活用と著作権対策でも整理しています。


出版社・公募側も同じ方向に動いている

プラットフォームだけでなく、レーベル側の応募規定も同時期に整備が進んでいます。

代表例が第33回電撃小説大賞(KADOKAWA)です。2026年の応募要項では生成AI利用に関する規定が新設され、誤字脱字チェック・表現の調整・アイデア出しといった補助的な範囲のみ許容、本文執筆や物語構成の主要部分をAIが生成した場合は応募対象外とされました。さらにAIを利用した場合は、応募フォームの備考欄(カクヨム経由の応募では作品説明欄)に利用ツール名と利用目的を明記する必要があります。

つまり、なろうの4区分で言えば「AI補助的利用」までが公募の入口として想定されており、「AI直接使用」「AI間接利用」は応募先ごとに可否を確認する必要がある、という状況です。プラットフォームの開示義務化とレーベルの応募規定が同じ方向に収斂している以上、なろうでの設定内容は将来の応募・商業化の履歴として残ると考えておくのが現実的です。


特に急いだほうがいい人/対応が数分で終わる人

今すぐ着手すべき人

  • 連載中の作品を持っていて、まだ設定していない人:9月1日から更新が止まります
  • 作品数が10本を超える人:一括設定機能は公式に案内されていないため、1本ずつ作業する時間が必要です
  • 数か月先まで予約投稿を仕込むスタイルの人:未設定だと9月1日より先の予約が入れられません
  • 連載途中でAIの使い方が変わった人:現在の実態に合わせた区分へ更新する義務があります
  • コンテスト応募・書籍化打診を控えている人:設定内容が企業へ渡ります。虚偽設定のリスクが最も重くのしかかる層です
  • AI翻訳版の投稿を検討している人:扱えない言語への翻訳投稿は禁止行為に該当する可能性が高いとされています

対応が数分で終わる人

  • AIを一切使っていない人:「AI不使用」を選ぶだけです。読者への表示もありません(ただし設定自体は必須)
  • 検索AIの要約や自動校正が働いた程度の人:自分から回答を求めていなければ「AI不使用」で問題ないとされています
  • 2026年6月9日以降に初投稿する人:投稿フローに組み込まれているため、自然に設定が完了します
  • 読む専門のアカウント:投稿者向けの制度のため、対応は不要です

よくある質問

Q. 備考欄には何を書けばいいですか?

A. 「AI直接使用」「AI間接利用」を選んだ場合のみ、任意で入力できます。公式が示している記入例は「エピソード〇以降、本文内の一部記述にAIを使用しています。」「プロット作成にAIを使用しています。」といった具合に、どの範囲でどう使ったかを補足するものです。AI利用と関係のない宣伝・告知などを書くことは禁止されています。

Q. 設定を何度も変更すると問題になりますか?

A. 実態が変わったときに変更するのは義務です。一方で公式Q&Aは「過度な頻度でAI利用状況を変更する行為」を悪質なケースの例として挙げています。ランキング対策などを目的に短期間で切り替えるような使い方は避けるべきです。

Q. 自分のケースがどの区分になるか、運営に問い合わせれば教えてもらえますか?

A. 公式Q&A第一弾で、個別・具体的なケースの区分判定に関する問い合わせには原則回答しないと明言されています。判断は作者自身が行う設計です。迷う場合は、より開示度の高い区分(補助的利用より間接利用、間接利用より直接使用)に倒すほうが安全側になります。

Q. R18サイト(ミッドナイトノベルズ等)の作品も対象ですか?

A. 対象です。小説家になろうグループに投稿されるすべての作品が対象で、実際に「AI直接使用」の設定はR18側の作品にも付与されています。

Q. 全編AI生成かどうかは、どの程度の割合で判定されるのですか?

A. 定量的な閾値は公式に示されていません。運営がどのように検知・判定するかも非公開です。ガイドラインは「加筆・修正が極めて限定的であるなど、実質的に全編AI生成と判断できる場合」も運営対応の対象になり得るとしており、割合の線引きより「作者が構想し執筆した作品と言えるか」で見られると考えるのが妥当です。

Q. 9月1日を過ぎてから設定しても間に合いますか?

A. 更新はできなくなりますが、設定機能自体が使えなくなるとは公式に記載されていません。ただし設定作業の間は更新が止まるうえ、期限直前・直後はアクセス集中も想定されます。8月中に済ませるのが確実です。

Q. AIツールの選定から見直したい場合、何を基準にすればいいですか?

A. 補助的利用の範囲に留めたいなら、校正・資料調査に強く履歴管理ができるツールが向いています。用途別の比較は生成AIツールおすすめ比較、入力データの取り扱いに関する注意点は生成AIのセキュリティリスク対策で整理しています。


まとめ

  • 「小説家になろう」のAI利用状況設定は2026年6月9日から新規作品で必須2026年9月1日から既存作品を含む全作品で必須
  • 猶予の最終日は2026年8月31日。翌日からは未設定作品のエピソード投稿・作品情報編集ができなくなる
  • AIを使っていない作家も「AI不使用」の設定が必要。対応不要な人は「投稿しない人」だけ
  • 区分の入口は「自分の意志で主体的・能動的にAIに回答を求めたか」。検索AIの要約や自動校正は原則「AI不使用」
  • キーワード欄に自動反映されるのは「AI直接使用」のみ。ただし全区分がコンテスト・商業化時に企業へ開示される
  • 誤設定への運営対応は段階的だが、虚偽設定による賠償リスクは運営対応とは別に作者側に残る
  • 施行から約2か月で「AI直接使用」を申告した作品は約5,282件(全体の約0.4%、2026年8月4日 API集計の目安値)
  • 期限の延長・緩和は2026年8月4日時点でアナウンスされていない

この制度が求めているのは「AIを使わないこと」ではなく「どう使ったかを正直に示すこと」です。作業自体は1作品あたり数分で終わります。手元の作品を一度棚卸しして、8月中に設定を完了させておくことが最優先の対応になります。


公式情報・参照リンク

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この記事の著者

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編集部

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