ビジネス活用2026年8月更新

地域支援体制加算の点数・要件【2026年改定】在宅24回をAIで達成する実務手順

公開日: 2026/02/03
更新日: 2026/08/29
地域支援体制加算の点数・要件【2026年改定】在宅24回をAIで達成する実務手順

この記事のポイント

2026年6月施行の令和8年度改定で地域支援体制加算は「地域支援・医薬品供給対応体制加算」へ再編されました。加算1〜5の点数27〜67点と施設基準、実績要件9項目を厚労省資料で整理し、必須要件の在宅24回を生成AIとAIエージェントで達成する日次オペレーションと月次の逆算ロードマップを解説します。

地域支援体制加算は2026年6月施行の令和8年度調剤報酬改定で「地域支援・医薬品供給対応体制加算」へ再編され、加算1(27点)を土台に加算2〜5(37〜67点)を積み上げる5区分構造になりました。最大の壁だった在宅24回は実績要件⑥として残り、調剤基本料1以外の薬局が加算4を算定するには依然として必須です。

ここでは厚生労働省の改定資料と届出様式をもとに新しい点数・施設基準・実績要件を整理したうえで、生成AIとAIエージェントを使って在宅24回を積み上げる日次オペレーションと、小規模薬局向けの逆算ロードマップまで具体的に解説します。

地域支援体制加算は「地域支援・医薬品供給対応体制加算」へ再編された

令和8年度調剤報酬改定では、後発医薬品調剤体制加算が廃止され、地域支援体制加算と統合するかたちで地域支援・医薬品供給対応体制加算が新設されました。点数は次のように変わっています。

改定前(令和6年度)

改定後(令和8年度・2026年6月1日〜)

対象薬局

—(新設)

地域支援・医薬品供給対応体制加算1 27点

調剤基本料の区分を問わない

地域支援体制加算1 32点

地域支援・医薬品供給対応体制加算2 59点

調剤基本料1

地域支援体制加算2 40点

地域支援・医薬品供給対応体制加算3 67点

調剤基本料1

地域支援体制加算3 10点

地域支援・医薬品供給対応体制加算4 37点

調剤基本料1以外

地域支援体制加算4 32点

地域支援・医薬品供給対応体制加算5 59点

調剤基本料1以外

令和8年度調剤報酬改定における地域支援体制加算の見直しと新旧点数の対比

出典: 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」

旧制度の加算3が10点→37点、加算4が32点→59点と、調剤基本料1以外の薬局で伸び幅が大きいのが今回の特徴です。後発医薬品調剤体制加算(21〜30点)が消えたぶんを新加算に寄せた再設計と読むとつじつまが合います。

押さえるべき変更点は3つ

  • 加算1(27点)が新設され、全区分の土台になった — 医薬品の安定供給体制と後発医薬品調剤割合85%以上が要件。加算2〜5は「加算1の要件+地域医療への貢献要件」という二層構造で届け出る
  • 後発医薬品調剤体制加算が廃止 — 後発品の使用割合は新加算の基礎要件に吸収された
  • 実績要件が10項目から9項目に整理 — かかりつけ薬剤師指導料の廃止に伴い、④が「服薬管理指導料1のイ及び2のイ」に置き換わった

特別調剤基本料Aを算定する薬局は所定点数の100分の10になります。届出様式の調剤基本料区分に特別調剤基本料Bの選択肢はなく、実質的に対象外です。

後発品85%に届かない薬局への経過措置

令和8年3月31日時点で後発医薬品調剤体制加算1・2・3の届出を行っていた薬局は、令和9年5月31日までの間に限り、加算1の施設基準のうち後発医薬品調剤割合85%以上の要件に該当するものとみなされます。旧加算1(80%以上)で届け出ていた薬局は、この猶予期間のうちに85%まで引き上げる算段が必要です。

施設基準と実績要件を令和8年度版で整理する

新加算の施設基準は11項目の体制要件と、その筆頭に置かれた「地域医療に貢献する体制を有することを示す実績」で構成されます。

実績要件9項目と必要な項目数

①〜⑧は処方箋1万枚当たりの年間回数、⑨は薬局当たりの年間回数で判定します。直近1年間の処方箋受付回数が1万回未満の薬局は、1万回とみなして計算します。

実績要件

調剤基本料1

調剤基本料1以外

①夜間・休日等の対応実績

40回以上

400回以上

②麻薬の調剤実績

1回以上

10回以上

③調剤時残薬調整加算・薬学的有害事象等防止加算の算定実績

20回以上

40回以上

④服薬管理指導料1のイ及び2のイ(かかりつけ薬剤師)の算定実績

20回以上

40回以上

⑤外来服薬支援料1の実績

1回以上

12回以上

⑥単一建物診療患者が1人の在宅薬剤管理の実績

24回以上

24回以上

⑦服薬情報等提供料に相当する実績

30回以上

60回以上

⑧小児特定加算の算定実績

1回以上

1回以上

⑨研修認定を取得した薬剤師の多職種連携会議への出席

1回以上

5回以上

区分ごとに必要な項目数は次のとおりです。

区分

点数

必要な実績項目

加算2(調剤基本料1)

59点

④を含む3つ以上

加算3(調剤基本料1)

67点

①〜⑨のうち7つ以上

加算4(調剤基本料1以外)

37点

④と⑥を含む3つ以上

加算5(調剤基本料1以外)

59点

①〜⑨のうち7つ以上

地域支援・医薬品供給対応体制加算の施設基準と実績要件9項目の一覧

出典: 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」

加算4は⑥(在宅24回)が名指しで必須。加算3・5も9項目中7つを求められるため、⑥を落とすと現実的に届きません。要件の読み解き方は地域支援体制加算の要件をわかりやすく解説|在宅24回の実績を満たすためのポイントでも整理しています。

体制要件で新しく増えた項目

  • 調剤室の面積16平方メートル以上(令和8年6月以降に開設・改築・増築する薬局のみ適用)
  • セルフメディケーション関連機器を少なくとも3つ設置(体重計・体温計・血圧測定器・体組成計・パルスオキシメータ・握力計・骨密度測定器・心電計から選択)
  • 薬事未承認の研究用試薬・検査サービスを提供していないこと
  • 医薬品の安定供給側では、単品単価交渉の実施、頻回配送・急配の抑制、在庫調整目的の返品の抑制が明記された

令和6年度改定で入った緊急避妊薬対応・OTC販売体制(48薬効群)・敷地内禁煙とたばこ販売禁止は引き続き要件です。

実績の判断期間と届出スケジュール

ここを外すと1年待つことになります。

項目

取扱い

実績要件の判断期間

前年5月1日〜当年4月末日の1年間(毎年5月に判断)

後発医薬品調剤割合

直近3か月の実績

適用期間

当年6月1日〜翌年5月末日

届出

新設加算のため改めて届出が必要(令和8年6月1日算定分は令和8年5月7日〜6月1日必着)

使用様式

様式87の3の1(体制)+様式87の3の2(実績)

つまり2027年6月からの算定を狙うなら、実績のカウント期間は2026年5月1日〜2027年4月30日。逆算すると、いま動き出せるかどうかがそのまま来年の点数に直結します。

在宅24回要件の中身とカウント方法

「在宅24回」と呼ばれるものは、実は施設基準のなかに2か所あります。混同すると届出でつまずくので分けて理解してください。

体制要件(4)ハ

実績要件⑥

位置づけ

在宅医療を行うための連携体制等の対応

地域医療に貢献する体制を示す実績

回数

在宅薬剤管理の実績24回以上

24回以上(加算の区分によらず)

数え方

薬局当たりの年間回数

処方箋1万枚当たりの年間回数

対象

在宅薬剤管理の実績全般

単一建物診療患者または単一建物居住者が1人の場合に限る

実績要件⑥が「単一建物1人」に限定されている点が最大のポイントです。高齢者施設にまとめて訪問して回数を稼いでも、⑥にはカウントされません。個人宅の患者を確保できるかどうかが勝負どころになります。

何を足して24回にするか

届出様式87の3の1では、在宅薬剤管理の実績を次の4つの合計で記載します。

  1. 在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料の算定実績(情報通信機器を用いた場合を除く)
  2. 居宅療養管理指導費および介護予防居宅療養管理指導費の算定実績(同じく情報通信機器を用いた場合を除く)
  3. 1・2について、在宅協力薬局として連携した場合の実績
  4. 1・2について、同等の業務を行った場合の実績

オンラインでの服薬管理指導は数えられない一方、在宅協力薬局として引き受けた訪問は数えられます。単独で件数を積むのが難しい薬局は、近隣薬局との連携で上積みできる余地があると理解してください。

在宅まわりの改定も同時に押さえる

令和8年度改定は在宅の算定ルール自体も動いています。

  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定間隔が「中6日以上」から「週1回」へ見直され、月内のスケジュールが組みやすくなった
  • 訪問薬剤管理医師同時指導料150点を新設(医師と薬剤師が患家へ同時訪問した場合)
  • 複数名薬剤管理指導訪問料300点を新設
  • 在宅薬学総合体制加算1が15点→30点、加算2は個人宅(単一建物診療患者1人)100点/それ以外50点に区分
  • 在宅患者オンライン薬剤管理指導料は服薬管理指導料に一本化
在宅薬学総合体制加算の令和8年度改定後の要件と点数

出典: 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」

個人宅の訪問が100点で評価されるようになったことで、⑥のカウント対象と在宅薬学総合体制加算2イの対象が重なります。個人宅を取りにいく動きは、加算の面でも二重に効きます。具体的な体制づくりは地域支援体制加算を達成するための実践対策|在宅24回を確保する仕組みづくりで詳しく扱っています。

小規模薬局が在宅24回に届かない3つの理由

年24回は月平均2件。数字だけ見れば軽く見えますが、達成できない薬局には共通した構造があります。

1. 常勤薬剤師1人で外来と訪問を両立できない

外来処方を止めて訪問に出ることは物理的に不可能で、急な依頼があっても動ける人がいない状態が常態化します。

2. 在宅専従の正社員採用は固定費リスクが大きい

在宅件数がまだ少ない段階で薬剤師を新規採用すると人件費が固定化し、投資回収の見通しが立ちません。

3. 訪問依頼が不規則で計画に乗らない

月初に集中する、突発で発生するなど波があり、常勤のシフトとぶつかります。断り続けるうちに紹介そのものが止まる悪循環に入ります。

原因は「やる気」ではなく人手・固定費・不規則性という構造にあります。だからこそ、業務量をAIで圧縮し、人は必要なときだけ確保するという打ち手が効きます。人材面の選択肢は在宅24回が回らない小規模薬局へ|地域支援体制加算を外部リソースで補う方法にまとめています。

在宅24回をAIで積み上げる日次オペレーション

抽象論ではなく、明日から回せる手順に落とします。以下は薬局の1日・1週間・1か月の業務にAIを差し込む具体的な流れです。

Step 1. 対象患者の抽出(週1回・30分)

レセコンや電子薬歴から「個人宅で服薬管理に支援が要りそうな患者」を洗い出します。抽出条件をAIに固定させておくと属人化しません。

  • 6剤以上の多剤服用、または一包化を依頼している
  • 要介護認定を受けている、または75歳以上の独居
  • 直近3か月で残薬調整・服薬状況の聞き取りが発生している
  • 家族が代理来局している

CSVで出した患者一覧をChatGPTやClaudeに渡し、「上記条件のいずれか2つ以上に該当する患者を優先度順に並べ、声かけの理由を1行で添えて」と指示すれば、その週にアプローチする10〜15名の候補リストがすぐ出ます。個人を特定する情報は入力せず、患者IDと属性値だけを渡すのが前提です。

Step 2. 医師・ケアマネへの依頼と同意取得(随時)

在宅は薬局単独では始まりません。訪問の指示を出す医師と、サービス調整を行うケアマネジャーへの説明資料が要ります。

  • 医師向けの「訪問薬剤管理指導の依頼書」ドラフトをAIに雛形化させ、患者ごとの状況だけ差し替える
  • ケアマネ向けに、薬局が何をするか・費用がいくらかを1枚にまとめた説明資料を用意する
  • 患者・家族向けの同意説明文(負担額、訪問頻度、緊急時の連絡先)をやさしい日本語に変換させる

令和8年度改定で、初回の訪問時に連絡先電話番号や緊急時の注意事項を文書で交付することが明記されました。この交付文書のテンプレート化はAIが最も得意な領域です。

Step 3. 訪問スケジューリング(週1回・15分)

算定間隔が「週1回」に整理されたことで、曜日固定の巡回が組みやすくなりました。

  • 患者の住所リストから訪問ルート案を作らせ、外来が薄い曜日・時間帯に寄せる
  • 「今月あと何件必要か」を先に決め、空き枠に患者を割り当てる
  • 訪問予定をカレンダーに反映し、前日リマインドを自動送信する

ここまでをZapierやMakeなどのノーコードツールとつなぐと、スプレッドシートの更新だけで予定表・リマインドまで動きます。

Step 4. 記録とレセプト連携(訪問当日・1件5分)

訪問記録が滞ると、算定漏れがそのまま実績の取りこぼしになります。

  • 訪問先で服薬指導の音声を録音し、生成AI搭載の電子薬歴でSOAP形式の下書きを自動生成する
  • 薬剤師が下書きを確認・修正して確定(AIの生成内容は必ず目視確認。ハルシネーション対策として省略しない)
  • 算定した項目(在宅患者訪問薬剤管理指導料か居宅療養管理指導費か、単一建物の人数区分)を記録時点でタグ付けする
  • 医師への報告書はAI下書き+薬剤師確認で当日中に送る

単一建物の人数区分を訪問当日にタグ付けしておくことが、後の⑥の集計を一気に楽にします。

Step 5. 進捗モニタリング(月初・20分)

月初に、実績が要件ラインに乗っているかを確認します。

  • 当月までの累計回数を、①医療保険分 ②介護保険分 ③在宅協力薬局分 に分けて集計
  • 直近1年の処方箋受付回数を確認し、1万枚換算での必要回数を算出(1万回未満は1万回とみなす)
  • 不足が見込まれる場合、追加訪問できる患者と必要な人員を洗い出す
  • 届出様式87の3の2に転記できる形式で出力する

AIエージェントの考え方そのものはAIエージェントとは、生成AIの業務利用の基礎は生成AIとはを参照してください。薬局全体のAI活用事例は薬局のAI活用事例|調剤・在庫管理・接客への導入ガイドにまとめています。

小規模薬局の24回達成ロードマップ|月次目標を逆算する

判断期間が「前年5月1日〜当年4月末日」と決まっている以上、24回は年度末に慌てて積むものではなく、月次で管理するものです。

まず必要回数を確定させる

実績要件⑥は処方箋1万枚当たりの回数なので、受付回数が多い薬局ほどハードルが上がります。

直近1年の処方箋受付回数

必要な⑥の実績

月あたりの目安

個人宅患者数の目安(月1回訪問)

1万回未満(1万回とみなす)

24回

2回

2名

1万5,000回

36回

3回

3名

2万回

48回

4回

4名

3万回

72回

6回

6名

1名を月2回訪問すれば年24回に届きますが、入院・転居・逝去で1名欠けると即アウトになります。必要数の1.5倍の患者を確保しておくのが実務上の安全ラインです。

12か月の逆算スケジュール(年24回・受付1万回未満の薬局)

期間

月次目標

累計目標

この時期にやること

5〜7月

月1〜2回

6回

近隣の在宅医・ケアマネ3〜5件へ挨拶。抽出リストから患者2名の同意を取得

8〜10月

月2回

12回

訪問曜日を固定。AI薬歴で記録時間を短縮し、1件あたりの負荷を確定させる

11〜1月

月2回

18回

患者を4名まで積み増し、欠員リスクに備える。在宅協力薬局の連携先を1件確保

2〜4月

月2回+不足分

24回

集計を締め、様式87の3の2に転記。不足があればスポット訪問と連携分で補填

遅れたときのリカバリ

  • 10月末で累計10回未満なら、患者数が足りていないと判断して紹介元を増やす
  • 1〜2月に不足が確定したら、在宅協力薬局としての受け入れを申し出て連携分を積む
  • 常勤だけで回らないなら、訪問日にスポットで薬剤師を確保する。人手確保の手段は小規模薬局の人手不足をスキマバイトで解消する方法で整理しています

年度末に追い込むより、8〜10月の時点で「月2回が回る型」を作れているかどうかが分かれ目です。

薬局で使えるAIツールと選ぶときの比較ポイント

在宅の実務に効くツールを目的別に整理します。

ツール / サービス

主な用途

強み

価格イメージ

メディコム 生成AI薬歴入力支援(ウィーメックス)

SOAP薬歴の自動生成

既存メディコム連携・医療情報の取扱いガイドライン準拠

既存システム+オプション

P-POS AI薬歴入力オプション(ユニケソフトウェアリサーチ)

SOAP指導文の自動生成

ユニケユーザー向けの公式機能

既存システム+オプション

iproud(ノアメディカルシステム)

AI搭載電子薬歴

監査支援・指導内容の提案

月額制(要見積)

CARADA電子薬歴 Solamichi

クラウド電子薬歴+AI記載支援

訪問先のPC・タブレットからも利用しやすい

月額制

ChatGPT(OpenAI)

文書作成・集計・報告書ドラフト

表形式の集計と日本語文書の作成に強い

無料〜月20ドル前後

Claude(Anthropic)

長文資料の要約・通知や告示の読み解き

長文処理に強く、改定通知の整理に向く

無料〜月20ドル前後

保険薬局向けオールインワンプラットフォーム(三菱電機デジタルイノベーション×mediLab)

レセコン×電子薬歴の統合

処方受付から薬歴作成までAIエージェントが支援。2026年度中のサービス提供開始を目指すと公表

未公表

比較ポイントは4つ

  1. 既存レセコン・電子薬歴と連携できるか — 二重入力が発生すると、時間短縮の効果が消えます
  2. 医療情報の取扱いに関するガイドラインへの対応 — 患者情報を扱う以上、事業者側の準拠状況の確認は必須です
  3. 訪問先から使えるか — 在宅で効かせたいなら、クラウド/モバイル対応かどうかが分岐点になります
  4. 実績集計まで出せるか — 訪問記録が届出様式に転記できる形で出てくるかどうかで、5月の作業量が変わります

汎用AIの基礎はClaudeとは、薬局のデータ活用の進め方は薬局経営を安定化させる業務改善とデータ活用の仕組みとは、DX全体像は大手薬局におけるDX化とは?が参考になります。

こんな薬局におすすめ

取り組む価値が大きい薬局

  • 調剤基本料1以外で加算4(37点)を狙う薬局。⑥の在宅24回が必須要件のため、着手が早いほど有利
  • 在宅を始めているが、月によって訪問件数が0になる薬局
  • 薬歴記載に1件あたり4分以上かかっており、対人業務に時間を割けない薬局
  • 常勤薬剤師1〜2名で、在宅に出たいが外来を止められない薬局
  • 後発医薬品調剤割合が80%台前半で、令和9年5月末の経過措置期限までに85%へ引き上げたい薬局

急がなくてよい薬局

  • すでに個人宅の在宅件数が年30回以上あり、現行体制で届出が安定している薬局
  • 全社一斉導入でないと意思決定が進まない、チェーン本部の検討段階にある法人
  • 患者情報の外部送信について現場と経営の合意が取れていない法人

いずれの場合も、まずはAI薬歴の1機能、または汎用AIでの文書作成から始め、効果が見えてから範囲を広げるのが安全です。

AI導入の進め方|小さく始めて段階拡張する

  1. 薬歴記載のAI下書き化(1〜2か月) — 既存電子薬歴の生成AIオプションを最初に追加する。効果が最も見えやすい
  2. 汎用AIの社内利用ガイド作成(1か月) — 患者情報の入力可否を明文化し、文書作成・要約から始める
  3. 24回モニタリングの構築(1か月) — スプレッドシート+AIで、医療保険分・介護保険分・連携分を分けて集計する
  4. 訪問枠の補完(継続) — 不足が見えた時点でスポット人材を手配する運用に切り替える
  5. ワークフローの統合(半年〜) — レセコン統合型のAIエージェントサービスを評価し、段階的に置き換える

月10万円程度で効果検証し、成果が出た領域から広げる進め方が、加算の追加収益で回収しやすく現実的です。

よくある質問

Q. 旧「地域支援体制加算」を届け出ていれば、自動的に新加算に移行しますか?

A. 移行しません。地域支援・医薬品供給対応体制加算は新設の施設基準にあたるため、算定するには改めて届出が必要です。令和8年6月1日からの算定分は、令和8年5月7日〜6月1日必着で地方厚生(支)局への提出が求められました。次の機会は毎年5月の判断・6月適用のサイクルになります。

Q. 在宅24回にオンライン服薬指導は含められますか?

A. 含められません。届出様式では情報通信機器を用いた場合を除くと明記されています。一方、在宅協力薬局として連携して行った訪問は実績に含められます。

Q. 施設に入居している複数の患者を訪問した場合、実績要件⑥に数えられますか?

A. 実績要件⑥は「単一建物診療患者または単一建物居住者が1人の場合に限る」とされているため、同一建物に複数人が入居しているケースは対象外です。体制要件(4)ハの24回とは対象範囲が異なる点に注意してください。

Q. 後発医薬品85%の要件に届いていません。すぐに算定できなくなりますか?

A. 令和8年3月31日時点で後発医薬品調剤体制加算1・2・3を届け出ていた薬局は、令和9年5月31日までの間に限り、この要件に該当するものとみなされます。猶予期間中に採用品目の切り替えを進めてください。

Q. ChatGPTやClaudeに患者情報を入力してもよいですか?

A. 氏名・生年月日・住所などの直接識別できる情報は一般向けのチャットに入力しないでください。患者情報を扱う場合は、法人向けのセキュアなプラン、または医療情報の取扱いに関するガイドラインへの準拠を明示している医療向けサービスを使うのが原則です。患者IDと属性値だけを渡す運用にすれば、抽出や集計は十分に回せます。

Q. AIが作成した薬歴はそのまま確定してよいですか?

A. 確定してはいけません。生成AIは事実と異なる内容を作り出すことがあるため、薬剤師が全文を確認し、必要な修正を加えたうえで確定させる運用を必ず組み込んでください。AIの役割は下書きの作成までです。

Q. 小規模薬局でもAIエージェントを自前で組めますか?

A. 訪問予定の通知、実績の月次集計、報告書ドラフトの作成といった範囲であれば、汎用AIとノーコードの自動化ツールの組み合わせで構築できます。レセコンと薬歴を統合した本格的な仕組みは、三菱電機デジタルイノベーションとmediLabが2026年度中の提供開始を目指すプラットフォームなど、専用サービスの登場を待つ選択肢もあります。

在宅24回は「気合い」ではなく設計で越える

令和8年度改定で地域支援体制加算は地域支援・医薬品供給対応体制加算へ再編され、点数は加算1の27点を土台に最大67点まで積み上がる構造になりました。調剤基本料1以外の薬局が加算4を取るには在宅24回が必須で、加算3・5でも9項目中7つが求められる以上、在宅の実績づくりを避けて通れる薬局はほとんどありません。

判断期間は前年5月1日から当年4月末日。個人宅の患者を2〜4名確保し、月2回のペースを12か月維持できれば数字は届きます。そのために必要なのは、対象患者の抽出・同意取得・スケジューリング・記録・月次モニタリングという5つの工程を、毎月同じ手順で回せる状態にすることです。生成AIは記録と集計の時間を圧縮し、AIエージェントは工程のつなぎ目を自動化します。訪問そのものに人手が足りないときは、外部リソースで補う設計に切り替えれば固定費を抱えずに済みます。

AI革命株式会社では、薬局現場の運用設計とAIツールの選定・導入支援、人材活用までをまとめてご支援しています。「在宅24回に届かない」「新加算の届出に間に合わせたい」という薬局様は、AIと外部リソースを組み合わせた体制づくりをご検討ください。

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