Recursive Superintelligenceとは?Richard Socher・$650M調達・自己改善AIの全容【2026年5月】

この記事のポイント
Recursive Superintelligenceは2025年12月創業の英国AIスタートアップ。GV・Nvidia・AMDが出資した$650M調達の背景、自己改善AI(RSI)の技術概念、Richard Socher率いる創業者チームの経歴、ロードマップを徹底解説します。
Recursive Superintelligenceは、2025年12月にロンドンで設立されたAI研究スタートアップで、「AIが自分自身を改善しながら超知能へと到達する最速の経路を実現する」ことをミッションに掲げています。2026年5月13日にステルスから公式浮上し、Nvidia・Google Ventures(GV)・AMD Venturesなどから総額6億5,000万ドル(約950億円)の資金調達を発表して世界的な注目を集めました。
この記事では、Recursiveが何をしようとしているのか、創業者たちの実績、$650Mに至る資金調達の経緯、「再帰的自己改善(RSI)」という技術概念の意味、そして「今すぐ使えるサービスはあるのか」という実務的な疑問まで整理します。AIスタートアップの動向を追う研究者・エンジニア・投資家・AIビジネス担当者の方に向けた内容です。
Recursive Superintelligenceとは — 基本情報まとめ

出典: Recursive Superintelligence 公式サイト
現時点での結論: 一般ユーザーが使えるサービス・APIは存在しない。2026年中旬に最初の「Level 1」システムの公開が予定されている研究段階のスタートアップです。
項目 | 内容 |
|---|---|
正式名称 | Recursive Superintelligence Inc.(通称 "Recursive") |
設立 | 2025年12月 |
本社 | ロンドン(英国)/サンフランシスコ(米国) |
CEO・共同創業者 | Richard Socher(元Salesforce最高科学責任者) |
資金調達額 | $650M(約950億円) |
評価額 | $4.65B(約6,800億円) |
主な投資家 | GV(Google Ventures)、Nvidia、AMD Ventures、Greycroft |
ステルス解除 | 2026年5月13日 |
従業員数 | 約25〜30名(2026年5月時点) |
公式サイト | |
公開製品 | なし(2026年中旬にLevel 1システム公開予定) |
公式ミッション(recursive.com より):
「再帰的自己改善によって超知能への最速の経路を実現する。まずAI科学の改善から始め、その後あらゆる科学分野に拡張する」
Recursiveは「AIがAI研究全体を自動化することで、人間の関与なしに知能を高め続けるシステム」の開発を目指す研究ラボ兼スタートアップです。
Richard Socher率いる創業者チームの経歴
Recursiveの最大の武器は、その創業者陣です。AIの各専門領域で世界トップクラスの研究者・起業家8名が集結しています。

出典: You.com 公式サイト
Richard Socher(CEO)
You.com(AI検索エンジン)の創業者兼CEO、およびSalesforceの元最高科学責任者(Chief Scientist)。スタンフォード大学でPhDを取得し、NLP(自然言語処理)の第一人者として知られます。2015年にAI研究ラボ「MetaMind」を創業し、2016年にSalesforceが買収。その後プロンプトエンジニアリングという概念の先駆的研究に携わり、現代のLLM活用基盤を形成した人物でもあります。You.comではAIを中核にした次世代検索を構築し、同社CEO在任中にRecursiveの立ち上げを並行して推進しました。
Tim Rocktäschel(共同創業者)
ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(UCL)AI学教授。Google DeepMindの「Open-Endedness」研究グループのディレクターを2021〜2025年まで務めました。ICML 2024でBest Paper Awardを受賞した「Genie」モデルの共著者でもあり、生物進化や文化的進化にヒントを得た開放型AIアルゴリズムの第一人者です。Recursiveの技術的核心であるOpen-Endednessアプローチに最も直接的に関わる人物です。
Jeff Clune(共同創業者)
進化アルゴリズムと開放型AIアーキテクチャの世界的権威。Sakana AIで「Darwin Gödel Machine」プロジェクトを率いた研究者で、AIエージェントが自らのコードを書き換えるシステムの実装に取り組んできました。Recursiveの自己改善コーディングエージェントの設計思想を担います。
Josh Tobin(共同創業者)
OpenAIのロボット工学責任者を務めた後、ML運用プラットフォーム「Gantry」を共同創業。実際の製品開発・運用経験を持つ数少ない創業メンバーの一人です。
Tim Shi(共同創業者)
企業向けAIプラットフォーム「Cresta」の共同創業者。コンタクトセンター向けリアルタイムAIの商業化経験を持ち、Recursiveの将来的な製品化フェーズを担うポジションとみられます。
Alexey Dosovitskiy(共同創業者)
Google BrainでVision Transformer(ViT)の論文を共著した研究者。ViTは現在の画像認識・マルチモーダルAIモデルの基盤となった技術で、GPT-4VやGeminiの視覚処理にも影響を与えています。
Yuandong Tian(共同創業者)
Meta FAIR(基礎AI研究部門)のディレクター。囲碁AI「DarkForest Go」プロジェクトの主導者でもあり、強化学習とゲームAI研究の深い知見を持ちます。
Caiming Xiong(共同創業者)
Salesforce AIリサーチで長年にわたりNLP・LLM研究をリードしてきた研究者。Richard Socherと旧Salesforce時代からの共同研究実績を持ちます。
顧問:
- Peter Norvig — 「AI: A Modern Approach」共著者、Google元研究部門ディレクター。AI教科書の著者として世界中のAI教育に影響を与えた人物が顧問についている点は、Recursiveの研究文化の方向性を示しています。
共同創業者 | 主な専門領域 | 前職・代表実績 |
|---|---|---|
Richard Socher | NLP・プロンプトエンジニアリング | You.com創業者、Salesforce Chief Scientist |
Tim Rocktäschel | Open-Endedness・進化型AI | UCL教授、Google DeepMind、ICML 2024 Best Paper |
Jeff Clune | 進化アルゴリズム・自己改善AI | Sakana AI、Darwin Gödel Machine |
Josh Tobin | ロボット工学・ML運用 | OpenAI ロボット工学責任者、Gantry共同創業者 |
Tim Shi | 企業向けAI製品化 | Cresta共同創業者 |
Alexey Dosovitskiy | コンピュータビジョン | Vision Transformer(ViT)共著者、Google Brain |
Yuandong Tian | 強化学習・ゲームAI | Meta FAIR ディレクター、DarkForest Go |
Caiming Xiong | NLP・LLM研究 | Salesforce AIリサーチ |
$650M調達の全容 — Nvidia・GV・AMDが同時出資した理由

出典: NVIDIA 公式サイト
2回の報道をめぐる混乱の整理
Recursiveの資金調達をめぐっては、2つの異なる数字が報じられ混乱が生じました。
タイミング | 報道 / 発表主体 | 金額 | 評価額 | 投資家 |
|---|---|---|---|---|
2026年4月17日 | Financial Times(ステルス中に取材) | $500M | $4B | GV、Nvidia |
2026年5月13日 | Recursive公式発表(ステルス解除) | $650M(確定) | $4.65B | GV、Nvidia、AMD Ventures、Greycroft |
FTが4月17日時点で「最大$1Bまで拡大可能なオーバーサブスクライブ状態」と報じていたラウンドが、最終的に$650Mで確定したものです。同一ラウンドの増額確定と見るのが自然です。
Nvidia・AMDが同じラウンドに出資した意味
RSI(再帰的自己改善)の実現には、従来比で桁違いの計算資源が必要です。NvidiaとAMD——競合する半導体大手2社が同じ投資ラウンドに参加したという事実は、「RSI研究が本格化すれば、GPU・AI加速器の需要が爆発的に増大する」という両社の共通認識を示しています。
GV(Google Ventures)の参加については、GV公式ブログで「再帰的自己改善は真の超知能実現への最も直接的な経路の一つ」と明言しており、Alphabetとして長期的な技術投資として位置づけているとみられます。
創業からわずか4〜5ヶ月でこの規模の調達を実現した背景には、創業者チームへの圧倒的な信頼と、RSIという研究テーマへの業界的な期待感があります。
再帰的自己改善(RSI)とは何か — AGI・超知能との違い

AIの文脈で頻繁に登場する3つの概念を整理します。
用語の定義
概念 | 定義 | 現在の実現状況 |
|---|---|---|
AGI(汎用人工知能) | 人間が行うあらゆる知的作業をこなせる汎用AI | 未実現(研究・議論段階) |
RSI(再帰的自己改善) | AIが自律的に自身の学習・訓練・設計プロセスを改善し続ける能力 | 境界的な萌芽あり、「有意義なRSI」は未実現 |
超知能(Superintelligence) | あらゆる領域で人間を凌駕する知能を持つAI | 未実現 |
RSIの概念自体は、数学者I.J. Goodが1965年に定式化した古い概念です。「人間レベルのAI研究ができるシステムが、より優れたバージョンの自分自身を設計し、そのシステムがさらに優れたバージョンを設計する——という正のフィードバックループ」が理論上成立する、という考え方です。
Recursiveの主張は「RSIこそがAGIから超知能へのギャップを埋める加速手段であり、その最短経路を自分たちが走る」というものです。
「有意義なRSI」はまだ達成されていない
業界全体の現状認識として、Googleの最高経営責任者スンダー・ピチャイが2026年5月のインタビューで「有意義なRSIはまだ達成していない(We haven't achieved meaningful RSI yet)」と発言しています。TechCrunch(2026年5月28日)が「RSI is the new AGI」と報じたように、RSIというキーワード自体が業界の新たな議論軸になっているものの、その実現がいつ、どの形で訪れるかはまだ明確ではありません。
Recursiveは研究上の優位性を持つチームを集めていますが、「RSIを達成した」という段階には至っておらず、現在はそこへ向けた基礎研究・システム構築フェーズにあります。
Recursiveの技術アプローチ — 5プロセス自動化とRainbow Teaming

出典: Sakana AI 公式サイト
自動化を目指す5つのプロセス
Recursiveのコア構想は、AI研究全体を5つのプロセスに分解し、それぞれを人間の介入なしに自律的に回せる「閉ループシステム」を実現することです。
プロセス | 意味 | 現在の人間の役割 |
|---|---|---|
Evaluation(評価) | モデルの性能・弱点を測定する | 人間がベンチマークを設計・実施 |
Data Selection(データ選択) | 訓練に使うデータを選ぶ | 人間がデータセットを手動整備 |
Training(訓練) | モデルを学習させる | 人間がハイパーパラメータを設定 |
Post-Training(後処理) | RLHF・指示チューニング等の後工程 | 人間が報酬モデルを設計・管理 |
Research Direction(研究方向) | 次に何を研究するか決める | 人間(研究者)が判断 |
現状では5プロセスすべてに人間が深く関与しています。Recursiveはこれを段階的にAI自身が担えるようにすることで、自己改善ループを閉じることを目指しています。
Rainbow Teaming(レインボーティーミング)
Recursiveが安全性強化に用いる独自アプローチです。2つのAIモデルが「攻撃役(レッドチーム)」と「防御役」に分かれ、互いを攻撃・検証し合いながら共進化させる手法です。攻撃側が多角的な攻撃ベクトルを自動生成することで、従来の人間による安全テストでは見つけられなかった脆弱性を発見できます。
「Rainbow」という名称は、単一のリスクではなく多様な(虹色の)攻撃パターンを網羅することに由来します。
Quality-Diversity(品質多様性)アルゴリズム
Tim Rocktäschel・Jeff Cluneが専門とする分野です。「1つの最適解を追うのではなく、多様な解の集合を維持しながら全体の品質を高める」という進化的アプローチで、AIが新しい課題や環境にも適応できる柔軟性を保ちます。生物進化における多様性が環境変化への耐性を生むのと同じ原理です。
自己改善コーディングエージェント
初期フォーカス領域として、AIが自分自身のコードを書き換え・改善するエージェントの研究を進めています。これは「Level 1」システムの公開前から内部的に取り組まれている領域とみられます。AIエージェントとはなにかについての基礎知識は別記事で詳しく解説しています。
競合スタートアップとの比較
Recursiveと同時期に語られることが多い新興スタートアップを整理します。
企業名 | 国 | 焦点領域 | 資金調達額 | 公開製品 |
|---|---|---|---|---|
Recursive Superintelligence | 英国 | AI自己改善・研究自動化 | $650M | なし(2026年中旬予定) |
Ineffable | 英国 | 基盤モデル研究 | $1.1B | 非公開 |
Project Prometheus | 米国 | 物理AI(ロボット・製造) | $100B目標(調達中) | 非公開 |
NeoCognition | 米国 | 自己学習エージェント | $40M | 限定公開 |
Sakana AI | 日本 | 進化型・自然インスパイアードAI | 非公開 | 一部公開済み |
差別化のポイント:
- Recursiveは「AIが自分自身のAI研究プロセスを自動化する」という、研究基盤そのものの自動化を目指している点でユニーク
- Ineffable・Ineffable系は大規模言語モデルの基盤研究が中心で、研究の自律化よりモデル性能そのものに焦点
- Sakana AIは進化的アプローチという点でのみ近接するが、「超知能への最短経路」という主張の強さは異なる
OpenAI・Anthropic・Google DeepMindといったフロンティアラボとの比較では、RecursiveはLLMのエンドユーザー製品を作るのではなく、「AI研究そのものを加速するシステム」を開発している点で競合ではなく、むしろインフラ層で差別化を図っています。ClaudeやChatGPTのようなエンドユーザー向けサービスをすぐに競合するものは出てこないと見るのが現実的です。
ロードマップ — いつ、何が使えるようになるか
現時点で公式に確認できる情報のみ整理します。
時期 | マイルストーン | 確認状況 |
|---|---|---|
2025年12月 | Recursive Superintelligence Inc. 設立 | ✅ 確認済み |
2026年4月17日 | Financial Timesがステルス中のラウンドを$500Mと報道 | ✅ 確認済み |
2026年5月13日 | ステルス解除、$650M・$4.65B評価額を公式発表 | ✅ 確認済み |
2026年中旬 | 「Level 1」自律型訓練システムの公開 | ⏳ 予定(具体日程は未発表) |
それ以降 | BtoB向けAPI・サービス提供 | ❓ 未発表・未確認 |
長期 | AIがAI科学全体を自動化する段階 | ❓ 数年単位の取り組み |
「Level 1」システムについて:公式発表では「2026年中旬に自律型訓練システムをリリースする」とされていますが、具体的な公開日・提供形態(研究者向け限定か、一般API提供かなど)は現時点で発表されていません。Level 1という命名は、段階的なロードマップを想定していることを示唆しています。
「今すぐ使えるか」という問いへの明確な回答:
- 一般ユーザーが試せるデモ・プロダクト: 現時点でなし
- APIへのアクセス: 現時点でなし
- 研究者向けコラボレーション: talent@recursive.com で問い合わせ可能
- 採用・インターン: 公式サイトで随時公開
リスクと懸念点 — 業界の慎重論
Recursiveに注目が集まる一方、業界内外からはいくつかの懸念が指摘されています。
RSI実現の困難さ
「有意義なRSI」はまだ達成されていない——これはRecursiveの競合やパートナーに当たる企業の首脳も認めていることです。AI研究ワークフローの一部自動化は既に進んでいますが、自律的な「研究方向の決定」まで含む完全な閉ループを実現するには、現時点で解決されていない技術的課題が多数残っています。
成果の検証可能性
現時点でRecursiveは科学的成果・ベンチマーク結果の公式発表を行っていません。研究ラボとして設立されて半年程度のため理解できる状況ですが、将来の進捗評価において透明性をどう担保するかは注目点です。
自己改善AIが持つ本質的なリスク
「AIが自らを改善し続ける」というコンセプト自体に、AI安全性(AIアライメント)の観点から根本的な懸念があります。自己改善プロセスが加速するほど、人間が修正・監視できる窓が狭まる可能性があります。Recursiveは「安全性を最優先」と明言し、Rainbow Teamingを活用した安全強化を研究していますが、外部機関による独立した安全評価の公表はまだありません。
評価額の妥当性
設立5ヶ月で$4.65B評価は異例の速さです。創業者の実績と研究テーマへの期待値が主な根拠であり、具体的な収益・製品を根拠とした評価ではありません。スタートアップ投資特有の期待先行型の側面があることは認識しておく必要があります。
こんな人におすすめ / おすすめしない人
Recursiveの動向を追う価値がある人
- AIスタートアップ・研究動向を追うエンジニア・研究者: RSI・Open-Endedness・Quality-Diversityアルゴリズムは今後のAI研究の主要テーマになりえます。Tim Rocktäschel・Jeff Cluneの論文を追っている人には直接関連します
- AI分野への投資・スカウトを行うVC・事業開発担当者: 資金調達の速度・投資家の顔ぶれ・チームの質は業界標準を大きく上回っており、追跡する価値があります
- AI倫理・AI安全性の研究者: 自己改善AIが現実に動き始めたとき、どのようなガバナンスが必要かを考える上で重要なケーススタディです
- 生成AI活用を深く追う法人担当者: 2026〜2027年以降にLevel 1以降のシステムが公開された場合の早期活用を検討するため、今から動向を把握しておく意味があります
現時点では関係が薄い人
- すぐに使えるAIツールを探している方: 現時点でユーザーが触れるプロダクトは一切ありません。ChatGPT・Claude・Geminiなどすでに使えるツールを生成AIツール比較で確認してください
- 実務での即時導入を検討している企業担当者: API・SaaS提供の時期・価格は未発表です。Level 1公開後も、当初は研究者向けのリリースになる可能性が高い
- 技術的な裏付けなしに意思決定できない判断者: 現時点でベンチマーク・論文・デモの公開がないため、具体的な性能評価は不可能です
よくある質問(FAQ)
Q. Recursive Superintelligenceはいつから使えますか?
公式には「2026年中旬にLevel 1システムを公開予定」としていますが、具体的な日時・提供形態(一般公開かβ限定か)は2026年6月時点で未発表です。公式サイト(recursive.com)のニュースレター登録で最新情報を取得するのが確実です。
Q. Richard Socherとはどういう人物ですか?
スタンフォード大学でNLP(自然言語処理)のPhDを取得し、2015年にAI研究ラボMetaMindを設立。2016年にSalesforceに買収され、以後Salesforceの最高科学責任者(Chief Scientist)を務めました。AI検索エンジンYou.comを創業し、近年まで同社CEOを務めていました。プロンプトエンジニアリングの先駆的研究でも知られ、現代のLLM活用技術の形成に貢献した人物です。
Q. NvidiaとAMDが両方出資しているのはなぜ異例なのですか?
NvidiaとAMDは半導体・GPU市場で直接競合する企業です。通常、競合他社が同一スタートアップに同じラウンドで出資することはほぼありません。両社が同時に参加した背景には、RSI研究の本格化によってAIチップ・計算資源への需要が爆発的に増大するという共通の見立てがあるとみられます。
Q. 再帰的自己改善(RSI)はAGIと違うのですか?
異なります。AGIは「人間が行えるあらゆる知的作業をこなせる汎用AI」の実現を指します。RSIは「AIが自らのAI研究・訓練プロセスを自律的に改善し続ける能力」を意味します。RSIはAGIから超知能への移行を加速する「手段」として位置づけられており、AGIの定義そのものとは別の概念です。
Q. Recursive Superintelligenceは日本語対応していますか?
現時点でユーザー向けサービスが存在しないため、日本語対応の有無は未確認・未発表です。将来的なサービス化においても、日本市場向けの対応計画は公表されていません。
Q. Rainbow Teamingという技術は新しいのですか?
「レッドチーミング(AIの攻撃的テスト)」自体はAI安全性研究で使われてきた手法ですが、Recursiveが取り組む「2つのAIが互いを攻撃・検証しながら自動共進化する」形式のRainbow Teamingは、自動化・多角化という点でより高度なアプローチです。学術的な先行研究はありますが、実用システムとしての実装はまだ研究段階にあります。
まとめ
Recursive Superintelligenceは、2025年12月創業・2026年5月ステルス解除という若いスタートアップながら、Richard Socherを筆頭にAI研究の最前線で実績を積んだ8名の共同創業者と、$650M・$4.65B評価という業界を驚かせる規模の資金調達で一気に注目を集めました。
研究の核心にある「再帰的自己改善(RSI)」は、AIが人間の介入なしに自分自身の研究・訓練プロセスを改善し続けるという、AGI・超知能への最短経路として注目される概念です。一方、「有意義なRSI」の実現はまだ誰も成し遂げておらず、現時点ではRecursiveも研究・システム構築フェーズにあります。
2026年中旬のLevel 1システム公開が、同社の技術的実力を初めて外部から評価できるタイミングになります。今すぐ使えるサービスを探している方には該当しませんが、AI研究・AIビジネスの動向を追う方にとって、この1〜2年で最も注目すべきスタートアップの一つです。
AIエージェントや生成AIの最新動向をより広く理解したい方は、AIエージェントとはや生成AIツールおすすめ比較もあわせてご覧ください。
この記事の著者

AI革命
編集部
AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。
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