Gemini 3.1 Proとは?性能・料金・使い方・GPT-5.4やClaude Opus 4.6との違いを解説

Gemini 3.1 Proは、Google DeepMindが2026年2月に発表した最新の大規模言語モデルで、抽象推論・科学推論・エージェント性能に優れた「単純な回答では不十分なタスク」向けのフラッグシップモデルです。
この記事では、Gemini 3.1 Proの基本情報から、具体的にできること、API料金、利用方法、GPT-5.4やClaude Opus 4.6との違い、そして向いている人・向いていない人まで、導入や利用を判断するために必要な情報を整理します。
この記事でわかること:
- Gemini 3.1 Proの特徴と主なスペック
- ベンチマークで見る他社モデルとの性能差
- API料金・個人向けプランの費用
- Google AI Studio・Vertex AI・Gemini CLIでの使い方
- 現時点でのPreview段階のリスクと注意点
- こんな方におすすめ/おすすめしないケース
生成AIモデルの選定を検討しているエンジニア・プロダクトマネージャー、また個人でGeminiを使いこなしたい方を想定しています。
Gemini 3.1 Proの概要 ― 何が変わったのか

Gemini 3.1 Proは、Google DeepMindが2026年2月19日に発表したGeminiシリーズの最上位モデルです。前世代のGemini 3 Proをベースに、Gemini 3 Deep Thinkで導入された高度な推論エンジンを統合しています。
項目 | 内容 |
|---|---|
正式名称 | Gemini 3.1 Pro |
開発元 | Google DeepMind |
発表日 | 2026年2月19日 |
リリース状態 | Preview(2026年4月時点、GA未到達) |
APIモデルID |
|
コンテキストウィンドウ | 約100万トークン |
最大出力 | 約65,000トークン |
Geminiシリーズでは従来「.5」が中間アップデートの慣例でしたが、今回初めて「.1」というナンバリングが採用されました。Googleは公式に「コア推論のステップアップ」と位置づけており、推論性能はGemini 3 Proから2倍以上向上したとしています。
なお、2026年3月9日をもってGemini 3 Pro Previewは廃止されています。新規・既存プロジェクトとも gemini-3.1-pro-preview への移行が必要です。
Gemini 3.1 Proでできること
Gemini 3.1 Proは「回答を返すだけでは不十分なタスク」に焦点を当てて設計されています。具体的には、以下のような用途で強みを発揮します。
高度な推論とSystem 2思考
回答を出す前に「手順に矛盾はないか」「論理が飛躍していないか」を検証するSystem 2思考を搭載しています。思考の深さはLow / Medium / Highの3段階で制御でき、品質とコスト・速度のバランスを調整可能です。
マルチモーダル入力
テキストだけでなく、以下の入力に対応しています。
- 画像: 1プロンプトあたり最大900枚
- 音声: 最大8.4時間
- 動画: 最大1時間
- PDF: 最大900ページ
- コードリポジトリ全体
契約書の分析、研究論文20本以上の同時処理、動画の内容要約など、大量のデータを一度に読み込んで処理するタスクに適しています。
エージェント性能
ツールの使用と複数ステップのタスク実行に最適化されています。APIモデルIDにはエージェント用の gemini-3.1-pro-preview-customtools も用意されており、外部ツール連携を前提としたワークフロー構築に対応します。
コーディング支援
SWE-Bench Verifiedで約80.6%のスコアを記録し、Claude Opus 4.6(80.8%)やGPT-5.4と同等水準の性能です。コードリポジトリ全体をコンテキストに入れた分析や、SVGアニメーション生成などの実用的なコーディングに使えます。
できないこと・制約
一方で、以下の点には注意が必要です。
- 出力はテキストのみ: 画像・音声・動画を直接生成する機能はない
- 無料枠なし: API利用にはすべて課金が必要(Gemini 3.1 Flash Liteには無料枠あり)
- 200Kトークン超で料金が倍増: コンテキストが200Kトークンを超えると入出力ともに約2倍の料金になる
- GA未到達: 2026年4月時点でPreview段階。プロダクション環境への本番投入には注意が必要
ベンチマークで見るGemini 3.1 Proの実力

Gemini 3.1 Proは、公式発表値で18ベンチマーク中12項目で1位を記録しています。主要なベンチマークを整理します。
ベンチマーク | 測定内容 | Gemini 3.1 Pro | Claude Opus 4.6 | GPT-5.4 |
|---|---|---|---|---|
ARC-AGI-2 | 抽象推論 | 77.1% | 75.2% | 73.3% |
GPQA Diamond | 科学推論 | 94.3% | 91.3% | 92.8% |
SWE-Bench Verified | コーディング | 約80.6% | 80.8% | 約80.6% |
BrowseComp | エージェント | 85.9% | — | — |
ポイント:
- 抽象推論(ARC-AGI-2)と科学推論(GPQA Diamond)ではGemini 3.1 Proがトップ
- コーディング(SWE-Bench)では3モデルがほぼ横並び。Opus 4.6が僅差でリード
- Gemini 3 Proからの推論性能向上はARC-AGI-2で2倍以上と大幅
ただし、ベンチマークは特定の条件下での測定結果です。実務での体感は、タスクの種類や使い方によって異なる点に留意してください。
Gemini 3.1 Proの料金
Gemini 3.1 Proの料金体系は、API利用(開発者・企業向け)と個人向けサブスクリプションの2つに大別されます。
API料金(Google AI Studio / Vertex AI)
項目 | 200Kトークン以下 | 200Kトークン超 |
|---|---|---|
入力 | $2.00 / 1Mトークン | $4.00 / 1Mトークン |
出力 | $12.00 / 1Mトークン | $18.00 / 1Mトークン |
キャッシュ入力 | $0.20 / 1Mトークン | $0.40 / 1Mトークン |
キャッシュストレージ | $4.50 / 1Mトークン/時 | 同左 |
バッチAPIを利用すると上記から50%割引されます。料金はGemini 3 Proと同額で、性能向上による値上げはありません。
200Kトークン超の料金倍増に注意: コンテキストが200Kトークンを超えると入出力ともに約2倍の料金が適用されます。100万トークンのフルコンテキストを使うケース(大量の論文分析やリポジトリ全体の読み込み等)では、コストを事前に見積もることをおすすめします。
他モデルとの料金比較
モデル | 入力(/1Mトークン) | 出力(/1Mトークン) | 特徴 |
|---|---|---|---|
Gemini 3.1 Pro | $2.00 | $12.00 | 最高性能・推論特化 |
Claude Opus 4.6 | 約$14.00(推定) | — | コーディング僅差リード |
Gemini 3.1 Flash Lite | $0.25 | $1.50 | 超低コスト・大量処理向き |
Gemini 2.5 Flash | $0.30 | $2.50 | バランス型・GA済み |
Gemini 3.1 ProのAPI入力料金はClaude Opus 4.6の約1/7です。フラッグシップモデル同士の比較では、コストパフォーマンスの面でGemini 3.1 Proが大きく優位と言えます。
個人向けサブスクリプション(Geminiアプリ経由)
プラン | 月額 | Gemini 3.1 Proアクセス |
|---|---|---|
Google AI Pro | 約$19.99(約3,000円) | 利用可能(上限あり) |
Google AI Ultra | $249.99(日本では約36,400円) | 利用可能(より高い上限) |
AI Ultraには30TBのストレージやYouTube Premiumなどが付属します。新規ユーザーは最初の3か月間50%オフ(約18,000円/月)で利用できます。
個人で試すだけならAI Proプランで十分です。大量の長文処理やエージェント構築を日常的に行うなら、APIの従量課金の方がコストをコントロールしやすいでしょう。
Gemini 3.1 Proの使い方

Gemini 3.1 Proは複数のプラットフォームで利用できます。主な利用方法を紹介します。
Geminiアプリ(一般ユーザー向け)
もっとも手軽な方法です。gemini.google.comにアクセスし、Google AI ProまたはUltraプランに加入すれば、ブラウザ上でGemini 3.1 Proを選択して利用できます。
Google AI Studio(開発者向け・無料で試せる)
Google AI Studioでは、APIキーを発行してGemini 3.1 Proを試せます。プロンプトのテスト、パラメータの調整、思考レベル(Low/Medium/High)の切り替えなどが手軽にできます。
Vertex AI(企業・本番環境向け)
Google Cloudのマネージドサービスです。エンタープライズ向けのセキュリティ、アクセス制御、SLA、データ管理が必要な場合はVertex AIが適しています。
Gemini CLI(ターミナル操作向け)
コマンドラインからGemini 3.1 Proを使えるCLIツールです。開発ワークフローに統合する際に便利です。
GitHub Copilot(パブリックプレビュー)
2026年2月19日から、GitHub CopilotでもGemini 3.1 Proをバックエンドモデルとして選択可能になっています(パブリックプレビュー段階)。
その他の提供先
- Android Studio(モバイル開発)
- NotebookLM(Pro/Ultraユーザー限定)
- Google Antigravity
- Gemini Enterprise(法人向け)
GPT-5.4・Claude Opus 4.6との違い

Gemini 3.1 Proを検討するなら、同世代のフラッグシップモデルであるGPT-5.4やClaude Opus 4.6との違いを押さえておくことが重要です。
3社フラッグシップ比較表
比較項目 | Gemini 3.1 Pro | Claude Opus 4.6 | GPT-5.4 |
|---|---|---|---|
開発元 | Google DeepMind | Anthropic | OpenAI |
抽象推論(ARC-AGI-2) | 77.1% | 75.2% | 73.3% |
科学推論(GPQA Diamond) | 94.3% | 91.3% | 92.8% |
コーディング(SWE-Bench) | 約80.6% | 80.8% | 約80.6% |
コンテキストウィンドウ | 100万トークン | 100万トークン | 100万トークン |
API入力料金(/1M) | $2.00 | 約$14.00 | 未確認 |
PC操作(Computer Use) | 非対応 | 対応 | 対応 |
リリース状態 | Preview | GA | GA |
使い分けの目安
Gemini 3.1 Proが向くケース:
- API料金を抑えつつ高性能な推論が必要な場面
- 100万トークンの長文コンテキストをフル活用したい場合
- Google Cloudのエコシステム内で統合したい場合
- マルチモーダル入力(動画・音声・大量画像)を活用する場合
Claude Opus 4.6が向くケース:
- コーディングタスクの精度を最優先したい場合
- Computer Use(PC操作の自動化)が必要な場合
- GA済みモデルを本番環境で安定運用したい場合
GPT-5.4が向くケース:
- PC操作の自動化(OSWorld 75%)を活用したい場合
- OpenAIのエコシステム(ChatGPT、API)に統合されている場合
- GA済みモデルで安定稼働を求める場合
現時点では「どれか1つが全領域で勝つ」という状況ではありません。用途とコスト感に応じて使い分けるのが実務的な選択です。
セキュリティとデータプライバシー
Gemini 3.1 Proを業務で使う場合、データの取り扱いを確認しておく必要があります。
個人向け(無料版・AIプラン)
- ユーザー入力がAI学習データとして利用される可能性がある
- オプトアウト設定で学習利用を除外可能
- ただし、会話データは最大72時間Googleサーバーに保存される
- アクティビティの自動削除はデフォルト18か月(設定変更可)
法人向け(Gemini Enterprise / Vertex AI)
- ユーザー入力データはAI学習に利用されない
- Google Workspaceのアクセス制御・認証と統合可能
- エンタープライズ向けのセキュリティ基準を満たした運用が可能
安全性評価
Google DeepMindの公式発表によると、開発段階の自動評価ではGemini 3 Proと比較して全般的に安全性が向上しています。児童安全性評価で「required launch thresholds」を満たし、人間によるレッドティーミングも実施済みです。
機密情報や個人データを扱う業務での利用には、Vertex AIまたはGemini Enterpriseの利用が推奨されます。 個人向けプランは学習利用の可能性がある点に注意してください。
Preview段階のリスクと注意点
2026年4月時点で、Gemini 3.1 ProはまだPreview段階です。Googleは「エージェントワークフローの改善完了後、まもなくGAにする」と表明していますが、具体的な日程は未発表です。
Preview段階で考慮すべき点は以下のとおりです。
- SLAの適用外: Previewモデルには本番環境向けのSLAが保証されない場合がある
- 仕様変更の可能性: GA前にモデルの挙動や制限が変更される可能性がある
- GA時の料金変更: Preview料金がGA後も維持されるかは公式に明言されていない
プロトタイプ開発やPoCには十分活用できますが、本番サービスへの組み込みにはGA後の安定版を待つ方が安全です。急ぎでない場合は、GA済みのGemini 2.5 Flashを一時的に採用し、GA後にGemini 3.1 Proへ移行する方法も検討してください。
Geminiシリーズ内の位置づけ
Gemini 3.1 Proは、Geminiモデルファミリーの中でどの位置にあるのかも整理しておきます。
モデル | 特徴 | 主な用途 | 入力料金(/1M) |
|---|---|---|---|
Gemini 3.1 Pro | 最高性能の推論モデル | 複雑なタスク、エージェント、長文分析 | $2.00 |
Gemini 3.1 Deep Think | 極限の熟考モード | 科学・数学の極めて難解な問題 | — |
Gemini 3.1 Flash Lite | 超低コスト・高速 | 大量処理、コスト重視の用途 | $0.25 |
Gemini 2.5 Flash | バランス型(GA済み) | 一般的なタスク、本番環境 | $0.30 |
コスト重視ならFlash Lite、本番安定性ならGemini 2.5 Flash、最高性能が必要ならGemini 3.1 Proと使い分けるのが基本的な考え方です。
こんな方におすすめ
Gemini 3.1 Proが向いている方:
- API料金を抑えつつ、フラッグシップ級の推論性能を使いたい開発者
- 100万トークンのコンテキストで長文ドキュメント・コードベースを分析したい方
- Google Cloud / Vertex AIを利用中で、エコシステム内に統合したい企業
- マルチモーダル入力(動画・音声・大量画像・PDF)を日常的に扱う方
- エージェント型ワークフローを構築したい方
おすすめしない方:
- 本番環境で安定したGA済みモデルが必要な方(現時点ではPreview段階のため)
- PC操作の自動化(Computer Use)が必要な方(Gemini 3.1 Proは非対応)
- 画像・動画の生成が目的の方(テキスト出力のみ)
- 無料でAPI利用したい方(Gemini 3.1 Proには無料枠がない。Flash Liteには無料枠あり)
- 日本語での高精度な利用を最重視する方(日本語ベンチマークは公式に公表されていない)
よくある質問(FAQ)
Q1. Gemini 3.1 ProとGemini 3 Proの違いは?
Gemini 3.1 Proは、Gemini 3 Proの推論エンジンを大幅に強化したモデルです。ARC-AGI-2ベンチマークでは2倍以上のスコア向上が確認されています。料金はGemini 3 Proと同額のまま据え置きです。なお、Gemini 3 Pro Previewは2026年3月に廃止されたため、現在は3.1 Proへの移行が必要です。
Q2. Gemini 3.1 Proは無料で使えますか?
API利用には無料枠がありません。個人利用の場合はGoogle AI Proプラン(約$19.99/月)に加入すれば、Geminiアプリ経由で利用できます。Google AI Studioではアカウント登録のみでテスト利用が可能です。
Q3. 日本語の対応状況は?
Gemini 3.1 Proは日本語での入出力に対応しています。ただし、公式が公表しているベンチマークは英語ベースのものがほとんどで、日本語特化の性能評価は現時点で公開されていません。
Q4. いつGA(一般提供)になりますか?
Googleは「エージェントワークフローの改善が完了次第、まもなくGA化する」と表明していますが、2026年4月時点で具体的な日程は未発表です。
Q5. Gemini 3.1 Proを試すのに最も手軽な方法は?
Google AI Studio(aistudio.google.com)がおすすめです。Googleアカウントがあればすぐにアクセスでき、APIキーの発行やプロンプトのテストが無料でできます。
Q6. 入力が200Kトークンを超えた場合のコストはどうなりますか?
入力・出力ともに約2倍の料金が適用されます。たとえば入力料金は$2.00から$4.00/1Mトークンに、出力料金は$12.00から$18.00/1Mトークンになります。長文コンテキストを活用する場合は、コンテキストキャッシュ(入力$0.20/1M)の活用も検討してください。
まとめ
Gemini 3.1 Proは、Google DeepMindが現時点で提供する最高性能の推論モデルです。抽象推論や科学推論では他社フラッグシップを上回りつつ、API料金はClaude Opus 4.6の約1/7と、コストパフォーマンスで際立っています。
一方で、2026年4月時点ではPreview段階であり、GA済みモデルと比べると本番環境への投入にはリスクが伴います。プロトタイプ開発やPoCには十分に活用しつつ、GA発表を注視するのが現時点での実務的な判断でしょう。
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この記事の著者

AI革命
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