ElevenLabs Music v2とは?ジャンル切り替え・料金50%値下げ・Suno/Udio比較【2026年10月最新・v2.5対応】

この記事のポイント
ElevenLabs Music v2は1曲の中でジャンルを切り替えられる音楽生成AIで、発表と同時にAPI料金を最大50%値下げしました。最新のv2.5との違い、API単価$0.15/分、プラン別の商用利用条件、Suno v6・Udioとの比較を公式情報をもとに整理します。
ElevenLabs Music v2は、音声AI企業ElevenLabsが2026年5月26日に発表した音楽生成AIの第2世代モデルです。1曲の中でジャンルを切り替える機能と、APIで最大50%・ElevenCreativeで最大40%の値下げを同時に打ち出しました。
その後、2026年6月15日にAPIでの提供が始まり、9月11日には後継のMusic v2.5が出ています。現在、アプリ「ElevenMusic」の既定モデルはv2.5です。v2も引き続き使えます。
この記事では次のことがわかります。
- Music v2の新機能と、v2.5で何が変わったか
- ElevenMusic・ElevenCreative・ElevenAPIの使い分け
- 料金(サブスクとAPI単価$0.15/分)と、プランごとの商用利用の条件
- Suno v6・Udioとの違い
- できないこと、おすすめの人・おすすめしない人
BGMや広告音楽、動画・ゲーム用の曲を作るクリエイター、商用の曲をまとめて用意したい企業の担当者、自社サービスに音楽生成を組み込みたい開発者に向けた記事です。
ElevenLabs Music v2とは?

ElevenLabs Music v2は、テキストの指示から歌入りの曲やインストゥルメンタルを作る音楽生成モデルです。公式は「すべてのジャンルでボーカル・楽器・アレンジを改善し、多言語対応も強化した」と説明しています。
もうひとつの特徴は権利の扱いです。公式ブログでは、Music v2はアーティスト・レーベル・音楽出版社と協力して作られ、商用利用向けに権利処理済み(cleared for commercial use)とされています。v2の発表でライセンス提携先として名前が挙がっているのはBelieveです。初代のv1を出した2025年には、Merlin・Kobaltとのライセンス契約もBillboardが報じていました。
ElevenLabsはもともと、テキスト読み上げ(TTS)や声のクローンで知られる会社です。2025年8月に初代のEleven Music(Music v1)を出し、2026年4月には音楽アプリ「ElevenMusic」のiOS版を公開しました。Music v2はその流れで出た第2世代にあたります。
時期 | 出来事 |
|---|---|
2025年8月 | Eleven Music(Music v1)提供開始 |
2026年4月2日 | 音楽アプリ「ElevenMusic」iOS版を公開 |
2026年5月26日 | Music v2発表。API最大50%・ElevenCreative最大40%の値下げ |
2026年6月15日 | Music v2がAPIで使えるように( |
2026年7月20日 | Music Finetunes API を追加 |
2026年9月10日 | Universal Music Group(UMG)と複数年の戦略提携を発表 |
2026年9月11日 | Music v2.5発表。ElevenMusicの既定モデルに |
2026年9月14日 | APIがv2.5に対応( |
2026年10月19日 | 動画に合わせてBGMを作る Video to Music API を追加 |
会社の規模については、2026年2月にSequoia主導で5億ドルを調達し、評価額は約110億ドルと報じられています。年間売上(ARR)も5億ドル規模と報じられていますが、いずれも公式の開示ではありません。
なお、UMGとの提携について公式は「Music v2.5とは別の取り組み」と明言しています。v2やv2.5の学習にUMGの楽曲が使われたという意味ではありません。
生成AIの全体像から知りたい方は、生成AIとは?仕組みと活用をわかりやすく解説を先に読むとつかみやすくなります。
Music v2の4大新機能

Music v2で大きく変わったのは、曲の一部だけを狙って作り直せるようになった点です。ジャンル切り替え、区間の作り直し、セクションごとの作曲、効果音の配置の4つが中心になります。
1. ミッドトラックジャンル切り替え(Mid-track Genre Transition)
1曲の中でジャンルを移り変わらせる機能です。公式は「1曲がオペラからヘビーメタルへ行き、また戻ってくることもできる」と紹介しています。
- オペラ → ヘビーメタル → オペラ
- ラップ → ポップ → フラメンコ
途中で曲調が変わる演出は、これまでは何度も全体を作り直すか、別々に作った曲を編集でつなぐしかありませんでした。v2では、プロンプトで切り替えを指示して1曲として生成できます。早口のラップや、詰め込んだ歌詞の歌唱にも強くなったと公式は説明しています。
2. インペインティング(区間を選んで作り直す)
曲の中の区間を選び、そこだけを作り直す機能です。ブリッジだけ、サビの終わりだけを差し替え、ほかの部分はそのまま残せます。v1にもあった機能ですが、v2で精度が上がりました。
3. セクション単位の作曲(Section-by-section Composition)
イントロ、Aメロ、サビ、ブリッジ、アウトロを個別に作り、全体のつながりを保ったまま組み立てる方法です。「サビだけ別案を試したい」「アウトロを延ばしたい」といった細かい直しがしやすく、BGMや広告音楽の調整に向いています。
APIでは「作曲プラン(composition plan)」として、セクションごとの指示をまとめて渡せます。
4. 効果音の埋め込み(Non-musical Sound Effects)
雨音や足音、機械音のような音楽ではない効果音を、曲の中に置ける機能です。映像やゲーム、ポッドキャスト用の曲で、BGMと効果音を一緒に作りたいときに使えます。
そのほかの改善点
- ボーカル・楽器・アレンジの品質向上(全ジャンル)
- 多言語の歌唱を強化。公式ドキュメントには英語・スペイン語・ドイツ語と並んで日本語が明記されている
- Audio Reference: 30秒ほどの参考音源をアップロードすると、音作りや楽器、テンポ、雰囲気を寄せて作れる(v2・v2.5、有料プラン)。コピーやリミックスをする機能ではなく、公式は「ジャズをラップに変えるようなジャンル変換には向かない」と注意している
- 長さは3秒〜5分。出力はMP3(44.1kHz、128〜192kbps)またはWAV
Music v2.5との違い(2026年9月の最新モデル)

出典: ElevenLabs 公式 ElevenMusic ページ
2026年10月時点で、ElevenLabsの最新の音楽モデルはMusic v2.5です。公式ドキュメントでは「v2をもとに、音質とプロンプトへの忠実さを高めた最上位のモデル」とされています。v2は引き続き選べます。
比較項目 | Music v1 | Music v2 | Music v2.5 |
|---|---|---|---|
公開時期 | 2025年8月 | 2026年5月26日 | 2026年9月11日 |
位置づけ | 初代 | 第2世代 | 現時点の最上位 |
ジャンル切り替え | 公式の打ち出しなし | 対応 | 対応 |
音の厚み・楽器の自然さ | — | v1より向上 | v2よりさらに向上(公式) |
Audio Reference | — | 対応 | 対応 |
APIのモデルID | v1(API既定) |
|
|
ElevenMusicアプリの既定 | — | 以前の既定 | 現在の既定 |
v2.5について公式は「曲がより重層的で複雑になり、楽器の音もより自然になった」と説明しています。同じプロンプトでv2とv2.5の曲を並べる比較テストを47,885組行い、v2.5のほうが過半数で好まれたそうです。差が大きかったジャンルは、R&B・ソウル・ヒップホップ・ロック・メタル・オーケストラ・映画音楽でした。ただし、これはElevenLabs自身のテストで、勝率の具体的な数字は公表されていません。
どちらを選ぶか
- これから使い始めるなら、基本はv2.5で問題ありません
- v2で作った曲と同じ雰囲気をそろえたい、APIの結果が変わるのを避けたいといった事情があれば、v2を指定し続ける選び方もあります
3つのプラットフォームの違い(ElevenMusic / ElevenCreative / ElevenAPI)

ElevenLabsの音楽生成には3つの使い方があります。個人で曲を作るならElevenMusic、広告やブランドの曲ならElevenCreative、自社のサービスに組み込むならElevenAPIです。2026年10月時点では、3つともv2.5に対応しています。
プラットフォーム | 主な対象 | 内容 | 状況(2026年10月時点) |
|---|---|---|---|
ElevenMusic | 個人 | 曲を作る・聴く・リミックスするアプリ。Web / iOS | 提供中。既定はv2.5 |
ElevenCreative | 企業・ブランド・広告代理店 | 雰囲気・ジャンル・テンポ・ブランドのトーンを指定して広告やブランド用の曲を作る。Finetuneもここで使う | 提供中。v2.5対応 |
ElevenAPI | 開発者 | 生成、ストリーミング、区間の作り直し、参考音源合わせ、作曲プランをAPIで使う | 提供中。v2は6月15日、v2.5は9月14日から |
使い分けの目安
- 個人でBGMや試作曲を作りたい → ElevenMusic
- 広告・ブランド動画の曲を、商用で使える形でまとめて用意したい → ElevenCreative
- 自社アプリや動画編集サービスに音楽生成を組み込みたい → ElevenAPI
ElevenAPIで使うときに注意したいこと
v2の発表時点(5月26日)ではAPIは「coming soon」でしたが、現在は使えます。実装で一番つまずきやすいのは既定のモデルです。
- 公式ドキュメントによると、APIの既定は移行期間中v1のままです。
model_idを書かずに呼ぶと、v1で生成されます - v2を使うなら
model_id="music_v2"、v2.5ならmodel_id="music_v2_5"を明示してください - 作曲プランの書き方はv1と違います。v2以降はチャンク単位(
GenerationChunk/AudioRefChunk)で指示し、v1のMusicPromptはv1専用です - v1を廃止するときは、少なくとも数か月前に告知すると公式は説明しています
v2以降に追加された主なAPI機能は次のとおりです。
追加日 | 内容 |
|---|---|
2026年7月6日 | 詳細なメタデータ付きのストリーミング |
2026年7月20日 | Music Finetunes API(自分用のモデルの作成・管理) |
2026年8月31日 | 波形データの取得( |
2026年10月19日 | Video to Music API(動画を最大10本渡すとBGMを作る)。 |
2026年10月19日 | Zero Retention Mode(ログを残さない設定)が音楽生成・作曲プラン・ステム分離・Video to Musicに対応 |
料金・プランと50%値下げの詳細(2026年10月時点)

料金の払い方は3種類あります。ElevenLabs本体のサブスクリプション、APIの従量課金、個人向けアプリElevenMusicの課金です。APIの音楽単価は、2026年10月25日時点の公式料金ページで全プラン共通$0.15/分です。
ElevenLabs 月額サブスクリプション
ElevenLabsのサブスクリプションは音楽専用ではなく、TTSや声のクローンと共通です。料金ページによると、Eleven Musicは1分あたり900クレジットを使い、クレジットはほかの機能と共有されます。
プラン | 月額 | 年払い時の月額換算 | クレジット/月 | 席数 |
|---|---|---|---|---|
Free | $0 | — | 10,000 | — |
Starter | $6(10月時点で初月$1の期間限定表示あり) | $5 | 30,000 | — |
Creator | $22(初月$11の割引表示あり) | $18.33 | 121,000 | — |
Pro | $99 | $82.50 | 600,000 | — |
Scale | $299 | $249.17 | 180万 | 3 |
Business | $990 | $825 | 600万 | 10 |
Enterprise | 個別見積もり | — | 個別 | 個別 |
※価格はUSD・税別。初月割引やキャンペーンの表示はよく変わるため、契約前にElevenLabs公式料金ページで確かめてください。
Music v2と同時発表の値下げと、APIの単価
Music v2の発表と同時に、ElevenLabsは音楽生成の料金を下げました。公式ブログの原文は「Music v1とMusic v2の料金を、ElevenAPIで最大50%、ElevenCreativeのセルフサービス利用で最大40%引き下げた」です。
対象 | 値下げ幅(公式) | 現在の単価(2026年10月時点・公式) |
|---|---|---|
ElevenAPI(Music v1・v2) | 最大50% | $0.15/分(全プラン共通、1曲最大5分) |
ElevenCreative(セルフサービス) | 最大40% | サブスクのクレジットで消費(900クレジット/分) |
Finetune(API) | — | $1.50/回 |
値下げ前のAPI単価は、公式の数字を確認できませんでした。この記事では値下げ幅と現在の単価だけを載せています。
APIの単価をもとにすると、1曲あたりの費用は次のくらいです。
曲の長さ | API料金の目安 |
|---|---|
30秒(CM・ショート動画) | 約$0.08 |
2分(BGM) | $0.30 |
3分(1曲分) | $0.45 |
5分(上限) | $0.75 |
作り直しや区間の再生成を重ねると、その分も課金されます。採用する1曲の何倍か生成する前提で見積もると、実際の費用に近くなります。
APIの料金ページには、各プランに含まれる音楽の分数も載っています(Free・従量課金で3分、Starter 40分、Creator 147分、Pro 660分、Scale 1,993分、Business 6,600分)。
ElevenMusicアプリ(個人向け)の料金
アプリのElevenMusicは、ElevenLabs本体とは別の課金です。
- Free: 1日5曲まで生成できる
- Pro: 月400曲まで。ステム分離、スタイルパック、カバーアート生成、楽曲分析などが付く。価格は月$9.99・年$95.90と報道されている(公式ヘルプには価格の記載なし)
v2.5の発表に合わせて、ロスレス音源のダウンロードが全プランに開放されました(Freeは1日5回、Proは月400回)。ヘルプセンターには「HQ WAVは月10回」という古い表記も残っているため、細かい回数はアプリ内の表示で確かめてください。
商用利用の条件(プラン別)
商用利用はFreeプランでもできます。ただしFreeでは「Created in collaboration with ElevenLabs」のようなクレジット表記が必要で、SpotifyやApple Musicなどの音楽配信サービスには出せません。また、規約上ElevenLabs本体のFreeにはダウンロード枠がないため、曲をファイルとして書き出して使うならStarter以上にするか、FreeでもダウンロードできるElevenMusicアプリを使うことになります。映画・テレビ・ラジオ・スタジオ規模のゲームでの利用は、Enterprise Music以外のどのプランでも対象外です。
以下はElevenLabs本体の音楽利用規約(Music Terms)の内容です。
プラン | 使える人 | 音楽配信サービスへの配信 | 月の生成枠 | 月のダウンロード枠 | クレジット表記 |
|---|---|---|---|---|---|
Free | 個人のみ | 不可 | 11分 | 不可 | 必要 |
Starter | 個人のみ | 不可 | 17分 | 30分 | 不要 |
Creator | 個人のみ | 可 | 62分 | 250分 | 不要 |
Pro | 個人のみ | 可 | 304分 | 500分 | 不要 |
Scale | 個人か従業員10人未満の会社 | 可 | 1,100分 | 1,500分 | 不要 |
Business | 従業員50人未満の会社 | 可 | 4,800分 | 4,000分 | 不要 |
Enterprise Music Lite | 個別契約 | 可 | 個別 | 個別 | 不要 |
Enterprise Music | 個別契約 | 可(映画・TV・ラジオ・スタジオゲームも可) | 個別 | 個別 | 不要 |
※生成枠の分数は規約に書かれた画面での利用枠で、APIの料金ページにある同梱分数とは別の数字です。
アプリのElevenMusicでは条件が少し違います。v2.5発表時の公式ブログでは、ElevenMusicのFreeでもロスレス音源をダウンロードでき、ElevenMusicのクレジットを入れれば商用で使えるとされています。ElevenLabs本体とElevenMusicアプリで条件が違うので、使う製品の規約を見てください。
生成した曲の権利は利用者のものです(Music Terms 2.2)。一方で、次のルールがあります。
- プロンプトに実在のアーティスト名・作詞作曲者名・曲名・アルバム名・レーベル名や出版社名・まとまった歌詞を入れてはいけない
- ほかのアーティストの曲をもとにしたトラックはダウンロードできない。実在の歌手になりすますのも禁止
- 配信するときは、配信先のAI生成コンテンツの開示ルールに従う
- 生成した曲を音楽ライブラリとして売ることや、モデルの再販は禁止(Enterpriseの個別契約を除く)
配信先のAI表示やContent IDの動きは、YouTube MusicとAI・レーベルの動きでも扱っています。
会社で使う場合のプランの選び方
Free〜Proは「個人のみ」の条件なので、会社の広告やサービス用の曲を個人プランで作るのは規約の対象外です。会社で使うときの目安は次のとおりです。
- 従業員10人未満 → Scale以上
- 従業員50人未満 → Business以上
- 50人以上、または映画・テレビ・ラジオ・ゲームスタジオでの利用 → Enterprise Music(営業窓口に相談)
社内の多くの人が使う場合や、自社の業務システム・サービスにAPIで組み込む場合は、月額プランの比較よりも「生成回数×単価」と運用の費用で考えるほうが実態に合います。APIの費用を見積もる考え方は、生成AIのAPI利用料を削減する方法が参考になります。
Suno v6 / Udio との比較

2026年10月時点では、商用利用の条件の分かりやすさとAPIでの組み込みやすさはElevenLabs、作曲機能の幅と手軽な料金はSuno、Udioはダウンロード停止が続いていて今すぐの商用利用には使いにくい、という状況です。
以前は「ライセンスを受けたデータで学習しているのはElevenLabsだけ」と言えましたが、今は違います。Sunoは2026年9月9日のv6で、Warner Music Group・BMG・Believeのライセンスを受けたデータを使ったモデルに切り替えました(TechCrunch)。Sunoの旧モデルは退役する予定です。
機能比較
比較項目 | ElevenLabs Music v2 / v2.5 | Suno v6 | Udio |
|---|---|---|---|
最新モデル | Music v2.5(2026年9月) | v6 / v6-wild / v6-mini(2026年9月) | 未確認(ダウンロード停止中) |
1曲の最大長 | 5分 | 未確認 | 未確認 |
ジャンル切り替え | 公式の目玉機能 | 機能としての打ち出しは確認できず | 確認できず |
区間の作り直し | インペインティング | 歌詞の一語・プロンプトで部分編集 | 未確認 |
参考音源から作る | Audio Reference(約30秒まで) | テキスト・画像・動画を参照して作曲 | 未確認 |
ステム | ElevenMusic Proでステム分離、APIに分離機能あり | Proで2種、Premierで3種 | 未確認 |
日本語の歌唱 | 公式ドキュメントに日本語の記載あり | 日本語の歌詞で生成できる(公式の対応言語一覧は未確認) | 未確認 |
TTS・声のクローンとの連携 | 同じアカウントで使える | なし | なし |
開発者向けAPI | 公式API提供中($0.15/分) | 未確認 | 未確認 |
ボーカルの自然さや曲の仕上がりは好みが分かれるところで、第三者のレビューでは「音の仕上がりや作曲機能の幅はSuno」という見方が多く見られます。ElevenLabs自身も、v5時代のSunoとの比較記事で「音楽特化の機能の深さではSunoに及ばない」と書いていました。品質は実際にいくつか作って聴き比べるのが確実です。
商用ライセンス・法的リスク比較
比較項目 | ElevenLabs | Suno | Udio |
|---|---|---|---|
学習データ | 公式は「アーティスト・レーベル・出版社と協力し、商用利用向けに権利処理済み」と説明 | v6はWarner・BMG・Believeのライセンスデータで開発(報道) | UMG・Warnerと和解しライセンス契約 |
主な提携先 | Believe(v2)、Merlin・Kobalt(v1時の報道)、UMGと別途提携 | Warner(2025年11月和解)、BMG(2026年8月契約)、Believe | UMG(2025年10月)、Warner(2025年11月) |
係争中の訴訟 | 確認できず | UMG・Sonyとの訴訟が続いていると報道 | UMG・Warnerとは和解済み(そのほかは未確認) |
無料プランの商用利用 | 可(クレジット表記が条件。配信は不可、本体Freeはダウンロード枠なし) | 不可 | ダウンロード停止中 |
商用利用の制限 | 映画・TV・ラジオ・スタジオゲームはEnterprise Musicのみ | 有料プランで可。プランごとにダウンロード上限 | ダウンロード停止中 |
Sunoについては、ドイツの著作権管理団体GEMAの訴訟でミュンヘン地裁が侵害を認めた(2026年7月)、UMGとSonyがv6も対象に加えた、といった報道もあります。いずれも続報待ちの内容です。Sunoの機能や訴訟の経緯はSunoとは?料金・機能・著作権問題を解説、音楽レーベルとAI企業の訴訟の流れはソニー・ワーナーなど音楽レーベルとAIの訴訟にまとめています。
権利処理を済ませたモデルでも、できあがった曲が既存の曲に似てしまう可能性はゼロではありません。広告や配信に使う前に、似た曲がないか確かめる工程を入れておくと安心です。
料金比較(2026年10月時点)
プラン | ElevenLabs | Suno |
|---|---|---|
無料枠 | 10,000クレジット/月(音楽なら約11分。商用はクレジット表記が条件、本体Freeはダウンロード枠なし) | 50クレジット/日(v6-mini、商用不可、ダウンロードなし) |
低価格の有料プラン | Starter $6/月(配信不可)、Creator $22/月(配信可) | Pro $8/月〜(2,500クレジット、商用可、ダウンロード月20曲) |
中位プラン | Pro $99/月 | Premier $24/月〜(10,000クレジット、ダウンロード月60曲) |
従量課金(API) | $0.15/分 | 未確認 |
Udioはダウンロードの停止が続いているため、料金比較から外しました。UMGと共同で作るライセンス済みの新しいサービスは2026年中の公開とされていましたが、10月上旬の時点ではまだ公開されていません。
個人で曲をたくさん作るだけならSunoのほうが安く始められます。ElevenLabsは月額だけを比べると高めですが、TTSと同じクレジットで使えることと、APIの単価がはっきりしていることが強みです。
このほか、GoogleのLyria 3.5(Google Flow Musicで最大3分、日本語ボーカルに対応)や、Stable Audio 3.0も選択肢になります。
ElevenLabs Music v2でできないこと・制限事項
使い始めてから困らないように、主な制限を確認しておきましょう。
1. 1曲は最大5分
1回で作れるのは5分までです。長い曲が必要なら、セクションごとに作ってつなぐ作業が要ります。
2. 映画・テレビ・ラジオ・スタジオゲームはEnterprise Musicのみ
この制限は意外と見落とされやすい部分です。映像制作会社や放送局、ゲームスタジオが使う場合は、通常のプランでは足りません。
3. プロンプトに実在のアーティスト名や曲名を入れられない
「〇〇風の曲」のように実在のアーティスト名を出す指示はできません。ジャンル、テンポ、楽器、雰囲気で伝える必要があります。
4. APIの既定はv1
model_id を指定しないとv1で生成されます。v2・v2.5を使うつもりで実装したのに音が違う、というときはまずここを確認してください。
5. ステムは使えるが、本格的なミックスに足りるかは未検証
以前は「ステム出力に対応していない」が定説でしたが、今はElevenMusic Proのステム分離や、APIの separate_tracks・ステム分離のエンドポイントがあります。ただ、ボーカル・ドラム・ベースなどにどこまで細かく分けられるか、品質がDAWでの本格的なミックスに耐えるかは、公式情報では確かめられませんでした。
6. クレジットはTTSと共有
ElevenLabs本体のサブスクでは、音楽もTTSも同じクレジットを使います。音楽は1分900クレジットなので、たとえばCreatorの121,000クレジットをすべて音楽に使っても計算上は約134分です。TTSも多く使う場合は、上位プランやAPIの従量課金を検討してください。
7. Audio Referenceはジャンル変換には向かない
参考音源は音作りや雰囲気を寄せるための機能です。公式も、ジャズの曲を参考にラップを作るような使い方は安定しないと注意しています。
8. Agents Platformとの統合はまだ
ElevenLabsの音声エージェント基盤への音楽生成の統合は、公式ドキュメント上「coming soon」です。
Fine-tune機能:カスタム音楽モデルの作成
Finetuneは、自分が権利を持つ音源をアップロードして、自分専用の音楽モデルを作る機能です。作成には5〜10分ほどかかり、できたモデルはElevenCreativeで使います。ブランドの曲を同じトーンで量産したい企業や、特定ジャンルの雰囲気をそろえたいクリエイターに向いています。
- アップロードした音源はすべて著作権チェックを受ける。権利を持っていない曲は使えない
- ElevenLabsが用意した「Curated Finetunes」(Afro House Beats、Reggaeton、Mozart-Style Symphonyなど)は、対象プランならすぐ使える
- Enterpriseでは、自社が持つ音源で著作権チェックなしのFinetuneも担当者経由で相談できる
- APIでは2026年7月から作成・管理ができ、料金は1回$1.50。生成時に
finetune_idを指定する
こんな人におすすめ / おすすめしない人
ElevenLabs Music v2がおすすめな人
商用利用の条件をはっきりさせてから使いたい人
プランごとに使える人・配信の可否・使えない媒体が規約で細かく決まっているので、社内で確認しやすいのが利点です。無料プランでもクレジット表記を条件に商用利用が認められています(本体のFreeはダウンロード枠がない点に注意)。
すでにElevenLabsのTTSや声のクローンを使っている人
同じアカウント、同じクレジットで音楽も作れます。ナレーションとBGMを1か所で作れるのは便利です。ElevenLabsの音声機能はElevenLabs Voice Design v3とはで紹介しています。
自社のアプリや動画サービスに音楽生成を組み込みたい開発者
単価$0.15/分の公式APIがあり、作曲プラン、ストリーミング、Video to Musicまでそろっています。
1曲の中で曲調を変える演出を作りたい人
ジャンル切り替えを公式に打ち出しているのはElevenLabsです。
動画やゲーム、ポッドキャスト用にBGMと効果音をまとめて作りたい人
効果音を曲の中に置けるうえ、Video to Musicでは動画に合わせたBGMも作れます(スタジオ規模のゲームはEnterprise Musicが必要です)。
ElevenLabs Music v2をおすすめしない人
個人でたくさん曲を作りたく、費用を抑えたい人
曲作りだけが目的なら、Sunoの有料プランのほうが安く始められます。
曲の仕上がりや作曲機能の幅を最優先する人
第三者のレビューでは、音の仕上がりや機能の幅でSunoを推す声が多めです。両方試して聴き比べることをおすすめします。
映画・テレビ・ラジオ・ゲームスタジオの案件で、すぐに使いたい人
これらの媒体はEnterprise Music以外のプランでは対象外です。契約の手間がかかります。
会社の業務で、個人プランのまま使おうとしている人
Free〜Proは個人のみが対象です。会社で使うなら人数に応じてScale・Business・Enterpriseを選ぶ必要があります。
DAWでのステム編集を前提にした本格的な音楽制作
ステム分離の機能はありますが、分離の細かさや品質は公式情報では確かめられません。重要な案件なら事前に試してください。
用途別おすすめ早見表
用途 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
広告・ブランド動画の曲(会社として使う) | ElevenLabs(ElevenCreative) | 会社の規模ごとのプランと商用条件がはっきりしている |
自社サービスへの組み込み | ElevenLabs(ElevenAPI) | 公式APIと単価$0.15/分が公開されている |
個人の曲作り・歌もの | Suno v6 | 料金が手頃で、作曲・編集の機能が多い |
ナレーションとBGMをまとめて作る | ElevenLabs | TTSと同じアカウント・クレジットで使える |
曲調が途中で変わる演出 | ElevenLabs Music v2 / v2.5 | ジャンル切り替えが公式の目玉機能 |
動画に合わせたBGM | ElevenLabs(Video to Music API) | 動画を渡すとBGMを作り、効果音と分けて受け取れる |
映画・TV・放送・ゲームスタジオ | ElevenLabs Enterprise Music(要契約) | 通常のプランでは対象外のため |
短い日本語ボーカル曲をGoogleの環境で | Google Lyria 3.5 | Flow Musicで最大3分・日本語ボーカルに対応 |
音楽業界全体でAIがどう使われているかは、音楽・レコード業界のAI活用事例で紹介しています。
よくある質問(FAQ)
Q. Music v2とv2.5はどちらを使えばいいですか?
特別な理由がなければv2.5で問題ありません。ElevenMusicアプリではすでにv2.5が既定です。v2で作った曲と雰囲気をそろえたい場合や、APIで出力の傾向を変えたくない場合はv2を指定します。
Q. ElevenLabs Music v2は日本語の歌詞・ボーカルに対応していますか?
公式ドキュメントには、対応言語として英語・スペイン語・ドイツ語と並んで日本語が書かれています。ただし、発音や譜割りの自然さは曲調によって差が出ます。使う予定のジャンルで何曲か試してから決めるのが確実です。
Q. 生成した曲をYouTubeで収益化できますか?
YouTube動画のBGMとして使えます。規約上はElevenLabs本体のFreeでもクレジット表記を条件に商用利用できますが、本体のFreeにはダウンロード枠がありません。動画用に書き出すなら、Starter以上にするか、Freeでもロスレス音源をダウンロードできるElevenMusicアプリ(クレジット表記が条件)を使うのが現実的です。SpotifyやApple Musicなどの音楽配信サービスに曲として出すにはCreator以上が必要です。権利処理済みのモデルでも、既存の曲に似る可能性はゼロではないので、収益化する動画では念のため確認してください。
Q. 会社の広告に使う場合、どのプランが必要ですか?
Free〜Proは個人のみが対象なので、会社として使うなら、従業員10人未満はScale、50人未満はBusiness、それ以上はEnterpriseが目安です。テレビCMやラジオCMはEnterprise Musicが必要になります。
Q. APIで使うとき、1曲いくらかかりますか?
2026年10月時点の公式単価は$0.15/分なので、3分の曲で$0.45、上限の5分で$0.75です。作り直した分も課金されるため、実際は採用する曲数より多めに見積もってください。
Q. ElevenLabsのTTSを使っていれば、音楽もすぐ作れますか?
同じアカウントで使えます。クレジットはTTSと共有で、音楽は1分900クレジットを使います。TTSの利用が多い場合は、音楽でクレジットが足りなくならないか先に確認しておきましょう。
Q. UMGとの提携で、v2.5はUMGの曲で学習したのですか?
いいえ。公式は、2026年9月のUMGとの提携は「Music v2.5とは別の取り組み」と明言しています。UMGとは、ライセンス済みの曲をファンがリミックスしたりできる新しいサービスを共同で開発しているとされています。
まとめ:ElevenLabs Music v2の導入判断チェックリスト
ElevenLabs Music v2は、ジャンル切り替えや区間の作り直しで「曲の一部だけを直す」作業をしやすくした音楽生成AIです。2026年10月時点では後継のv2.5が既定になり、APIも$0.15/分で使えます。商用利用の条件が規約で細かく決まっていて、TTSと同じアカウントで使える点が、ほかのサービスとの大きな違いです。
一方で、個人の曲作りの費用や作曲機能の幅ではSuno v6が有力です。映画・テレビ・ラジオ・ゲームスタジオでの利用はEnterprise Musicに限られる点にも気をつけてください。
ElevenLabs Music v2 / v2.5が合うかのチェック
- 商用利用の条件を規約で確認したうえで使いたい
- ElevenLabsのTTSや声のクローンをすでに使っている
- 自社サービスにAPIで音楽生成を組み込みたい
- 1曲の中で曲調を変える演出や、BGMと効果音の一体制作をしたい
- 会社として使う場合に、人数に合ったプラン(Scale・Business・Enterprise)を選べる
ひとつでも当てはまるなら、まずFreeプランかElevenMusicの無料枠で、使いたいジャンルの曲を何曲か作ってみてください。
ほかの生成AIツールもあわせて比べたい方は、生成AIツールおすすめ比較をご覧ください。Spotifyなど配信サービス側のAI活用はStudio by Spotify Labsとはで紹介しています。
情報ソース
- ElevenLabs公式ブログ: Introducing Music v2
- ElevenLabs公式ブログ: ElevenLabs introduces Music v2.5
- Eleven Music 公式ドキュメント
- ElevenLabs 公式changelog
- ElevenLabs 料金ページ
- ElevenLabs API料金ページ
- ElevenLabs Music Terms
- Suno 料金ページ
- TechCrunch: Suno v6(2026年9月9日)
- TechCrunch: ElevenMusicアプリ(2026年4月2日)
- Music Business Worldwide: Music v2.5とUMG提携
- Music Business Worldwide: UMGとUdioの和解
- Billboard: ElevenLabs Launches AI Music Model, Signs Licenses With Merlin & Kobalt
依頼範囲と費用の目安を30分で整理します
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AI革命
編集部
AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。
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